十二人の怒れる男(1957)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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十二人の怒れる男(1957)

[ジュウニニンノイカレルオトコ]
12 Angry Men
(Twelve Angry Men)
1957年上映時間:96分
平均点:8.60 / 10(Review 501人) (点数分布表示)
公開開始日(1959-08-01)
ドラマサスペンス法廷ものモノクロ映画TVの映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-03-18)【TOSHI】さん
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監督シドニー・ルメット
キャストヘンリー・フォンダ(男優)8番陪審員
リー・J・コッブ(男優)3番陪審員
エド・ベグリー(男優)10番陪審員
ジャック・ウォーデン(男優)7番陪審員
マーティン・バルサム(男優)1番陪審員
ロバート・ウェッバー[男優](男優)12番陪審員
E・G・マーシャル(男優)4番陪審員
ジャック・クラグマン(男優)5番陪審員
ジョセフ・スウィーニー(男優)9番陪審員
ジョン・フィードラー〔男優〕(男優)2番陪審員
ジョージ・ヴォスコヴェック(男優)11番陪審員
エド・ビンス(男優)6番陪審員
ルディ・ボンド(男優)裁判長(ノンクレジット)
内田稔8番陪審員(日本語吹き替え版【日本テレビ / DVD / BD】)
峰恵研1番陪審員(日本語吹き替え版【日本テレビ / DVD / BD】)
金井大10番陪審員(日本語吹き替え版【日本テレビ / DVD / BD】)
鈴木瑞穂4番陪審員(日本語吹き替え版【日本テレビ / DVD / BD】)
矢田稔2番陪審員(日本語吹き替え版【日本テレビ / DVD / BD】)
阪脩5番陪審員(日本語吹き替え版【日本テレビ / DVD / BD】)
山内雅人6番陪審員(日本語吹き替え版【日本テレビ / DVD / BD】)
青野武7番陪審員(日本語吹き替え版【日本テレビ / DVD / BD】)
仲木隆司12番陪審員(日本語吹き替え版【日本テレビ / DVD / BD】)
宮川洋一3番陪審員 / 6番陪審員(日本語吹き替え版【日本テレビ / DVD / BD】/【テレビ朝日】)
小山田宗徳8番陪審員(日本語吹き替え版【テレビ朝日 / BD】)
小林修1番陪審員(日本語吹き替え版【テレビ朝日 / BD】)
辻村真人2番陪審員(日本語吹き替え版【テレビ朝日 / BD】)
富田耕生3番陪審員(日本語吹き替え版【テレビ朝日 / BD】)
穂積隆信4番陪審員(日本語吹き替え版【テレビ朝日 / BD】)
中村正[声優]5番陪審員(日本語吹き替え版【テレビ朝日 / BD】)
大塚周夫7番陪審員(日本語吹き替え版【テレビ朝日 / BD】)
金内吉男12番陪審員(日本語吹き替え版【テレビ朝日 / BD】)
原作レジナルド・ローズ(原案)
脚本レジナルド・ローズ
音楽ケニヨン・ホプキンス
撮影ボリス・カウフマン
製作ヘンリー・フォンダ
レジナルド・ローズ
その他ケニヨン・ホプキンス(指揮)
あらすじ
17歳の少年が父親の殺人容疑で起訴されて、そこに集まった12名の陪審員たちがその事件の評決をする事に。 そして既に目撃証言・証拠などから誰もがその少年の有罪を信じて疑わない中で、1人の陪審員だけが"無罪"を主張する のだが。 数時間に渡った討論の結果はどんなものになるのだろうか。そして 彼らが出した結論とは いかに・・・。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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155.《ネタバレ》 昔に一度見たけど内容をほとんど忘れてしまい、
ちょうど"某熱帯雨林"のサブスク枠で登場したので改めて。

