イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

[イミテーションゲームエニグマトテンサイスウガクシャノヒミツ]
The Imitation Game
2014年上映時間:115分
平均点:7.50 / 10(Review 92人) (点数分布表示)
公開開始日(2015-03-13)
ドラマサスペンス戦争もの歴史もの伝記もの
新規登録(2015-01-31)【DAIMETAL】さん
タイトル情報更新(2018-03-20)【TOSHI】さん
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監督モルテン・ティルドゥム
キャストベネディクト・カンバーバッチ(男優)アラン・チューリング
キーラ・ナイトレイ(女優)ジョーン・クラーク
マシュー・グード(男優)ヒュー・アレグザンダー
ロリー・キニア(男優)ロバート・ノック刑事
アレン・リーチ(男優)ジョン・ケアンクロス
マシュー・ビアード(男優)ピーター・ヒルトン
チャールズ・ダンス(男優)アラステア・デニストン中佐
マーク・ストロング〔男優・1963年生〕(男優)スチュワート・メンジーズ少将
アレックス・ロウザー(男優)学生時代のアラン・チューリング
三上哲[声優]アラン・チューリング(日本語吹き替え版)
佐古真弓ジョーン・クラーク(日本語吹き替え版)
有本欽隆アラステア・デニストン中佐(日本語吹き替え版)
てらそままさきスチュワート・メンジーズ少将(日本語吹き替え版)
脚本グレアム・ムーア〔脚本〕
音楽アレクサンドル・デスプラ
撮影オスカル・ファウラ
製作総指揮グレアム・ムーア〔脚本〕
配給ギャガ
美術マリア・ジャーコヴィク(プロダクション・デザイン)
衣装サミー・シェルドン・ディファー
編集ウィリアム・ゴールデンバーグ
字幕翻訳松浦美奈
その他クリント・マンセルスペシャル・サンクス
あらすじ
イギリスがドイツに宣戦布告した1939年。英国海軍のアラステア・デニストン中佐(チャールズ・ダンス)はブレッチリー・パークにて、チェスの英国チャンピオンのヒュー・アレグザンダー(マシュー・グード)をリーダーとするナチスの暗号「エニグマ」の解読チームを結成する。メンバーのうち、ケンブリッジ大学特別研究員のアラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は「クリストファー」と名付けた巨大な解析装置を独自に完成させるが、独軍が毎日暗号を変えるため解読は難航する。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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92.だいたい実話ですよね。天才でゲイでアスペルガーらしい孤独と苦悩。そしてなんとも言えない最後をむかえるのが切ない。
真尋さん [インターネット(吹替)] 8点(2023-11-04 01:23:10)
91.《ネタバレ》 “The Imitation Game”『模倣ゲーム』。コンピューターに人間らしい回答をさせて、人間臭さの精度を見るテスト。って解釈かな?それで良いのかな?まぁまとにかく、主人公アランが嫌なヤツとして確立していて、この人を主人公にして感情移入できるのかなって不安になる出だし。
ギスギスしたチームにジョーンが加入、まさに人間関係の潤滑油。研究とは無関係な場所からヒントを得て(よくある展開といえばその通りだけど)の、困難を乗り越えての解析装置完成は、どんよりした空気が吹っ飛ぶカタルシスを感じました。
…まさかここからが真のドラマの始まりだったとは。

大局的な勝利のために助けられる味方を見殺しにする。神の目を持ちながら感情に流されず、必要最低限の情報利用に留まることは、どれだけ心身が疲労することだろうか。信頼できる仲間がスパイ。ナチスはいま戦っている敵だけど、将来はコミュニズムとも戦う時代が来る。敵にバレちゃ不味い機密情報を仮想敵のスパイが共同制作している。あぁこれこそ、タイトルの『イミテーション・ゲーム』だな。

