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この世界の片隅に

2016年【日】 上映時間:126分
平均点: / 10(Review 53人) (点数分布表示)
ドラマ戦争ものアニメ漫画の映画化
[コノセカイノカタスミニ]
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タイトル情報更新(2017-01-03)【イニシャルK】さん
公開開始日(


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監督片渕須直
のん北條すず
細谷佳正北條周作
小野大輔水原哲
潘めぐみ浦野すみ
牛山茂北條円太郎
新谷真弓北條サン
小山剛志浦野十郎
京田尚子森田イト
佐々木望小林の伯父
塩田朋子小林の伯母
原作こうの史代「この世界の片隅に」
脚本片渕須直
音楽コトリンゴ
作詞コトリンゴ「たんぽぽ」
こうの史代「みぎてのうた」
片渕須直「みぎてのうた」
サトウ・ハチロー「悲しくてやりきれない」
作曲コトリンゴ「みぎてのうた」/「たんぽぽ」
加藤和彦「悲しくてやりきれない」
飯田信夫「隣組」
編曲コトリンゴ「悲しくてやりきれない」/「隣組」
主題歌コトリンゴ「みぎてのうた」/「たんぽぽ」/「悲しくてやりきれない」
挿入曲コトリンゴ「隣組」
企画丸山正雄
プロデューサー真木太郎
配給東京テアトル
作画松原秀典(キャラクターデザイン・作画監督)
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123
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53.《ネタバレ》 ​一番その世界から離れていそうな人がふとした瞬間から世の中の不条理や理不尽に嫌でも向き合わなきゃいけなくなる。
前半まるでなにか明るいバリアに守られているような気がするが、そんなものは無い。ただただ「ふとした瞬間」どうしようもない理不尽がやってくるのだ。
その残酷さが、その後に残った間がとにかく心に刺さる。
それでも毎日は続く。泣いてばかりもいけないし、落ち込んでもいられない。
とにかく笑って生きていかなきゃいけない。生きていかなきゃいけないのだ。
えすえふさん [映画館(字幕)] 8点(2017-01-20 18:17:00)★《新規》★
52.このような人間が現実に存在するだろうかと思えるほど、すずの性格は柔和で温厚だ。
決して裕福な暮らしではないが、彼女が感じているのは幸福感しかないように思える。
映画の中ではあるが、すずさんに出会えてよかった。

原作未読でもあり、テンポの速さに時折「???」となるところはあった。リンとの出会いのシーンもやや唐突さを感じる。
すずの描いた絵が背景とオーバーラップしたりする表現手法は単調になりがちな田舎の光景をドラマティックに変化させる。
必要以上に書き過ぎず原作の雰囲気を壊さぬまま映画化したというのは実はとても大変な仕事ではなかったか。

戦争を体験してない世代が言っても説得力はないが、平和であり物質的に恵まれている現代の人々が当時の人々より幸せであると言い切れるだろうか。
すずの笑顔を見るたびそのような思いに駆られる。
 