日本で三谷幸喜がパロディを作るほどの名作だけど、
改めて観ても非常によくできてる。

事件の内容が、あまり"説明パート感"を出さず、
話の中で自然に明らかになっていくのが、非常にうまい。

最後、決して被告人が罪を犯していないことを立証できたわけではないけれど、
"疑わしきは罰せず"という原則を分かりやすく作品に落とし込んでいた。

登場人物がいい意味でも悪い意味でも"人間らしく"、
誰が観ても楽しめる仕上がりになっているのではないか。

古い作品ですが、観たことがない方は、
一度観ておいて損はない映画と思う。
2年で12キロさん [インターネット(字幕)] 9点(2024-03-10 09:50:41)
154.《ネタバレ》 有名な作品でタイトルは知っていたが、初めて鑑賞した。噂に違わぬ名作であった。まず12人の役者と一部屋で、これほどの作品が作れるというのが凄い。脚本の力の真髄といったところだろう。
少年の生死を分ける陪審員たちの討議。と言ってもこの陪審員達、それほど熱心ではなく、11人はとっとと検察の言うとおりに有罪にして帰りたがっている有様。ところが1名だけが証拠や証言に疑問を持つところからドラマが始まる。そしてひとつひとつの証拠や証言を吟味していく中で、映像で全く表現されていないにも関わらず、視聴者には事件のあらましや裁判の様子が分かるようになっているのが上手い。
ひとつひとつの疑惑の解明は、メガネの跡など後出しが多いので、謎解きのカタルシスはあまりないが、それは重要ではない。疑問を持った1名の陪審員に他の陪審員が、そして視聴者も徐々に引き込まれていく、その心理過程が面白い。
いろいろな性格や「やる気度合」の陪審員達だが、全員が最初から最後まで守ったルールが一つだけある。それは全員一致で結論を出すこと。それは法律で決まっていることではあるが、劇中で語られているところによれば、不一致という結果を出すこともできたようだ。だが結果としてそれを良しとはしなかった。なんだかんだ言っても民主主義と陪審員制度を尊重していたのだろうと思う。もっとも不一致にしては映画が成立しないわけだが、民主主義と陪審員制度の素晴らしさと危うさが、見事に表現されていたと思う。
それぞれの陪審員の性格が極端すぎるきらいがあって、やや興ざめした部分もあるので、1点減点してこの点数で。
EOSさん [DVD(吹替)] 9点(2023-12-10 01:33:26)
153.《ネタバレ》 後に数々の社会派作品を世に送り出したシドニールメット監督の記念すべき最初の作品なんですね、この事実に映画史の凄さを只々感じてしまいます。陪審員十二人はざっと役付けると、進行役、気が弱い者、無責任、理論的、労働者、偏見、親子関係難あり、スラム街育ち、移民、老人、優柔不断、そして中立と、この場にいる人間だけで民主主義国の話し合いが出来ちゃうっていうくらい個性派ぞろい。ここで間違っていけないのは、話し合いの末、一人の恵まれない生い立ちの少年を救うことが出来ました、という話じゃないって事。実際のところ少年は本当に無罪なのか、真犯人がいるとしたら誰なのか、そんな事は一切語られません。民主主義というもの、その物自体について考えるというのがテーマです。人が人を裁くことの難しさ、その為には納得するまでの議論を持たなければならない。汗が流れる程の暑い密室で成されるその熱い議論が、脚本の面白さで手に取りやすいものになっています。議論を重ねるに連れ一人また一人と無罪に転じていく訳ですが、私が一番気に入ったのはやはり一番最後の一人です。1時間半の間ずっと怒り怒鳴っていた彼が破り捨てた写真に写っているのは、全く別人のように笑顔で笑うお父さんなのです。何て切ないシーンなんでしょう。いさぎ良く、清々しい雨上がりのラストシーンも秀逸です。
ちゃかさん [インターネット(字幕)] 9点(2023-04-18 15:56:50)(良:1票)
152.苦手なヘンリー・フォンダ故にスルーしてきた本作。名作の呼び声高い本作は「映画は脚本が命」を実感する紛うこと無い傑作でした。再現シーンが皆無の99%室内会話劇は何時も思う人が人を裁く事の難しさを見せつけられます。本作では有罪=死刑で人の命がかかっているところに陪審員制度の重みを感じるところです。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 9点(2021-10-05 16:47:44)(良:2票)
151.昔の映画だと侮っていたが、観始めると圧倒的なまでに引き込まれる。
司法の問題点に切り込みつつも、エンターテインメント性は決して失われていない。
法学部のゼミでも鑑賞する機会があったが、他のゼミ生も絶賛していた。
まさに名作と呼ぶに相応しい。
アクアマリンさん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2019-07-28 18:25:37)
150.《ネタバレ》 密室劇としての台詞まわしもいいし、まず脚本の全体的な構成が素晴らしいんで時間があっという間に過ぎる。
裁判員制度に対する、皮肉やメッセージ性も十分。
てれってれーRさん [DVD(字幕)] 9点(2017-07-17 13:13:06)
149.《ネタバレ》 本サイトには「好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧」という機能があるわけなのですが、私の場合、その不動の1位がずっと本映画でした。

