ある戦争のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ある戦争

[アルセンソウ]
A WAR
(KRIGEN)
2015年デンマーク上映時間:115分
平均点:7.29 / 10(Review 7人) (点数分布表示)
公開開始日(2016-10-08)
ドラマ法廷もの戦争もの
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監督トビアス・リンホルム
キャストピルー・アスベック(男優)クラウス
脚本トビアス・リンホルム
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5.《ネタバレ》 前半の戦闘シーンは正直あまり劇的なシーンは特に無く淡々と話が進んでいく。
後半の戦争犯罪者として裁判に掛けられるシーンからが本作のメインだが
主人公視点でいうと一刻を争うような部下の命がかかっている状態で冷静に敵の存在を確認してから支援要請をする事が出来るような状況ではないことが分かっているから自然と応援したくなる。
しかし現実は子供を含めた民間人を虐殺してしまった訳で観ている側もまた葛藤する。
とはいえ最後の最後で部下がスケープゴートとなって主人公を救ったことにほっとする自分がいる。
モヤモヤ感が残る良い映画だった。
Dry-manさん [インターネット(字幕)] 8点(2022-09-10 23:17:29)
4.何かを得ようとすると、同時に、何かを失うことになる。我々の人生にはそういうジレンマが常につきまとう。そして常に正しい判断ができるわけでもないし、そもそも正しい判断などというもの自体ないのかもしれない。
戦争映画と思いきや、後半は法廷劇に様変わりするのだが、平和な自国に戻っても、そのジレンマが終始つきまとうというのが面白い。
ところで、「傷ついた足」が象徴的に使われているのだが、加えて煙草を小道具として多用してくる。この煙草にはどういった意味があったのか?
椎名みかんさん [インターネット(字幕)] 8点(2020-11-17 21:17:17)
3.《ネタバレ》 一つの判断が結果的には裁判まで繋がっていくのだが、その過程も丁寧に描かれていて、主人公の心情はよく理解できます。だから最後は誰もが無罪へと導いていて、それが強烈な風刺に感じられた。誤爆された側の描写は最小限しかないので。この戦争の理由もどこか自分たちを無理に納得させるようなものなので、今世界で起こっている戦争の一つの側面として突き刺ささった。
ラグさん [インターネット(字幕)] 8点(2019-10-08 21:25:39)
2.《ネタバレ》 前半の臨場感のあるリアルな戦場のシーンと後半の裁判のシーンの対比が見事で観客は主人公の指揮官クラウスと同じ感覚を共有し、共感して行きます。部下を救うため、敵がいると思われる方向への空爆を指示し、後に敵の確認を怠った事を理由に爆撃で市民11名が亡くなった責任を軍事法廷で問われます。誤爆(本当にタリバンがいたとも思える)で市民が亡くなった事自体は意図した物ではなく「事故」なのですが、事故の責任をシステム(アフガン紛争にデンマークという国家が軍の派遣という形で参画する事、地元に根ざしたタリバンの掃討に一時的派遣でしかない軍のパトロールという手法を用いる事)の不備を問う事なく個人の過失を問う事で済まそうとする欺瞞に、本人、部下、法廷の皆も気付いていて疑惑に満ちた「私は敵の発砲を見た」という部下の後付け証言で幕引きとなります。本当は映画の題名であるこの「Kreig」自体が問題だよね、という制作者の主張が見終わった後にじわりと迫ってくる秀逸な作品と思いました。集団的自衛権を論ずる全ての日本人必見の作品ということでこの点数で。
rakitarouさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-12 09:22:29)
1.《ネタバレ》 アカデミー賞外国語映画賞の2015年(88回)ノミネート作品とのことで、日本でいえば「たそがれ清兵衛」(2002)と同格だが、個人的感覚ではこれの方が上である。出演者インタビューによれば、この映画の監督は「演技ではなく状況に反応する」ことを求めるのだそうで、「シージャック」(2012)に続いてドキュメンタリー調に見えるのもそれと関係あるかと思われる。また問題提起はするが答えを与えない監督(脚本家)とのことで、この映画も文字通りの“考えさせる”映画になっている。

内容としてはアフガニスタンで治安維持活動に従事するデンマーク軍部隊の隊長が、民間人の殺害容疑で裁判にかけられる話である。監督によれば、デンマークでは実際にそういうことが現地指揮官の心配事になっているらしい。
まず劇中では誰も明言していなかったが、爆撃の結果として攻撃が止んだのならその場に過激派がいたこと自体は明らかであり、誤って民間人だけを死なせたというわけではない。恐らく爆発物のエピソードのように民間人を盾にしていたと想像されるが、そういう状況で、いざというときに自国民(軍人)と外国人のどちらを優先するかの問題だったと思われる。劇中の検事(法務官)は、人類社会の正義を代表しているようでいて実は単なる手続論の話しかしておらず、存在確認さえすれば殺人ではないと言っていたのも同然である。また弁護人の立場は台詞に出ていた通りであって、どちらの主張にも絶対的な正当性は感じられない。判決がどうなるかは出演者にも知らされていなかったとのことで、自分としてはけっこう驚く結末だったが、判事が諸事情を勘案の上で妥当な結論を出したということなら尊重する必要がある。
ちなみに日本では、最後は国家が悪い軍隊が悪い戦争は嫌だと言えば済むことになっているが、デンマークほどの民主国家なら軍の派遣を決定したのは疑いなく国民自身の判断ということになるだろうから、そういう逃げ場はないことになる。国全体として劇中の妻/母のような立場を取るなら派遣などやめるという選択もありうるが、基本的には国際貢献としてあえて汚れ仕事を引き受けているという考え方だろうし、これに関してもデンマーク国民の判断を尊重するしかない。ただ、自分の国に関してそういう判断をするのは一国民としても確かに難しい。とりあえず南スーダンからはみな無事に帰って来られそうで幸いである。

なお、主人公に対する副隊長の批判的発言は自分としても非常に耳が痛いことで、これで主人公が自分に似たタイプの人間であることが知れてしまった。副隊長はそつなく賢い男だろうが主人公も悪い奴ではなく、一度は事実を認めようとしたことからも個人的には共感度の高い人物像だった。そもそも女性通訳にこの男の弱点を衝かせるような筋立ては卑怯だ。
かっぱ堰さん [DVD(字幕)] 8点(2017-05-21 16:39:45)
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【点数情報】

Review人数 7人
平均点数 7.29点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
5114.29%
6114.29%
700.00%
8571.43%
900.00%
1000.00%

【アカデミー賞 情報】

2015年 88回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

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