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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2257
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1.  スモールフット 《ネタバレ》 
言及したいポイントは2点です。1点目は『CGアニメ技術』について。映像技術の進歩は目覚ましく、実写・アニメを問わず新作映画が公開される度に驚かされます。私は『ターミネーター2』の時点で「もうこれ以上はない」と思ったものですが、いまだCG技術は進化の歩みを止めません。実社会では本物と見分けがつかない『ディープフェイク』なる問題まで出る有様。そこで本作。実写と見紛うとは言いませんが、ところどころまるで『本物』なのです。例えばイエティの毛の質感は、ぬいぐるみのそれ。リアリティ度合は必要量を明らかに上回っており、謎の迫力を湛えています。『不気味の谷』の崖っぷちと言っても差し支えなく、これ以上リアリティを追求してしまうと、崖から落ちてしまう気がしました。これは称賛や批判というより単純な「驚き」です。 2点目は『タブーに触れた物語』のこと。こちらも心底驚きました。タブーとは絶対的な決まりごと。その是非を問うてはいけません。何かおかしいな。変だな。そんな風に思っても飲み込むのが常。圧倒的多数の支持を得ている概念に異を唱えることは、害こそあれ得は全くないからです。こんな事例、あちこちに転がっていますよね。損得勘定に敏感な大人はタブーを嫌います。それが生きる術です。しかし大人になる前の自分を振り返ってみると、もちろんそんな技術は身に付けていませんでした。だからこそ痛い目をみたワケで。大人イエティの正義に賛同すると同時に、子どもイエティの素直な欲求にも共感してしまい、どうにも胸がざわつきました。頭と心が連動しない感じ。しかも、子どもイエティの思いを大人イエティが受け止めるという驚愕の結末が待っていました。マジかと。タブーに触れただけでなく、取っ払っちゃうとは。これ、現実でも通用したりしないかな。今まで封じ込めてきた考えが頭をもたげてきて、大人の私は正直困るのです。だって、もう冒険する年齢は過ぎたはずだから。安全安心が一番に違いないのだから。恥ずかしながら、少し泣いてしまいました。これは称賛や批判というより純粋な「感動」です。
[インターネット(吹替)] 10点(2021-11-17 18:21:52)(良:1票)
2.  スイス・アーミー・マン 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。未見の方はご注意ください。)十徳ナイフ並みの 、いやそれを遥かに上回る“万能死体“を使っての無人島からの脱出劇。ノッケからオナラ風腐敗ガスエンジンのボートに変化という飛ばしっぷり(苦笑)。斬新な着想はキャッチーなれど、出オチの危険性大かと危惧しておりましたが、いやいやどうして、見応え十分でした。しっかりコメディとして成立していたと思います。ただし中盤、観念的なアプローチが過ぎたというか、ハイセンスな部分を見せようと意気込み過ぎたというか、やや中弛みした感は否めません(手作りバスあたりの件ですね)。とはいえ、見終えてみれば主題は明快で、こんなキワモノ設定の中ブレることなく結末までたどり着いた点には拍手を送りたいと思います。いや、やっぱりたどり着いてないかな。スミマセンそこは要審議で(苦笑)。というように、反芻しても“苦笑い”がやたら多いのですが、決して駄目じゃなかったと思うのです。好意的な苦笑い。その最大要因は、ダニエル・ラドクリフくんにあります。もう手放しでホメたいチャーミングな死体ぶりでした。それに天下のハリー・ポッターがよくぞこんなヨゴレ役を引き受けたものだなと感心します。彼の熱演(死体だから冷演かな)無くしては、本作の成功はありませんでした。本年度のアカデミー最優秀死体賞は彼で決定ですな。さて、色んな見方・捉え方が可能なストーリー(真っ当な解釈は妄想・精神疾患系あるいは心理状態の比喩表現。そもそも漂流などしていない)ですが、私的には愚直に“メニーくん=宇宙人説”を推したいと思います(タイガー星雲か、ZOJIRUSHI系からやってきたと睨んでおります)。全部“ほんとう”と信じるなら、これしかラストの状況に対する説明はつかない気がいたします。まあ正直いいますと、“整合性なんてハナから気にしちゃいない“が真相だと思われますが。観客で勝手に判断してくれのスタイル。無責任かもしれませんが、個人的にはこんなのもアリだと思います。映画は究極の自由空間ですし。the endの神タイミングに対し+1点査定で。
