この世界の片隅に(2016)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。2ページ目

Menu
 > 映画作品情報
 > 映画作品情報 コ行
 > この世界の片隅に(2016)の口コミ・評価
 > この世界の片隅に(2016)の口コミ・評価 2ページ目
 > (レビュー・クチコミ)

この世界の片隅に(2016)

[コノセカイノカタスミニ]
In This Corner of the World
2016年上映時間:129分
平均点:8.20 / 10(Review 151人) (点数分布表示)
公開開始日(2016-11-12)
公開終了日(2017-09-15)
ドラマコメディ戦争ものアニメ漫画の映画化
新規登録(2016-10-20)【ユーカラ】さん
タイトル情報更新(2024-01-27)【Cinecdocke】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督片渕須直
演出新谷真弓(広島弁監修)
のん北條すず
細谷佳正北條周作
小野大輔水原哲
潘めぐみ浦野すみ
牛山茂北條円太郎
新谷真弓北條サン
小山剛志浦野十郎
京田尚子森田イト
佐々木望小林の伯父
塩田朋子小林の伯母
三宅健太ばけもん
喜安浩平
原作こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)(双葉社 週刊漫画アクション 2007年‐2009年連載)
脚本片渕須直
音楽コトリンゴ
佐々木史朗〔音楽・アニメ製作〕(音楽プロデューサー)
作詞コトリンゴ「たんぽぽ」
こうの史代「みぎてのうた」
片渕須直「みぎてのうた」
サトウ・ハチロー「悲しくてやりきれない」
作曲コトリンゴ「みぎてのうた」/「たんぽぽ」
加藤和彦「悲しくてやりきれない」
飯田信夫「隣組」
編曲コトリンゴ「みぎてのうた」/「たんぽぽ」「悲しくてやりきれない」/「隣組」
主題歌コトリンゴ「みぎてのうた」/「たんぽぽ」/「悲しくてやりきれない」
挿入曲コトリンゴ「隣組」
製作朝日新聞社(「この世界の片隅に」製作委員会)
東京テアトル(「この世界の片隅に」製作委員会)
東北新社(「この世界の片隅に」製作委員会)
バンダイビジュアル(「この世界の片隅に」製作委員会)
双葉社(「この世界の片隅に」製作委員会)
MAPPA(「この世界の片隅に」製作委員会)
Cygames(「この世界の片隅に」製作委員会)
企画丸山正雄
プロデューサー真木太郎
制作MAPPA(アニメーション制作)
配給東京テアトル
作画松原秀典(キャラクターデザイン・作画監督)
美術こうの史代(劇中画)
男鹿和雄(背景)
武重洋二(背景)
録音柴崎憲治(音響効果)
片渕須直(音響監督)
東北新社(音響制作)
その他本郷みつる(クラウドファンディングで支援してくださった皆様)
小林靖子(クラウドファンディングで支援してくださった皆様)
あらすじ
広島に暮らす18歳のすずに、ある日突然縁談話が持ち上がり、彼女は戸惑いながらも軍港の町、呉に嫁ぐ。折しも太平洋戦争は激化、呉の町への空襲も日に日に激しくなる中、周囲の人々に温かく支えられながら、彼女は気丈に生きる。しかし、ついにその日はやって来た…。こうの史代の漫画をアニメーション化。すずの声を女優のんが熱演。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【クチコミ・感想】

別のページへ
新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順】
12345678
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行なし表示
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ
131.《ネタバレ》 呉市でお店をやっていた私の祖母がまだ健在だった頃、戦中/戦後の生活について聞いたことがあった。祖母は「戦争でお店も全部焼けちゃって、本当に貧しくて何もなかったけど、それでもとにかく毎日楽しかったねぇ。」と答えてくれたのだが、私はこの祖母の言葉を聞いた際、不思議な感覚を持った。自分が勝手に抱いていた戦中/戦後のイメージと「楽しい」という言葉が結びつかなかったのだ。それがこの作品を見て、なんとなくだが祖母の言葉の意味が分かったような気がした。

