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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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1.  クロエ(2009) 《ネタバレ》 
アトム・エゴヤンは「愛する者の死」と向き合う人々を描き続けてきた作家である。この作品はそのテーマからやや遠のくものの感動的なラストカットはやはりそこに行き着いているようにも思えます。また、日本未公開作品については未見のため断言できませんが、アメリカ資本が入った『秘密のかけら』以降は「虚実」もまた重要なテーマとしているのかもしれません。相変わらずこの監督の物語構成に必要不可欠な回想シーンと必要以上に鏡を使った演出が物語をミステリアスにしてゆきます。女二人が密会するカフェやバーのシーンは本当に美しく、窓外の光、室内の照明、さらに画面手前の二人がいるところの照明とそれぞれ異なる光を一度に見せてしまう奥行きのある画づらにはやられました。窓の外に見える雪がその後の運命のずっこけを起こさせるという構成にも唸らされます。物語がどっちに転ぶの?そっちかよ!という展開にどうでもしてみたい監督の毎度のこだわり(?)が若干曲者ですが、今作は大筋が至ってシンプルなこともあってその展開自体も大いに楽しめました。
[DVD(字幕)] 7点(2012-09-28 14:57:36)(良:3票)
2.  グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
ものすごくストレートでわかりやすい。天才はとことん天才だし、そのギャップとなる劣悪な環境はどこまでも劣悪だし、それでいて性格はひんまがっておらず、男前。ワルだけどちゃんとしてる主人公ってところや若干出来すぎとも言えるストーリー展開はその後素晴らしい才能を開花させるベン・アフレックの色か。ガス・ヴァン・サントの色は見当たらない。翌年の『サイコ』でも自らの演出を封印してまんまヒッチコック演出で撮っちゃったわけだからこれもまたガスにとっては実験を兼ねた作品になるのかもしれない。ケイシー・アフレックのバカキャラとそのリアルな設定が気に入った。なんてことのない作品のようにも見えるがこの作品があるからこそ今度はマット・デイモンとケイシー・アフレックが脚本主演に参加した『ジェリー』があるのだろうし、『ジェリー』があるから『エレファント』『ラストデイズ』といった傑作が生まれたのだと思うと非常に重要な作品と言えるかもしれない。監督ベン・アフレックの誕生もこの映画の成功あってのことだと思うと尚更。
[DVD(字幕)] 6点(2011-08-24 14:45:28)
3.  クロッシング(2009)
疲れた。見てる間、相当力入ってたみたいだ。同監督の『トレーニング デイ』もそうだったんだけど、いつ発砲されるのかという恐怖が凄まじい。それは即ち一瞬で死ぬことの恐怖。冒頭の緊張感漲る会話を中断させる一発の銃弾がその後の「一発の恐怖」を持続させることに一役買う。銃口を自ら咥えるリチャード・ギア。いつしっぺ返しを食らってもおかしくないイーサン・ホーク。いつばれてもおかしくない侵入捜査官のドン・チードル。常に死と隣り合わせの3人の男たち。ギアが新米警官を一人現場に残すシーンでわざとらしくギアに躊躇させるところなんて明らかに「一発の恐怖」を煽ってる。主役が三人というのも効果的。一人が早々に消えたってかまわないのだから。リチャード・フライシャー『センチュリアン』をベースにしたような警察官物語は時に上層部のエゴを垣間見せもするが、そこに社会派たらんとするものはなく、ひたすら「一発の恐怖」への単なる一伏線としてしか描かない。いやはや怖い映画であった。そして緊張感が持続する映画は疲れるのであった。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-24 14:46:40)(良:1票)
4.  群衆の歓呼 《ネタバレ》 
