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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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1.  スカイライン-征服- 《ネタバレ》 
序盤のドラマがいらん。そのドラマが後に活きてくるわけでなし、ドラマ自体がおもろいわけでなし。というかかなりつまらん。なんとなくゾンビ映画『ザ・ホード 死霊の大群』を思い出したんだけど、こっちは序盤のドラマがその後の展開にも影響するし、なにより序盤のドラマ部分が面白い。で、ようやく本題突入で、光を見ると吸い寄せられるってアイディアがなかなかいいのだが、そこから楽しくならない。要するに光を見ちゃいけないって部分での広がりがない。じゃあ、どうすんだろ、と思って見てたら立てこもることになった。お、頭脳戦か。ありがちだけどやっと映画が始まるなと思ったら、すぐに立てこもりやめて外に飛び出しちゃう。面白かったのはF22(?)戦闘機のドッグファイト。ほとんど航空ショーなみの絶技でドラマチックに戦う米軍機をあくまで市井の人の視点に拘って見せる。なんか笑えた。終わりに近づきいよいよ楽しくなるかな、と思ったら突如終わった。実際、ヒーロー誕生で終わるわけだからまさにこれからってところで終わるわけで、「狙い」なんだろうかね。「前フリ」を一本の作品にしたものです。
[映画館(字幕)] 5点(2011-09-22 15:48:09)
2.  スペース・カウボーイ 《ネタバレ》 
過去に名を馳せた主人公が返り咲く『許されざる者』を宇宙を舞台に描いてみた。タイトルにはそんな意味もあるのだろうか。それとも「時代遅れ」の象徴として「カウボーイ」を使っているだけなのか。とにもかくにも老いた者は若い者に取って代わってゆく、その流れの中で老優イーストウッドをいかに葬るか、『グラン・トリノ』で見事に成しえたそれを『許されざる者』以降ずっと考えていたに違いない。それほどに『許されざる者』『スペース・カウボーイ』『グラン・トリノ』は本筋で同じなのだと思う。だとするならばこの場合、トミー・リー・ジョーンズもイーストウッドの化身といえる。『グラン・トリノ』の予行演習をトミー・リーでやってみたのだ。まあ、あとの二人もイーストウッドなんだけど。ジェームズ・ガーナーの登場シーンなんて『サンダーボルト』で牧師をしているイーストウッドの元に昔の仲間が訪ねてくるシーンそのまんまだし、やたらと裸になるドナルド・サザーランドなんてのもまさに俳優イーストウッドの特徴を表してる。要するにチーム・ダイダロスは4人のイーストウッドなのだ。そしてやはり死に様を模索し4人のうちの一人は見事に死に花を咲かせる。やはりこの映画、『グラン・トリノ』への布石と捉えていいように思う。
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-25 15:41:11)(良:2票)
3.  スターシップ・トゥルーパーズ
『ロボコップ』や『トータル・リコール』でもそうだったんだけど、この監督の未来世界の未来世界たる部分への皮肉めいた描き方っていかにもSFミステリー小説みたい(実際、原作がSFミステリーなんだけど)。現代の視点で現代の諸悪や問題を誇大にしてみせて未来世界とするという、皮肉を言うために作ったような世界を背景としている。単純化された人間の行動パターンによって短絡的に進んでゆくスカスカのストーリーそのものが皮肉となり、スプラッター描写を強調することでさらなる皮肉を生み出す。終わってみればその完成された皮肉の塊に感心しきりなのだが、はたしてこれは面白いのだろうか。いや、面白いんだけど、見ている間の興奮ってのは単純なインパクトの羅列のせいで(もちろん意図的に)中の下ぐらいなわけで、所謂ヴァーホーヴェン・ワールドは堪能できたんだけど、うーん、どうなんだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-23 14:26:19)