banzさん [映画館(邦画)] 8点(2017-01-17 21:45:06)《新規》
51.SNSで評判だったので見に行きました。
確かに良作ではあったんですが、期待を超える程かと言うと微妙でした。
レッドデヴィルさん [映画館(邦画)] 3点(2017-01-17 14:11:03)《新規》
50.《ネタバレ》 あの時あの人と結婚していれば、繋いだ手が反対だったら、8月6日もう少し早く広島に帰っていれば...。
問題の大きさや深さは比べ物にはならない。
でもそれは現代の日本に生きる自分と何も変わらない、尽きる事のない後悔と良かったの連続。そしてそのどちらとも割り切れない感情。
あの時違う学校に入っていれば、告白していれば、あの会社に就職していれば。
それが「自分で選んだ道の結果=径子」であるか、「流されて辿りついた場所=すず」であるかは分からない。
結果がどうであるにしろ、2017年私は今いる場所で今ある現実を生きていく。
人生に対する普遍的なメッセージもさることながら、それを語る語り口も鋭くスマート。
同一アングルのショットを経時的に映すことで、街並みの変化を捉え、食事の内容や食卓を囲む人々の変化を通して、戦況、社会情勢を語る。
そしてその食事を摂るという行為が、そのままどんな状況であっても「生きる」という強烈なメッセージをも提示している。それは、他の日常生活動作を通じても伝えられる。荷物を持ち上げ運ぶ、歩く、走る、話す、洗濯をする。そして自然である草、木、空、水、虫、鳥。
それら全てが細やかに身体性を伴い実在感を持って描かれる為、生の尊さがより際立つ。
そして主人公すずの魅力。すずにとっての絵を書くという辛い現実を和らげる行為、生きていく術。それは周り(周作や晴美や水原)をも動かし癒していく。それを為す右手は失くしても、頭の中で自由に絵を描いていくその姿はあまりにも強くたくましく、優しかった。
ちゃじじさん [映画館(邦画)] 10点(2017-01-17 02:48:05)(良:1票) 《更新》
49.すずさんに流れる時間が本当に心地よいし、掛け替えのない登場人物たちの魅力に尽きます。昔の人は本当にあんな暮らしをしていたのだろうなぁと今までにないリアリティを持って思いを馳せてしまいました。人間なんてきっと、全ては振り返れば、の範疇で生きているのかも知れませんね。当事者は今が酷い戦争の只中なんだ、バブルなんだ、不況なんだと気付かずに今をひたすら一所懸命に生きているのでしょう。
一般に言われる「泣ける映画」ではありません。テンポが良過ぎて泣く暇がありませんでした。でも素晴らしい作品ですよ、本当に。鑑賞後、戦艦武蔵のドキュメンタリーが放送されていたので見入ってしまいましたが今までに無い程胸が痛みました。
Kの紅茶さん [映画館(邦画)] 9点(2017-01-15 00:10:49)《新規》
48.キネマ旬報で第一位となったらしい。興行成績でいえばあちらのアニメやこちらの怪獣映画の足元にもおよばない(注:2017年1月現在)この映画に。やるね、キネ旬も。
la_spagnaさん [映画館(邦画)] 9点(2017-01-14 12:32:28)
47.《ネタバレ》 妻投稿■

私は安倍首相が集団的自衛権を容認する憲法解釈をしようが9条改正しようが、日本が再び太平洋戦争と同じ惨禍に見舞われることはないと思う(もし世界戦争に巻き込まれるとしたら今の憲法のあるなし関係ないだろう)。でもクロ現の貧困女子高生がまさしく非国民みたいに(政治家も悪乗りして)日本中から集中攻撃され、憲兵隊気取りの活動家の恫喝にビビってはだしのゲンが閉架となり、「人工透析患者は日本にとってよくないから殺せ」という報道従事者のブログを半分位の人間が支持している現状を見れば、(戦争をリアルでは知らないから何とも言えないが)「ひょっとしたら今の日本は(徴兵制がブラック企業に変わっただけで)もうとっくの昔に戦前に戻っているんじゃないか」という気分になることがある。そういう意味ではこの映画は“自業自得”な「火垂るの墓」と比較して、今の日本人にウケ易い「模範的な戦時下の人たち」の物語にも見える。多分すずさんの逞しさを社会弱者を説教するのに使う人間もきっと出てくるだろう。

でもそんな私のクソみたいな考えをよそに、すずさんはとても楽しそうだ。結婚から食事を作る場面まで…。憲兵隊に長時間説教される場面。今の時代の人間なら「私は諜報なんてしていない」という自分の記憶の方を疑いだすだろう。でも彼女たちはそれを笑ってしまうのだ。食事の場面もジブリとは対極的に食事かクソ不味そうだ。しかし映画を見終わったあとに最初に私が食べた茶碗いっぱいのご飯。それが物凄くご馳走に見えた。こんな昭和20年を舞台にした映画(普通なら飯食う気もなくす)は初めてだ。

でもそんなすずさんですら壊れる事件が唐突に起こる。それでも日常が回っていき、そして戦争が終わったとき、娘を失った義理の姉もすずさんも号泣するのだ。戦争が理不尽で無意味なものだという現実が終わってみて初めて襲ってくる。胸が締め付けられる場面だ。そして原爆の描写。あれを見てからYouTubeで流れているロシアの隕石落下の瞬間を見るのが怖くなった。そのくらいの戦慄の演出。すずの両親が死に妹も原爆症に冒されているという現実を後から知る場面。感情表現ではなくシークエンスだけで観客をすずさんと一緒に呆然(絶望)とさせる。