[映画館(字幕)] 9点(2017-09-25 08:51:46)(良:3票)
3.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
文字通り“クソ”にまみれた主人公の人生が、軽薄なクイズバラエティショウを通して肯定されていく様に、強く胸を打たれます。学は無くとも経験はある。それが決して他人に誇れるものでなくとも、血となり肉となり、今の自分自身をかたち作る糧となっています。辛い思いも、苦い体験も、全てがクイズの答えに、いや人生の答えに繋がっていました。最も痺れたのは、主人公が司会者の卑怯な罠に引っ掛からなかったところ。『親切を装う大人を信用してはいけない』という痛恨の教訓がちゃんと活かされていました。終わり良ければ全て良し。そう思える素晴らしきラストシーンは、ラブストーリーとしてもこれ以上ない“正しい”結末でありました。それにしてもヒロインを演じた女優さんの魅力的なこと!“この人の為になら命を賭けられる”そんな説得力を持つ恋物語は“強い”と思います。フリーダ・ピントというお名前、覚えておきますね。(以下余談)本作は『勇気の物語』でした。ザ・ダメ人間な自分も一緒に肯定された気がしたのです。私が長年かけて貯め込んできた『深夜ラジオ(伊集院光)』『囲碁』『プロレス』『B級邦画』『ももクロ』に関する知識も、いつか陽の目をみる日が来るんじゃないかと。いや、やっぱ来ないか。来なくてもいいんです。来るかもしれないと思えることが希望なので。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2016-03-30 22:28:40)
4.  スペル 《ネタバレ》 
何故サム・ライミ監督が支持されるのか理解しました。娯楽性豊かなアクションにコメディ&グロテスクのエッセンスがベストマッチ。執拗に汚物を飲まされ、髪の毛を引きちぎられるヒロインに、歯無しババアの噛み付き攻撃。オモシロ気持ち悪い。これはクセになります。そして忘れてならないのは、カメラワークの巧みさ。奇抜なアングルを用いなくても、印象に残るシーンを随所に作り出していました。役者のイイ表情を逃さず捉えるのも上手いのでしょう。人物造詣もお見事です。とりわけヒロインのキャラクターが気に入りました。ババアを車外に蹴りだし勝ち誇る人間臭さ。霊媒師に払う大金を自力で工面しようとする責任感。イイですね。それに呪いのボタンの処分の時のこと。もし彼女が躊躇無く同僚を地獄に蹴落とせるタイプの人間ならば、共感出来なかったでしょう。かといって復讐を考えない程お人好しなら手に負えない。彼女の良心は、私たちが持てる標準的なもの。だからうんと肩入れして物語に望めました。ラストがまた秀逸です。このままの無事のハッピーエンドを望めない事くらいは、物語の流れを見れば分かります。でもここまで後味の悪い結末が待っていようとは。突き放した感じにピリピリ来ます。情状酌量、社会的制裁、本人の反省等々、量刑を手加減する言い訳に慣らされている自分に気づきました。この結末に慈悲はありません。でも道理には適っています。そこにある種の心地よさ感じるのは何故なのか。最悪と爽快さの同居。自分でも知らない感情を引き出されては、褒めない訳にはいきません。サム・ライミ監督、恐れ入りました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-15 18:27:13)(良:4票)
5.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 
