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生きる

[イキル]
ikiru
1952年上映時間:143分
平均点:8.03 / 10(Review 244人) (点数分布表示)
公開開始日(1952-10-09)
ドラマ医学ものモノクロ映画
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2023-08-04)【イニシャルK】さん
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監督黒澤明
助監督堀川弘通
田実泰良
広沢栄
キャスト志村喬(男優)渡辺勘治
小田切みき(女優)小田切とよ
伊藤雄之助(男優)小説家
金子信雄(男優)渡辺光男
関京子(女優)渡辺一枝
千秋実(男優)野口
藤原釜足(男優)大野
日守新一(男優)木村
左卜全(男優)小原
小島洋々(男優)市職員
千葉一郎(男優)警官
瀬良明(男優)
田中春男(男優)坂井
中村伸郎(男優)助役
浦辺粂子(女優)渡辺たつ
清水将夫(男優)医者
木村功(男優)その助手
本間文子(女優)陳情のおかみ
村上冬樹(男優)新聞記者
三好栄子(女優)陳情のおかみ
深見泰三(男優)
渡辺篤(男優)患者
菅井きん(女優)陳情のおかみ
山田巳之助(男優)斉藤
丹阿弥谷津子(女優)バーのマダム
加東大介(男優)ヤクザ
宮口精二(男優)ヤクザ
永井智雄(男優)新聞記者
南美江(女優)家政婦
小堀誠(男優)渡辺喜一
市村俊幸(男優)ピアニスト
堺左千夫(男優)ヤクザ
広瀬正一(男優)ヤクザ
小泉博(男優)ジャズバーの客
向井淳一郎(男優)映画館の客
勝本圭一郎(男優)
加藤茂雄(男優)防疫係受付職員
谷晃(男優)飲み屋のおやじ
榊田敬二(男優)区画整理受付職員
津田光男(男優)都市計画部受付
出雲八重子(女優)陳情の主婦
青山京子(女優)女学生
宇野晃司(男優)
本木荘二郎ナレーション(ノンクレジット)
脚本黒澤明
橋本忍
小国英雄
音楽早坂文雄
作曲中山晋平「ゴンドラの唄」
撮影中井朝一
斎藤孝雄(撮影助手)
製作本木荘二郎
配給東宝
美術松山崇
村木与四郎(美術助手)
編集岩下広一
録音矢野口文雄
照明小島真二(照明助手)
その他野上照代(記録)
キヌタ・ラボラトリー(現像)
あらすじ
黒澤明とは縁も所縁も無さそうなある女優はこの映画を観て言いました。「白黒映画なのに、夕焼けの色まで見えた」と。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【クチコミ・感想】

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244.《ネタバレ》 脚本にブレがある。本筋はこうだ。己を殺して役所勤めに埋没し、本来の生き生きとした人生を送ってこなかった男が、癌宣告を受けて苦悩、煩悶し、その艱難辛苦の果てにようやく自分のやりたいこと、生き甲斐を発見する。人生を新しく生き始めた男は、市民のための公園づくりに奔走し、幾多の困難、障害を乗り越え、遂にこれを成し遂げ、
最後は幸福感に包まれながら、竣工した公園で寿命を全うする。脚本はこれに加えて、男のささやかな功績を横取りする上司の醜さ、上役の前では意見を言えない小役人ぶり、酒を飲まなければ本心が言えない小市民ぶり、非効率的な役所仕事に対する批判を展開する。全て蛇足であり、不要。それは男にとって無意味だから。男が役所批判をしたり、名誉を欲しているわけではないのは明白。男が余命をかけて完成させたものがささやかな公園であったといういうのは泣かせる。◆構成上の欠点がまだある。最大のものは再生役の女性が途中から出てこなくなる事。