4.  スーパーマン リターンズ
DVD鑑賞してたらお出かけしていた妻子が帰ってきて、娘がちょうど飛行機を助けに来たスーパーマンを見て、「うわっ!スッパマンや」。彼女はスーパーマンは知らないがスッパマンは朝のテレビで見たことがあったのだった。そのスッパマン、じゃなくてスーパーマンに飛行機のちぎれた翼がぶつかる!かと思ったら何事も無かったようにズバーンと翼を突き抜けていくその強靭に過ぎる体にひたすら「凄い」を連発する娘。実は「スーパーマン」を見たことがないヨメも「スーパーマンってこんなに強いん?」と驚きを隠さない。「これがスーパーマンや」と自慢げに教える私も実はこの圧倒的なパワーに半ば驚き、そしてその痛快さに感動していた。娘は夜も遅かったのでこの後すぐに就寝。困ったのがヨメ。どうもある程度スーパーマンを知っていないとわからないところが多いらしく、延々と質問の嵐に晒された。「なんで地球にいんの?」「どこから来たん?」「この衣装は誰が作ったん?」「この女の人、誰?」「クラークがおらんことになんで誰も気付かんの?」「眼鏡だけやったらわかるやろ」「なんでカツラ見ただけでわかるん?」あーうるさい。圧倒的な強さは、知らぬ者に清清しい感動を与え、続編ストーリーは、知らぬ者に疑問を与えるらしい。いやいや、ブライアン・シンガーはよく頑張っていると思う。この続編に課せられたハンデを説明っぽくならずにうまく見せている(ヨメはこの作品自体も途中からだったし)。ただ、後半ちょっと長すぎ&全体的に暗い世界観がスーパーマンに相応しくないように思った。
[DVD(字幕)] 6点(2010-01-25 14:14:21)(笑:1票)
5.  スラムドッグ$ミリオネア
ダニー・ボイルはデビュー作『シャロウ・グレイブ』から一貫してスタイリッシュな映像の中に風刺を色濃く潜ませてきた。その風刺の矛先はいつも人間のエゴである。娯楽と割り切ったような『28日後...』ですらそこは変わらない。エゴへの風刺がそのまま娯楽へと転化されるストーリーだといいのだが、むりやりにエゴへの風刺を入れた『28日後...』には不満が残る。もっと単純に行こうよと。小難しい風刺劇なんていらんよと。そしてこの作品だが、見るまでもなく物語の背景には「貧困」があり、当然そこには人間のエゴが浮き彫りにされているはずである。そう。ムリヤリ入れる必要がないのだ。そのことで実に活き活きとした作品に仕上がった。ダニー・ボイルのスタイリッシュな映像が少年時代の波乱に富んだ人生をリズミカルに見せてゆくことに貢献する。重くなりそうなシーンの連続もスリリングな逃亡と同化することで重さを軽減する。疾走する列車の屋根に立つ少年をとらえた画がそのバックに映される広大な空とともにものすごく印象に残っている。現代のシーンだけで構成される後半からクライマックスにかけてがやや停滞ぎみだが、最後のダンスで盛り返す。インド映画に欠かせないダンスで締めるのは、世界一映画が多く作られ世界一映画が多く楽しまれるインド映画界に対する敬意の印なんだと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2009-07-14 11:28:37)
6.  スコーピオン
カジノで派手に強盗。その金を巡ってのあれやこれ。大好物の展開である。冒頭のCGアニメによるサソリのバトルからも想像できるようにカート・ラッセルとケビン・コスナーのワル二人の対決がメインとなっている。はずなのだが、子持ち女が絡んできたせいでカート・ラッセルが主人公でその敵役がケビン・コスナーという構図で展開される。ところがケビン・コスナーを単なるワルにはできない何かがあるのか、プレスリーの隠し子であるという素晴らしくも馬鹿げた可能性に真実味を持たせて、冷酷非道な悪党に映画の主人公が持つべく哀愁を漂わせてしまうから困ったことになる。敵キャラが主役を食うのは全然オッケーでむしろ大歓迎なのだが、そうじゃなくてこの映画の中の極めて重要なモチーフである「エルビス・プレスリー」を全て敵方のケビンにだけ与えているところに問題がある。だからといって先に書いたように主役はあくまでカート・ラッセルってところがこの映画のどっちつかずな中途半端さを生んでいる。だいたい二人ともむちゃくちゃやってるようで時々人並みの感情を見せたりするからますます中途半端に感じてしまう。エンドロールはサイコーである。