物語はけっこう波乱に富んでいるんだけど省略省略でなんと85分。ちょっと強引さも感じるところはあるんだけどお見事。トニー・スコット×トム・クルーズの『デイズ・オブ・サンダー』は同じコンビの『トップガン』のカーレース版だと思ってたんだけど、その『トップガン』はカーレース映画『群衆の歓呼』の戦闘機版だった。それほどに定番の展開(相棒が死んで乗れなくなる)なんだけど兄弟の葛藤を盛り込んだり男女の恋愛ではちょっとしたロマンスコメディ的展開に行きかけたりと意外にこっちのほうが複雑な構成になってる。それを強引に85分にしてるもんだからやっぱり少々の無理やり感は拭えず。でもラストシーンでなにもかもひっくり返して、ああいい映画だったと思わせちゃう。救急車でバトルという「男ってバカだねえ」と言いたくなるようなシーンなんだけど、このシーン自体も『デイズ・オブ・サンダー』の車いす競争なんかに受け継がれてたりするんだな。
[映画館(字幕)] 7点(2010-09-06 16:40:29)
5.  グリーン・ゾーン
画面が揺れすぎで何が映されているのか判別不能。映画というのは見るもののはずなのに、これはその見ることをひたすら邪魔して、どうだこれでも見ることができるかと挑発してくる。前衛的だ。などと冗談言ってる場合ではない。と思ってたけどここまでの評価、悪いなりにも最低点が4点というそこそこの評価。もしかして私が見たときだけ映写機になんらかの不具合があって画面が必要以上に揺れていたのだろうか。それとも私の動体視力が他の方たちよりも著しく悪いのだろうか。冗談抜きで。0点はつけることはないと思ってたけど、こればっかりは他につけようがない。だって悲しいけど本当に何が映されてたのかわからないんだから。字幕だけ見てりゃとりあえず内容はしっかりとわかりましたが、それはそれでどうなんでしょう。もしいつの日か見直すことがあったとして、画面に何が映されていたのか判別できればまた修正したいと思います。
[映画館(字幕)] 0点(2010-06-01 14:22:41)(良:1票)
6.  クワイヤボーイズ
冒頭、ベトナム戦争中の恐怖体験が描かれるのだが、その伏線回収がずっと後で、しかもそれまでひたすらはちゃめちゃな展開なもんだから一瞬プリントミスかとも思ったぐらいだったんだけど忘れた頃に辛辣に回収されていった。ロス市警の警官たちの仕事ぶりと毎夜のパーティが描かれてゆくのだが、仕事におけるエピソードもまあぶっ飛んでるのもあるんだけど、パーティの羽目の外し方が半端ない。とくにえらく暴力的な警官が一人いるんだけど、彼が同僚たちのおふざけで下半身素っ裸で公園の木に手錠で繋がれてるとホモが近寄ってくるところとか、急所を咥えた池のガチョウに向かって発砲しまくるシーンとかもう最高に可笑しかった。いやもうむちゃくちゃ。お下劣。最高。その後に冒頭のシーンを回収する悲しい事件が起きるんだけど、この「悲しい」を全く引きずらない。同じ原作者の作品『センチュリアン』(リチャード・フライシャー)をはちゃめちゃにしてそのうえ感傷を抜き取ったような映画でした。
[映画館(字幕)] 7点(2010-04-20 15:07:42)
7.  クライシス・オブ・アメリカ
冷戦時代のスパイサスペンスにありがちなネタを今やられてもなあという時代錯誤な感があったんだけど、なるほどリメイクだったのか。いろいろと現代に置き換えているのがオリジナル作品を見なくてもよくわかるのだが、いまひとつ空恐ろしさといったものが伝わってこない。設定に無理があるからかもしれない。湾岸戦争といった現実をもってくるよりも舞台を近未来にして架空の設定にした方がより緊迫感を得れたような気がしないでもない。メリル・ストリープが副大統領候補者選びの演説を党内でぶちまけるシーンなんかも含めシドニー・ルメット『キングの報酬』を彷彿とさせるところがあるんだけど、そのルメットご本人を登場させてるぐらいだからルメットへのオマージュは至る所に散りばめられていると見ていいだろう。母のイビツな愛情と野望のドラマを絡めてくるところは実にうまいと思うのだが、先に書いたように軸となる社会派サスペンスとしてのリアリティに難あり。というか社会派たろうとするから無理が生じる。
[DVD(字幕)] 6点(2010-04-15 16:09:56)
8.  クレイジー・ママ 《ネタバレ》 