若さと無邪気さで、男を”再生”させた女性が男の死に水をとるという構成が自然だろう。ラストに親族にとって謎であった女性の正体が知れ、女が男が自らの癌を知っていたこと、最後は幸福に死んだことを語る展開にすれば、感動が数倍増すこと請合いだ。重要な役割をする女性が途中で消えるのは理解に苦しむ。ポスターでは公園で男と女性がブランコに乗っている。監督はわかっていた筈なのだ。男に遊びを教えるメフィストフェレス役で良い味を出していた無頼派作家も消えるには惜しいキャラだ。男が物語半ばで死んだり、男に同情する若い同僚が葬式シーンからしか登場しなかったり、物語がブツ切れてしまっている。又女性の正体が不明のまま終わるのは、男にとっても家族にとっても不幸、観客にとっては未消化。◆高踏的なナレーションは不要。「この男は生きていない」などと、説明されても困る。その内容を見せるのが映画の筈。演出意図や理屈を説明するような科白が混ざっているのも減点対象。ごく自然な言葉、態度、出来事で観客に分らせるのが良い映画。
この映画は少し頭でっかち。◆役所に対する偏見が強い。「何もしないことが仕事」「1時間で出来る仕事を1日かけてやる」などは言い過ぎ。◆演出は冴えわたり、映像マジックも垣間見れるだけに惜しい。
よしのぶさん [DVD(邦画)] 8点(2011-07-24 05:55:11)(良:3票)
243.現代では風俗こそすっかり様変わりしてしまいましたが、根本的な人間の姿はほとんど古びていないのには驚きました。無意味で空虚な仕事がもたらす精神の荒廃、お役所仕事の弊害(序盤はシン・ゴジラにもそっくり)、肉親の間ですらどこかよそよそしさが付きまとう人間関係、うちの中もおもてもおんなじ寒さという日本の住宅事情への愚痴まで現代と変わらない(笑)。日本社会の本質がこの時代から大して変化していないというだけかもしれませんが、これは人間への真摯な観察の賜物でしょう。しかし細部の描写はいいのですが演出や脚本がそれほどうまいとは思えません。志村喬が病院待合室で診察を受ける前の会話では他の患者が胃がんなのに胃潰瘍と言われたと語られ、後の場面で医者に同じことを言われるんだろうなと簡単に推測できてしまいます。酒場での小説家との会話では胃がんが人生に対する目を開かせたなんて作品のプロットを全部台詞で説明しちゃってます。小田切みきとの交流は今見るとパパ活みたいで真面目に見るべきなのか笑えばいいのか…。有名なハッピーバースデーのシーンも分かり易すぎていかにも演出の作為が見えてしまいます。葬式のシーン以降はやっぱり長すぎますし、社会批判というよりは主人公をひたすら賞賛しているだけのように見えてしまいます。本来は社会風刺喜劇になるべきところにヒューマニズムドラマまでつぎ込んでいるのでどうにもバランスが悪いです。しかしバランスが悪かろうと語り方が下手だろうと伝えたいテーマを何としてでも伝えようとする姿勢は立派だと思います。「わしは人を憎んでなんかいられない、わしにはそんな暇はない」こういう心を揺さぶる台詞が出てくるのはやはり小手先の技術ではないと思います。ダメなところもたくさんあるとは思いますが、黒澤明はやっぱり偉大な監督です。
Сакурай Тосиоさん [インターネット(邦画)] 7点(2023-04-08 22:21:27)(良:2票)
242.こんなに後からじわじわとくる映画も珍しい。黒澤が描くヒューマニズムの代表格であり間違いなく不朽の名作。
無気力に生き坦々と過ごす日々の人間にある日死の宣告が訪れる。余命をどう生きるか。誰もがいつかは死ぬわけではあるが、こんなに人生の意味を考えることはないんじゃないか。きっと同じ立場であれば強烈な不安に襲われる。そのなかで明日をどう生きるか。深く考えさせられた。
