蟹工船(1953)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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蟹工船(1953)

[カニコウセン]
1953年上映時間:112分
平均点:6.38 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
公開開始日(1953-09-10)
ドラマモノクロ映画小説の映画化
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タイトル情報更新(2021-05-06)【イニシャルK】さん
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監督山村聡
キャスト山村聡(男優)のんだくれの松木
日高澄子(女優)娼婦
森雅之(男優)新船医谷口
森川信(男優)倉田
中原早苗(女優)夏ちや
河野秋武(男優)箕面
御橋公(男優)工場長藤野
小笠原弘(男優)海軍少尉
小笠原章二郎(男優)タイワン田辺
武田正憲(男優)周旋屋
花沢徳衛(男優)木下
大塚周夫(男優)
河原崎しづ江(女優)
浜村純(男優)
原作小林多喜二「蟹工船」
脚本山村聡
音楽伊福部昭
撮影宮島義勇
仲沢半次郎
製作山田典吾
美術小島基司
あらすじ
はァ〜るばる来たぜ函館ェ〜♪ さーあ蟹工船が出航するよ! こんな大不景気のご時世だ。みんな食い詰めて流れて来たんだろ、さあ乗って乗って! 未経験者歓迎、必要なのはやる気だけ! なんたって身体だけが元手、日本男児の商売だからな! これから地獄…じゃないカニが捕れる荒海で、その溢れる力を発散しまくってくれよ。職場は安全第一、日本帝国海軍の護衛つきだ! な? 乗る気になったろ? さあこの契約書にハンコ押して、よしよし。御一人様、蟹工船にご案内だァ!
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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2.《ネタバレ》 原作未読。

これですねー、札幌の蠍座のプログラムで『父親たちの星条旗』の直前に観たんですよー。
もうね、『星条旗』の方では米兵視点で完全に「行け行け! 日本海兵殺ってまえ~!」状態ですわ。完全に洗脳されていた(笑…えるか?)。
それくらい、明治以降の日本式資本主義が明快に《画》になっている作品。銃を構えた海兵に労働者を包囲させ、「扇動者は誰だ! 出て来い卑怯者!」ってそれ、アンタが卑怯やん。
評価点は、《船》という閉じた生態系がまずしっかり描かれている事。
その存在目的とエコシステムが、物語の進行に連れて次第に明らかになる事。
やがて準前線的なヤバイ場所まで連れてかれる事を、労働者だけじゃなく観客までも知らずにいる事。
さらには(北海道人なら承知ですが)海で死んだ奴らがカニの餌になり、一段高いレベルのエコシステムまでが象徴的に暗示されている事。

音楽について。
冒頭、スタッフロールの背後で乗船する人々。ここで流れる音楽の厚さに圧倒されます。
誰かと思ったら音楽監修・伊福部明!
これ怪獣映画じゃん!(笑)
おそらく、船内世界を実社会へ投射させるという物語のメカニズムを生んだ草分け、『白鯨』を意識して、資本主義を巨大な怪獣に見立てるというプリプロダクション時の思考があったんじゃないかと思います。そう。これは、怪獣映画として壮絶に成功しています。
巨獣と群集の明快で絶対的(時として逆転もしますが)な関係が赤裸々に語られる本作は、凡百の怪獣映画より遥かに凄い。

スタジオでのお芝居もありますが、汚れきったきたねー衣装を揃え、字幕が欲しくなるほどちゃんとした函館弁を喋らせ、本物の蟹工船にキャスト全員を乗せて、本当に蟹を引き上げさせて、本当に大シケの中で(って下手すりゃカメラマン死ぬよアレ)、本当にスタントを荒波に放り込んで…このリアリズム。ヘルツォークがお坊ちゃまに見えてくるほど、体を張って撮った野蛮さ、無茶苦茶さで、脳天を撃ち抜くような迫力でした。
エスねこさん [映画館(邦画)] 9点(2007-04-18 20:49:27)
1.恐ろしい。何と救いなく、希望なく、未来もない。何よりも洋上独特の閉塞感を持つ「蟹工船」の存在自体が堪らなく怖い。そして、人間の、とりわけ無軌道な集団心理が放つ悲劇が怖い。

見所といってイイのかわからないが、CG全盛の現代においてもここまでの迫力はナイんじゃない?と感じてしまう海洋スタントが、ホンマに文芸作品か?と疑わしいくらいの気合というか、出来というか。当時にして「パーフェクトストーム」以上のクオリティと言っても言いすぎじゃない。恐るべし快作、恐るべし山村聡。

原作を読むもよし。「漫画で読む・蟹工船」を読むのもよし。しかし、機会があれば、映画版「蟹工船」も、是非。
aksweetさん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-05-23 00:58:39)
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 6.38点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5337.50%
6337.50%
700.00%
800.00%
9225.00%
1000.00%

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