河(1951)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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河(1951)

[カワ]
The River
(Le Fleuve)
1951年インド上映時間:105分
平均点:8.43 / 10(Review 7人) (点数分布表示)
公開開始日(1952-06-19)
ドラマロマンス小説の映画化
新規登録(2003-11-16)【おっさんさんさん】さん
タイトル情報更新(2010-04-26)【にじばぶ】さん
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監督ジャン・ルノワール
助監督サタジット・レイ(ノンクレジット)
キャストエズモンド・ナイト(男優)父親
エイドリアン・コリ(女優)ヴァレリー
原作ルーマー・ゴッデン
脚本ルーマー・ゴッデン
ジャン・ルノワール
音楽スプラタ・ミットラ(シタール演奏)(ノンクレジット)
撮影クロード・ルノワール
製作ジャン・ルノワール
配給ユナイテッド・アーチスツ
松竹(松竹洋画部)
美術ユージン・ローリー(プロダクション・デザイン)
編集ジョージ・ゲイル〔その他〕
録音チャールズ・ポールトン〔録音〕
その他スプラタ・ミットラ(プロダクション・アシスタント)(ノンクレジット)
あらすじ
インド駐在イギリス官吏の夫婦、子供六人と使用人の大所帯に戦闘で片足を失った若いイギリス人士官のジョンが長期滞在することになった。思春期で容姿が悩みの次女ハリエットと同じ年で家族同然の英印ハーフの少女メラニーの二人はともにジョンに淡い初恋の胸騒ぎを覚え、ハリエットは自作の詩や童話を披露してジョンの気を引こうとするが、美しく大人びた姉にかなう術もない。河の民ヒンズー教徒の隣人として平和に暮らしていた一家にやがて運命の無情を知らせる事件が起きる。
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7.《ネタバレ》 ルノワール、いい!
古典で、もうこんなに豊かな映画があるんだ~♪

インドの映画ということで、ヨーロッパ、上から目線の映画だろうと舐めてた。
ところが若草物語をさらに深めたような内容に驚いてしまった。

ルノアール、最初のカラー映画。
3人の娘がいい。
アメリカ風の翔んでる長女。
女の子と女性の狭間にいて、自分をもてあましてる次女。
そしてインドの聡明な女性。
ここに戦争で負傷して、一時は英雄扱いされたものの、戦後の成長期で
障害者として、後ろめたい気持ちのままの青年がやってくる。
さぁ、悩める男性に、この3娘、どう立ち向かう!?
素晴らしい映画でした。

これはレンタル屋の古典のコーナーを侮るなかれということであろう。

P.S. 助監督があのサダジットレイとは・・(驚)
トントさん [DVD(字幕)] 9点(2020-10-18 00:53:30)(良:1票)
6.最近の映画、特にアメリカ映画の多くは火薬、爆発音などといったものを多く使ってみたり、CGに代表される特殊技術を使ってのめまぐるしい映像などで観客を惹き付けようとしているように感じてしまう。それもそれで良いとは思う。だからと言ってそれだけでは観る側の想像力を低下させることに繋がると思うし、今の映画の多くはアトラクション化しており、映画全体の質の低下に一層、歯車をかけていると思えてならない。そんな中で今回、私が観た一本の映画、それがこの「河」という映画で、こういう作品を観ることが出来て本当に良かったと思える素晴らしい映画で、監督は世界を代表する名監督の中の名監督ジャン・ルノワール監督です。この監督の映画を観ているとどの作品も人間への愛、人間賛歌と言える美しいドラマが展開されて惹き付けられます。この作品、レンタル屋さんには置いてなくて、何ということか?たった500円という値段で発売されていました。昔の名作のDVDが今では500円で手に入る良い時代になったと感じる反面、これほどの作品がたった500円の価値しかないのか?なんて思う人がいるんじゃないかと思うととても悲しくなります。でもってこの映画、間違いなく名作と自信を持って言えます。まず、この映画の持っている色彩の美しさ、人間の心の美しさに、更に眼の覚めるようなドラマチックなストーリー、この映画の中で繰り広げられる人間賛歌、ジャン・ルノワール監督らしい厳しい視線と心温かい眼差し、その全てが見事に表現されていて、これぞ映画本来の持っている魔法の力とでも言えるべき素晴らしい傑作!いや、傑作どころじゃない。文句なしの大傑作です。
青観さん [DVD(字幕)] 10点(2006-10-21 23:18:03)(良:1票)
5.《ネタバレ》 おそらく原作が良いのだろう、映画も非常に詩的でインドの自然と風俗も織り交ぜられて気高い完成度になっている。長すぎないのも良い。少女達はよいお年頃だが、隣家のインドの血を引く女の子の成熟度が群を抜いている。

今週の気づいた事: インドの美人の顔が皆同じに見えてしまい区別がつかない
ほとはらさん [インターネット(字幕)] 7点(2023-07-09 20:55:53)
4.《ネタバレ》 テーマとなっているインドの人生観は深遠なもので、この優れた作品でさえ、我々に明らかに出来るのはそのほんの僅かな一部分であろうことは想像に難くない。あくまで本作は、その価値観の一端に触れることを可能にしてくれる、という作品だと理解すべきだ。