また、志村喬が迫真。何が凄いって、全体的にボソボソと話すのだが会話要らずの眼の演技。絶望、不安、生命力を眼で表現してる。
エンディングは夕焼けが印象的。モノクロではあるが生き抜いた達成感と哀愁に映え色彩があるようだ。ブランコを見る際、恐らくずっとこの生きるが頭によぎるだろう。それだけの映画。
mighty guardさん [DVD(邦画)] 9点(2017-01-11 19:34:06)(良:2票)
241.元ネタはゲーテの『ファウスト』なんだろうけど、日本を舞台にした現代劇として、確かにうまくアレンジされている・・・しかし「うまくアレンジ」と言いつつも、何か釈然としないものが。いや、私が『ファウスト』を深く理解しているとか、真髄をつかめているとか言う気はさらさら無いんだけど、少なくとも「多分、この方向に、これより“上”は無いんだろう」という感触(あるいは、畏れ)くらいは持っている訳で。これを“換骨奪胎”という言い方で納得してばかりもいられない。多分、本作の「作りこみ過ぎ」あるいは「語り過ぎ」の面に、引っかかるものがあるのだろうか。この映画の、ウマさとクドさ。確かによく出来ていると大いに感心させられはするのだけど、そして目を引く印象的なシーンも多いのだけど、全体を通したときに、一番印象に残ってしまうのは、“作為”に他ならない。「必要性」と「十分性」のバランスが、前者に傾いてしまったときの、危うさ。そしてもうひとつ。これらの事と、本作のテーマの重さとの間の不釣り合いが、気になってしまうのだ。私もそこそこ歳くってきて、それなりに人の生死にも関わる機会があり、それも思わぬ形で関わってしまうものなのです、これがホントに。だから、だから。いややっぱり、この映画は、とても良くできた映画、ということで、いいのかもしれない。ただ、私は『生きる』ではなく『死ぬ』として、この映画を観てしまう。いっそ、中盤の歓楽シーンが延々と続いた揚句、何の前触れもなく主人公が死んでしまう、そんな映画を観たいのかも、知れない。
鱗歌さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-09 12:16:23)(良:2票)
240.《ネタバレ》 役所の連中逝ってよし
norainuさん [DVD(邦画)] 8点(2008-03-05 16:37:24)(笑:2票)
239.これは本当に重いけど、でも凄い映画です。志村さんの捨てられた子犬のような目が何とも印象的です。癌と知って自暴自棄になってもおかしくない所を、部下との交流からやるべき事を模索する辺り、何とも真面目な生き様そのものだなあと思いました。ただ終盤の葬式での回想シーンはエピソード毎に区切らず、公園作りに奔走した渡辺さんの行動を一気に見せた方が感動は倍増したかもしれません(公園を作るシーンは全く無いのが意外でした)。あと部下を演じた小田切みきさんのハツラツとした表情が凄く可愛いなあとか思ってしまいました(チャコちゃんケンちゃんのお母さん役の方なんですね!)。あと黒澤監督の作品は、台詞回しが舞台調で皆常にオーバー気味な演技ですので、そこらへんは特に気になりませんでしたが、黒澤監督は志村さんにもう少し肩の力を抜いた演技を期待したみたいですね。。ちなみに志村喬さんがモーガン・フリーマンに似ているという声をよく聞きますが、モーガン・フリーマンの方が志村さんに似ているんですよね。是非「七人の侍」の時に志村さんが見せた照れた時の仕草、頭を撫でつつ微笑で「いやー、かたじけない」をモーガンに日本語でやってもらいたいです。
まさかずきゅーぶりっくさん [DVD(邦画)] 8点(2006-08-13 13:55:15)(良:2票)
238.仕事中に映画のレビューを書き込むアホ公務員どもよ!!この映画を見て、渡辺さんを見習え!!