毎年8月になるとテレビで放送される戦争特番や戦争映画。勿論真実ではあるのだろうが、やはり一つの角度から描かれた「側面」であり、「ダイジェスト」なのだろう。「昔の人は大変だったんだなあ」戦争特番を見るたびにそんな感想を抱き、どこか昔の人は今の自分達とは違うのだという意識を持っていた。しかし考えてみればほんの数十年で人間の業や生活の本質が変わるはずもない。人間の1日とは昔も今も、朝起きて、ご飯を食べ、排泄をし、それぞれが仕事をし、家に帰ってきて夕ご飯を食べ、お風呂に入って翌日の為に寝る。要はこれの繰り返しであり、これの繰り返しこそが人生であろう。この映画が衝撃的であるのは、そういった人間の日々の生活=日常にフォーカスしているところにあり、戦争という「非日常」にフォーカスしてきた今までの戦争ものとは、ほとんど真逆のアプローチであると言える。

2016年5月、オバマ氏の現職大統領として初の広島訪問。あの日行われたスピーチがより心を打つものであったのは、あの8月の日の朝も、いつもと変わらない、そして私たちと何も変わらない、普通の日常があったのだ。そしてそれを一瞬で壊してしまうのが戦争なのだという事に触れたからではなかったか。

映画が終わった際、「すずさんが生きていて、良かった…」「お義姉さんが生きていて良かった…」「周作さんが生きていて…」と思った。
何も無い、普通の1日を過ごせるのがどんなに幸せな事かを実感できる映画である。
rain on meさん [映画館(邦画)] 9点(2017-03-03 13:16:09)(良:2票)
130.《ネタバレ》 あの時あの人と結婚していれば、繋いだ手が反対だったら、8月6日もう少し早く広島に帰っていれば...。
問題の大きさや深さは比べ物にはならない。
でもそれは現代の日本に生きる自分と何も変わらない、尽きる事のない後悔と良かったの連続。そしてそのどちらとも割り切れない感情。
あの時違う学校に入っていれば、告白していれば、あの会社に就職していれば。
それが「自分で選んだ道の結果=径子」であるか、「流されて辿りついた場所=すず」であるかは分からない。
結果がどうであるにしろ、2017年私は今いる場所で今ある現実を生きていく。
人生に対する普遍的なメッセージもさることながら、それを語る語り口も鋭くスマート。
同一アングルのショットを経時的に映すことで、街並みの変化を捉え、食事の内容や食卓を囲む人々の変化を通して、戦況、社会情勢を語る。
そしてその食事を摂るという行為が、そのままどんな状況であっても「生きる」という強烈なメッセージをも提示している。それは、他の日常生活動作を通じても伝えられる。荷物を持ち上げ運ぶ、歩く、走る、話す、洗濯をする。そして自然である草、木、空、水、虫、鳥。
それら全てが細やかに身体性を伴い実在感を持って描かれる為、生の尊さがより際立つ。
そして主人公すずの魅力。すずにとっての絵を書くという辛い現実を和らげる行為、生きていく術。それは周り(周作や晴美や水原)をも動かし癒していく。それを為す右手は失くしても、頭の中で自由に絵を描いていくその姿はあまりにも強くたくましく、優しかった。
ちゃじじさん [映画館(邦画)] 10点(2017-01-15 22:45:13)(良:2票)
129.《ネタバレ》 エンドロールになっても一人も席を立たない、出ていかなかった。世代、出身、性別によって感じ方は人それぞれだと思う。戦時を生きる庶民の気持ち、すずさんの生き方、家族や夫婦とはなにか。暗くなりすぎず、ほのぼのと、辛辣に、そしてどこか空想的な描き方。好き嫌いを超えて、忘れることのできない美しい映画です。
カワウソの聞耳さん [映画館(邦画)] 10点(2016-12-24 22:39:58)(良:2票)
128.《ネタバレ》 これは、もしかしたらアニメ表現手法のイノベーションを目にしているのかもしれない。私のログインネームから判るかもしれないが、私の故郷は青葉の座礁した場所。その故郷の過去の姿を、CGや写真では再現できないほどのリアリティを、極限までに記号化されたアニメーションで再現した。我々は、アニメとか実写とか関係なく、その時代を追体験することになる。SWやアバターのようなCGにに対しての単純化によるリアリティ。これは、日本が世界に誇るべき映画である。10点では足りない。
けごやさん [映画館(邦画)] 10点(2016-12-19 22:24:36)(良:2票)
127.たまたま見かけたネット記事で興味を持って鑑賞。 本当によい作品に出会えたことに感謝。 その一方で、全く話題になっていないわけではないものの、商業主義にまみれた大手マスメディアに、その対極にあるこの作品をきちんと伝えてもらうことを期待できないってことが、残念…。
チャップリ君さん [映画館(邦画)] 8点(2016-12-13 11:42:46)(良:2票)
126.《ネタバレ》 なんだか不思議な作品でした。