可能性だけど、どこかの戦闘で暗号機と暗号解読員が奪取されて、ドイツ軍が“送った暗号が筒抜けになった可能性”を考えて、アランたちとは無関係に、新エニグマを開発する可能性もあっただろう。もしくはエニグマ解読を大々的に活用したとして、ドイツが次なる暗号機を、すぐに作ることが出来ただろうか?伸び切った各戦線に暗号機を配備して、誤用・誤解釈なく運用できただろうか?
アランは青酸カリ入りのリンゴをかじって死んだそうな。彼の死から30年後にかじられたリンゴがトレードマークの『マッキントッシュ』が世に登場する。
K&Kさん [インターネット(字幕)] 7点(2023-09-25 01:27:52)
90.《ネタバレ》 「ドイツ軍がこれから行う奇襲攻撃や爆弾投下、神出鬼没のUボート攻撃、全ての指令が今この空中を飛び交っている。これらの無線信号は受信機さえあれば子供でも傍受出来る。だが、その内容は高度に暗号化されている。その組合せは、159×10の18剰通り……。10人が1分間で一つの組合せを試し、1日24時間、週7日休みなく続けても、全てを調べ終わるのに2000万年もかかるのだ。しかも、それは1日のはじめに全て設定しなおされてしまう…。それが、ナチスドイツが開発した世界最高峰の暗号化システム、エニグマだ」――。本作は第二次大戦中、英国諜報部の極秘指令を受け、そんな難解な暗号化システムの解読に成功したものの長らく極秘扱いにされ、歴史の闇に埋もれていた天才数学者アラン・チューリングの生涯を描いた伝記映画だ。なるほど、数々の賞を受賞しただけあって、堅実に創られた歴史ドラマとしてなかなかよく出来ている。アラン・チューリングという天才的な頭脳を有するものの、人間としては社交性ゼロ、偏屈な変わり者が如何にして仲間たちと協力し合いエニグマという世界最高峰の暗号を解読することが出来たのか?また、第二次大戦の終結を2年は早め、多くの人命を救ったばかりか現代のコンピューターの原型と呼ぶべきシステムを開発したのに、何故それが何十年も極秘扱いされてきたのか?そんな興味深い内容であるもののいかんせん地味になりがちなテーマを極めて分かりやすく、かつ魅力あるドラマとして描き出すことに成功している。主人公の人格形成に大きく影響を与えた少年時代、仲間とともにエニグマ解読に全精力を捧げた第二次大戦下、そして、その抱えた秘密によって不遇の晩年を余儀なくされた終戦後…。ともすれば空中分解しそうなそんな三つのエピソードを、極めてバランスよく配置したその物語構築の手腕は高く評価されるべきものだろう。観客の好感を得られにくい偏屈な数学者という難しい役柄を、一人の人間として見事なまでに演じきったB・カンバーバッチの仕事ぶりも大したものだった。ただ一つ難点を挙げるとすれば、それはK・ナイトレイが演じたアランの婚約者、ジョーンの存在だろうか。同性愛者であった主人公がどうしてそこまで彼女に執着し、あまつさえ婚約者となって引き止めたのか。そこにいまいち説得力が感じられない。ここらへんをもう少し丁寧に描いてほしかった。とはいえ、歴史の荒波に翻弄され、不遇の人生を歩まざるをえなかった一人の偉人の生涯を現代に甦らせた本作の業績は称賛に値する。なかなかの佳品と言っていい。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 7点(2023-06-22 13:07:32)
89.《ネタバレ》 第二次大戦時に敵国ドイツの暗号情報解読を成し遂げた英国人の実話に基づく物語。主人公は学者で、天才肌な変人で、研究第一で友達できないタイプ。元々チームワークという概念を持たず、孤立気味だったのですが、実力はあるので、チームのリーダーの座を勝ち取ります。使えないスタッフを解雇し、優秀な人材を集めることに。選抜試験のクロスワードパズルを自分よりも早く解いた女性がチームに加わり、その美人で優秀な女性に触発され、チームに打ち解ける努力をするようになります。暗号解読のための機械(コンピュータの原型)を開発し、難易度の高い暗号をなんとか解読するというのが前半。暗号解読の喜びも束の間、話が暗転するのが後半。後半、ナルホドと思わせる展開なのですが、前半の予定調和的な流れがちょっとイマイチでした。暗号解読において、劇中ひらめきで解読にいたった手法は、本来、基本のキだと思うのですが、どうなのでしょう?あと、二重スパイが発覚するところが、いまいちピンと来ないというか、思わず膝を打つような切れ味がないというか。何で見つかるかなぁという。また、物語の中にチューリング・テストを組み込んだのが、いたずらに複雑になってやしないかと。さらには、天才主人公の現在の人間性に至る説明として、しばしば学生時代の回想劇が挟まるのですが、現在の凜々しい人間像(内面・外見共)と乖離しているのが、違和感が残ります。以上のような気になるところを除けば、総じて、地味目な話を地道に密度高くつくり込んでいるなと思いました。
camusonさん [映画館(字幕)] 7点(2023-05-09 17:27:56)
88.《ネタバレ》 アラン・チューリングの情報は別のドキュメンタリー
番組で概要は知ってはいましたが、改めて映画で血の通った物語として
鑑賞して非常に感銘を受けました。
物語の展開に無理がなく、過剰な演出もなく孤独な天才の活躍と苦悩が
うまく描かれていたと思います。後味も悪いものではありませんでした。
ホームズ先生がこんなに名優だとは知りませんでした。