こわだりのインテリアさん 6点(2004-06-30 10:12:00)(良:1票)(笑:1票)
237.《ネタバレ》 「生きる」とはどうゆうことか。この難解なテーマを内包した映画は多くあるけれど、ここまで明白にこの難問に取り組んだ作品は数少ないのではないでしょうか。その意味で黒澤監督が稀有な作家であることを証明する作品と言えるでしょう。小田切や小説家との出会い、さらには息子夫婦との関係の中で、主人公の老人が「生きる」までの心情を時間をかけて描き、見事に「ゴンドラの唄」に集約させていきます。冒頭では、胃のレントゲン写真にナレーションを付けて、物語のあらすじをほとんど教えてしまい、途中でまたしてもナレーションによって主人公の死を唐突に告げる大胆な構成。この構成によって、観客はこの老人の生き様をより客観的に見つめることになり、「生きる」というテーマを強制的に考えさせられるはめになります。市民課から始まって、公園課、ついには市会議員にまでに及び、最後にまた市民課に戻されるという、たらい回しのシーケンスの長さ、しつこさ、描写の上手さは、まさに出色の出来映え。さらに葬式の後、姿勢を改めたと思われた後任職員が舌の根も乾かぬうちに相も変わらずたらい回そうとする、この説得力。役人への強烈な批判とともに、真に「生きる」ことの難しさを巧みに指し示しています。ラストで、黒澤監督は子供たちの声を公園に響かせ、少しでも「生きる」ことができた老人へ賞賛を送ると同時に、あなたは「生きる」ことができますか、と静かに問いかけてきます。黒澤ヒューマニズムが最も如実に現れている傑作です。
スロウボートさん 9点(2004-01-11 18:42:38)(良:2票)
236.この作品見終わった後、とりあえず近くの公園行ってブランコに乗った。で、小声で歌った。俺生きてんだなぁって思った。
qtさん 10点(2002-06-08 01:09:21)(良:2票)
235.《ネタバレ》 そのうちDVDを買おうと思っていたところ、BSで放送されて有り難く視聴。'50年代初期の日本の風景。戦後間もない、まだ簡素だけど生き生きと賑やかな町並みが、観ていて楽しい。
課長職で、立派な家に息子夫婦と住み、家政婦も居る。傍から見れば羨ましい限りの生活。病院で死を悟り、家に帰り、仕事に行くため目覚ましをセットする。もう死ぬのに、何で仕事を続けないといけないのか?
心のなかで何度も『光男、光男…』と叫ぶ様子がまた切ない。これからどう生きていけば良いのか。愛する妻に先立たれ、まだ幼かった光男を育て上げることは、渡辺の生きがいに違いなかったろう。今では光男も既に結婚し、西洋かぶれのベッドにガウンと、夫婦で好きなように生きている。一人息子からも必要とされていない今の現実と、死ぬことを言い出せない冷え切った親子関係。

志村喬の目の輝きがとても印象深い。働いて“死骸と一緒”の時は輝きのない目をしていて、死を受け入れて、どう生きるかを模索しだしてから、目が輝く。やせ細る顔と対象的に、生きることへの執着を表すようなギラギラした目。
まず飲む打つ買うと、今までと真逆の生き方をしてみる。残りの人生を自分のために使ってみる。ピアノ伴奏で歌いだす“ゴンドラの唄”。暗い歌が場にそぐわないのはもちろんだけど、どんどん伴奏とズレていくところが、娯楽では満たされない虚しさを感じさせる。暗い空気のタクシーの中で、娼婦が歌う“カモナマイハウス”。帰る家(家庭)など無い渡辺と、心情を察して涙ぐむ小説家の対比が見事。

小田切くんに靴下を買ってあげよう。一緒に遊んで、甘いものもご馳走しよう。残りの人生を若い女との時間に使うと思わせておいて、人が喜ぶ姿に生きがいを見出したんだと気がつく流れがテンポが良くて伝わりやすい。パタパタ跳ねるうさぎのおもちゃと「こんなものでも、日本中の赤ん坊と仲よしになれたような気がするの」そうか、目の前の人を喜ばせるだけじゃなんだ。という気付き。「やる気になれば!」「ワシにも何か出来る!」遂に生きがいを見つけた渡辺の後ろから“ハッピーバースデートゥーユー”。

本作の主題である、渡辺が『生きる』姿を観せず、通夜の席に飛ぶ流れは、今の目で観ても思い切った手法。全てが終わってから振り返る手法は『市民ケーン』のアレンジなのかもしれないけど、その後の職員たちの気持ちの変化が、当時のお役所仕事の風刺として印象深い。また『素晴らしき哉、人生!』とは異なり、自ら、あの状況で気が付き、出来ることをやりきった渡辺の姿は、映画の中のお話に終わらせず、どんな人にもやる気を湧かせたんじゃないだろうか。