この映画のレビューを書かないと、一覧から消えてくれそうにないので書きます。

私がはじめてこの映画を見たのは35年ほど前の事で、もちろん何の予備知識もなく観たわけですが、シンプルで緊迫感のあるその面白さに釘付けになったのを覚えています。
どう考えても覆りそうのない判決が、たった一人の頑張りで、一人また一人と意見を変えていくその面白さ。
当時の日本文化にディベートの概念はほとんどなく、狭い部屋でのみ繰り広げられる(実際は控え室とかもありますが)この映画には本当に驚きました。

高校時代(30年以上前ww)、やはりこの映画が好きな友達と「ナイフってのはこう使うんじゃない、こうです!」なんてナイフの使い方遊びをしていたくらいこの映画は好きでした。

しかしそうは言っても、最後にこの映画を観てから20年以上が経過し、いまさらレビューなんか書きようがない…と思ってたら今年(2014年)になってこの映画を見返す機会があったのです。
いやー相変わらず面白いですね。あらたな発見も結構ありました。

でも、いまさらそれを分析的にレビューしても野暮というもの。レビュー自体は30年前の記憶のままに収めておきます。


あばれて万歳さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-03-17 01:39:53)
148.《ネタバレ》 「ヒズ・ガール・フライデー」「イヴの総て」に並ぶセリフ劇の傑作。
フランクリン・J・シャフナーが演出を手掛けたドラマが原作だが、映画版となったシドニー・ルメットのこの作品もモチロン面白いし、リメイクとなるウィリアム・フリードキン版やニキータ・ミハルコフ版もまた面白いんだよなコレが。
同時に、ハリウッドのアカデミー賞ってシステムがクソッたれだという事もよーく解る作品だ。
あの雨上がりのシーンを撮影した名カメラマンのボリス・カウフマン!
ソ連出身、「これがロシアだ!(カメラを持った男)」を手掛けたジガ・ヴェルトフの弟、
「アタラント号」「波止場」「ベビイ・ドール」を撮ったカウフマンに撮影賞を与えないなんてアホなのか?
そりゃあ、受賞した「波止場」に比べたらシーン数は少ないだろうよ。
だが、ラストシーンにおけるカウフマンの撮影が無かったら作品の評価そのものが割れるほどだと俺は断言したい。
何と言ってもヘンリー・フォンダが闘いを終えて外に出るシーン。
今まで降っていた雨が止み、法を巡る論戦からの、密室からの解放感。濡れたアスファルトから漂う蒸気の涼しげな様子。その場所でフォンダと御老公が互いの健闘を讃えてそれぞれの名前を聞くシーン。
このシーンの何ともいえない空気感というか、一仕事終えた後のあの達成感。
それがラストシーンに刻まれているのよ。
密室において繰り拡げられる12人の男たちの言葉をぶつけ、言葉による殴り合い。たった1人の少年の命のために。
無罪なら(人生を)延長、有罪なら即座に・・・無駄と解ったらブッ殺して(死刑)楽にしてやればいいのだから。
異を唱える1人の男がイカれているのか、
それとも何の疑問も抱かず問答無用で少年に死刑を下せる11人の男たちがイカれているのか。
セリフだけかと思いきや、証言を思い返す内に出てくるナイフ、現場再現、子供の写真、そして眼鏡。
フォンダの言葉だけが11人の男たちを動かすワケじゃない。
過ぎる時間、暑さ、降りしきる雨、雨、雨。心も身体も消耗、誰が最後まで粘り、誰が最後に折れるのか。
12人の、そして傍観者・伝達者として部屋に出入りする13人目の男。
欲を言えば例の女性や例の御老人の姿も一瞬でいいから見せて欲しかった。
ま、そこは小説のように想像に任せるとしましょう。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-03-11 02:19:02)