NHKで放送していたTVドラマが大好きでした。奇想天外な筋書きと素晴らしき人間模様、そして壮大な世界観に少年だった自分は魅了されました。トレッキーではありませんが、“スター・トレックは面白い!”という意識は心に強く刷り込まれました。その後目にした劇場版もTV新シリーズも(全部を観た訳ではありませんが)、全て“確実に”面白く、自分の中で『スター・トレック』は絶対的な価値を持つブランドとなりました。そこで本作。率直に言って最高でした。カーク船長、スポック、マッコイ医師…。耳慣れた名前を聞く度に、オリジナルメンバーの顔が脳裏を過ぎり、本作の若者たちの姿と重なって行きました。みんな若々しく、少しやんちゃな未熟者で、でも本質は自分が知るエンタープライズのクルーと変わりないように思えて、彼らの成長を想像するのが嬉しくて楽しくて。予備知識が無くても、十分に楽しめる質の高い映画には違いありませんが、『宇宙大作戦』を知る者にとっては、格別な仕上がりだったと思います。レナード・ニモイのキャスティング、そしてエンディングの懐かしのナレーション。シリーズファンに向けた心遣いを確かに受け取りました。サイエンス・フィクションよりもアクションエンターテイメント色が濃い点は、シリーズの赴きとは異なりますが、それも悪くないです。若いんだから、動かなきゃ。というか、スタートレックと名の付くものなら、なんでもOKってくらい信頼度はMAXまで上がっています(笑)。是非ともこの面子で劇場シリーズ化をお願いしたい。ナイスなサブキャラたち(サイモン・ペッグ&毒チワワみたいなヤツ)の活躍が観たいです!劇場鑑賞なら間違いなく10点でした。
[DVD(字幕)] 9点(2010-06-18 21:08:52)(良:1票)
6.  ストレイト・ストーリー 《ネタバレ》 
自分はこの話を美談だとは思いません。老人が一人で長旅をする。それもトラクターで。結果無事にたどり着けたから良かったようなものの、そうでない可能性のほうが大きかった。その時に家族や周囲の人々に及ぶ非難や苦労を考えると、手放しでこの話を肯定する気にはなれません。しかし、それでもなお、自分はこの物語が好きです。正確には主人公のアルヴィン・ストレイトが好きなのです。アルヴィンは“自分の力で行く”ことに決めました。金銭的な制約があったにしても、もっと楽な方法が他にあったはずです。でも“自分の力でいく”ことが重要だった。そこにあったのは、自分の力を確かめたいという気持ち、兄に対する誠意、あるいは単純にトラクターの旅は楽しそう、だったかもしれません。でも最終的に決断したきっかけは、止めておけという周りの声に対する“意地”だったと思います。大人気ない。でも人間には意地がある。馬鹿げたことかもしれません。褒められた話でもありません。でも小利口な人間ばかりが得をし、意地やプライドが感じられない今の世の中を考えると、こんな意地っ張りがいてもいいと思います。頑固な爺さんが愛おしい。(実際、リチャード・ファーンズワースはすごくチャーミングです。)自分はこんなに素敵な爺さんになれる自信はないけど、こういう年の取り方をしたいと思います。あまりに美しい星空がいつまでも心に残るロードムービーでした。
[DVD(字幕)] 9点(2006-04-18 18:17:48)
7.  スポンジ・ボブ/スクエアパンツ 《ネタバレ》 
私が子どもの時分よく観ていたTVアニメは、ご存じ『トムとジェリー』。そして現在小学生の娘たちが夢中になっているのが本作『スポンジ・ボブ』です。ハンマーで叩かれペチャンコになってヒラヒラ。傍で眺めている分には『トムとジェリー』と変わらないカートゥーンアニメに見えます。Eテレ(かつてのNHK教育テレビ)で放送ですから内容も問題無いはず。しかしこのような認識は、本作を2分も観れば吹き飛びます。一言でいうなら『狂気の毒アニメ』。安心安全なんてとんでもない。害しかありません。日本が誇る良識アニメ『アンパンマン』と同じ擬人キャラクター作品ですが、教育的要素はゼロ。お話はアンモラル&刺激過多で、社会風刺から差別偏見・下ネタに至るまで広域に渡り、基本どうかしています。とりわけギャグの手数の多さは圧巻で、ケンシロウも舌を巻くでしょう。『クレヨンしんちゃん』に眉をひそめる親御さんがいると聞きますが『スポンジ・ボブ』を観たら即死です。こんなアナーキーな作品がEテレで放送されているですから、とかく批判の多い国営放送も捨てたものではありません。 なお本作は劇場公開作品だそうで、TV版には無い『実写とコラボ』の特別仕様となっています。『ロジャー・ラビット』みたいなヤツですな。