ブランコで一人“ゴンドラの唄”を歌う渡辺の目に、生きていた時のような輝きはない。祭壇の遺影と同じように。公園という自分が生きた証を残し、満足して死んでいったんだろう。

台詞がよく聞き取れなくて、居酒屋で小説家に渡すアレが何か分からず。あと録画したものにテロップが入ってたので、やっぱ字幕の付いたDVD買うか。
K&Kさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2024-02-03 11:54:59)(良:1票)
234.《ネタバレ》 とある役所の寡黙な市民課長が主人公。癌で余命幾ばくもないことを悟り、これまで何も為し得ていない自分の人生を振り返り狼狽したり、無断欠勤して遊び歩いたり、心を入れ替えて市民のために仕事をしたりという話。お役所仕事(仕事のたらい回し)の風刺になっていて、時代劇が多い黒澤明の作品の中では異色の部類だと思います。しかしながら、時代を経て労働の質が大きく変化している中、さすがに今の時代では通用しないテーマだなと思ってしまいました(縦割りと責任回避はいまだにどこにでもありますが)。本来的には、喜劇的な要素をちりばめつつ、余命の限り市民のために奔走して仕事を為した男の生き様を示し、そういった仕事ができない現状(当時)に一石を投じているのだと思います。ですが、今になっては、単純化、戯画化が過ぎていて、わかりやすいのだけど、深みやリアリティがなく、なんか、すべてが喜劇に見えてしまいました。主人公以外の登場人物に苦悩がまったくなく、深く考えない大衆役を演じさせているのも、通り一辺倒でダイナミズムを感じさせません。結果、ちょっと説教臭い感じが目立ってしまいます。なぜ、主人公が人が変わったように仕事に打ち込むようになったかを、葬式の参列者が議論するくだりも、すべてが説明台詞になっていて、「癌であることを知らないはずなのに、なぜだろう?」などと延々とやってるのも、そらぞらしくて、何だかなと。映像作品としては丁寧につくられているので、昔の繁華街はこんな感じだったのねとか、飽きることなく楽しく見られました。
camusonさん [DVD(字幕)] 4点(2023-03-01 19:05:19)(良:1票)
233.久し振りに‥‥本当に久し振りに鑑賞しました。
以前観てから、恐らく40年前後経っていると思います。
観る方が年をとっても、良質な映画は古くならず、我々に感動を与えてくれます。
何より、あの志村喬の演技力の素晴らしさ
殆んど、まばたきをせず、目力で観る人に訴えて来る‥‥
観終わった後、暫く涙が止まりませんでした。

現在、リメイク版(タイトルは「Living」)を英国で製作中と聞いています。
どんな作品になるのか、楽しみです。
TerenParenさん [DVD(字幕)] 9点(2020-09-11 22:47:53)(良:1票)
232.《ネタバレ》 昔の映画を見るときは覚悟しないといけないとつくづく思った映画でした。
ストーリーは知っていたしブランコのシーンも知っていましたが、終始一貫して退屈に思えてしまいました。
役者たちの演技がオーバーすぎるのと、死期迫って自分の働いている職場で正義に目覚めストーリーも、亡くなった時のお葬式で他の人の手柄になっている彼の善行をみんなが訴えるシーンも、また同じパターンと思えます。
今見ると手あかがついてるのも否めません。
笑いのシーンも笑えず怒りのシーンもそんなものとしか思えず、ブランコのシーンさえも単なる自己憐憫にしか思えませんでした。
omutさん [試写会(邦画)] 3点(2019-10-20 05:55:51)(良:1票)
231.説教くさいとか、展開が遅いとか、喋りが聞き取りづらいとか、現代から観ると色々と難癖をつけたくなる。
しかし、それでもあのブランコのシーンの感動が、最後の夕焼けの美しさが、そうした難癖も吹き飛ばしてしまう。

主人公は安定した職があっても、家族がいても、世間的には立派な人であっても、生きるということの意味や意義を見出せていない。
むしろ日々を生きるのではなくやり過ごしてきただけで、まるで死人のようだと自嘲している。
そんな主人公が死の淵に立ったとき、初めて生きることの意味や意義を見出して奔走を始める。