ロジャー・コーマン製作の「ママ三部作」の最終作だとか。いや、コーマンのことだから似たり寄ったりのものが他にもごまんとあるはず。三部作の一角『血まみれギャングママ』との二本立てを観たんだけど、どちらもニューシネマのスタイルをパクっ、模したロードムービーなんだけど描かれる時代を当時の社会を反映しない30年代、50年代としているところが曲者。『クレイジー・ママ』はロックンロールの50年代。泥沼化しているベトナム戦争中の70年代ではなく戦勝国ムード溢れる50年代。だからというわけでもないだろうがラストカットのバカ明るさにはやられた(オープニングはけっこう辛辣なのに)。娘の尻軽さも突き抜けた明るさの象徴で嫌味がない。その娘に振り回される男も心底悩まない。リーゼントのナンパ野郎もスカッと爽やか、そのうえ仁義に熱く男らしい活躍も見せてくれる。言いかえれば深みがないのだが、もちろん確信犯。カーアクションと銃撃戦があればOKで、あとはそこにもっていくための材料でしかない。そんな中であっけらかんとした女たちが生き生きと躍動しているからまた痛快。女はたくましい。
[映画館(字幕)] 6点(2010-04-13 16:35:12)
9.  クローサー(2002)
入浴中の姉スー・チーをビデオカメラで撮ろうとする妹ヴィッキー・チャオという美人姉妹の微笑ましい攻防で見せるカンフーアクションが実にヘタクソでもったいない。その他のシーンでのアクションはけっこう見れるので戦う相手が玄人と素人の差異なのだろうか。あと、スタントマンと編集とCGも彼女たちのかっこいいアクションに大いに貢献している。復讐、美人姉妹、組織対個人、ロマンス、秘密、できる女刑事、カンフー、カーアクション、ガンアクション、、、魅力的なマンガ的アイテムを満載にして進行するストーリーはけして横道に逸れない。その潔さが不満を減少させる(それでも姉のロマンスの部分は冗長にすぎる)。ここまで嘘っぽいとはっきりソレとわかるCGも許せるというもの。と思ってたら最後は倉田保昭の本物アクション。なかなか心得ている。
[DVD(字幕)] 5点(2009-10-08 14:41:11)(良:3票)
10.  群衆(1941)
いきなりとある新聞社のプレートが外されるシーンから始まり、社員が次々とジェスチャーでもってクビを宣告され、宣告された一人の女性が上役にかけあい懇願し落胆し憤慨するその傍らで、その間中新たなネームをドアに書き入れる職人が邪魔に邪魔され続ける様の流れるような見せ方が実にスムーズで且つ面白い。キャプラの楽しい映画が始まる。しかし思いっきりコメディな冒頭部から徐々に社会派色が色濃くなってゆく。それでも男が群衆に祭り上げられてゆく展開そのものはコメディそのものだし、随所にユーモアを散りばめた演出もあって傑作の臭いまで漂ってきたのだけど、終盤はえらくブラックな展開が待ち受けており、社会派は残ったままコメディは消え去り重く暗いヒューマンドラマで締めくくる。重い暗いと言ってもそれがダメなんじゃなくてむしろ群衆にバッシングされるシーンの雨の中の孤立無援ぶりの凄まじさは強烈な画として印象深くすごくいいと思う。ただ、最後の最後。感動的なのはいいのだが、その重さ暗さをひきずってるのがどうも。なんとか笑ってお終いにしてほしかった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-11 17:21:23)
11.  グラン・トリノ
悪党たちが罪なき人々を苦しめる。立ち向かう一人の男、クリント・イーストウッド。なんて単純な話なんだろう。しかもこのパターンって西部劇ではないか。もっと言うなら『荒野のストレンジャー』の『ペイルライダー』に次ぐリメイク、、とは言いすぎか。二つの西部劇の主人公は人間とは言い難い。神の化身と解釈して初めて合点のいく物語となっている。イーストウッドの中にある神、あるいはキリスト教への不信が自らを神へと変えた。『グラン・トリノ』の主人公は二つの西部劇とは違い、コワルスキーという人間の名前を持っている。しかし彼が最後にとった行動はキリストそのものではないか。これまでの作品で散々キリスト教をコケにしてきたイーストウッドは、神にすがることなく、神にしかできないと誰もが思っている行動を人間としてやり遂げさせてしまう。