“お困りごとは全てスーパーカーがジャンプで解決”『ナイトライダー』からマイケル役のデヴィッド・ハッセルホフ氏がゲスト出演という悪ふざけが絶妙で(日本だと錦野旦みたいな肌感覚ですかね)、マイケルにはだいぶ無茶な発注がされています。おじいちゃんスターに何ってことさせるの。よく承諾したものだと感心しますが、それだけ愛されているコンテンツなでしょうね(あるいは大金を積まれたか)。いずれにしても、ギャグクオリティの高さは相当なものです。ただし、子供が30分スポンジ・ボブを観たら、2時間白湯でも飲みながらジブリでも観て精神のバランスを取らせる必要があるでしょう。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-01-25 18:44:46)
8.  スター・トレック/イントゥ・ダークネス
いやー『スター・トレック』愛されていますね。酷評は好きだからこそ。ファンの気持はよく分かります。各々の中で『スター・トレック』の定義がありますから。でも♪これも『スター・トレック』あれも『スター・トレック』たぶん『スター・トレック』きっと『スター・トレック』♪じゃないかと(松坂慶子・愛の水中花より引用でございます。年がバレますね)。自分は結構楽しめました。前作の感想でも触れましたが、優秀なコメディリリーフ、サイモン・ペッグが活躍したのが大きいと思います(『ミッション・イン・ポッシブル・ゴーストプロトコル』と同じ役回りですけど)。娯楽作品として幅が広がりました。彼の相棒、喋らない毒チンチラみたいな奴も存在感抜群。冷静沈着なバルカン人スポック副長の激情ぶりも微笑ましく、敵役も含めキャラクターは際立っていたと思います。それだけで許せてしまうのが、私にとっての『スター・トレック』なのです。SFというよりアクション映画の趣が強い本作ですが、たまにはこういうのもイイでしょう。スタートレックの魅力は、宇宙よりも広いのですから。
[映画館(字幕)] 8点(2013-09-24 18:50:51)(良:1票)
9.  ストーン 《ネタバレ》 
「人生に首根っこ押さえられたか」ジャックに放たれたストーンの言葉が胸を抉ります。チンピラに見透かされる屈辱。でもジャックにはどうする事も出来ません。図星だから。自分でも薄々分かっていた事だから。自分の中に生きるための“基準”が無いこと。そんな空虚な人間が、偉そうに罪人に指導する滑稽さ。気付いてしまったら、もう元には戻れません。彼は絶望したに違い有りません。終着点が見えてきた残りの人生、このまま逃げ遂せたかもしれないのに。ところが最終18番ホールにきて、アドレスにさえ入れぬ大醜態。そんな時、彼の耳に聞こえてきた神の音叉は、ハエの羽音。ジャックはこれから自身の“基準”を手に入れるつもりでしょうか。これは痛い物語でした。ジャックが陥った“熟年男性の危機”は、他人事とは思えぬリアリティを持って自分の心を捉えました。仕事と家庭。積重ねてきた“真実”の価値に自信が持てるかどうか。そういう意味では、紛い物だろうとペテンだろうと、基準を手に入れたストーンは間違いなく強い。羨ましいとは思いませんが。実際に人生の土壇場で躓くとしたら、きっとこんな“小石”なのだろうと思います。今のうちから、足腰をしなやかに鍛えておかねば。くわばらくわばら。宗教色が強いため、自分にとっては少々敷居が高い作品ではありましたが、本筋は実にオーソドックスなヒューマンドラマであったと思います。ミラが予想外に上手くてビックリ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-07-10 20:14:16)(良:1票)
10.  スーパーノヴァ(2000) 《ネタバレ》 
描かれる生命の神秘。ミニマムレベルの人の性交から、果ては宇宙の再生まで。そのふり幅の大きさに心奪われます。現代より遥かに進化したテクノロジーを持つ人類。しかし価値観は現在のそれと大差ない様子。セックスの悦びに溺れたかと思えば、女を寝取られ嫉妬に狂う。子を産みたい女の本能が相手の男を品定めする。愛って何?遺伝子の欲求?文明が進んでも、人という生き物の本質は変わらない。いや、プログラマーとコンピュータの恋愛は、半歩くらい次のステージに進んでいるのかも。新人類カールVS旧人類の戦い。不死身のターミネーターへ、ロボットを使ってのファックユーポーズ。気分爽快です。ただ、カールに同様のポーズをさせておく伏線を張っておけばカタルシス倍増だったかと。次元ジャンプのイマジネーションも素晴らしく、これぞSF映画という感じ。爆発から起こる新しい宇宙の誕生と、射精から生まれる新たな命の対比。次元ジャンプ≒セックスか。堪能しました。最期にオチの付け方について。DVD特典「もう一つのエンディング」では明確に人類の滅亡を予告しています(約250年後)。それに対して本編の方は、人類が生き残る可能性を示唆しています。滅亡するかも知れないが、人は次の次元に進むかも知れないという。約50年後に来る審判の日。正直自分があと50年生きるのは無理っぽいけど…なんとか頑張ってその日を迎えたいと思えます。断然オリジナルのエンディングの方を支持します。
[DVD(字幕)] 8点(2009-05-15 18:58:05)
11.  スパイダーマン3 《ネタバレ》 
回を重ねるごとにアクション性が増しているシリーズ。3作目となる本作は、もはやアトラクションと言っていい出来栄え。水平移動に垂直落下、空間の奥行を活かしたスピード感溢れる戦いにクラクラしました。敵もゴブリンジュニアに砂男、それに謎の寄生生物と盛り沢山。サービス精神旺盛です。アクションだけなら満点級です。ただその分、物語の粗が目立ちました。ご都合主義の展開や設定は目をつぶるにしても、ドラマが希薄になってしまったのは惜しい。テーマが良いだけに尚更そう思います。シリーズで一貫しているのは、根っからの悪人が居ないこと。みな弱い心が産んだ怪物たちです。主人公とて例外ではありません。誰もが悪人になってしまう可能性がある。そうならないために必要なのは何か。愛するMJに伯母さん、親友のハリー、大家のおじさんだって彼を気にかけている。多くの人たちの支えがあって、主人公はヒーローでいられるのだと思います。大切なことを忘れてしまったピーターが心を乗っ取られたのは必然だと思いました。堕ちるのは簡単。でも這い上がるのは容易ではありません。主人公やハリー復活のドラマを淡白に処理したのは勿体無いと感じました。前作には及ばないものの、採点は「十二分に満足」の8点です。続編を期待したいところですが、ハリーのような良キャラを失ったのはデカイなぁ。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-07 19:37:12)(良:2票)
12.  スネーク・フライト 《ネタバレ》 
大量のヘビを使って旅客機を落とそうというトンデモ計画。フェロモンでラリったヘビたちが、乗客を襲う!機器類を破壊する!最初の犠牲者は、トイレでエロっているカップル。ホラー映画のお約束を踏襲しています。オッパイにパクリ。イチモツにガブッ。大蛇にぐるぐる巻きにされ、頭から丸呑みされる乗客。期待どおりのシーン連発です。設定は完全にイロモノ系おバカB級映画のノリ。笑って観るつもりでした。ところが、段々本気になってくるのです。当初考えていたよりも、ずっと優れた設定であったことに気付かされます。ポイントはヘビの種類が多いこと。その多様性が展開をスリリングにし、画にメリハリを与えていました。ドラマもなかなかのもの。極限状態で暴かれる人の本質。我が身を呈して赤子を守る者もいれば、醜態を晒す者もいるワケです。幼い兄弟のエピソードがいいですね。毒蛇に噛まれた弟。守ってやれなかったと悔やむ兄。でもちゃんと彼は弟の命を救います。不意を付かれてホロリときました。至ってシリアス。でもやっぱりおバカ。このブレンド具合が絶妙だと思いました。脚本を練れば、もうワンランク上のサスペンスに化ける可能性もあるかと。少々採点は甘めですが、個人的にはかなり気に入りました。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-16 18:11:44)(良:1票)
13.  スパイダーマン2
前作では物足りなかったアクション。本作では存分に堪能しました。ミスターオクトバスとの戦いはどれも見応えあり。スピード感あり、構図良しで、見事な飛翔感を味わいました。これは劇場で観ておくべきだったと大後悔。それにしても本シリーズは敵役に味がある。前作のゴブリンといい、本作のオクトバス博士といい、みんな根はイイ人なんですよね。でも自分の弱さに勝てずに悪人になってしまった。能力を持っていたら使いたくなるのが人間。能力には抗えない。カウンタックを一般道の法定速度で我慢しなさいというのが無理な話。そこへいくと主人公はエライ。というか真面目。せっかくのスーパー能力をヒーロー業以外に使わないなんて。(ピザ屋の配達はご愛嬌)。もっともそんな彼だからこそ、ヒーローの資格があるのかもしれません。
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-31 19:12:19)(良:1票)
14.  スターシップ・トゥルーパーズ
悪趣味でアホらしい。むやみにエグイ描写を多用していますし、物語の展開も子供じみて単純なもの。英雄は名も無き2等歩兵なんてメッセージもイヤらしい。確信犯のバカ映画です。でもこれはホメ言葉。ここまで徹底すれば清々しい。戦争の本質を皮肉たっぷりに描いています。興味深いのは、相手が虫だということ。相手が虫なら、それは戦争ではありません。ただの殺戮。なぜなら、言葉も気持ちも通じ合わせることが出来る同種同士が争うことが戦争だから。でも本作は紛れも無く戦争映画だと思う。価値観が違えば、もはや同じ人間とは認識しないということか。虫と同じ。踏み殺すのに心は痛まない。
[DVD(字幕)] 8点(2007-08-28 18:31:36)
15.  ズーランダー 《ネタバレ》 
コメディを賞賛する場合、“腹がよじれた”と表現することがあります。これは一種の比喩表現。それくらい面白かったという意味で、現実に腹がよじれることは稀かと思います。でも本作では現実に起こりました。腹よじれが。寝転びながらDVDを観ていた自分は、本当に腹を抱えて笑い転げました。ガススタンドの爆発シーンで文字通りの大爆笑。あまりのアホらしさと火薬の多さに不意を付かれました。ここで一気に作品の世界に引き込まれました。作品の楽しみ方が分かれば、もうしめたものです。家族揃って同じ髪形にも、ちっちゃな携帯にも、ウォーキング対決にも、宇宙の旅パロディにも、安っぽい家族愛にも、ことごとくハマリました。エンディングでダメ押しの噴水像。もう堪忍して!内容の無さ、無茶な展開がたまりませんでした。コメディは笑わせてナンボのジャンル。下品だろうと、卑怯だろうと笑わせた者勝ちだと再認識しました。もうあのキメ顔にメロメロです。セレブギャグのニュアンスが理解できれば、もっと面白かっただろうということだけが心残りです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-16 19:36:00)(良:2票)
16.  スクール・オブ・ロック 《ネタバレ》 
本作はジャック・ブラックに尽きます。彼のテンションの高い演技を楽しめればOK。歌も上手く、ちょっと過激な西田敏行みたいです。子供達をロックに巻き込んだ理由が、“子供たちのため”ではなく、“主人公のエゴ”である点を明確にしているところが好きです。偽善的(他人のためと見せかけ、本当は自分のため)な事柄が多い昨今、潔くて好き。多分に結果オーライ的な部分はありますが、それはこの際置いときましょう。いつだって一番大切なのは自分。自分を大切にした結果、他人もハッピーになる。コレが最高です。あと、ステージにはスタッフ(裏方)がとても重要なんだよ、という描写を入れているところが素晴らしい。ちょっとしたことですが、このへんの気配りに、ロックへの愛を感じます。ときどき無性に観たくなる楽しい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-04-16 02:19:16)
17.  ズーランダー NO.2 《ネタバレ》 
前作『ズーランダー』から実に15年の歳月を要したファン待望の(?)続編。カメオ出演のセレブの悪ノリと、心底クダラナイギャグのみで構成された、毒になっても決して薬にはならないお下劣お馬鹿コメディは、ファンの期待に違わぬ、待ち焦がれた「懐かしの味」でありました。個人的にツボだったのは、一瞬の油断が生んだ悲劇の自動車事故。その激しすぎるカークラッシュは前作のガススタンド爆破シーンを彷彿とさせる「やり過ぎ感」に溢れており、某ラーメン○郎の如き狂った(演出の)さじ加減に腹を抱えました。ジャスティン・ビーバーに打ち込まれた銃弾の数然り。ジャック・バウワーの無駄な存在感然り。一度ハマってしまえば、どのギャグもイチイチ面白いのがアメリカンコメディの強みかと。とはいえ、本作で真に感銘を受けたのは、ペネロペ・クルスの異次元の美しさであり(作品登録要望を出すまでアン・ハサゥエイだと本気で勘違いしていたのは内緒だ!)、ベン・スティーラーは監督特権で乳を揉んだに違いありません。