冬の夜のブランコ。それを満足げに漕ぎ、歌を口ずさむ主人公。
本当に良いシーンだ。生きる意味を見出し、精一杯生き抜いたのだから。
ヤクザと対峙するシーンも涙を誘う。

主人公のように”生きる”ということが自分にもできるだろうか。
いつもこの映画は冬の夜のように深々と、しかし夕焼けのように暖かく問いかけてくる。
nakashiさん [DVD(邦画)] 10点(2018-08-25 15:54:32)(良:1票)
230.《ネタバレ》 ぜったい黒澤映画は時代劇じゃない方がおもしろい
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 10点(2014-08-03 19:55:29)(良:1票)
229.《ネタバレ》 お役所仕事のいい加減さには思わずイライラ。
主人公自身もそうした人間の一人だったが、死に直面して生まれてきた意味を見つめ直す。
男手一つで育てた息子の無理解な言動に、何のために自分を犠牲にしてミイラのような干からびた人生を送ってきたのかという空しさに駆られる。
人は誰しも生きた証しを感じたい。
家族の愛情が確かであればそこに生きがいを見出したかもしれないが、それが期待できないならば仕事しかない。
溌剌と生きている元部下の若い女との会話をヒントに生き方を変えた場面では、ハッピーバースディの歌の演出。
生まれ変わったように役所で働く姿は感動的で、こういう公務員が増えてくれればと願うばかり。
通夜の席での幹部役人の腐れっぷりが実状に近いだろうけど。
渡辺に感化されて熱く語っていた人たちも役所に戻ればすっかり元通り。
役所のセクショナリズムや形式主義、手柄の横取り、無責任さへの痛烈な批判がにじみ出ているが、役所だけに限らず社会全体への警鐘に取れる。

黒澤映画はエンターテイメント性を前面に押し出したものよりも、こうして人間をじっくり描いたもののほうがいい。
誰もが自らを振り返って考えさせられるテーマがあった。
その普遍性が時代を超えて多くの人の共感を得るのだろう。
生きることを始めて今まで気づかなかった夕焼けの美しさに感動して足を止める主人公。
他部署の酷い扱いに「こんなに踏みつけにされて腹が立たないんですか?」と部下に問われ、「人を憎んでなんかいられない。わしにはそんな時間はない」と答えていたのが印象的。

気になったのは、セリフが聞き取りにくい、ナレーションで語りすぎ、主人公に生き直すきっかけを与えた若い女がその後出てこないなど。
なので、完璧な映画だとは言い切れないが、欠けた部分を補うだけのものがあった。
この時代に日本でもこれだけの作品ができたことを加味しての満点。
飛鳥さん [ビデオ(邦画)] 10点(2013-07-21 22:25:11)(良:1票)
228.最初に観たのはテレビ放送で中学の頃だったと思います。部屋で一人で観てボロボロ泣きました。それから二十数年の間に何度も観ていますが、今でも胸が詰まります。物書きと会って遊び回るくだりが、現代から見るとのっぺりしてだるく感じますが、そこを除けばテンポの悪さも感じません。「七人の侍」でボスを演じた志村さんが、この作品で全く違う男を演じて、この映画で初めて役者ってすごいなと思いました。公園で倒れて水を飲むときの子供のような瞳が忘れられません。生きることの幸せをどこに求めるか、それを「家族」とか「仲間」とかいったものに求める物語もあるけれど、この物語の主人公は息子に心の拠り所を求めるのもやめ、職場の仲間たちと目的に向かって心一つにして盛り上がったというわけでもなく、惹かれて止まない女性とも「ハッピー・バースデー」の歌のなか卒業し、自分の生きる充足感を決して他人に求めませんでした。二階から声をかけた息子のもとへ駆け上がりかけたものの、あっけなく「おやすみなさい」と明かりを消され置き去りになった主人公が、息子に何も語り残すことなく自分一人の「生きる」道を黙々と進み切った姿はカッコいいなと思います。ケータイをカチカチ常に誰かと繋がっている気分でいたい人たちにも、もし心に穴があるなら、この主人公の心のベクトルは穴を埋めるヒントになるかも。といっても「七人の侍」でも、この映画でも、ラストには「人は簡単に変われない」って姿が示されますが、そこを「そうそう、みんなそうなのさ」と甘えるか「自分はそうなりたくない」と願うか、それも生き方。