これはこれまで描き続けてきたことの一つの答えなのかもしれない。集大成で言えば私は『チェンジリング』のレビューで『ミスティック・リバー』以降は全てイーストウッドの集大成と書いたが、『グラン・トリノ』はたしかにこれまでのイーストウッド作品を彷彿させるシーンがたっぷりとあるが『ミスティック~』以降の流れにある重さがない。話の単純さもそうなのだが、話の流れもかなり強引だ。例えばあんなに嫌がっていた隣家のパーティに行く理由が弱い。例えば若者たちが集う地下室へ導かれる展開がムリヤリ。これって『ブラッド・ワーク』以前のイーストウッド作品にある所謂予定調和ってやつ。でも『グラン・トリノ』ではそこにつっこむ気を起こさせない。だってこれは映画だもん。そう言われそうだし、そう思ってしまうのだ。そのことを観客に承知させる境地に辿り着いたということか。イーストウッドは映画を崇高なものだととらえていない。もっと身近なもの。もっと手軽なもの。芸術や娯楽という前に映画は映画でしかなく、そして当たり前のように作り物なのだ。マカロニウエスタンってその世界自体が嘘の世界。そこから生まれたイーストウッドの当たり前の世界。グラン・トリノという車の顔形よりもイタリア語を冠した名前がさりげなくイーストウッドの起源を語ってくれているように思った。 彼の映画の本来の武器は映画はしょせん映画と割り切ってもいいという安心感なのかもしれない。そしてその安心感が映画を身近にする。『グラン・トリノ』は愛すべき手軽な映画だ。
[映画館(字幕)] 8点(2009-05-08 17:05:47)(良:2票)
12.  グラスハウス 《ネタバレ》 
これを見た当時、リーリー・ソビエスキーを知らなかった(今もよく知らないけど)ので着替えや水着シーンが出てきても「おお!あのリーリー・ソビエスキーが!!」とか思うこともなくかえってサスペンスを堪能できたような。身元引き受け夫婦がのっけから怪しさ満点で、もしやミスリードしているのかと裏の裏を読んで鑑賞したのに、そのまんまやんけ。これもまたミスリードかと思わせるという作戦だったのだろうか(違うよな)。それでも防犯スイッチの番号や車の運転シーンへの伏線が何気に無理なくされている点などはけっこう巧い。薬漬け、病院解雇、幼きリーリーと遊ぶ思い出のビデオテープ、そしてダイアン・レインの死と連なる流れも巧い。事故に見せた犯行がそのまま自分にかえってくる展開も巧い。着替え&水着シーンだって単なるサービスショットなんかじゃなく、その後の車内シートベルト事件から弁護士訪問、そしてそれに結果的に加担したメイド解雇による拘束感の増大へと繋がる伏線になっている。欲を言えば、ガラスで覆われた屋敷やプールの水の音が反響する仕組みなんかがサスペンスに加わってくれると完璧だったのだが。
[DVD(字幕)] 6点(2009-02-24 13:48:25)(良:1票)
13.  クジョー 《ネタバレ》 
あえて「浮気」が描かれていることからもこの理不尽な恐怖の出来事はデ・パルマの『殺しのドレス』同様に浮気に対する罰と位置づけられるような気がするんだけど、子供が巻き添えとなっているという部分で、どうにものほほんとスリルを楽しむ雰囲気にはなれなかった。『シークレット・ウインドウ』にしたって『ショーシャンクの空に』にしたって浮気をした女には必ず罰が与えられているが、これはキングというよりもアメリカ特有のものなんだろうか。それとも襲われる人間は男よりも女のほうが興奮するというか、様になるというか、ただそれだとあまりに理不尽すぎるので襲われる側になんらかの不正を行わせるのだろうか。などと考えるような映画ではないかもしれんが・・。でも実際この作品に浮気のシーンはべつにいらんでしょ。 それにしても子供の泣き叫ぶシーンの迫真性といったら、マジで泣いてない?これ演技?とそこばっかり気になってしょうがなかった。車の中でどうにもしようがない状態が長く続き、当然ながら子供が脱水状態となる様が痛々しかったのだが、もうちょっと、いつ襲ってくるのかわからん恐怖感とか緊迫感とか欲しかったような。
[DVD(字幕)] 5点(2008-08-22 17:52:42)
14.  グッド・シェパード