そこにあのラストを持って来るのだ。右腕を失い、家族と自分の大切な個(絵描き)を奪われたすずさん。そのすずさんの右手は存在しないにも関わらず一人の戦災孤児の少女の手を取る。この演出は時限爆弾を生き残ったすずさんを全面肯定するものだ。おそらくその少女は「マイマイ新子と千年の魔法」のような平和な昭和30年の風景で楽しい思春期を過ごすのだろう。すずさんが立派な反戦家ではなく世界の片隅にいるほわほわな女の子だからこそ、このエンディングの絵は今を生きる人を肯定するものとなるのだろう。人生は誰かの正義や思想の為に否定されていいものではない。この映画は左右(右の人も反戦の人は多い)思想の「模範」である事を拒否し、人間の人生を肯定すること(義姉の生き方も肯定されていた)から戦争を描いた作品なのだ。
はち-ご=さん [映画館(邦画)] 10点(2017-01-14 10:49:23)(良:2票)
46.《ネタバレ》 居住する鹿児島での公開は12月ということで、実家がある福岡にて帰省がてら観賞。戦争の悲惨さを描いた映画や小説は数多くあるが、戦争中のほのぼのした日常を描いたこの映画は新鮮だった。平和で和やかな日々に静かに少しずつ忍び寄る戦争を丁寧に描き、そんななかでも力強く前向きに生きていく登場人物たちには生きる喜びにみちみちていて、観賞後は爽やかな感動がある。後半にガツンとくる描写もあるがそのバランスが絶妙でしっかりと喜怒哀楽をまんべんなく描いている。「火垂るの墓」の一方でこういった日常もあったのだと思った。
冒頭のコトリンゴが歌う「悲しくてやりきれない」ですでに泣きそうになってしまい、そして映画の後半、すずが感情を吐き出し慟哭するシーンが激しく胸に突き刺さった。
とにかく多くの人が観るべき作品であり、観てほしい作品。
それにしてもこのようなすばらしい原作のアニメ映画化が、クラウドファウンディングでしか資金集めできないという状況の日本映画界、まずくないか?商業目的のアイドルを起用した実写映画化ばかりやってる場合じゃないぞ全く。

(2017/1/14 追記)
観賞後にもじわじわ感動が広がっていき、日常生活を送るなかでこの映画を思い出すことが多くなった。鹿児島での公開も始まったので二度目の観賞。
本当に素晴らしい映画。
この映画は現代を生きる私たちと地続きになっている。
eurekaさん [映画館(邦画)] 10点(2017-01-14 09:42:18)
45.《ネタバレ》 原作が好きで、アニメ化されることが分かったときは「また余計なことを」と思ったのですが監督、スタッフの皆様すいませんでした。
久しぶりに好きなアニメ映画ができました。
なによりいかにもな声優声がないのが私としては非常にとっつきやすかった。
のんって名前には違和感はありましたが、すずさんにマッチしてました。
アニメの声を役者があてると非難されがちですがいいじゃないですか。
しかし能年玲奈なのにすず。
いや別にいいんですが。
レトロに見せかけて表現や演出で今まで観たことのないような試みがなされているのも良かった。
今風のアニメとは違うまた別の新しいアニメの形を観せてくれました。
今風のアニメはそれはそれでいいと思うのですがこの映画のような流れがもっとあっていいと思うし、私は観たいです。
そっと・・・チタラダさん [映画館(邦画)] 9点(2017-01-14 01:30:06)(良:1票)
44.《ネタバレ》 それは、川を流れる船の「片隅」から見上げた光景から始まる。
雲が流れ続け無限に拡がる青い空。果てしなく続くその姿は最初から最後まで「誰か」を刺激し、「誰か」が描く絵、絵、絵で語り続ける映画だ。

心の中で繰り返される「誰か」の感情と想いは、夥しくため込まれ爆発する時を待つ。

橋の上で放り込まれた先での出会い、夜になったらおやすみ、夢のような一時、スイカが繋ぐ出会い。

紙も板切れもノートも地面も何でもキャンバスにし、水平線を引き描いて描いて描きまくり記録されていく風景、顔、月日、年、思い出。

彼女が描く絵は生き物のように動き出し、白波が海を走れば波は兎になって海原を駆けて行く。

思わずクスクス笑ってしまう微笑ましい光景の数々、いくらドジをやっても笑ってくれた平和な日々、結婚しても後退と接近を繰り返す恋愛が少女を大人の女性に変えていく、愛のある拳骨、思わず申し訳なさそうに目をつぶり笑ってごまかす反応、絶対に笑ってはいけないクソ憲兵との“にらめっこ”戦時下の人々に光をさす闇市、幼い頃の記憶が蘇る再会、紙に溢れる甘いもの、夢や希望。