それにしても戦争というものは、悪と善、敵と味方、黒と白と単純に分
けることのできない複雑で残酷なものですね。

チューリングが夢想したAI技術が花開こうとしている昨今の状況を彼が
見たらどう思うのでしょうか。
キムリンさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-04 15:50:38)
87.《ネタバレ》  数年前にも見た記憶があるのだが、見始めると引き込まれるように全部見てしまいました。戦争当時の時代感の表現がすごく良かった。天才の疎外感とか中心的なテーマも上手く表現されていてその辺りがアカデミー賞の脚本賞になったのか。
 ただそれでも必要以上に疎外されている感が強かった。そこちょっと不自然かな。あと、ナイトレイさんが登場時すごい魅力的でその後の年齢による劣化も表現しているのが英国作品らしいな。ただ、自分にはチューリングにホモっぽさが感じられなかった。

 悲劇的な最後を迎えることで若かった日々が一層輝いて見える。第一級の青春映画だと思います。
たこのすさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2023-04-04 13:28:36)
86.ユダヤ人を迫害したナチスを倒した英国ですが、自国では同性愛者を迫害していました

そして、ナチスの暗号を解読することで勝利の最も貢献者の一人であるアランチューリングもその犠牲に

社会の多様性について、見ると考えさせられる映画です
amickyさん [インターネット(字幕)] 8点(2022-01-05 20:15:40)
85.《ネタバレ》 本当に月並な感想ですが、「天才は常に孤独」という訳ですね・・・
ラスト、みんなで証拠を焼き払うシーンはしみじみしました。
J.J.フォーラムさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-12-14 20:25:35)
84.《ネタバレ》 事実に基づく映画でありながら、終始飽きずに鑑賞できたし、率直に面白かった。

「天才の頭脳戦」と思って見始めたので、それはいい意味で裏切られた。

キーラ・ナイトレイが超綺麗だった。

途中、アランとジョーンに一緒に幸せになってほしいと思ったのは、鑑賞後、実に野暮だったと。
2年で12キロさん [インターネット(字幕)] 8点(2021-03-28 11:13:04)
83.《ネタバレ》  映画を観始めた直後に「あっ、シャーロックが主演だ!」と驚き、中盤にて「戦争映画じゃなかったのか……」と再び驚かされましたね。
 確かに戦争を描いた映画でもあるのですが、それ以上に『同性愛』という業を背負った天才にスポットの当てられた映画だったと思います。

 自分は数学音痴なもので、そんな観客にもストーリーを分かりやすく構成してくれた事は、本当に嬉しい限り。
 「真っ当な方法でエニグマを解析しようとしたら、二千万年も掛かってしまう」など、その任務の困難さが明確に伝わってくる辺りは、凄く良かったですね。
 途中、ヒロインが唐突なプロポーズを受け入れてくれたり、犬猿の仲であったはずの同僚が庇ってくれたりする流れには(ちょっと主人公に都合が良過ぎない? もっと仲が親密になるまでの描写が必要だったのでは?)なんて思ったりもしたのですが、後にキチンとそれらに対する答え合わせも用意されているのだから、お見事です。
 ヒロインは自分も「普通じゃない」という引け目を感じているがゆえに、同じく「特別」な存在である主人公に惹かれていたと明かされるし、同僚はソ連のスパイだったというオチ。
 後者に関しては察知する事も出来ましたが、前者に関しては、良い意味での驚きを味わえましたね。
 自分は同性愛者である、という秘密を告げられて「それが何?」と返す姿には、惚れ惚れとさせられました。