「わー! おもしろかった!」という感じではなく,「ああ,いい映画だったなあ」と思いました。
戦争も,日常の中にとけ込んでいて,特別なものが突然襲ってきたわけではない……という感じでした。(その描き方がまた恐ろしくもありましたが)

勝ち気な自分としては,おっとりしたすずさんよりも,徑子さんの方が親近感を覚えましたが,2人ともそれぞれに凸凹しながら一生懸命生きてるんだろうなと思えて,よかったです。

敗戦で終わるのではなく,歩き出すところで終わるので,観終わった後も明るくなれました。
いつか,すずさんが左手で絵を描き出すといいなあ。

以下は,自分語り含みます。
私も絵を描くことがとても好きですが,右手を失って,そこで絶望し,悲嘆にくれるだけの主人公には,「私なら左手で描くなあ」と冷めた気持ちで思ってしまいます。ただ,すずさんの場合は,本人を取り巻く状況的に,まだ左手で描き始める時期ではなかったのかなとは思いました。
ただ,この解釈を他の人に言ったら,「すずにとって絵を描くことはとても大切なことで,それを失われた悲劇性を描いているのに,お前は何もわかっていない」と強烈に説教をされてしまって,大変辟易しました(その人はとくに絵を描くことが好きでも嫌いでもない)。
絵描きにもいろいろいるとは思いますが,幼い頃から絵を描くことを大切なたのしみにしていた人だからこそ,「左手で描く」ということも,とても自然ではないかと,私には思えます。むしろ,そこで絵をやめてしまったり,右手を失ったこと,代わりに左手で描くことを,わかりやすい「悲劇」と捉えてしまう方が,幼い頃から丁寧に描いた「すず」という人物像が,揺らいでしまうと思えてなりません。この物語に描かれていない未来はわかりませんが,そこだけがモヤモヤとしてはいます。
プランクトンさん [映画館(邦画)] 7点(2016-12-05 15:42:34)(良:2票)
125.《ネタバレ》 のん、のん、のん、一にのん、二にのん、三四がなくて、いやいや全てにおけるのんの声、あの声といい声質といいこの作品のすずさんの声に見事なまでにマッチしている。そんなすずさんが健気で、愛しく思えてしまう程、とにかくこの作品のすずさんが可愛い。この作品、戦争を描いていながらも戦争がどうだとか?けして叫んだりしていない。そんな事、言わなくても映像だけで伝わる事がどれだけ大切か?見せてくれている。すずさんの1つ1つの仕草、行動に人としての在り方、存在価値を見る事が出来る。右手を失いながらもひたむきに生きる姿が感動的です。感動という意味では、戦争に負けた事を知り、まだここに五人残っている。まだ左手も両足もある。と怒るシーンで、この台詞がこの作品の全てを物語っている。何処から見てもこれは、日本人だから描ける作品で日本人だからこそ心に響く作品です。広島へ向かって飛んで行く鷺の姿等は平和の象徴の様なシーンの1つで、すずさんにとっても自分の故郷を感じる事が出来るシーンであり、この作品にはすずさんの人生の象徴を感じる事が出来る場面が沢山、見る事が出来る作品でもあると思いました。
青観さん [映画館(邦画)] 9点(2016-12-01 20:43:27)(良:2票)
124.《ネタバレ》 戦争を題材にしたよくあるアニメーション映画だろう、と軽い気持ちで鑑賞に臨んだことを後悔するほど、心に強い衝撃を受けました。この映画、"戦争"を題材にしながらも人間の狂気は見えません。あくまで物語の中心はその時代の人々の生活、戦争はあくまでそこに存在した一つのできごと。まるで"日常"のように、近くで軍が大砲の演習をして、夕焼け小焼けではなく空襲警報が鳴り響く。悲しいことに、人々は誰もが悲劇が"悲劇"である感覚を失っていた。でもそれが戦争の本当の恐ろしさでもあると思います。アニメならではの見どころも多く、特に防空壕の中で感じる空襲の生々しさなどは、想像をより掻き立てる分、ある意味で実写よりよほど恐怖をそそるかもしれません。草木や花や海の繊細な優しさ、戦艦の雄々しいたくましさ、終戦後に部屋に灯る希望の明り。絵から一貫して伝わってくるのはあの時代を強く生きた、先人たちの"心"です。そして、人生に必要なものは、勇気と想像力とほんの少しのお金。先人たちは生活の中にそれを心得ていた。この映画は日本人の心の歴史そのもの、どうか後世に伝えていきたい。
