沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇

[チンモクノオンナロウフィールドカンノサンゲキ]
A JUDGMENT IN STONE
(LA CEREMONIE)
1995年上映時間:111分
平均点:7.00 / 10(Review 7人) (点数分布表示)
ミステリー
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監督クロード・シャブロル
キャストサンドリーヌ・ボネール(女優)ソフィー
イザベル・ユペール(女優)ジャンヌ
ジャン=ピエール・カッセル(男優)ジョルジュ
ジャクリーン・ビセット(女優)カトリーヌ
ヴィルジニー・ルドワイヤン(女優)ミリンダ
脚本クロード・シャブロル
音楽マチュー・シャブロル
製作マラン・カルミッツ
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1.《ネタバレ》 かつて原作読んだときは、怖い話として傑作だと思ったものの、後半で登場する「もう一人の女」がちょっとつまんなかった。家政婦一人で、はっきりとした悪意がないのに惨劇に至る話しのほうがいいのに、と思った。しかし本作を観たら、その「もう一人の女」がいいんだな。もちろんI・ユペールの俳優としての凄味もあるんだけど、「二人になることで起こってしまう」事件として納得できる。一人ずつだったら、不機嫌は彼女らのうちで留まっていただろうに、二人になって、じゃれあう女学生のような「場」が出来たことで、その不機嫌が解放されていってしまう。上機嫌なイザベルってあんまり観たことなかったけど、これが怖いんだ。前半はまるで「普通の人」みたいに登場し、でもやっぱり途中からI・ユペールでしかない役柄になっていく。彼女もハッキリとした「悪」というわけではなく、世の中とうまく合わない感じが、次第に凝り固まって終盤に雪崩れ込んでいく。S・ボネールのほうは、最初から世の中と合わない障害を持っており、それを隠そうとするのが前半のスリルで、ここまでは観客は彼女の側に立ち、ロウフィールド館の人たちの親切に一緒になって怯えるわけ。こういう設定を考えつく原作R・レンデルは、本当にねじくれた天才だ。まったく特異な状況だけど、彼女の怯えには普遍性が感じられる。文字の帝国となった世間に対する文盲の怯え、なんて普遍性があるとは思えないのに、誰もが心の底で世間に対して構えている怯えと通じ合うのか、「もう一人の女」が現われれば、簡単に惨劇に至るのを納得できてしまう。彼女にとっては「口封じ」の皆殺しだったわけだ。これが家の者たちの親切に対する回答である。前半で彼女に寄り添って見ていた観客は、こんな理不尽な話はないと頭の片隅で抗議するんだけど、それを越えて、実話の再現のような整合され切れないザラザラした現実感と、明晰な悪夢のような手触りが同時に残り続け、ヒッチコックよりブニュエル気分での観賞がおすすめ。
なんのかんのさん [DVD(字幕)] 8点(2012-08-26 09:28:54)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 7人
平均点数 7.00点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6114.29%
7571.43%
8114.29%
900.00%
1000.00%

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