147.《ネタバレ》 白人男性ばっかりで女性はいない陪審員の構成を見ていると時代を感じます。こんな制度なら黒人の被告にとってはもう悪夢ですよね。それが現在では女性や有色人種をどれだけ陪審員に入れるかで検察と弁護側が争い、それが裁判の行方に影響を与えているそうですから皮肉なことです。 さてこの映画を観るたびに感じることなんですが、原作者や監督シドニー・ルメットは陪審員制度について肯定しているんでしょうか? 日本でも裁判員制度が行われていますが、この映画を観たら陪審制みたいなかたちで裁判されるのは勘弁して欲しいと誰もが思うんじゃないでしょうか(日本では多数決で評決が決まることがあるというから恐ろしい)。早く切り上げて遊びに行きたくてしょうがない陪審員がいたりして、さすがシドニー・ルメット、各人の人間性を浮き彫りにする描写は見事です。この物語は誰が犯人であるかを決めて裁きを下すのではなく、被告が何をした(もしくはしなかった)のかだけが重要だと言いたいんじゃないでしょうか。陪審員8番の言葉を借りると「これが民主主義の良いところだ」というわけなんですね、欠点もありますが。 暑苦しい一室で普通の人たちが繰り広げる白熱の議論をリアルタイムで描いた、密室劇ムービーの最高峰です。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-02-10 21:21:15)
146.《ネタバレ》 三谷幸喜のほうを先に観ていたが、本家はさすがに見応えがあった。
12人の会議室の中での会話だけでこれだけの重厚なドラマができるのは驚き。
有罪に固執する人が、議論の中で自ら墓穴を掘っていく。
論理が破綻して偏見が露になっていく過程が見事で、脚本の出来がすばらしい。
こういう奴いるよなぁと思わせるキャラ設定も見事。
飛鳥さん [DVD(吹替)] 9点(2013-06-22 23:15:06)
145.《ネタバレ》 この名作を観る機会をやっと得ました。期待を裏切らない素晴らしい映画。1957年の作品だから当時の科学捜査のないお粗末さや、差別社会が反映されているのも緊張感に拍車がかかります。陪審員は「裁く」のではなく「判断」するだけ。それを忘れてはならない。脚本の出来、カメラワーク、役者の演技力、名作たる理由は他の方が書いていらっしゃるのであまり言う必要はないでしょう。なのでちょこっと違う視点を。
●「8」は欧米では不吉なナンバー●「判定を途中で変えた」ヤンキーズ男に怒った彼はおそらくユダヤ人(おそらくナチの迫害から逃げてきた)●DAN鑑定が確立された時、事件を調べなおしてみたら、約100件もの無罪が判明した(死刑囚あり)だから今の捜査ではいかに「現場を荒らさずに確実な証拠を回収できるか」が大きな鍵らしい。
果月さん [地上波(字幕)] 9点(2013-04-14 00:26:51)
144.《ネタバレ》 既に、ギャグにもなってるヘンリーフォンダ演じる、偏屈、わからず屋、ヤな奴、陪審員ナンバーX!が、言うこと、なすこと気に入ラねー、天下の下町の悪役オトっつあん、リーJコッブが、中盤、もう憎ニクしげに、白熱して”twisted and turn!"言うセリフ!!(事実を捻じ曲げ、ひっくり返す!)カッチョえーこと!当時、若い日本人のわたしにとって、わかりやすく、最高カッチョよく、何回も自分でも真似したくなるのでした。超オイシイ役だし、演じたい役ナンバー1です。この映画作品だけでなく、この芝居脚本は、エンタメ界の永久欠番です。(煮ても、焼いても、茹でても良し!)どんなヘボ俳優ヘボ演出でも、一応楽しく観れます。    おとな12人も集まれば、室内で、お金かけずに長時間
、とっても楽しめますよ!という、とってもアメリカンでエコな作品(失礼!)
追加!映画ならではの良さで言えば、やはりラスト!現実のビルの屋外の開放感!そりゃもう、階段かけおりちゃうもんね!(小学生のとき、3chテレビ観賞の授業(??)があり、それを観終わった時の開放感!全員伸びのしぐさ。それソックリ!)
男ザンパノさん [映画館(字幕)] 9点(2013-02-08 23:16:19)
143.物語進行がほぼ室内だけ、話も会話ばかり。
でも緊張感もあるしドラマもある。
すごく引き込まれました。
ラストの一仕事終えた開放感がすばらしかった。
Dry-manさん [DVD(字幕)] 9点(2013-01-04 02:20:28)
142.衝撃でしたね、場面も効果も映画らしい派手さが無いのに面白い。これが新しいジャンルの誕生かと思いました。
minさん [DVD(字幕)] 9点(2012-12-26 19:47:39)