 それにしてもまぁ、主演のカンバーバッチさんは「SHERLOCK」でワトソンとの同性愛疑惑を掛けられたと思いきや、今度は本当の同性愛者を演じる事になるとはなぁ……なんて、微笑ましく思っていたのも束の間。
 まさか、こんな悲劇的な結末を迎えるとは予見出来ず、終盤には何とも重苦しい気分を味わう事となりました。

 夭逝した初恋の少年と同じ名前を機械に付け、それを偏愛する主人公の姿は、どこか滑稽でありながら、とても哀しいものを感じさせます。
 観客としては(あんなに素敵な女性が愛してくれているのだから、その愛に応えてやれば良いじゃないか)と、もどかしい気持ちになったりもするのですが「クリストファ」を再び失う事を恐れる彼の姿を目にすれば、何も言えなくなってしまいますね。
 慰めるヒロインの手を取った瞬間、その指に既婚者の証のリングがはまっている事に気が付き「おめでとう」と告げて、微かに笑うシーンの演技なども、素晴らしい。

 作中、ヒロインが「貴方の行いによって命を救われた人が沢山いる」と慰める場面では(でも、それによって殺された人々も沢山いるのでは?)と思えてしまい、全面的に彼を「正義の人」と感じる事は出来ませんでした。
 けれど、そんな事は彼女も承知の上で、彼を全肯定してあげる言葉が必要だからこそ口にしたのだろうなと、自然と納得させられる作りになっていたのも、上手かったですね。
 「誰を助けて、誰を殺すのか」を決める立場に置かれた過去を持つ彼の苦悩を、ほんの一時でも癒してあげる、優しい言葉だったと思います。

 それと、ストーリーの序盤にてチラッと語られた「主人公は林檎が好物である」という情報が、現実の彼の死と直接リンクしていると知った時には、大いに衝撃を受けました。
 (この映画でも、もっと林檎にスポットを当てても良かったのでは?)とも思えるのですが、それをやると寓意性が高まり過ぎると考えて、故意にオミットしたのでしょうか。
 判断の難しいところです。

 ラストシーンの「チューリング・マシーン。今それは、コンピュータと呼ばれている」のナレーションには、本当に鳥肌が立つのを、はっきりと実感。
 今、自分はノートパソコンを使って、この映画の感想を書かせてもらっている訳で、それを考えるだけでも、非常に感慨深いものがあります。

 この映画を「後味が悪い」と感じなかった理由は色々とあるのですが、一番の理由は「彼を愛してくれた女性がいた」と、丁寧に描いてくれた事。
 そして、少なくとも今現在の我々の世界においては、主人公の業績は正当に評価され、偉人として称えられているのだと、ハッキリ伝えてくれた事にあるのでしょうね。
 本人がそれを喜ぶかどうかは、もう決して分からない事ですが、映画の観客としては救われるような思いがしました。
ゆきさん [DVD(吹替)] 8点(2021-02-26 03:44:20)
82.《ネタバレ》 中学時代に母親にシネスイッチ銀座へ連行されてイギリスのホモ映画「モーリス」を見て以来、イギリス人のホモ文化には違和感のない私。

いやそれ以前に、小学生からリアルタイムファンだったボーイジョージもジョージマイケルも同性愛だったし(ファンとまではいかないがクイーンのフレディもエルトンジョンもそうだし)大学の卒論でとりあげた英文学者モームも同性愛(厳密に言えば両性愛だが)だし(ついでにオスカー・ワイルドも同性愛だし、「モーリス」書いたE.M.フォースターも同性愛だし)とにかくイギリスは同性愛者で成り立ってるんじゃないのかとさえ思うほどにイギリスの同性愛に違和感のない私。