最初、それを西洋人たる登場人物を通して描く、という建付けにやや違和感を覚えたのだが、最後まで観ると、むしろ西洋人がそれに感化される様子を描くことで、その高い精神性を顕彰しようという試みである様にも思える(まあ、単に西洋人を使わずに映画自体が撮れる状況では無かった、というだけのことかも知れないが)。

ストーリーの軸となっているのは、どれもありふれた人の生き様である。恋と愛、生と死、出会いと別れ、そのどれもが大いなる繰り返し(=流れ)の一部分であることを理解し、逆らわずにその流れに身を委ねるべきだ、と本作は説いている。と言いつつも、説いているという程に明示的である訳ではなく、あくまでそのように生きるインドの人々(と、そういう風に生きるのもイイかもね、と思いつつある西洋人)が描かれている、ということである。奥ゆかしい映画だと思う。

メインのストーリーと交互に描き込まれるインドの情景・風習も、カラーの美しい映像を通して非常に興味深く眼に映る。単純に、インドを見てみたい!という興味で観るのも全然アリだと思う(70年前だけど)。
Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-15 23:59:43)
3.《ネタバレ》 河は悠久を流れる時間の象徴であり、人々が交差する人生の象徴だ。インドのベンガルを舞台に恋を夢みる三人の少女と、青年との出会いと別れの物語。ハリエットは詩人と作家を夢見ている。隣家の親戚で米国から来たジョンにのぼせあがってしまう。自分を印象づけようとあれこれ策を講じるが袖にされる。大人びたバレリーはジョンに魅かれつつも「片脚」などと残酷なことも言う。ジョンから冷酷なことを言われるが最後は和解する。メラニーはインド人とイギリス人の混血で、西洋学校を卒業して家に戻ると服や生活をインド式に改めた。ジョンに魅力を感じるが、西洋人を理解できず、彼女に思いを寄せるインド青年とも距離を置く。そんな自分が嫌いだ。ジョンは傷痍軍人。戦争中は「英雄」だが、戦後はよそ者扱いされ、傷心のうちにインドに流れてきた。義足の醜態をバレリーに見られ、つい怒鳴ってしまう。自棄になりインドを去ることを決めるが、メラニーからあるがままの自分を受け入れるように忠告される。そんな時ハリエットの弟が蛇に咬まれて死んだ。隣家の主は「大人は子供を学校に押し込めくだらん戒律を教える。抵抗の余地もなく戦争に駆り立て無邪気な彼らを殺戮する。真実の世界は子供たちのもの。木を登り草を転げまわる。子供達は蟻、自由に飛ぶ鳥、動物は恥じたりしない。重要なのはネズミの誕生や木の葉が池に落ちること」と金言を漏らす。弟の死に責任を感じたハリエットは家を飛び出し、舟で川を下るが、漁師に助けられてあっけなく家出は終る。迎えに来たジョンに「人の心は生死を繰り返す」と諭され、「君の詩は西暦4000年でも残っているかも」と誉められると嬉しくなり愛を告白し、おでこに接吻をもらう。ジョンは「手を貸せよ。片脚だぞ」と義足の負い目を払拭する。春の祭の時、ハリエットの家に新生児が誕生した。感動する三人。原作が素晴らしさを生かしきっている。優美なインドの風景と文化が堪能できる。特にディワリ祭とホーリー祭は必見だ。少女の初恋・成長物語だけではなく、文明とは何かを問いかける深い内容になっている。自然や神に対する畏敬の念を失わずに、伝統に則って生きるインド人の素朴な生きざまには共鳴を受ける。インドに行きたくなった。「10分前は赤ちゃんはいなかった」と感動する感性は見習いたいもの。演技力のなさで青年の苦悩は伝わらなかったのは残念。秀作です。
よしのぶさん [DVD(字幕)] 9点(2014-05-18 22:24:39)
2.印象派絵画の巨匠を父としフランス映画の祖と呼ばれるジャン・ルノアール監督・製作した映画の原点と言ってもいい作品です。娯楽作品のフレンチカンカンでルノアールが試みた大胆な色彩の乱舞は姿を消し、河と埃っぽい大地の渋い色合いを基調とする画面に花や緑や光の祭りの灯火、そして生きて活動する登場人物の衣服が色彩を添えます。ストーリーも淡々としていてご都合主義の作為は全くなく、登場人物に仰々しく語らせることもありません。いや、主人公格のハリエットが劇中劇の形で語りメラニーが演じる単純なストーリーがあるのですが、結局この世界全体の全ての人生がこの劇中劇のバリエーションだというのが作品全体に流れる思想なのではないでしょうか?哲学に色彩を添えた文句なしの満点の作品です。
かわまりさん [DVD(字幕)] 10点(2011-09-05 22:47:50)
1.ジャン・ルノワールの代表作をやっと鑑賞できた。
インドが舞台だが、とても美しく撮られている。
ストーリーの本筋は、少女が大人になっていく過程における喜びと苦しみだ。
子猫から雌猫(本作からの引用)へ、さなぎから蝶へ、美しく立派な女性になる上での、心の葛藤を描いた本作。
恋というものへの「憧れ」が「現実」となってしまった時の喪失感も巧く表現されていた。
娯楽性は低いが、何とも心にしみいる作品であった。
にじばぶさん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-20 10:27:09)
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【点数情報】

Review人数 7人
平均点数 8.43点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6114.29%
7114.29%
8114.29%
9228.57%
10228.57%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 10.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review1人
4 音楽評価 9.00点 Review1人
5 感泣評価 Review0人
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