[DVD(字幕)] 5点(2009-07-10 17:52:52)
7.  スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい 《ネタバレ》 
けっこう面白かったス。出てくる人間、どいつもこいつも主役になれそう、というか誰が主役かわからんのは確信犯か。誰もが映画の中で我を張りながら殺される駒としての可能性を秘めているのがこの映画の面白いところであり怖いところである。映画はそのことをまずベン・アフレックを使って宣言するのだ。あとはかっこいい女二人組に感情を移入させようが、非情な殺し屋が最後まで残るというお約束を信じようが、いやいやFBIもなかなか見せてくれるような展開だとか思ってみたところで、どこか疑わしくもあり、そしてやっぱり微妙に裏切ってくれるのである。漫画チックにすら見えるかっこいい構図も荒唐無稽なストーリーによく合っている。惜しむらくは狙われているご本人が影が薄く作品内の駒として一人だけ蚊帳の外にいること。それとオチ。カラクリはまあアレでよいとしてもダラダラと描きすぎ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-07-09 14:23:30)(良:2票)
8.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 
こんなにも中身スカスカでいいのだろうか。いやべつに哲学的であれなんて言いたいわけじゃない。時空を超えた世界としての大まかな筋は満足もしている。ただそれにしたって駆け足すぎやしないか。若きカークの単純明快なやんちゃぶりもさることながら、父の死と引き換えに生まれたことの葛藤やらなんやらがごっそり抜け落ち人物造詣も何もあったもんじゃない。日本のアニメによくある熱血漢のリーダー(概ねイメージカラーは赤)と冷静沈着な二番手(概ねイメージカラーは青)といったキャラだけを提示しているだけで深みが全く無い。スポックとの確執から唯一無二の戦友とまでなりゆく心の過程までもワープさながらにひとっ飛び。ワープと転送装置でただでさえ見せ場以外が端折られる傾向があるのに、この中身スカスカぶりはある意味凄い。『スター・ウォーズ』のドロドロよりも単純にスカッといこうよって感じか。それにしても復讐の鬼と化した敵をスカッと切って捨てるラストシーンもどうかと。この新シリーズ(あるの?)はこのままスペクタクルオンリーでいくのかな。初スタートレックの人にも楽しめ、解からせ、アクションてんこ盛りで2時間ってとこだけ評価する。
[映画館(字幕)] 5点(2009-06-22 16:05:00)(良:1票)
9.  スニーカーズ 《ネタバレ》 
これけっこう好き。たしかに豪華キャストがその豪華さを全く発揮せずにいるのはもったいないようにも思えるが、豪華キャストだと思うからそうなるのであって、それぞれの役者たちはきっちりとそれぞれの役を魅力的に演じている。彼らのそれぞれの分野でのプロフェッショナルさをもっと大袈裟に見せてくれてもそれはそれで楽しいだろうが、抑え気味の中にもそれぞれの個性をちゃんと見せている。キャラ分けもストーリーの小さな抑揚に従事し、とりわけ盲目ゆえの音のプロが指南する音を頼りに場所を特定するシーンはなかなかに巧い展開。さらに盲人に車を運転させる痛快救出シーンもドラマを盛り上げる。ラストのそれぞれの希望の品を告げるシーンの告げられるジェームズ・アール・ジョーンズの顔がそこだけコメディになってて大いに笑えるのもいい。シリアスな場面でもう少し危機感を出してくれてたら傑作になり得た作品だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-07 16:20:49)