どんなに世界と人が変わろうが、女たちは“抗う”ことをやめない。
風呂に浸かり、汗を流し、飯を喰らい腹に詰め込み、服を仕立て直し、水の入ったバケツを担ぎ上げ、紙を奪われたら新しい紙を貰い続け、手を握り、引き連れ、腕を振り回し、歩いて、歩いて、歩き続ける。

着物を被り隠す黒髪、誰かに何かを打ち明けたくても言えないものを背負い込むうなじ、白く輝き日に焼けたりもする細腕、脚、口紅をさす唇、おしろいを塗りたくったり引っ張られたりする頬、顔。

料理くらい誰かに教える気分で、楽器でも弾くように楽しく作りたい、二人きりになったらキスくらいしたい。身を寄せ口づけを求めるのは、好きなのかどうか確認するため。両腕を布団にぶつけながら吐き出される複雑な想い。

やがて訪れる地面を曇らせる飛行機の影、戦争の音、警報が鳴る/鳴らないで変わってしまう警戒心。
死が迫り来る状況でも見つめ続けようとする絵描きの性(さが)。爆撃機が鳥の大群のように空を覆いつくし、炸裂する砲撃や爆弾の煙さえ、彼女にとっては格好の題材になってしまうのだろう。

男たちはそんな女たちに覆いかぶさり、抱きしめ守ろうとする。破片や機銃掃射が雨のように降り注ごうとも。頼まれなくたって生きて欲しいから。

終盤まで、空襲で焼かれた遺体といったものは徹底的に描かれない。あえて「見せない」方がかえって想像してしまい恐ろしいのだから。
波間を漂う帽子、“鬼”の石ころ、血まみれの服、ぽっかり空いた穴が誘う“死”、届かぬ声、閃光、振動、木に引っ掛かる飛んできたもの、座り込んだ「あの人」は誰だったのだろう。

暗闇で輝き散っていく白い花火、ひらひら舞っていく繋がった腕、花畑まで駆け込み微笑んで欲しかった“もしも”、もっと描きたかったもの、撫でてやりたかったもの。

布で覆い被してまで見せなかったものを「見せる」のは、戦争の悲惨さを伝えるためではない。どんなに傷つこうとも最後の最期まで抗おうとする人間の姿を「描く」ためだ。

生きる意思を放棄したはずの者が、燃え盛る焔を見た瞬間に無我夢中で叫び、逃げ続けるのを止め、何度もつぶってきた眼を見開き、布団を投げ飛ばし、体を投げ出すように火に飛び込み、倒れても這い上がり、バケツに入れぶちまけられる感情の爆発!!
心の溝を埋め距離を縮める歩みより、手助け、会話、髪を切る決意を語る瞳、「何処までも飛んでいけ」と追いかけ突っ走り、耐え続ける“理由”が無くなった途端に溢れ出る怒り、悔しさ、涙。

その姿は、幼い心にも焼き付いて離れないものとなって蘇る。
片腕が吹き飛びガラス片が幾つも突き刺さろうが手を握り、引き続け歩き続けようとした姿、座り込んでも…いや死してなおも庇うように。
子供も眠っているだけかも知れない、まだ生きているかも知れない、あるいは認めたくないからこそ必死になって群がる蠅を払い続ける。それを受け入れざる負えない流れ出る“死”。

失ったものを求めてさまよって、歩いて、歩き疲れた先でたどり着き、“見つけた”者と“探し続けた”者が地面に転がった飯の塊で結びつく。
女は黙って腕にすがりつく子供に隣を許し、暖かく迎え入れてしまう。