そんな私から見ると、この映画は、”叶わぬ初恋を引きずり、亡き恋の相手の後を追ったホモ男の生涯”という見方もできる。

学校で初恋をした、暗号が得意な男子生徒クリストファーは心打ち明ける前に病死

そのトラウマを引きずりながら大人になると、手がけた暗号解読マシンに亡き初恋のクリストファーと名づけ彼の幻影を復活させる

戦後にそのマシンが極秘作戦の証拠として残らぬよう破壊を命じられたが「ボクのクリストファーを殺さないで!」と言わんばかりにコッソリ自宅保管

ホモ有罪判決を受け「服役で部屋にいるクリストファー(というマシン)と離れるのイヤ!」と言わんばかりに、服役代わりのホルモン治療の刑を受け入れる。

でもやっぱりホルモン療法で同性愛癖が消されたとして、それでクリストファーへの想いまで消えてしまうなら、「今クリストファー(というマシン)と共に命を絶つほうがマシ!」と言わんばかりに自殺し、天国にいるクリストファーのもとへ昇天



といった流れである。

この物語は

「へー、エニグマ解読マシンてのがあったんだー」

「へー、開発して有効利用されるまで紆余曲折があったんだー」

という表面的な”しらなかったー”、”おもしろかったー”だけではすまさせない、開発者が同性愛であるがゆえの、もうヒトヒネリなドラマ性が、単調で終わらない面白さを生み出していると思う。

この映画がただの暗号解読マシン開発者の奮闘話だったら5点だったけれど、同性愛要素が入ってひねりがきいていたので7点である。

ちなみに映画冒頭で盗難にあった彼の部屋で彼が青酸カリを掃除してる場面があったので、ひょっとして自殺は青酸カリかな?と思って調べてみると興味深いことにやはり青酸カリで、しかもベッド脇にかじりかけのリンゴがあったことや、彼が「白雪姫」の毒リンゴを模した自殺をほのめかしていたことから、リンゴに塗った青酸化合物を口にしたのではという分析があるらしい。

とすれば、彼は同性愛の男としては”女役”(同性愛でもやはり男役と女役の役割分担がある)として、自分をいじめから守ってくれた”男役”クリストファーを愛していたのだろう。

「リンゴをかじって死んで、次に目覚めたときには目の前に王子様(クリストファー)がいるはずだわ」なんて、乙女な思考だったに違いない。

アランはリンゴを口にする前に、暗号解読マシン(クリストファー)にそっと最初で最後のキスをしちゃってたかもしれない。
フィンセントさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-23 11:35:17)(良:1票)
81.《ネタバレ》 映画のラストでは、チューリングの悲劇的な死は直接描かれず、書類を燃やす映像に重ねられるテロップでのみ示されます。
勿論、書類が焼かれているのは、直接的な理由としては「用済みの極秘書類だから」ではあるのですが、それにとどまらず、このシーンには独特の楽しさと果敢無さが漂っています。一つの大きな仕事を成し遂げた後の、ひっそりとした有終の美。「個人的なお祭り」とでもいいますか、ちょっとキャンプファイヤーみたいなイメージから来る楽しさ。しかしその一方で、この映像にはナチスの焚書のようなイメージも感じられて。後にチューリングが同性愛を理由として社会的に抹殺されたように、ここでは彼の業績が、燃え盛る炎の中で消されていく、という果敢無さと哀しみ。
アラン・チューリング個人をコンピュータの始祖みたいに言うのが適切なのかどうかはちょっとわかりませんけれども、チューリングと言うと、ゲーデルの不完全性定理の「後日談」的に紹介される、チューリングマシンの停止問題(ゲーデルが因数分解の一意性を用いてあらゆる命題をゲーデル数に置き換え、対角線論法によって不完全性定理を証明したように、チューリングは対角線論法により、計算機が計算を完了しうるか否かを完璧に判定することはできない、ということを示した・・・超曖昧でテキトーな理解です、間違ってたらゴメンナサイ)、あるいは、AIの注目度が高まってる昨今では、チューリング・テストなどによって、名前を耳にする機会がありますが、我々庶民からすると、浮世離れしてて、どうもピンと来ない。
しかし実は、浮世離れどころか、我々の今があるのももしかしたら、彼の抹殺され(かけ)た業績、戦時中の暗号解読のお陰かもしれないのだよ、というオハナシ。これとは別途、暗号解読されまくって大勢の命が失われた日本の立場からすると、複雑な気持ちも無いでは無いけれど、それはともかく。
主人公を無闇に美化したり逆に過度にエキセントリックに描いたりすることなく、ちょっと風変わりで周囲になかなか溶け込めない人物の、いわば「居場所探し」みたいな物語として、映画は彼を描いています。しかし、戦時中に自分の居場所を見つけた彼、社会もまたその才能に多くを負ったはずの彼を、戦後、社会の一方的な価値観が追い詰めることになる、という皮肉。
映画は、子供時代、戦時中、戦後の時間軸を行き来して描いており、見てて混乱するという程ではないにしても、戦時中と戦後とはもう少しうまく描き分けて欲しかった気もするんですけどね。しかしこの構成自体は対比として効果を上げており、見応えのある力作、であることは確かだと思います。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-14 11:36:16)(良:1票)
80.《ネタバレ》 天才数学者アラン・チューリングの人生を、時間軸を交錯させながら巧みに描いた作品。
カンバーバッチの演技はさすがの一言。というか、カンバーバッチ自身、チューリング同様に名門パブリックスクール出身のエリートであるから、共通点がたくさんあって、演技がしやすかったのではないか。