10.  スケアクロウ 《ネタバレ》 
最後のマッチをくれたから。友情の始まりはこんなものかもしれない。どちらも世間からはみ出した風来坊なのだが、性格は両極端。ジーン・ハックマンとアル・パチーノが見た目そのままの役柄(パチーノは今でこそ我の強いオーバーアクトぎみな役者だけど、若い頃はナイーブな若者の典型みたいな優しい顔をしている)で、その両極端なコンビを演じてみせる。一見、世間にはどうしたって馴染まない欠点だらけの劣等性と世間を渡り歩く術を身につけた優等生のコンビのようにも映る。実際、劣等性は優等生から世間との関わり方を学んでゆく。しかしそれは諍いを避け、世間とうまく折り合いをつけるための方法でしかなく、世間と対峙するものではなかった。映画はむごい現実を見せて終わる。この急転直下ぶりは反則気味だ。しかし同時に一度作られた友情は易々とは壊れないことも見せる。そのことを体現してみせるハックマンだけが救いなのだが、これは救いなのではなく映画はこれこそを見せたかったのだと思わないとやってられないぐらいきつい。
[DVD(字幕)] 6点(2008-10-09 12:09:34)(良:1票)
11.  スコルピオンの恋まじない
もう見るからにおじいちゃんになっちゃって役柄的にもかなりムリがあるのは一目瞭然なんだけど、観ているうちにそんなことどうでもよくなっちゃう。たしかにもう少し若い役者で演ってくれたら冒頭でこのような戸惑いを覚えることなくスムースに作品の世界に入ってゆけたかもしれないけど、あくまで入り方だけで、入ってしまえば関係ない。むしろ全編溢れる自虐トークをここまで嫌悪感を抱かず安心して見ていられるのはアレンだからこそ。もともとお得意の自虐ネタも熟練の技の域に達した感がある。アレンの早口、セリフの間、表情、どれもが完璧。この人は一流のコメディアンなのだと再認識。王道のシナリオも安心感を増す。これは楽しい。
[DVD(字幕)] 7点(2008-06-18 14:47:53)
12.  スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
『チャーリーとチョコレート工場』もそうだったが、これもビジュアル的にバートンぽいにすぎない作品。その美術センスは確かに独創性に富み、我々をひきつける力を持っていると思う。でも映画としてはかなり物足りない。「色」を抜き取ったかのような灰色の世界がファンタジーであることを強調しているのに、さらに虚構を強調するミュージカルにしたところでそこに感動は生まれない(それぞれの歌は良かったと思う)。また、灰色の世界はそれ自体は悪くないものの、光は常に一定で奥行きも感じられない。絵本を眺めているような感じ。加工されたそれぞれの画を写真にしてまとめれば、それこそ美しい写真集ができるだろう。結局バートンってビジュアルだけの人だったのだろうか。初期の作品はそれが新鮮だっただけなのだろうか。うむむ、、。どっちにしろもうバートンには過度の期待はしないほうがよさそうだ。
[映画館(字幕)] 4点(2008-05-30 15:14:48)
13.  スミス夫妻
ヒッチコックには珍しいロマンティックコメディということらしいが、数々のサスペンス映画の中でスクリューボールコメディを披露していたりとユーモアのセンスはもともとお墨付き、しかも観客へのサービス精神が極めて旺盛な監督ですから別に驚くこともない。この手のコメディの中で特別輝いているとも思えないのだが、開始早々からなぜか全くしゃべらない男女が映されるというサスペンスが発生していたり、ドタバタの原因が役所の手違いなどといういかにもヒッチコックのサスペンス映画にありそうなものだったりと、随所にヒッチコック風味が散りばめられていて数多あるロマコメとはまた違った楽しみ方が出来る作品ともいえる。中盤以降の妻は本当に夫から心が離れている風にも見えて、それでも夫はどこか悠々としているところに違和感を持ってしまうのだが、まあ、妻のことをよく知っているということなんですかね。
[DVD(字幕)] 6点(2007-06-18 14:22:58)