タケノコさん [映画館(邦画)] 9点(2016-11-24 23:11:44)(良:2票)
123.《ネタバレ》 去年の放送のときも見たのですが、今回の放送の機会にレビューしておきます。2度目ということもあったので、淡々と進んでいく細やかな描写が、いっそうすんなり入ってきました。
戦争がけっして「非日常の世界」ではなく、むしろ「日常の世界」の地続きであることを、アニメの映像で表現した作品です。きっと一昔前ならば、そうした「日常」は実写で描くところでしょうが、むしろ近年ではアニメの(二次元世界の)ほうが「日常性」を帯びているし、そういう時代だからこそ評価された作品だと思います。
いちばん重要なことは、この物語の主人公が、とてつもなく無力だということです。いつのまにか見知らぬ土地の見知らぬ男性のもとへ嫁いできて、その運命のすべてを受け入れながら生きている。彼女が、自分の意志で何も決められないのは、性格の問題だけでなく、そういう時代であり、そういう国家であり、そういう社会であり、当時の女性がそういう立場だったからです。その結果、彼女は、なすすべもなく時代の運命と国家の運命に翻弄されるしかありません。
こうした生き方は、しかしながら、現代のわたしたちにも通じる普遍性をもっています。現代社会がたとえどんなに自由になったとしても、わたしたちはあらゆる物事を自己決定して生きているわけではないし、むしろ理由の分からないことに翻弄されることのほうが多い。そのことは何も変わっていません。この主人公のような女性は、今もなお身近に存在しているし、もっといえば、わたしたち自身だといえます。
はるか昔に起こった戦争や原爆という出来事も、じつはとても身近にあるのだし、同じことが起こったとしてもおかしくはない。「悲しくてやりきれない」という言葉は、その真実を物語っています。わたしがもっとも心を動かされたのは、コトリンゴがこのフォークルの曲を歌ったことですが、それについては初見のときに自分のブログに書いたので、ここでは繰り返さないことにします。
まいかさん [地上波(邦画)] 7点(2020-08-09 21:24:07)(良:1票)
122.《ネタバレ》 うぅ…アカンなぁ…こんな映画はアカンやろ(涙)今、この文字を打ちながらも涙がにじんでくる。すずが可愛がっていたお姉さんの子供、もちろんすずにもなついていた。しかしその子が爆弾で亡くなってしまう。すずも右手を失う重傷だ。なのにお姉さんは「人殺し」とすずをののしる。おいおいおい~それはねえだろ!と思うところだがそうでも言わざるを得ないのだ。すずには何の罪もないことは分かっている、むしろ傷ついた彼女をいたわらなくてはいけない、それも分かっている。それでもそうでも言わなければ自身の精神状態を保つことはできないのだ。そこまで言わせてしまう…それが残酷な“戦争”なのだ。
火垂るの墓はあざとい「お涙頂だい」だがこの作品は淡々と、時にはほのぼのとした笑いを含めた戦時中の生活を描くことにより、より戦争の悲惨な部分を訴えていると思う。
一番アカンのは片腕を失った母親に連れられてきた女の子。なんで転がってきたご飯を差し出すのよ…(涙)バクっと食べちゃえばいいじゃん(涙)食べていいよとすずに言われ、食べ終わった女の子はすずに抱きつく(涙)そこから先はもうグズグズの嗚咽状態、こんな姿誰にも見せられんわ。マジにアカン。