主に3つの時間軸が交錯する脚本だが、筋の破綻もなく、有機的に機能しており、実にお見事な出来栄え。脚本、演技は素晴らしかったが、演出面はやや平凡か。特に戦闘機や軍艦が出る場面のCGはちょっとちゃち過ぎないか。パンチの効いた画面作りはあまりなかったような気がする。そういう意味では、満点評価はあげられないというのが本音のところだ。

映画全体を通して、当時のイギリス中・上流階級の様子がよく活写されていたと思う。オックスブリッジの閉鎖性、エリート人脈の中で蔓延する共産主義、同性愛…。余談だが、当時、諜報関連の仕事に従事する人間の多くはエリートの出身で、かつ他人には言えない秘密(共産主義シンパ、同性愛傾向)を抱えていたという。当局も半ば承知の上で、そういう人間を採用していたらしい(秘密を頑なに守ろうとするから利用しやすい、もしくは何かが起きたときに使い捨てがしやすいから)。結局のところ、チューリングも、当局にとっては利用しやすい人間の一人だったのかもしれない。

戦後、チューリングの貢献・功績は徹底的に隠匿され、彼自身は同性愛の告発、その後の投薬治療で心身を害し、遂には自ら命を絶ってしまった。
大変な功績のある人物に対して、当時の社会や国家がした仕打ちはあまりに冷淡だった。それと同時に、戦争や諜報というものがいかにシビアな世界であるのかを感じた。
nakashiさん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-04-04 11:01:29)
79.《ネタバレ》 そうだったのか!ノルマンディー上陸作戦も、あの解読がなければもっと厳しい戦いになっていたのか!
スイスのクリプト社の暗号解読事件もショックだったが、この事実を知って第二次世界大戦の印象が相当変わった。
チェブ大王さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-03-14 23:28:51)
78.エニグマ、知れば知るほど怖いくらい。
この映画は余分なこともなく、足りないところもない、素晴らしい映画でした。
ストーリーが事実だったことに仰天し、そして同時に連合軍が勝たせてもらっていたことに、英国がいつまでも「偉大」とされていることに納得。恋の駆け引きが何かを知らない主人公が戦争の駆け引きに勝った。忘れられない一本になります。
HRM36さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-03-02 12:17:09)(良:3票)
77.暗号解読に向けた様子が、苦悩は描かれてるけど、もう少し詳細な様子があると良かった。あと秘密とタイトルにまでつけたけど、それほどインパクトは感じられず。
nojiさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-02-29 22:00:40)
76.《ネタバレ》 とにかくベネディクト・カンバーバッチの演技に感服です。
これ悲しい映画ですね。

半世紀も最重要機密として封印されていたとはね、そりゃあそうでしょうよ。
偉業を成し遂げた天才を称えるというより、抗議の意味合いが強いのね、内容的に。
しかし戦争というのは、勝とうが負けようが知れば知るほど辛くていたたまれないことしかないんですよね。