14.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
戦闘機の空中戦にしてもライトサーベルでの戦いにしてもひたすらアトラクション的である。今あるアトラクションムービーの中でも突出している。そこに監督の意図しないものは表れない。監督の想像以上のものも想像以下のものも無く、シリーズの回が進むにつれてその傾向は強まりどんどん映画から離れていく。しかし多くのアトラクションムービーのように観客に媚びるということがない。ジョージ・ルーカスはアニメ作家でもない限り不可能な「監督の意図と寸分違わぬ完璧な映像」をひたすら目指しているのだ。『帝国の逆襲』以降はハリウッドを離れ組合も脱退し自らのスタジオで作っているのだが、それも前人未到の完璧さを追求しているからこそで、この大いなる挑戦には賛辞を送りたい。そしてその限りなく完璧に近づいた「スター・ウォーズ」の最終作をそれまでの「スター・ウォーズ」と共に支持したい。さらに、コレを先々行上映で観たのだがこの映画館が通路まで客を入れるという気の利いたことをしており、ベイダーのマスクやおもちゃのライトサーベル持参の子供たち、そして大人たちでいっぱいになった劇場という今ではすっかり味わえなくなったワクワク感をもたらすこのシリーズはやっぱり凄いのだ。1作目で見せたタトゥイーンから見える二つの太陽が映されたとき、「やっぱり終わるのか」と感慨深くなった。
[映画館(字幕)] 7点(2007-05-30 13:00:58)(良:1票)
15.  スパイダーマン3
初日の上映開始間際に滑り込んだせいで座った位置が悪かったせいもあるが、一番前の端っこで、画面狭しと飛び回るスパイディに目がついていけず、何が映されているのかさえもわからなかった。なのでソコは映画館のせいにしておきますが、前作の列車を使ったアクションのような独創性というものは無かったし、アメコミのヒーローが日常にいることの違和感を笑いに転化させた前作のユーモア(ピザ配達シーン)も今作にはなく、敵キャラも映像技術だけが前面に出ていて面白みに欠ける。路上で鋭い眼光で腰をふりふりする主人公は悪が内面を支配しようとしているというよりもアホが内面を支配しているんじゃないかと思うくらい滑稽。「許す」というテーマも同じテーマの『どろろ』におけるどろろや百鬼丸に課せられたものに比べれば「許す」ことを誰もが納得し得る理由が嫌というほど提示されており結局アメリカにおいて「許す」というのはそれ相応の理由が無ければなされないものなのかもしれないなどと思ったりもして、それだったら許してないじゃん、って思った。
[映画館(字幕)] 3点(2007-05-29 10:36:58)(笑:2票)
16.  ステート・オブ・グレース
はじまりはマンハッタンの景色からショーン・ペンの顔を捉えてゆく。ニューヨークって所はもうそれだけで映画的だ。キャストがかなり魅力的なのだが、さらにその魅力をしっかりと映し出そうとするかのようにやたらとアップの顔ばかりを何度も映す。その部分が映画的じゃない。最悪なのは暗がりのシーンで、魅力的な背景が映されないだけでなく、暗すぎてほとんど影しか見えない状態でもアップで撮ってるところ。このキャスト、ニューヨークの裏通りにただ立っているだけでも様になるのに、そして実際そんな魅力的な画もあったのに勿体無い。ラストのスローモーションは見てられない。
[ビデオ(字幕)] 4点(2007-02-07 10:56:27)
17.  スパイダーマン2 《ネタバレ》 
前作とは打って変わってサム・ライミがようやく「スパイダーマン」を自分のものにしたという感じ。ハリウッドだから出来ること、高制作費だから出来ることを自らの作家性に拘らずにやったおかげでかえって彼の個性がこのハリウッド大作の中で暴れまくる。「大いなる力には大いなる責任が伴う」というたいそうなテーマをもってヒロインとの決別で終わった前作からの続編でありながらそのたいそうなテーマを主人公自らが放棄するかのようにヒロインと結ばれるは、ベールに包まれているはずのヒーローは堂々と顔をさらすは、ヒロインが襲われてキャーキャー悲鳴をあげるシーンは全くヒロインらしからぬ恐怖の顔をさらした単なるホラー映画の被害者の顔になってるは、オクトパスの暴れっぷりは恐怖と気色悪さと可笑しさが凝縮されてて大いに楽しませてくれるは、ハリウッドでやるべきことはしっかりと押さえて、あとはやりたい放題。期待薄で観たこともあって大変満足いたしました。