141.アメリカ映画の好きな裁判ものだが、やる気のなかった国選弁護士の代わりに一人の陪審員が奮闘する法廷後の話になっていて、次第に覆っていく面白さは裁判ものの常道だが、「それで食ってる」弁護士でなく、本来ならチャッチャッと済ませてすぐ帰りたい「面倒ごと」に付き合わされてる一般人にしてあることで、「正義とは」というテーマがより際立った。そして意見を持つことの大変さ、それを表明することの大変さというテーマも浮き上がり、そっちのほうが本作のキモではないか。別に無罪を証明しなくてもいいんで、「有罪にするには合理的な疑いがある」って比較的低いハードルでも、11人の反対者の22の冷たい瞳に囲まれると、私だったら…と自信がなくなりそうな場。そういう逃げようと思えば逃げられる場で自分の少数意見を表明すること。こういう勇気を賞揚するのが、アメリカのいいところだ。おとぎ話とか、お涙頂戴とか、こういう場面で来そうな反発がいちいちいリアルで、観てるほうの心のなかで動く反対意見をちゃんと残りの11人が表明していく。議論の質を落とさない。そして少しずつ同調者が増えていく。ここも大事なところで、なぜかとりわけ日本では「ブレる」ということが、さも悪事のように言われがち。でもそれがなくては議論する意味がないわけで、反対意見に最大限想像力を働かせ、自分の意見と闘わせた上で、それでも意見を変えない・あるいは変える、というのは同質のことのはず。悪いことではない。日本の「ブレない政治家」ってのは、反対意見に耳を塞いでるだけで(ラスト近くのリー・J・コッブのように)、あとは「おとぎ話」「お涙頂戴」と切り捨てるのなんか、まったく映画と同じですな。というわけでアメリカ映画の最良の部分がここにある。室内劇でありながら夏の暑さを描いた映画としてすぐに思い出されるってのも凄いことだ。
なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-10-11 10:11:32)(良:1票)
140.《ネタバレ》 夏一番の暑さ、扇風機は壊れ、雨で湿度は増し、「早くかたづけようぜ」の気運が高まるシチュエーション。 生まれも世代も職業も社会的地位も異なる12人の会合は、 社会の縮図。 3回目の投票時に陪審員一人一人の顔を映すんだけれど、顔を見ただけで有罪か無罪かわかり、キャストの人選もよいのかと。 強面の3番(リー・J・コッブ)と4番(E・G・マーシャル、「スーパーマンⅡ」の大統領です♪)を並べた難攻不落の砦みたいなのもある陪審員室での、人命がかかった知力を尽くした論戦は見応えタップリ。 プロデューサーも兼ねるヘンリー・フォンダの8番は情の厚さに加え名探偵のようにスルドく、彼の熱意が伝染して白熱した場を生む手腕は監督シドニー・ルメットのものだけど、陪審員経験のある脚本家のシナリオがよくできているんだね。 聞くに耐えないような発言をする人には、無罪派のみならず同じ有罪派まで背を向けるフェアな精神もよく、推定無罪に持ちこんだ後3番に上着を着せる8番の図は、敵将同士の友情を思わせる。 彼は「自分が勝った」などとは思わず、ただ「終わった」とだけ思っているんだろう。 皆が去ったテーブルには、3番が拾い残した息子の写真の破片が寂しげに残り。 雨上がりの散開がすがすがしく、半世紀たってもリメイクが作られるほど面白い、シンプル・イズ・ベストの見本のような名作。
レインさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-07-10 07:00:03)
139.《ネタバレ》 よかった。密室系や推理系は好きなので楽しめました。頑なに有罪を唱えてた人たちが、無罪に転がっていく様子が面白い。
Jar_harmonyさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-03 18:40:20)
138.《ネタバレ》 とても96分とは思えないくらい濃密な内容でした。まるで自分があの部屋にいるような錯覚を覚えるくらい引き込まれました。脚本、演技、演出が優れていれば、ここまで面白くなるという、映画のお手本のような作品です。いい映画って、どんなに時代が変わっても、色あせることがないですね。
ramoさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-09-15 17:31:09)
137.《ネタバレ》 最後まで飽きずに引き込まれる名作だと思います。

全員一致の評決が出て、それぞれの陪審員がビルから出て去って行く、雨が上がった街並みの清々しさが印象的でした。
ぐうたらパパさん [DVD(字幕)] 9点(2011-02-21 14:52:43)
136.《ネタバレ》 初めて観たのは30年近く前のテレビ放送。まだ高校生だったと思う。その当時は陪審員の役割を知らず、観終わってから調べました。そして、有罪・無罪を決するのが裁判官ではなく陪審員であることに驚いたのでした。判決と評決の違いもその時に知り、日本で通用している手続きとの違いに強い違和感を覚えました。容疑者の罪と罰を司る裁判官は絶対的な存在と思っていたからだろう。国が変われば制度も変わるような相対的な尺度で人を裁いて良いものなのか? この疑問は今も持ち続けている。それは人が人を裁くことの難しさと同義であり、正解は存在しない。さて、今作は会話劇として珠玉のエンタテイメントであり、疑わしきは罰せずの精神のお手本であり、日常に潜む多様な偏見を浮き彫りにもする。色々な見方が出来ると思うが、普遍性を持ったテーマはタイトルに現れています。みんな怒っていました。怒りの感情は瞬間的にでも真剣になった証拠。人を裁く任を負い、その局面だけでも役割に真摯に向き合った姿勢の表れです。評決はたまたま無罪に転じたけれど、その過程とそこに居合わせた陪審員たちのスタンスに重きを置いた作品だろう。評決が決した後、彼らは裁判所の外で初めて氏名を名乗り合いました。それまでは固有名詞を持たない社会構成員として、各々の義務を果たしていたということでしょう。裁判所前を日常へ戻って行く12人を収めたショットの清々しさが格別だ。納得の行く回答へ辿り着いた達成感と重たい任を終えた開放感を、通り雨に洗われた街並みが象徴していました。97分の尺に3時間くらいの重さが詰まっている傑作です。これ以上の密度を持った作品は滅多にない。日本でも先日、裁判員制度がスタートしました。
アンドレ・タカシさん [地上波(吹替)] 9点(2009-10-20 02:01:16)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 501人
平均点数 8.60点
000.00%
100.00%
210.20%
330.60%
420.40%
5183.59%
6163.19%
7499.78%
810220.36%
915530.94%
1015530.94%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.43点 Review39人
2 ストーリー評価 9.30点 Review56人
3 鑑賞後の後味 9.18点 Review54人
4 音楽評価 6.68点 Review22人
5 感泣評価 6.00点 Review15人
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【アカデミー賞 情報】

1957年 30回
作品賞 候補(ノミネート) 
監督賞シドニー・ルメット候補(ノミネート) 
脚色賞レジナルド・ローズ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

1957年 15回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)ヘンリー・フォンダ候補(ノミネート) 
助演男優賞リー・J・コッブ候補(ノミネート) 

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