こんな内容の映画だとは予想してなかったです、もっと早く観るべきでした。
確かホーキング博士を演じたエディ・レッドメインがオスカー主演男優賞だったんですよねー
主要部門にノミネートされててカンバーバッチもでしょ、結局脚色賞だけだもの
もう5~6年前のことで今さらなんですけど、なんか悔しいなあ、
それほど映画としてもカンバーバッチの演技も素晴らしかった。傑作、秀作だと思う。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-02-18 22:06:16)
75.個人的に盛り上がるとこなく終わってしまった
なますてさん [インターネット(字幕)] 5点(2019-12-28 06:15:53)
74.《ネタバレ》 暗号キーが毎日変わる上に暗号元の平文の内容が分からないのに
解読する為に論理回路もそうだし
平文が正しい文章である事を解析する為の構文解析が必要だから
絶対無理だよなぁって思いながら見てました。

手でこれをやると結果を見て文章だと分かりますが
機械にはわかりませんからねぇ。

今ならGoogle翻訳使えばよいですが。

なので、定型文がある事を気づいたシーンは
あぁー、これなら総当たりでいける。
と、個人的にかなり熱い展開でした。

で、そこで終わると思いきや
それを全部使わう事によるリスクにすぐ気づくのが
あぁーなるほどって感じでした。

確かにばれたら詰みますね。

高校野球でサイン盗むが問題になるのも
やりすぎるからですからねぇ。

で、その後のパートはだいぶ重すぎて
なかなか爽快感のある終わり方ではなかったですが、
途中の展開はかなり好みの映画でした。

ってことで8点で

なお、コンピューターの元はノイマンだけ知ってましたが、
チューニングもそうだったのですね。
シネマレビュー管理人さん [地上波(吹替)] 8点(2019-07-22 21:11:34)(良:1票)
73.《ネタバレ》 天才数学者を巡る良質なミステリーであり、社会の不条理に殺された孤独な男のラブストーリーでもある。非常に強いこだわりを持ち、協調性に欠けたアランの言動は普通の人なら避けたくなるタイプだが、その発達障害を持つ当事者なら共感するところはあるのではないか? 彼は戦争終結を早め、コンピューターの父という、世界レベルの功績を残した。だが、機密保持が優先である故に、理解者に励まされても何の慰めにもならず、多くの人がしている普通の生活を切望していたあたり、マジョリティーの世界との深い断絶を感じてしまって切ない。戦時下での判断が救える人と見捨てられる人の数を決めるように、そのボタンの掛け違えで、もしクリストファーが生きていたら、同性愛が禁止されていなかったら、歴史が大きく変わっていても彼に救いはあったのだろうか?
Cinecdockeさん [地上波(字幕)] 7点(2019-05-27 21:36:01)
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【点数情報】

Review人数 92人
平均点数 7.50点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
555.43%
61415.22%
72426.09%
83234.78%
91314.13%
1044.35%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review5人
2 ストーリー評価 7.83点 Review6人
3 鑑賞後の後味 7.83点 Review6人
4 音楽評価 8.00点 Review4人
5 感泣評価 7.75点 Review4人
chart

【アカデミー賞 情報】

2014年 87回
作品賞 候補(ノミネート) 
主演男優賞ベネディクト・カンバーバッチ候補(ノミネート) 
助演女優賞キーラ・ナイトレイ候補(ノミネート) 
監督賞モルテン・ティルドゥム候補(ノミネート) 
作曲賞(ドラマ)アレクサンドル・デスプラ候補(ノミネート) 
美術賞マリア・ジャーコヴィク候補(ノミネート) 
脚色賞グレアム・ムーア〔脚本〕受賞 
編集賞ウィリアム・ゴールデンバーグ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2014年 72回
作品賞(ドラマ部門) 候補(ノミネート) 
主演男優賞(ドラマ部門)ベネディクト・カンバーバッチ候補(ノミネート) 
助演女優賞キーラ・ナイトレイ候補(ノミネート) 
脚本賞グレアム・ムーア〔脚本〕候補(ノミネート) 
作曲賞アレクサンドル・デスプラ候補(ノミネート) 

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