わかりづらいと言われる時の流れはマット・デイモンのかける眼鏡の形状によってなんとかクリアした。場面が変わるごとにまず眼鏡を見てしまう羽目になったが、そのおかげでレンズを通したデイモンの目の大きさから、けっこうな度の入ったレンズであることがわかる。これも演出なのだろうか。なりきり俳優の頂点にいる人が監督だからついついそんなことを考えながら見た。3時間弱という長尺ながらギリギリだれずに見せきったのは良かったが、盛り上がりそうで盛り上がらない展開に欲求不満。軸はある計画の失敗の原因は何かというサスペンスだったのだが、サスペンスよりも背景に魅力がありすぎて、どうしてもその背景に目が行くのだが、しょせんは背景ゆえにそこは多く語らない。でも全然語らないわけじゃないので欲求不満に感じてしまう。背景というのはまさしくCIAのこと。CIAの前身となる機関の性格の描かれ方がせっかく面白いのにこの組織がどう力をつけていったのかという興味をそそる部分がうやむやにされている。CIAの必要性を加速させたはずの米ソ冷戦期の時代背景もある程度の知識が無いと面白さを欠くだろう。敵対するスパイとのライバル同士特有の特別な関係がドラマを盛り上げるのかと思ったら思いっきり肩透かしをくらう。さらに恋愛ドラマや家族ドラマまで入れちゃってるから本筋まで置いてけぼり状態のときもあった。もうちょいと何かを捨てて何かに絞ってくれないと。
[DVD(字幕)] 5点(2008-06-30 18:36:33)
15.  クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 
9・11(アメリカ同時多発テロ事件)の衝撃映像は誰もがまるで映画のようだと思い、同時に映画はしょせん作り物であることを思い知った。この作品は9・11のような「映画のような本物」を再現しようとする。ビルが倒壊し、その数秒後にあらゆる光をも飲みこむ粉塵が襲ってくる描写はまぎれもなく9・11を偶然にも収めた映像そのものであった。回し続けるカメラが全体像を掴めずに右往左往する中で偶発を装って予期せぬ映像が飛び込んでくる。恐怖と緊張の途切れることのないライブ感は凄まじいものがある。そして「映画のような本物」を目指す映画は、限られた空間しか映さないカメラが徐々に全容を映し出すようにカメラと同行する人間にドラマを与え、空にも飛ばせ、死まで与える。けっきょくのところ嘘の世界でしかない映画と折り合いをつけなければならないのだが、その折り合いのつけ方がうまい。ただし疲労感も相当のものであった。疑似体験アトラクションとしての(満足の後の)疲労感と考えても、残念ながら満足感を大幅に超えている。けして揺れる画面に酔ったというわけではないのだが、それでも全編ハンディカメラの画面というのは知らず知らずのうちに私に相当の打撃を与えていたのだろう。あと、この作品の場合、男女のドラマなんて些細なものでしかないのだろうが、その些細なものでしかないって感じの描き方になってる。
[映画館(字幕)] 5点(2008-04-21 18:50:16)(良:1票)
16.  くたばれ!ハリウッド(2002)
写真をパラパラと見せていくだけで一人の男の半生を語らしめてしまう。もちろんナレーションがあってのことだけど、なかなかうまくこなしてるんじゃないかと。ハリウッドの大物は社交界の花形でもあるわけだから華やかな写真も多々あるわけで、それゆえに可能となった人物史。中身は今さら驚くようなものでもないが、それなりに興味深く見ることができると思う。メジャーのプロデューサーといえば映画の敵のような印象があるが、この仕事もけっこう大変なんだなと。『ローズマリーの赤ちゃん』の周囲の反対を押し切ってロマン・ポランスキーを監督に抜擢したというエピソード、女優心をくすぐってミア・ファロー降板を阻止したというエピソードを聞くかぎりでは、金儲けが大前提だとしてもプロデューサーの映画に対するセンスと手腕ってのは映画に不可欠なのだと思い知らされたような気がしました。ま、この人は「特別」なのかもしれませんが。
[DVD(字幕)] 6点(2007-12-21 16:52:45)
17.  クリムゾン・タイド 《ネタバレ》 