何も無くなったというなら、空で輝き続ける星の海を見つければいい、灯りを灯して暗闇を照らしなおせばいい。
居場所が無ければ探し、見つからないなら見つけ、作ってやればいい。
「なくなった」はずのものが釜を抑えながら飯をこさえ、「いなくなってしまった」ものを描き続ける。それは、こうの史代の想いでもあるのだろう。
すかあふえいすさん [映画館(邦画)] 9点(2017-01-12 00:47:05)(良:2票)
43.《ネタバレ》 例えば「2人分の芋ご飯」。語らずとも、伝わることはあえて触れない流儀が徹底されています。観客の考える力を信用している証拠。イチから十まで説明されたり、監督の主張を一方的にまくし立てられたりすると正直げんなりしますが、本作では監督と観客が同じ目線で共に在り、信頼関係を築けている感覚がありました。それゆえ、気構える必要がなく、水に砂糖が溶けるが如く(!)、心にお話がすっと入ってきた気がします。食事、兄妹の上下関係、家のお手伝い。天井の木目に手を伸ばした幼き日。日々の暮らしを丁寧に描いてくれたことも感情移入を助けました。すずの日常は、私たちのそれと同じだと素直に思えたのです。ですから「戦争」も決して昔話や特別な出来事ではなく、人生で起こりうる「災難」と捉えることができた気がします。言うなれば自然災害、事件、事故、病気と同じ。「反戦映画」でありながら説教臭さが微塵も感じられない理由はここにあると考えます(戦争の悲惨さに焦点を当て、観客を思考停止状態にして反戦を訴える手法とは真逆のアプローチです)。嬉しいコト、楽しいコト、辛いコト、どうにもならないコト、悔やまれるコト、死にたくなるコト、いろんな思いを抱えて、私たちは、この世界の片隅で生きている。いや、生かされている。愛し、愛されながら、命を減らしていくのです。こんな当たり前のこと(反戦も含めて)、上から目線で力説されても、素直に耳を傾けることなんでできません。だって生まれながらに(恥ずかしながら)あまのじゃくですから。でも、アニメで、あの画で、のんさんの声で、嫌みなく語られたら、心に響かないはずありません。人生がいとおしくなる映画でした。私は子供の頃、父から『十ニ人の怒れる男』を教えてもらい、世の中にこんな面白い映画があるのかと驚きました。そして父になった私は、3人の娘に本作を見せてあげたいと思います。この映画には、私が子供たちに伝えたい大切なことが詰まっているからです。
目隠シストさん [映画館(邦画)] 10点(2017-01-11 06:47:06)(良:3票)
42.《ネタバレ》  2016年は本当に良い映画に出会えた年であった。「シン・ゴジラ」を見たときに、庵野秀明監督の素晴らしい実写作品に今年はこれで決まりと思ったのも束の間、今なお記録を塗り替えている新海誠監督の「君の名は。」が素晴らしい作品で思わず2回見ることになった。◆しかしこの2作品すら霞ませる作品が姿を見せた。「この世界の片隅に」という控えめなタイトルと水彩画のような淡く上品な絵柄をまとうこの作品、しかしその中身は見る人の心を揺さぶる傑作である。◆舞台は第二次世界大戦中の広島。この設定だけで身構える人がいるだろうが、その必要は全くない。主人公であるすずとその周りの人たちは、配給が少なくなろうと、空襲が来ようと、憲兵にいびられようと、日々の暮らしを淡々と過ごしていく。時に慌てながら、そして笑いも交えながら。たとえ戦中でも、人々の営みは何ら変わらないし、変えられないのだ。ある日不意に訪れる不幸。でも、すずはただ、前を向いて歩んでゆく。ただ、それだけのお話。◆見た後に残る思いは人それぞれだろう。自分の場合は、家族4人が毎日無事に一つ屋根のもと過ごせることの幸せを改めて実感させてくれた。そして、震災や災害の後、悲しみに耐えながらも歩み続ける人々の思いを代弁してくれているようにも思えた。◆大きな災害が起こる度に、海外の方から日本人が賞賛されるのだが、自分自身なぜそうなのか正直理由は分からなかった。しかし、この映画に、答えがあるような気がするのだ。守りたいのは、国のメンツでも、海外からのイメージでもない。日々の暮らしと、大切な家族、それだけなのだ。そして、このことは、この世に生を受けた者すべての想いのではないだろうか。◆国内のみならず、多くの国の方に見て欲しい、そして、世界の片隅で日々紡がれる生活が壊れないように考えるきっかけになれば良いなと思う。今まで見た映画の中で、ベストと言って良い作品。
ばびぃさん [映画館(邦画)] 10点(2017-01-10 02:11:00)(良:3票)
41.戦時中の日常、懸命に生きる姿を描いている。その姿が平和ボケした自分の心を揺さぶる。
主人公のすずさんのホッコリした話し方が良いテイストになっている。
これからは終戦記念日には「火垂るの墓」でなくこの作品がオンエアされるのでは?
tonaoさん [映画館(邦画)] 8点(2017-01-09 18:39:07)
40.空襲や原爆のシーンがなくても、夫、舅、姑、義姉のやさしさに守られて幸せに生きる主人公のファンタジーとして10点です。
しかし、原作者が描きたかったのは、戦争の恐怖と悲惨さなのでしょう。
同じく戦争アニメの火垂るの墓は自業自得の面もありますが、こちらはどんな逆境でも精一杯生きました。主人公を不幸にしたのは政治屋のエゴです。
どんな理由があっても、戦争はしてはいけません。この映画を、多くの日本人、そして他国の方に見てもらいたいです。