大感動のままで終わらせないシビアな終わらせ方もニクイです。 【2014/7/23追記】ずっと引っかかっていることがあります。とっても小さなことなんだけど…主人公が夕日を見て美しいと感激する場面です。あの場面ですぐ「私にはそんな暇はない」みたいに歩み去りますけど、なんかそこに引っかかっちゃうんです。ラストで別の人が同じ場所で夕焼けを背景に立ちますから、それとなく意図することはあると思いますが「そんな暇はない」は足引っ張りに対してだけにして欲しかったかなー。僕も癌だけど、生きる残り時間のことについて思うのは、ストイックすぎるこの映画より、『ブレードランナー』だったりするのが不思議。
だみおさん [DVD(邦画)] 10点(2009-11-02 23:54:29)(良:1票)
227.《ネタバレ》 至極真面目な映画だという先入観のもとに鑑賞したので、ブラック・ユーモアの多さに驚かされた。通夜のシーンを先に持ってくるという構成は、メリハリが利いていて成功してるように思えました。公園のシーンをはじめとして、志村喬の演技の凄いこと凄いこと…。
j-hitchさん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-11 21:49:17)(良:1票)
226.《ネタバレ》 つい先日、食わず嫌いだった「七人の侍」に感動して以来、黒澤作品に興味を持ちました。日本にはこんなに素晴らしい映画が有ったのですね…最近の映画には少し食傷気味だったので逆に新鮮な気持ちです。そして、こんなに泣いたのはは久しぶりです。もちろん単なるお涙頂戴ではなく、胸にずしりと重いものを感じる作品でした。生きるって何?死ぬって何?本当に考えさせられました。そして役所を辞めた女性の「何かつくってみたら」の言葉に対し、突拍子も無い夢を追うのではなくて、いつも勤めていた役所で出来ることを見出したところが素晴らしいと感じました。日常にも見方を変えれば必ず自分の力を発揮できることがあるんだと。そんな渡辺さんの勇姿を観たのに、きっと私もあの役所の人達と変わらない明日…日常の過ごし方をすると思います。でもこの先勇気が必要になった時や岐路に立たされた時には必ず渡辺さんを思い出し、自分を奮い立たせようと思います。渡辺さん、ありがとう!
ClocheRoseさん [DVD(邦画)] 10点(2008-03-12 19:34:19)(良:1票)
225.《ネタバレ》 この映画に関しては語りつくせぬほど個人的な想いが溢れてたまらない。自分の人生をいかにして生きてゆくのかを黒澤明が教えてくれた。何でも良い、自分自身が後々後悔する事があってもその目標に向かって進む勇気。そして日常のささやかな幸せを忘れずに感謝の念を想い生きてゆく事。生ける者に対して必ず訪れる「死」に対しての心構えやその行動。下手な文学を100冊も読む必要はない、この映画を見れば十分だ。魅力的な配役・素晴らしい脚本・映像効果もさることながらやはり役者志村の映画の神が舞い降りたような奇跡の名演。(トム・ハンクスや幸四郎にはできるわきゃぁない!)この映画によって今を「生きる」人間がどれだけ励まされ、頑張っているか。感謝の念でいっぱいだ。今日も異国の空の下夕焼けを見て心に残る感動をかみ締めよう。そしてこの名作をより多くの映画ファンが見て何でも良い、心に何かを残して欲しい。この映画に関わる全ての人々に、本当に有難う。
Nbu2さん [映画館(邦画)] 10点(2007-09-14 17:26:53)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 244人
平均点数 8.03点
000.00%
100.00%
210.41%
331.23%
483.28%
5166.56%
6166.56%
74016.39%
84217.21%
95622.95%
106225.41%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.04点 Review21人
2 ストーリー評価 8.33点 Review27人
3 鑑賞後の後味 8.18点 Review27人
4 音楽評価 7.90点 Review21人
5 感泣評価 7.92点 Review25人
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