PS:空爆がピンク色なのは、別にほのぼのタッチで描いたわけではなく、実際の史実に基づいてのことです。この映画は当時の家屋、生活様式など細部まで忠実に再現しています。
イサオマンさん [地上波(邦画)] 10点(2019-08-08 21:30:24)(良:1票)
121.《ネタバレ》 なんの予備知識もなく、絵柄で戦時中の恋愛モノかな、くらいに思って鑑賞したらガチな戦争映画でびっくりした。 いい意味で。

戦争によって、戦地に赴く兵隊さんはもちろん大変だけれど、故郷で待っている生活している人たちも大変だったことが、ひしひしと伝わってくる。
配給もどんどん少なくなり、物価も上がっていく中、すずさんがやりくりするところは、すずさんはただほんわかしているだけではなく、強さも持っていることがうかがえる。

場面が急に切り替わる、とレビューしていた人もいたけれど
鬼いちゃんが急に遺骨になって戻ってくるシーンとかは、戦争中に亡くなって戻ってくる人たちは あんなにあっけなくあっさり死んでしまうんだな、と逆にリアルに思えた。

空爆の描写もリアルで怖いし、空爆が過ぎ去っても時限爆弾が恐ろしい。
ここからが色々とつらい描写が続き、ここまでですずさんに感情移入していた私にも、とてもつらい状況となってしまう。

終盤、8月に入ってからすずさんが広島へ帰る、と言い出してセ〇ンやミ〇トのようなバッドエンド映画かと覚悟しました。
夫婦で広島入りしていましたが、放射能は大丈夫なのかとハラハラしてしまった・・・。
でも、当時の人たちは放射能のことなんて知る由もないですもんね・・・。
すみちゃんも・・・悲しい。

ラストの電灯から布を取るシーンで、あぁ戦争が終わったんだな、と思わせる少し安堵する演出でした。
( 電灯を布で覆うのは、夜間に家の明かりを爆撃機から発見されにくくするためですね。たしか )
戦争が終わったら映画も終わり、ではなく、映画が終わっても描写はされないけれど すずさんたちの生活は続いていくんだ、と感じさせてくれるいい映画でした。

戦争映画というくくりになりますが
火垂るの墓は、疎開先で耐え切れず逃げ出した主人公たちが死んでいく、あざといお涙頂戴映画。
かたや この世界の片隅に は、戦争で死んでしまうのは悲しい、でもそれだけではなく戦時中に生きていく人たちのたくましさを丁寧に描いている良作です。

毎年、夏に放送するのは「火垂るの墓」より、「この世界の片隅に」のほうがいいと思います。
みけらさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2019-08-07 14:58:12)(良:1票)
120.《ネタバレ》 一言で言えば「太平洋戦争前後を舞台にものすごく丁寧に描かれたサザエさん」
丁寧に丁寧に独特の空気感で描かれたこの映画が絶賛されるのはとてもよくわかります。
製作者の熱意が半端ない事が、観ていてこれだけ伝わる映画もそうそうありません。

私の父は、この映画のヒロインより少し年下のはずなのですが、映画中にもそういうシーンがあるように実際に学徒動員で兵隊にとられていて、ただそのときすでに昭和20年。
タイミング的にはすずさんの旦那さんが兵隊に転換になった時期くらいで、実際に戦場に出る前に戦争は終わりました。
(もう沖縄まで落ちてたわけで内地の人間は本土決戦に備えるしかない時期だったわけですから)
そして父が戦場にいかなかったおかげで、今現在、私はこの世界の片隅ですごせているわけです。

映画中でも原爆のタイミングですずさんが呉にいたのか広島にいたのか…は本当に紙一重の運でしかありません。
そもそもすずさんがあの家に嫁入りしたこと自体、本当に子供の頃のただの偶然だし、時限信管の爆発に巻き込まれてしまうのも実は本当にささいな偶然です。