戦争が常にあることを前提にいかに国家を守るかという思想と、戦争そのものが真の敵と捉える思想のぶつかり合い、、ではなく、異なる思想によって軍規の捉え方が変わってしまうその危うさを、対立する二人が見せる。そこが面白くもあり、面白くなくもある。二人の行動規範はあくまで軍規であることに変わりない。それはアメリカ海軍のしかも潜水艦の艦長と副艦長なのだから当然なことなのだが、あそこまで切羽詰った状況で感情的にも対立してしまった様を見せるのなら、もっと軍規を超えた思想の吐露があったほうが面白い。それは極めて不自然ではあるけども、そこには軍人ではなく一人の男が描かれたに違いないから。阪本順治の『亡国のイージス』はそこだけを評価してます。軍人ではなくあくまで一人の人間としての感情の吐露が唯一箇所あります。原爆ミサイルを撃たずにすんだ瞬間の艦内に響く歓声の嵐。このシーンにホッとした。まあ、このシーンに至る通信装置のタイムリミットぎりぎりの修理完了にしても、耐艦深度ぎりぎりのエンジン修理完了にしてもその展開の凡庸さには呆れるが。 監禁脱出を繰り返す二人が狭い艦内を移動する様、なかでも何度も階段を上り下りする様を上から下から捉えた画は、動きの少ない潜水艦映画の中に慌しい動きを効果的に見せたトニー・スコットの面目躍如。
[DVD(字幕)] 4点(2007-07-31 11:31:22)
18.  グーニーズ
シンディ・ローパーのPVで見ただけでもいかにもお子様向け冒険活劇だったので当時は無視していたのだが、なぜだか映画をほとんど観ないヨメさんのお気に入り作品としてDVDがウチにある。正直、なんで人気があるのかわからん。遊園地のアトラクションを疑似体験してゆくだけの映画にしか見えんのだが、それゆえに童心に返れば楽しめるということなのだろうか。いちいち無理やりな展開を指摘するつもりもないし、むしろ「無理やりやなー」と笑って観ていられる空気はちゃんとあったから、全く楽しめなかったわけでもありませんが。一番の見所は物語が始まる前、脱獄からカーチェイスのシーンでしょう。ここはリチャード・ドナーしてます。
[DVD(字幕)] 5点(2006-11-16 12:42:05)
19.  グラディエーター
初っ端のゲルマン制圧の戦シーン、薄暗さの中にしっかりと顔を映し出すあたりはさすがである。将軍が信頼される器の持ち主で知将で自らも強いということをこの戦のシーンだけで見せる。でも知将であることはよく理解したものの、こちらが驚くほどの知的な戦い方をしたわけでもなく(ただの挟み撃ち)、人対人の戦いの見せ方もやたらと切り返されて慌しさのほうが勝っている。こうゆう見せ方は近頃の流行のようによく目にするせいで、そろそろ慣れてもいい頃なんですが、まだちょっと馴染めない。まあそれでもこのシーンはまずまず楽しめた。でもそれだけ。お話が単純で強引であってもこの手の映画は世界観の構築とアクションシーンさえ満足させてくれれば私的には問題ないのですが、肝心なところでCGが作り物っぽさを出してしまってるし、アクションシーンも地味なものを派手に見せてるだけで「強さ」が結果だけでしか表現できていない。こうゆうのは面白くない。
[DVD(字幕)] 4点(2006-10-19 15:39:42)
20.  クラッシュ(2004)
脚本は、面白いか面白くないかは別としてたしかにうまいとは思う。ただ、脚本が完成されすぎているからだろうか、なんだかコンピューター同士の詰め将棋を見てるような感じの作品ととった。アメリカという移民の国ならではの、日常に様々なカタチで存在する人種に対する偏見を、まさに様々な人種による群像劇仕立てで見せてゆくのだが、あからさまな差別が描かれてもそれほどネガティブな印象は無い。身内への愛が同時に描かれていて、性善説がベースにあるからだ。透明マントのエピソードは同じ年頃の娘を持つ身ゆえに涙なしでは見られないのだが、それ以外に揺さぶられるようなシーンはなかった。監督は自らの脚本を完璧に映像化しているが、ただそれだけ。職業的に仕事をこなしただけという感じで、この作品には決定的ななにかが欠如している。でも透明マントにはやられたのでこの点数を。
[映画館(字幕)] 5点(2006-04-18 18:34:32)(良:1票)
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