超高得点の映画ですが、クラウドファンディングの出資者が、10点をつけているのでしょうか。
見るだけだった映画が、出資することで映画製作にかかわれる。その喜びが1点ずつ押し上げている気もします。
いい原作をみんなの出資で映画化する。映画の新たな楽しみ方ですね。

とは言いながらも、本作品はみんなのシネマレビュートップ3に残ってもらいたい作品なので、10点を献上します。
ビアンキさん [映画館(邦画)] 10点(2017-01-09 11:09:06)(良:3票)
39.高評価なので期待値も高かったけど、それ以上の出来映えにビックリ。映画でこんなに心を動かされたのは本当に久しぶりでした。
ProPaceさん [映画館(邦画)] 10点(2017-01-08 17:04:07)(良:1票)
38.《ネタバレ》 「また見たくなる映画」という類の映画では無いが、稀有のクオリティ、バランス。絵、アニメーション、テンポ、脚本、演出、音楽、声優、それらが全て調和していた。戦争は舞台であって、描いたのは主人公の人生と、人の在り方だったように思う。でも、それが見たければ原作を読めば良いだけのこと。この映画では、ただただ、能年玲奈の演技に圧倒された。彼女は琵琶法師の如く、自分を無にして物語を伝える力を持つが故、意図されたパワーが減衰せずにダイレクトで響く。いや、増強すらされている気もする。現代にクラウドファインディングがあって良かった。拍手。
コトリンゴの「悲しくてやりきれない」も、他のアーティストに劣らないとても良いカバーだった。バークリー音楽院卒だからというわけではなく、彼女の才能なのだろうと思う。
よこやまゆうきさん [映画館(邦画)] 10点(2017-01-07 21:40:46)(良:1票)
37.噂通りの名作でした。

でも、好き嫌いで映画を見ている私にとっては、この点数です。
前もって情報を入れなければ、もう少し自然に楽しめたか。
一緒に見てた他の客との相性も悪かったかも。

改めて映画って人それぞれだなと感じました。

主人公の私小説的な物語。
登場人物は魅力的、ストーリーも良い、普通に。

肩の力抜いてみることお勧めします。
fujicccooさん [映画館(邦画)] 6点(2017-01-06 15:05:57)(良:1票)
36.忘れられない映画になりました。
よしふみさん [映画館(邦画)] 10点(2017-01-05 01:12:06)(良:1票)
35.《ネタバレ》 どれだけ話題になっていてもすぐに見られない田舎は不利だと思う。
原作を読んだことがあるので概要はわかっていたつもりだったが、始まってみると原作の世界が実際に動いて、カラーで(当然だが)、背景音楽付きで広がっていくのを見て背筋が少し震える気がした。個人的には特に序盤で、戦前の広島の繁華街(中島本町)や広島県産業奨励館を鳥瞰的に捉えた風景が出ただけで泣ける気分になった(その後の出来事を知っているからだが)。
また劇場予告編にも出ていたが、入港する大和が柔らかな緑を背景にして色鮮やかな信号旗をたなびかせ、艦上で多数の人が動いている情景には、無機質な鉄の兵器というよりも、そこにいる多くの人々に目を向けようとする優しさが感じられる。青葉の甲板で洗濯物を干していたのも乗組員の日常風景だったろう。ほか代用食をカラーにすると変にきれいで料理映画のように見え、すみれの花まで入っていたのはちょっと感動的だった。本来は葉を食うものだろうから、食用というより暮らしに彩りを添える工夫ということだろうが。
ちなみにわざわざ書くまでのこともないが爆撃と銃撃は怖かった。

物語に関しては、基本的に原作準拠のようなので特に言うべきこともないが、驚くのはリンさん関係がほとんど省略されていたことである。本筋との接続部分は残っていたようなので完全版を期待したい。また原作を知らずに見る人には、あまり最初から細かいことにこだわらず、まずは感じることを優先して見るようお勧めしたい。
原作になくて映画で加えられたものとして、細かいことだが周作が反乱の鎮圧に赴く際、法務はどこまでも秩序を守るのが仕事、というような台詞があった。これは夫婦関係に関していえば、水原に引け目を感じていた周作の面目を立てる形になっていたのだろうが、同時に周作が社会を維持する立場という意味も出ていたように思われる。その直後に呉市役所の困り事相談の看板が出ていたりもしたが、すずさんのような家庭の生活者とともに、その生活者が暮らす身近な社会を支える人々も加わってこの世界が続いていくという意味に取れば、家庭の生活者としてはちょっと自信のない自分であってもこの映画での居場所を見つけられる気がした。
この映画から何を受け取るかは人それぞれかと思うが、現代に生きるわれわれがこの世界に関する認識を深めるのに役立つよう、原作を含めたこの物語が広く認知されていくことを自分としても願っている。

なお余談として、自分としては原作にない「掃海特務艇第十六号」というのが微妙にユーモラスに感じられた(晴美さんもご存じなかったろう)が、その後の出来事をあらかじめ知っていたのでここで笑っていいのかどうかわからなかった。これはこういう名の知られていない地味な船に乗って、海軍の片隅で身体を張っていた人にも焦点を当てようとしたと解する。
くるきまきさん [映画館(邦画)] 9点(2017-01-03 23:43:52)(良:1票)
34.《ネタバレ》 なんだか不思議な作品でした。

「わー! おもしろかった!」という感じではなく,「ああ,いい映画だったなあ」と思いました。
戦争も,日常の中にとけ込んでいて,特別なものが突然襲ってきたわけではない……という感じでした。(その描き方がまた恐ろしくもありましたが)

勝ち気な自分としては,おっとりしたすずさんよりも,徑子さんの方が親近感を覚えましたが,2人ともそれぞれに凸凹しながら一生懸命生きてるんだろうなと思えて,よかったです。

敗戦で終わるのではなく,歩き出すところで終わるので,観終わった後も明るくなれました。
いつか,すずさんが左手で絵を描き出すといいなあ。

(私も絵を描くことがとても好きですが,右手を失って,そこで絶望し,悲嘆にくれるだけの主人公には,「私なら左手で描くなあ」と冷めた気持ちで思ってしまいます。ただ,すずさんの場合は,本人を取り巻く状況的に,まだ左手で描き始める時期ではなかったと解釈しています)
(この解釈を他の人に言ったら,「すずにとって絵を描くことはとても大切なことで,それを失われた悲劇性を描いているのに,お前は何もわかっていない」と強烈に説教をされてしまって,大変辟易しました(その人は日常的に絵を描いていない)。絵描きにもいろいろいるとは思いますが,幼い頃から絵を描くことを大切なたのしみにしていた人だからこそ,「左手で描く」ということも,とても自然ではないかと,私には思えます。むしろ,そこで絵をやめてしまったり,左手で描くことを「悲劇」と捉えてしまう方が,幼い頃から丁寧に描いた「すず」という人物が,揺らいでしまうと思えてなりません。この物語に描かれていない未来はわかりませんが,私はそんな風に解釈しました)
プランクトンさん [映画館(邦画)] 7点(2017-01-03 15:39:26)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 53人
平均点数 8.91点
000.00%
100.00%
200.00%
311.89%
400.00%
511.89%
611.89%
747.55%
8916.98%
91222.64%
102547.17%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 9.33点 Review6人
2 ストーリー評価 9.22点 Review9人
3 鑑賞後の後味 8.77点 Review9人
4 音楽評価 8.50点 Review8人
5 感泣評価 9.00点 Review8人

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