つらい事もあり楽しいこともある現在の自分の状況は、歴史の中で語られないレベルの本当にささいな偶然の連鎖の中で生まれたものにすぎないという事がとてもよくわかる映画だと思います。
で、そんな今の自分を前向きにとらえるか後ろ向きにとらえるか…それは全部自分自身で決める事なのです。
特別なヒーローなんかじゃない、この世界の片隅でほそぼそと生きている平凡で非力な人間に出来る事はそれくらいしかないわけですから、だったらせめてそこはポジティブに捉えた方が人生何かと幸せなんじゃないでしょうか。
あばれて万歳さん [インターネット(邦画)] 9点(2019-05-17 15:38:38)(良:1票)
119.DVDを返却するまでに3回も見返す事になりました。文句のつけようがない素晴らしい映画です。
せなかさん [DVD(邦画)] 10点(2018-09-29 14:51:10)(良:1票)
118.なんかどこ見ても絶賛の嵐なんで批判しちゃいけないみたいな空気がネット全体に漂ってて恐縮なのですが、この気持ちは書き留めておきたいくらい強烈なものなのでご容赦の程。すずさんものんの声もすっっごく可愛くて和んで、このまま和み倒したいと思っていたのに、内容は終始辛くて辛くて観終わってからもその辛さから抜け出る事が出来ない。確かに戦争の辛さを我々は忘れてはいけないんだろうけど、そういった類の創作・ドキュメンタリーはこの国に住む以上いっっぱい見てきました。そして戦争はいけないんだよという事もいっっぱい学んできました。これからも学びます。だからこういう可愛い絵でフェイントかけてまで学ばせるのは勘弁して…戦争しませんから…お願い…そんなアニメでまでこれでもかよと戦争の現実とか反戦思想とかを押し付けられなきゃいけないの?もう可哀想で可哀想で…すまん、またすずさんに会いたいけどもう苦しむすずさんは見たくない。さすがにもう見れない。プラスマイナス半々で5点。
にしきのさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2018-08-17 05:06:52)(良:1票)
117.《ネタバレ》 原作は10点。否100点でもいい。だが映画は断固として0点だ。ありえない改変に唖然とする。ぶち壊しもいいところだ。憤りしか感じない。この作品から正義が飛んで行った。
空耳さん [インターネット(邦画)] 0点(2018-01-19 04:57:00)(良:1票)
116.「火垂るの墓」を0点にした自分。
この映画の評価が高いことは公開当初から知ってたけど、似たような映画だろうと思って映画館鑑賞は見送った。

それで今回初めてDVDで見たわけだけど、序盤はやっぱり拒否感強かった。
だって当時の呉っていったら、世界有数の軍事都市ですよ?
兵隊さん、軍事産業無しじゃ街ができていないような場所。
そんなことに仮に無知無関心だったとしても、嫁いで暮らし始めたら、誰だって瞬時に理解できるはず。
ところが主人公、全然戦争とは無関係な顔してるから、「なんだか製作者側の作為を感じるなあ」と思った。
それから、最後のエピソードも腑に落ちない。なんであんなの入れたのかな。
あんなことする金の余裕も心の余裕も、当時は誰も持っていなかったはず。
というか、今現在でもまずありえない。

ただそれでも、若い夫婦が次第に絆を深めていく描写の積み重ねが丁寧で、次第にグイグイ引き込まれた。
ただそれだけに、「火垂るの墓」の代わりにはならないだろうな、とも思った。
この淡々とした積み重ねは、子供にはまったく理解不能だろうから。
見ててつらい絵もかなり続くしね。
まかださん [DVD(邦画)] 7点(2017-12-17 00:33:25)(良:1票)
115.半年ぐらい前に、ビブリオバトルで知り合った方から「絶対読んで欲しい!」と紹介されて原作本を読んで良かったので、映画も観てみました。
大抵、原作を読んでから映画を観るとがっかりする事が多いのですが、本作は原作に劣らず良い出来です。
日常的な光景の中に戦争の影がだんだんと濃くなってきて、市民が犠牲になりつつも逞しく生きる姿に感動を覚える。
あきぴー@武蔵国さん [DVD(邦画)] 7点(2017-11-19 01:36:52)(良:1票)
114.《ネタバレ》 一番心に残ったのは、この映画は良い意味で庶民的だなあということです。
というのも、テーマが戦争ながらも武力衝突のようなゴリゴリの描写ではなく、「広島の呉市に嫁いだ一人の子」の生活にスポットライトを当てているので、日々の暮らしぶりを描いたリアリズムが強く感じられました。
現実味のあるシーンが続くからこそ、平穏な日々を壊す空襲や、身近な人の突然の死など、70年前の日本ながら別の世界を覗き込んでいるような感覚に陥りました。
カジノ愛さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-09-25 10:25:36)(良:1票)
113.《ネタバレ》 おそらくこれから何十回かいやそれ以上見続けることになるだろう作品に出会えた。
見るたびに新しい発見や気づきがあるようでコメントもその都度書き直すだろう。
ネットで評判の高さは知っていただけに映画館で観なかったことが悔やまれる。
一般上映に関わらず多くの映画館でエンディング後に拍手が起きたそうだが
私もきっと映画館で観ていれば、勇気ある一番手のその後くらいに拍手をしただろう。
その想いは純粋にいい映画を見せてくれてありがとうという感謝の気持ちと
戦禍を戦い抜いた名もない多くのすずさんへの喝采を分かち合いたかった。