[DVD(字幕)] 7点(2006-11-07 09:57:35)
18.  スパイダーマン(2002)
公開時の新聞記事にハリウッドに馴染まない監督だからこその傑作とかなんとか書いてあって期待はしてたんだけど見そびれちゃってのDVD鑑賞。うーん、、というか、サム・ライミはデビュー作のインパクトで語られちゃってますけど最近はじゅうぶんハリウッドに馴染んでますよ。それにもともと見せ方は違うけど娯楽を提供するという部分ではハリウッドと同じ目的を持ってる監督です、この人。ただなんとも薄っぺらい「娯楽」を寄せ集めてどうだ~!って堂々と見せてしまうその気概と、それでも魅せてしまうセンスにこそこの監督の個性があると思うのですが、この『スパイダーマン』は一見、ココがサム・ライミです!ってところをチラチラさせてはいるものの、どうも物足りない。それにアトラクションムービーとしての見せ場があるのにこちらも中途半端。そしてなによりも「大いなる力には大いなる責任」というたいそうなテーマ(なんかアメリカが世界の警察を誇示しているようでテーマ自体が好かん)を一度ならずも二度までも語ってしまい、ラストにつなげるあたりがどこにでもあるハリウッド映画にしてしまっている。中盤までは楽しめた。
[DVD(字幕)] 5点(2006-11-06 15:52:51)
19.  ストレンジャー・ザン・パラダイス 《ネタバレ》 
『ダウン・バイ・ロー』にそれほど入ってゆけなかったのはコイツのせいかもしれない。それほどに衝撃的な映画だった。ジャームッシュ作品の中では『デッドマン』と共に大好きな映画。衝撃的といってもお話の展開に劇的なものは無い。登場人物たちの感情の高ぶりすら描かれない。にもかかわらずとてつもなくドラマチックに感じさせてしまうこの映画はやっぱり衝撃的。普通、黒を際立たせて美しさを出すモノクロ画面も、この作品は白を眩いばかりに際立たせているのも衝撃的。現状に漠然と希望を見出せない3人の男女がいくら場所を変えても何も変わらない。だけど特に印象的な言葉を交わすこともなく、ただいっしょにいるだけなのに、だんだんとお互いを思いやってゆく関係になってゆく様は感動的。ラストですれ違わすことで徹底的にドラマチックな現象を起こさせない。それでもそのすれ違いによって優しさが露呈される。そのとき、ささやかな日常に大いに感動する。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-10 16:22:57)
20.  ストレイト・ストーリー
青々と茂った芝生に囲まれた家が映し出されるがそこに耳は落ちていない。しかしどう見ても耳が落ちていそうな雰囲気だ。リンチへの偏見がそう思わせるのかもしれないが、リンチだってぜったいそう思うようにもっていってますよ、これ。おばちゃんがカメラから消えしばらくすると「ドサッ」という音。ぜったいあのおばちゃん、殺されたんだと思うようにもっていってますよ。違うかなぁ。やっぱ偏見かなぁ。そういう類の緊迫感がところどころで襲ってくるんですよ、この映画。嵐の夜の稲光と窓の水滴がじいさんの顔に映される描写なんてホラーだし、橋を渡りきろうとする瞬間の映像のぶれなんかもSFホラーだし、最後の寝床は墓地だし。その「おちょくり」が好きなんだけど、もしこれがリンチの「おちょくり」じゃなく私のたんなる思い過ごしならせいぜい5点。でもたぶん、いや、どっちにしても個人的にはおちょくられた気になって楽しめたからいっか。鹿に囲まれて鹿を食うシーンはやりすぎ。笑ったけど。
[DVD(字幕)] 6点(2006-04-26 16:09:16)
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