[DVD(吹替)] 7点(2016-11-30 19:28:16)(笑:1票)
18.  スピード(1994) 《ネタバレ》 
TV地上波で何度も放送されるのは伊達じゃない。確かに面白いです。自分の採点基準を当てはめれば、6点以下ということはありません。ただし、8点以上を付けるのは躊躇われる。“惜しい”部分が目に付くのです。例えばバスジャック。高速道路が途切れている件は遣り過ぎでした。台も無いのに高々とジャンプするバスをみて、一気に現実に引き戻されました。著しくリアリティを欠きます。成功確率1%未満のミッションが何度成功しても構いません。それが娯楽映画の正しいかたち。ワクワク出来ます。でも確率0%が成功するのは違う。サスペンスじゃなくファンタジーになってしまうから。地下鉄の戦いがバスジャックより見劣りしたり、キアヌVS犯人の決着があっけなかったりするのも勿体無い。後半、明らかに失速しました。折角素材がいいのだから、もっと丁寧に調理して欲しいと思いました。
[地上波(吹替)] 7点(2009-07-14 20:37:59)
19.  スパイダーマン(2002)
(本作と2を観た上での感想。3は未見です。)自分の世代で『スパイダーマン』といえば、TVの特撮ヒーローのひとつ。いわゆる戦隊モノと同類で、最後は巨大ロボに乗って悪と戦うという設定でした。スパイダーマンがアメコミで、日本の特撮とは全く別物だと知ったのは、大人になってからのこと。原作を読む機会にも恵まれず、漠然とした子供の頃のイメージを引きずったまま本作に臨みました。率直な感想は、「これぞアメコミヒーロー」。悩む主人公に大河ドラマ。アメリカンヒーローの18番フォーマットだと思いました。観客と等身大の主人公が、人並みに苦悩し恋をする。人生簡単には上手く行きません。それが共感を呼ぶのだと思いました。設定お披露目の要素の強い1作目。アクションは控えめですが、上々の滑り出しだと思いました。(余談)どうも皆様のレビューを拝見すると、MJについての見解を表明しなければいけないみたい(笑)。本当に申し訳ありません。悪い魔女に見えます。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-30 21:39:03)(笑:2票)
20.  300 <スリーハンドレッド>
シネコンの中でも一番キャパが小さいスクリーンで鑑賞。狭い空間のせいもあったでしょうが、張り詰めた空気を感じました。多くの観客が、物語に引き込まれていたと思います。事実、非常に堪能しました。絶望的に不利な状況。その中で鬼神のごとき強さを見せるスパルタの戦士。戦闘シーンの見事さは特筆に価します。システマチックな集団戦にはリアリティがあり、個の闘いにおける華やかさは、格闘技マンガを読んでいる感覚に近い。あるいはシューティングゲームをプレイしているよう。手や首はバンバン飛びますし、血しぶき出まくり。しかし、壮絶な殺し合いの描写に目を背けたくなるような事はありません。絶妙なセピアの色合いが、痛ましさを緩和していました。言葉は適切ではないかもしれませんが、面白い。不謹慎かもしれませんが、楽しい。それが率直な感想です。ただ、こういう注釈を付けざるをえないところが、本作の弱点だとも思います。何故素直に「面白い」「楽しい」と言えないのか。それは、物語の体裁が紛れもなく戦争映画だから。コメディ以外で、楽しい戦争映画というのは、やはり無理がある。痛みが伝わらないから、薄っぺらく感じます。なまじ史実に基づいているから尚更です。娯楽に特化した弊害がここにある。ただし戦闘シーンが出色の出来映えであるのは間違いありません。ですから題材を変えれば相当イケるはず。三浦健太郎の傑作漫画『ベルセルク』をこの手法で是非とも実写化していただきたい。
[映画館(字幕)] 7点(2007-06-25 18:08:06)(良:2票)
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