前評判の高さは知っていたから躊躇なく新作料金でレンタル。
新作で借りるなんていつ以来か思い出せないくらい珍しいことだ。
そんな高いハードルだけど、始まりのわずか2分で軽々と越えた。
なぜなら、冒頭ですでにすずさんに惚れたからだ。これから何回か見ればその理由を理路整然と
説明できると思うがこのコメントを書いている今はもう返却してしまったので
おそらくDVDを買うことになるだろう。DVDを買うなんて『ダークナイト』以来だ。

いちばん印象に残ったのは玉音放送後のすずさんの言葉だ。
戦っていたのは軍人だけではない、みんな戦っていたという
当たり前のことに気づかされたんよ。
michellさん [DVD(邦画)] 10点(2017-09-22 21:01:55)(良:1票)
112.ずっと観そびれていた映画,、異例のロングランでまだやっていたので2県越えて観に行きました。まあどのシーンどのシーン一分一秒に至るまで最高の面白さ、美しさ、それでいて軽快で、それでいて衝撃的。よくこんな映画が作れたものだ。この話の情景は戦後生まれとしては何度も言葉では聞いてきた話。戦中経験のある人を連れて観た人によるとごく当たり前の日常だったらしい。その光景が眼前に展開される。僕は普段はアニメが苦手なのだが、このリアリティはアニメじゃなければ実現できなかったのではないだろうか。

空襲前の街を徹底的に再現した歴史考証もさることながら、そのリアリティを実現した最大の功労者の一人は主演声優の能年玲奈だろう。片渕須直監督は制作当初から能年玲奈を配役に考えていたそうだがその彗眼には恐れ入る。結構デフォルメされた造形のすずさんがまったくあの時代の広島に生まれたああいう個性を持った一人の女性にしか見えない。

この映画は多くの映画館でエンドロールが完全に終わるまで誰も席を立たないことがあるようで、観に行った時もそうだった。それはまず映画本編の力ということが大きいが、クラウドファンディングに出資した人々の名前が流れるところでもきちんと観客をつなぎとめておく工夫がなされている。この映画の世界は片隅にまで真心が込められている。

ストーリーはディテールが説明されずにどんどんテンポよく進んでいくのでよく分からないところもある。しかし楽しむには問題がないし、深く知りたければ何度も観ればよい。すでにソフト化やネット配信も始まっているが映画館でもロングランから名画館での再演とシームレスに上映は続いている。

この映画はアニメ映画、戦争映画といったジャンル、クラウドファンディングで作られたという話題性を完全に超越している。間違いなく日本映画、いや映画そのものの金字塔だ。謹んで10点満点中27点を奉る。10点以上のボタンはどこですか?
tubirdさん [映画館(邦画)] 10点(2017-08-27 19:31:24)(良:1票)
別のページへ
新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順】
12345678
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 151人
平均点数 8.20点
010.66%
100.00%
200.00%
310.66%
442.65%
595.96%
695.96%
72113.91%
82516.56%
93724.50%
104429.14%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.46点 Review13人
2 ストーリー評価 9.26点 Review19人
3 鑑賞後の後味 9.05点 Review20人
4 音楽評価 8.81点 Review16人
5 感泣評価 9.12点 Review16人
chart

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS