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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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221.  デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~ 《ネタバレ》 
スローモーションでしっかり見せるむさいおっさん2人の取っ組み合いで掴みはOK。おっさんの一方はジアマッティというキャスティングが実はネタバレぎりぎり。それでも騙された。久しぶりに清清しく騙された。途中、時系列の移動と繰り返される同じ台詞に頭が混乱しかけたがクライマックスのドキドキとオーラスのどんでん返しが素晴らしいのでまあいいかと。恋愛というのは得てして相手を疑い、一方で信用し、それでもどこか心配で、でもやっぱり信頼し、という葛藤と駆け引きがぐるんぐるんと回っているもの。主人公二人が騙しのプロってところでこの恋愛につきものの葛藤と駆け引きを人一倍大きく見せてゆく。ここを面白おかしく描きながらも手を抜かずに見せているのが最後に効いてくる。(超ネタバレ→)主人公たちがしてやったりというエンディングではなく、してやられるエンディングなのにどこか清清しいのは、そのせいでもあろう。もちろんそのトリックの、騙した相手を賞賛したいほどの完璧さがあってこその清清しさでもあるが。あと、主演二人が常にクローズアップされた作品の中で、けして目立たない脇役陣が実に良かったってことに最後のネタバレシーンで気付かされる。ここは脚本の妙。
[映画館(字幕)] 7点(2009-08-18 16:16:59)
222.  カンパニー・マン 《ネタバレ》 
オープニング・・・顔を映さずに近未来をうかがわせるブルーとシルバーを基調とした涼しげな映像にスッとキャスト、スタッフの名前が入る。センスいいなあ。手の込んだ洒落たタイトルロールと言えばヒッチコックの『北北西に進路を取れ』。物語後半にあきらかにこの『北北西に進路を取れ』を意識したシーンが登場する。なるほど全体の流れもまたヒッチコックお得意の「巻き込まれ型サスペンス」だ。もしかして原題の「CYPHER」が「PSYCHO」と似ているのはお遊びか?しかしヒッチコック映画のようにぐいぐいと引きつける力がない。少々のトリックでは驚かない現代の観客を相手にするというハンデを克服するための二転三転の展開がかえって映画を退屈にしてしまっている。二転三転の展開が早すぎて先読みしながら見るのが面倒くさくなってくるのだ。しかしまあ、よくがんばってると思う。オチがイマイチ不評なようだが私は好きだ。たしかに誰が誰だったとかという展開そのものはどんでん返しとしては弱いんだけど、(超ネタバレ→)謎の女に助けてもらってばかりの主人公の行動が実は全て女のためだったって、それまでの妙にシステマチックな、それこそ『キューブ』的展開から一気にメロドラマ、とまではいかないまでも人間味に溢れててホッとするというか、映画の世界観がごろっと変わっちゃうところにどんでん返しの極みを見たというか。良かったよ。あのオチは。
[DVD(字幕)] 6点(2009-08-17 15:05:53)(良:1票)
223.  4Dマン 《ネタバレ》 
とんでもない発明をしてしまうのは物理学者の弟である。職にあぶれて女もいない。一方科学者の兄は立派な研究所の主任で将来有望、なおかつ美人の恋人がいる。それでも狂ってゆくのは兄の方という意外性。そして兄だからこそという丁寧な理由付け。さらには弟の発明が招いた事件を兄の発明したもので締めるという構成の巧さ。いやなかなか面白かった。途中から葛藤やら怨みつらみやらが置いてきぼり状態で兄はただの化け物と化してしまって物語的には面白みがなくなってくるのだが、4次元に生きているんだからたしかに無敵の化け物だ。かといってモンスターものとしては弱い。派手さもなければ怖さもない。科学の暴走の末の悲劇という王道に放射能の潜在的恐怖を加味したこの時代特有のSFホラー。
[映画館(字幕)] 6点(2009-08-12 14:16:57)
224.  ウィッカーマン(2006) 《ネタバレ》 
謎が少しずつ解明されてゆくという面白さは無い。全く解明されずに最後まで進む。いらいらする。よほどの結末でなきゃ承知しないぞ。で、いよいよ最後。いったいどんな結末がドーンと来るのか。まさかそれはないよね。それだけはないよねっていう結末がドーンときた。んな無茶な。孤島のオカルトチックな儀式にその儀式のための計画の壮大且つ緻密さが全くそぐわないというのもあるが、結局この話は主人公のピンチも希望も横道にそれるのも伏線めいたものも全て計画どおりだったってところに面白みがないのだ。73年版がえらく評価高いのが気にかかる。見てみたい。
[DVD(字幕)] 3点(2009-08-10 18:21:19)
225.  TOKKO―特攻―
日系アメリカ人が撮ったからどうのといったことはあまり感じられなかったけども、特攻隊の生存者だけでなく特攻を受けた戦艦の生存者の証言映像があるのはインタビュー形式のドキュメンタリーとしての強度を得ている。はたして特攻隊とはなんだったのか。そこに狂気はなかったのか。特攻隊の生存者の一人が言う。天皇がもう少し早く降伏してくれてたらと。今だから言えるのかもしれないし、そう感じる人だからこそ生きて帰ってきたとも言えるかもしれない。つまり、生存者の証言では特攻に狂信めいたものはないのだが、特攻で命を落とした者もそうとは言い切れないってこと。私の祖父は戦死している。私の父は、内心では天皇なんかくそくらえ!と思っていると母から聞いたことがある(ここで言う天皇とは個人ではなく、戦時の概念としての)。でもそれは今生きている父が思うのであって祖父がどう思って死んでいったのかはわからないってこと。だから何もかもがこの映画でわかるわけじゃない。もしかしたら偏った伝え方になっているかもしれない。でも少なくとも証言者は「死にたくない」と思っていた特攻隊員だったのだ。別の生存者が映画終了間際に言う。語り継がなければいけないが、謙虚にしゃべらなきゃならないと。重い言葉だと思った。
[DVD(邦画)] 6点(2009-08-06 15:22:00)
226.  スコーピオン
カジノで派手に強盗。その金を巡ってのあれやこれ。大好物の展開である。冒頭のCGアニメによるサソリのバトルからも想像できるようにカート・ラッセルとケビン・コスナーのワル二人の対決がメインとなっている。はずなのだが、子持ち女が絡んできたせいでカート・ラッセルが主人公でその敵役がケビン・コスナーという構図で展開される。ところがケビン・コスナーを単なるワルにはできない何かがあるのか、プレスリーの隠し子であるという素晴らしくも馬鹿げた可能性に真実味を持たせて、冷酷非道な悪党に映画の主人公が持つべく哀愁を漂わせてしまうから困ったことになる。敵キャラが主役を食うのは全然オッケーでむしろ大歓迎なのだが、そうじゃなくてこの映画の中の極めて重要なモチーフである「エルビス・プレスリー」を全て敵方のケビンにだけ与えているところに問題がある。だからといって先に書いたように主役はあくまでカート・ラッセルってところがこの映画のどっちつかずな中途半端さを生んでいる。だいたい二人ともむちゃくちゃやってるようで時々人並みの感情を見せたりするからますます中途半端に感じてしまう。エンドロールはサイコーである。
[DVD(字幕)] 5点(2009-07-22 17:36:16)
227.  プレイス・イン・ザ・ハート 《ネタバレ》 
突然の不幸によって路頭に迷う子持ち女が断固として譲れないのが家を売ること。まるで『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラのように家と土地に執着を見せる。そういえば舞台も同じ南部だ。これが南部の女なのか。とにかくなんのアテもない絶体絶命の状況をこの南部魂としか言いようのない根拠なき自信をもって乗り越えようとする。そこにおよそこの南部では助けにもならない黒人と障害者が女の南部魂に感化されてか、手に手をとってなんとか乗り越えてみせるのである。大恐慌の時代、南部における黒人、そして障害者、はたまたハリケーン襲来という困難等々と、あまりに揃いすぎの感は拭えず、また予定調和にも過ぎる気がしないでもないのだが、ラストシーンの寓話的な描写によって映画全体が理想郷だったのではと思えて、そうなるとかえって、これは現実ではないよ、現実はこんなに甘くないよと言われているような苦味を感じたりもする。広大な綿畑での作業風景が素晴らしく、朝昼夕の光、そして電灯の下と光への細やかな配慮が効いている。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-15 14:25:19)
228.  スラムドッグ$ミリオネア
ダニー・ボイルはデビュー作『シャロウ・グレイブ』から一貫してスタイリッシュな映像の中に風刺を色濃く潜ませてきた。その風刺の矛先はいつも人間のエゴである。娯楽と割り切ったような『28日後...』ですらそこは変わらない。エゴへの風刺がそのまま娯楽へと転化されるストーリーだといいのだが、むりやりにエゴへの風刺を入れた『28日後...』には不満が残る。もっと単純に行こうよと。小難しい風刺劇なんていらんよと。そしてこの作品だが、見るまでもなく物語の背景には「貧困」があり、当然そこには人間のエゴが浮き彫りにされているはずである。そう。ムリヤリ入れる必要がないのだ。そのことで実に活き活きとした作品に仕上がった。ダニー・ボイルのスタイリッシュな映像が少年時代の波乱に富んだ人生をリズミカルに見せてゆくことに貢献する。重くなりそうなシーンの連続もスリリングな逃亡と同化することで重さを軽減する。疾走する列車の屋根に立つ少年をとらえた画がそのバックに映される広大な空とともにものすごく印象に残っている。現代のシーンだけで構成される後半からクライマックスにかけてがやや停滞ぎみだが、最後のダンスで盛り返す。インド映画に欠かせないダンスで締めるのは、世界一映画が多く作られ世界一映画が多く楽しまれるインド映画界に対する敬意の印なんだと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2009-07-14 11:28:37)
229.  アメリカン・ビューティー 《ネタバレ》 
始まってしばらくして不穏な空気を感じた。不穏な空気の原因が最初はわからなかったのだが、両端に夫婦、真ん中に娘が座るダイニングテーブルのシンメトリーな構図を見て確信した。異様なほどの画面の美しさとあまりに完璧すぎてかえって不自然な構図こそが私が感じた不穏な空気の正体であった。これはドライヤーの『ガートルード(ゲアトルーズ)』で感じたものと同種のものだ。ただこの作品はその部分をコメディで濁している。なぜ濁すのか。そこが重要だからだろう。物質主義に彩られカタチだけは立派な家庭の内情はドラッグ、ゲイ、DV、リストラ、不倫等々の諸問題を抱えていた。アメリカンビューティという名のバラの美しい花弁がトゲを覆い隠しているように。人にどう思われるかが重要である登場人物たちは肉体改造に勤しみ、新しいマイホームだけに注力し、整形手術を夢見る。隣人はゲイであることを隠し、娘の友人は遊び人を装う。娘はありのままを盗み見られることで本当の自分を見出してゆく。ラストにはそれぞれの皮が剥ぎ取られてゆき、同時にその副作用が容赦なく飛び込んでくる。そこには大団円的心地よさと何かが終わりを告げたときの寂しさが同居する。つまり素晴らしい終焉があった。   
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-13 14:34:01)(良:2票)
230.  スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい 《ネタバレ》 
けっこう面白かったス。出てくる人間、どいつもこいつも主役になれそう、というか誰が主役かわからんのは確信犯か。誰もが映画の中で我を張りながら殺される駒としての可能性を秘めているのがこの映画の面白いところであり怖いところである。映画はそのことをまずベン・アフレックを使って宣言するのだ。あとはかっこいい女二人組に感情を移入させようが、非情な殺し屋が最後まで残るというお約束を信じようが、いやいやFBIもなかなか見せてくれるような展開だとか思ってみたところで、どこか疑わしくもあり、そしてやっぱり微妙に裏切ってくれるのである。漫画チックにすら見えるかっこいい構図も荒唐無稽なストーリーによく合っている。惜しむらくは狙われているご本人が影が薄く作品内の駒として一人だけ蚊帳の外にいること。それとオチ。カラクリはまあアレでよいとしてもダラダラと描きすぎ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-07-09 14:23:30)(良:2票)
231.  オーシャンズ13
仲間同士で遊びながら作ったような『12』がけっこう好きな私としては、この『13』はまじめすぎるというか正統にすぎるというか・・。『11』からすでに遊びが入ってるこのシリーズはとことん遊ばないと。もしくはとことんカラーを変えてしまうか。ということで期待はずれでした。キャラクターが増えすぎて収集つかなくなってきた感もあり。あの媚薬は、まあ、欲しい。
[映画館(字幕)] 4点(2009-07-08 12:45:16)
232.  バグジー
ラスベガスのホテルの一番の驚きはその巨大さだと思います。どれだけデカイかは行ったことがなければなかなか理解できないと思うんだけど想像を絶します。そんなのを最初に作ろうなんて考えた人間ってどんな人だろう?という興味を持てなければこの作品はちときついかも。言い換えれば映画としての魅力に欠けた作品ということになるかもしれない。バグジーと呼ばれる男が実際どんな男だったのか知らないが、映画の中では一応男前だけどもキレたら怖いヤツとして描かれているように思うんだけど、その怖さが前半にだけ提示されていて、話が進むにつれて怖さがなくなってゆく。女優に恋をしたから。という前提があるにしても、いつその甘いマスクの下の鬼が出てくるかわからないという緊張感は持続させるべきだったろう。物語上ではひょいひょいとそんな顔も見せてはいるんだけど、怖さを演出できていない。というかわざとしていないのだろう。そのあたりは監督の趣旨というよりもウォーレン・ベイティが製作に名を連ねているところに理由があるのかもしれません。ギャングものを期待すると肩透かしをくらいます。でもまあ、あそこまで女に惚れこんじゃう男だからこそあのホテルを建てようなんてことを考えるんだろうなとどこか納得できるところもあります。
[DVD(字幕)] 5点(2009-07-07 11:44:17)
233.  ラスベガスをぶっつぶせ
いざラスベガスへ繰り出さん、までは良かったのだがここからが見せ所って部分が盛り上がらん。プレイヤーとなる主人公が後ろ手を組む合図と共に場につくんだけど、主人公が場につくまでのカウントが映されてこそそのカラクリを楽しめるというもんだ。そのカラクリ自体がよくわからんでも、なんとなくオオー!と思わせる画を見せればいいのだ。この映画を見ている限りじゃカラクリは教授の説明だけで、あとは結果を映しているだけ。わーいわーいと勝ってる画だけ。これじゃつまらん。豪遊ぶりもなんだかありきたりな画がちょっとあるだけでつまらん。かといってカジノの専属警備員との攻防も盛り上がる前にいとも簡単に見破られてるし。けっきょく最後のどんでん返しに向かってストーリーが進行しているだけの映画でした。
[DVD(字幕)] 4点(2009-07-06 16:38:34)
234.  タイムライン
これ、タイムマシーンで行くんじゃなくて『戦国自衛隊』とか『ファイナル・カウントダウン』みたいに発掘隊が突発的に発掘対象の時代にタイムスリップしちゃうってしたほうが断然面白いと思う。まずその1、人間を分子レベルにまで一端分解って、えらく簡単に説明しているがその簡素な説明だけでいくら人命がかかっているとはいえタイムスリップしちゃう連中が信じられない。その2、私が聞き逃したのかもしれないがどういう理屈で制限時間があるのかよくわからない。それは置いたとして、その3、制限時間があるのなら制限時間内に一度帰ればいいだけじゃんか。あるいはまた誰かが助けに行けばいいだけじゃんか。といった説明不足、心理描写不足による不満が一気に解消される。それだけでなくそうすることで『グーニーズ』ティーンエイジャー版と言ってもいい明確な路線を提示することもできる。実際この作品はSFではなく冒険ファンタジーなんだから。ちょっとした疑問、不満、引っ掛かりがあるとなかなか作品世界に入ってゆけないもの。入ってゆけたら一応主人公らしい博士の息子の行動規範が好いた女にしかないことをより楽しめるに違いない。
[DVD(字幕)] 5点(2009-06-26 17:27:36)
235.  ルイスと未来泥棒
夢にあふれた未来世界も「前を向いて進め」というメッセージも実にディズニーらしくていいし、何よりもこのような優等生的な物言いを嫌味なくこなしてしまうのはさすがディズニー。でもこれが子供向けなのかというとちょいと怪しい。例えば山高帽の男のアホさには何度となく笑わされたのだが、あきらかに大人に向けて笑いを誘っている。未来世界のドンチャン騒ぎ自体は子供向けユーモアに見えるが、ストーリーとの絡み具合がわかりにくい。全体のストーリーも大人だから単純にすら見えるがうちの子(小学二年生)はおそらく山高帽の男の正体を理解していない。主人公は自分を捨てた本当の母の顔を見たがった。しかし見なかった。過去を振り返らずに前を向いて進み続ける。この言葉自体は素敵だが、ルイスが過去を知りたがる気持ちは子供でも理解できるわけで、その純粋な欲求に屈しないことを良しとする展開を子供は受け入れられるのだろうか。これは子供向けではなく子供に見せても大丈夫だと思ってもらえる大人に向けた作品のような気がする。まあ戦略としてはじゅうぶんアリだろうが。
[DVD(字幕)] 5点(2009-06-23 14:43:47)
236.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 
こんなにも中身スカスカでいいのだろうか。いやべつに哲学的であれなんて言いたいわけじゃない。時空を超えた世界としての大まかな筋は満足もしている。ただそれにしたって駆け足すぎやしないか。若きカークの単純明快なやんちゃぶりもさることながら、父の死と引き換えに生まれたことの葛藤やらなんやらがごっそり抜け落ち人物造詣も何もあったもんじゃない。日本のアニメによくある熱血漢のリーダー(概ねイメージカラーは赤)と冷静沈着な二番手(概ねイメージカラーは青)といったキャラだけを提示しているだけで深みが全く無い。スポックとの確執から唯一無二の戦友とまでなりゆく心の過程までもワープさながらにひとっ飛び。ワープと転送装置でただでさえ見せ場以外が端折られる傾向があるのに、この中身スカスカぶりはある意味凄い。『スター・ウォーズ』のドロドロよりも単純にスカッといこうよって感じか。それにしても復讐の鬼と化した敵をスカッと切って捨てるラストシーンもどうかと。この新シリーズ(あるの?)はこのままスペクタクルオンリーでいくのかな。初スタートレックの人にも楽しめ、解からせ、アクションてんこ盛りで2時間ってとこだけ評価する。
[映画館(字幕)] 5点(2009-06-22 16:05:00)(良:1票)
237.  群衆(1941)
いきなりとある新聞社のプレートが外されるシーンから始まり、社員が次々とジェスチャーでもってクビを宣告され、宣告された一人の女性が上役にかけあい懇願し落胆し憤慨するその傍らで、その間中新たなネームをドアに書き入れる職人が邪魔に邪魔され続ける様の流れるような見せ方が実にスムーズで且つ面白い。キャプラの楽しい映画が始まる。しかし思いっきりコメディな冒頭部から徐々に社会派色が色濃くなってゆく。それでも男が群衆に祭り上げられてゆく展開そのものはコメディそのものだし、随所にユーモアを散りばめた演出もあって傑作の臭いまで漂ってきたのだけど、終盤はえらくブラックな展開が待ち受けており、社会派は残ったままコメディは消え去り重く暗いヒューマンドラマで締めくくる。重い暗いと言ってもそれがダメなんじゃなくてむしろ群衆にバッシングされるシーンの雨の中の孤立無援ぶりの凄まじさは強烈な画として印象深くすごくいいと思う。ただ、最後の最後。感動的なのはいいのだが、その重さ暗さをひきずってるのがどうも。なんとか笑ってお終いにしてほしかった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-11 17:21:23)
238.  大統領の陰謀
事件のドラマ性を排除して、国家の圧力や情報操作をはっきりとしたカタチで見せず、ひたすら二人の記者の行動のみを羅列する。聞き込みと書き込みとタイプライターの打ち込み。ドラマ部分は事件とは関係のない、どの記事にどれだけの枠を与えるかの編集会議とその中で二人の若い記者を支える上司の姿ぐらいに抑えているのでかなり淡々としているはずなのだが、この抑揚の無さが事件の重大性を露としているようでもあり、作られた緊張感とはまた違った妙な生々しさを伴う緊張感の持続がある。とは言ってもこの作品の最大の功労はアメリカ史上最悪の政治スキャンダルをたかだか2年か3年ほどしか経たないうちにエンターテイメントで見せてしまうところにあり、大統領を辞任に追いやった実際の報道とともにアメリカ映画の正義と自由を声高々に発したところにあるのだと思う。2大スター共演はいろんな意味で適任であった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-10 14:59:12)(良:1票)
239.  ヒズ・ガール・フライデー
同じくホークス監督の傑作『赤ちゃん教育』ではヒロインのマシンガントークに翻弄されることで笑いをとっていたケイリー・グラントが今回は見事な掛け合いで笑いをとる。セリフが終わらぬまにセリフが重なることの繰り返しに観てるこちらは呆気にとられるしかなくその計算しつくされた怒涛の会話の応酬に感心しきり。元夫婦という設定が活きていて、説明なくても「ああ、あの人の策略ね」「ああ、またやられた」とロザリンド・ラッセルがうんざりぎみにしてやられた表情をするだけで(これがまた楽しい)、スピーディな展開に水を差さないのがいい。言葉のラッシュのガチャガチャ感をさらに煽るグラントの身振り手振りもサイコーにおかしい。ハイテンションに乗じて強引に終わらせるのも「楽しかった~!」という余韻を残してくれていい。こういう楽しい映画を新作で観たいなあ。
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-09 13:08:12)
240.  消されたヘッドライン 《ネタバレ》 
トニー・ギルロイ監督「デュプリシティ~」を観たのが本作鑑賞の前日だったせいか、本作の脚本家の一人にギルロイがいることを知らない時点でなんとなく似ているなあと思ったのだが、ストーリーも雰囲気もけして似てはおらず、ただ単に二転三転する展開と最後にドンとひっくり返す構成だけが似ているだけなのかもしれないが、どちらにしても比べてしまったわけで、比べて気になったのが本作の脇役陣の存在感の薄さである。とくに編集局長へレン・ミレンは勿体無い。キャスティングだけ見ると実に適材適所だと思うのだが、各キャラクターが実にステレオタイプであることもまた事実。ベテラン記者のやぼったさと現場主義。新人記者のはつらつさと正義感。編集局長の資本至上主義。最後のどんでん返しは予想できない。しかしそこに痛快さはない。ダースベイダーを倒すことに躍起になってたら倒すべきはハン・ソロだったみたいな。ちょっと違うか。巨大な組織を相手にした反体制のヒロイズム、ダンディズムがしぼんでゆく。それでも書く!というジャーナリスト魂な映画だったわけだが、このオチの部分だけ妙に安っぽいドラマになってる。
[映画館(字幕)] 6点(2009-06-08 16:09:31)(良:1票)
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