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エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 644
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ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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221.  デスペラード
今まで、足らんティーの出演作というだけで見るのを拒んできた作品。オープニングぁ痺れるほどカッコイイ…が、後半のスーパーマグナム化は何とかならんのか(涙)。トータルでは凡作…と言いたい所だが、男らしくあのノリでラストまで突っ切った向う見ずな演出に+2点。いややっぱ+1点にしとこ。
5点(2004-12-31 13:38:13)
222.  マックィーンの絶対の危機(ピンチ)
ブロブも好きだが原点も外せませんな。余談ですが私もマックィーンが出てたと言うのを映画見てから知ったクチです。このおばかストーリーを前に、大スターの力はいらないって事でしょう。わざわざ映画館を襲うシーンもバカだったけど、最終的な撃退方法もバカだったなあ。やはりモンスターにはひとつだけ弱点があるべき(しかも意外なやつ)で、昨今のパワーだけの殴り合いには風情がないと思いますナ。
5点(2004-12-31 13:37:27)
223.  エレクトリック・ドリーム 《ネタバレ》 
この映画が出た頃は、自分ではラブロマンスを求めて映画を観てなかったんで、全体的にはイマイチだったんです。でも、ラストで(主人公の相方の)PCが自殺するシーン。これだけは凄かった。ネットワークに潜り込んで東京の発電所のコントロール権を奪い、自分のいる部屋へ向けて破滅的な高周波を送り込む(太平洋を越えて!)…てな感じだったと思います。ほぼ一室で展開するラブコメが、ここだけいきなりスペクタクルになっちゃう。いや絵的にはPCが漏電して煙噴いてるようにしか見えないんですけどね。ここまでぶっ飛んだ人工知能ネットワークハッカーの話には、以後出会ってません。ちなみにネットワークをテーマにした人工知能モノでは、同じ年に『ウォーゲーム』。この2年前にはSF初のネットを渡り歩く人工知能『ヴァレンティーナ』(小説)が出ています。見比べるとこの作品の超先進性がよくわかったり。
4点(2004-12-31 13:37:18)
224.  知らなすぎた男
ちゃんとスパイ映画になるだけの下揃えをしておいて、その上にコメディの衣をかぶせた2重構造がウマイ。なーんにも後に残らんけどね。
7点(2004-12-31 13:37:03)
225.  クリムゾン・タイド 《ネタバレ》 
言ってみれば『博士の異常な愛情・コング少佐パートだけ版(ギャグ抜き)』。DVDが出た頃に買って観たんだけど、当時はロシア軍側のあまりのヘタレぶりに「いや~映画でもアメリカ一強時代になったってコトだよな~」とホノボノしたため息をついたもんだ。それから21世紀がやってきて世界はアフガン・イラク戦争を経験し、どんなボンクラでもアメリカの誤爆率がとんでもないって事を承知している(知ってる人は湾岸戦争時代から知ってたみたいだが)。で、最近はこう思うわけだ。仮にもし、デンゼル・副艦長・ワシントンの工作が失敗してミサイルが打ち上げられたら…「艦長! ミサイル第一波が着弾! 目標から600キロメートルずれますた! 場所は韓国領土内です!(艦内設備でわかるわきゃないんだが、そこはブラッカイマー演出で)」「第二波は上空で巡航軌道を外れました! 日本方面へ向かっています! …あ、爆発しちゃいましたね…」「艦長、通信が復旧しました(強烈なEMPで電波通信が死んでるはずなんだけど、そこはブラッカイマー演出で)…えー横須賀から第三波を迎撃するという連絡が来ています…」艦長ガーン…本作は「原潜の核ミサイルは精巧正確」という神話の上に成り立ってるんだけど、もうこの神話は崩れてるよなぁ。敵味方の入り組んだ極東で、核ミサイル誤爆された日にゃ笑えませんな。そこも踏まえてキューブリックばりのブラックコメディ仕立てにしておけば、もう少し賞味期限が延びたと思うが…いい時期に製作しましたなブラッカイマー君。伝家の宝刀は抜かぬが吉。
1点(2004-12-19 13:00:42)
226.  恐るべき訪問者 《ネタバレ》 
(美味しい部分のネタを完全にばらします)「イギリスらしい映画ってなんじゃ」って考えてみたワケよ。すると…モンティ・パイソンとかもあるけど、この地味~なクライムサスペンスが浮かび上がってきた。人質を取って通りに面した屋敷に篭城した誘拐犯。警察に完全包囲されて絶望的な状況の中、部屋の中で(キルビルでおなじみ!)毒蛇ブラックマンバが逃げ出した…とかいう筋立てはどーでもよくって、「うぉー大英帝国~!」ってぶっ飛んだのは、スコットランド・ヤードが突入隊を送り込むまでの過程。会議室に詰めた後方指揮の警部が「表通り一帯の地図を持って来い!」と部下を図書館に送る。持ってきた地図を一瞥、「違う、もっと前の奴だ!」と怒鳴って送り返す。次の地図もダメで、どんどん持ってくる地図が古くなり…確か記憶では17世紀くらいまで遡ったはず…「これだ!」と警部が叫ぶ。「この屋敷は昔はもっと巨大で、ここに母屋と隣接した馬小屋があったんだ。行き来するためのドアはここ、今は隣の家との間を仕切る壁になっている。つまりここだけ石を積まずにモルタル塗りになっているはずだ! 隣家から、この壁を崩して突入隊を送り込め!」そ…そんな推理ドラマってありなんすか? 普通の家でも石造りで、家同士がくっついて建設され、何百年も建て替えしない欧州だから成り立つんだよなーコレ。日本やアメリカでは逆立ちしたってこんな映画は無理だよーと思ったのでした。内容的にはたいしたコトありません、あしからず。
5点(2004-12-15 23:35:55)
227.  オズ
原作派。特にこの2作目のスリリングさが好きだった。チップはもちろん、ジャック・パンプキンヘッド、ガンプ、プロフェッサー・バグ、みんな好きだ。だからこそ映画館まで足を運んでひっくり返った。ディズニーの「原作を大事にしない」体質を思い知った記念すべき作品です。だって、あのオズだよ? ディズニーがオズ・ワールドのキャラを巧く取り込めば、ディズニーランドでウハウハのドル箱だよ? 大事にしてやれよ世界中の子供たちが知ってんだから。当時、原作者ボームの遺族たちが公開を拒み続けたと伝えられましたが、死後60年経っており著作権はとうに切れていました。ディズニー名物のゴーマン体質で、なんか遺族とトラブルを抱えたんだろうなあ。頭下げてでも育てておくべき商品だっただろうになあ。奴ら今度は『ナルニア』を買うらしいが…今度の相手は権利にうるさいイギリスだぜ…? ともかく、本作で評価すべきはローラー族とチクタクのみ。
3点(2004-12-11 14:15:16)
228.  遊星よりの物体X
昔から思ってるんだけどね、ごめん、言っちゃうよ。「よし、みんな影の周囲に立ってみろ」…(氷上でみんなが輪になる)…ジャジャーン! ってなんだよ、全然ビックリしねーよ。科学者の解説は長すぎ(しかも中途半端なたとえ話ばっか)でウザいし、なんかみんな一致団結しちゃうし(それ全然原作と違うだろ)、SFをなめとんのかーっ! 台詞と演出を練れば、同じ予算・セット立てでもっと怖いのが作れたと思えて仕方がない。カーペンター、どうしてこんなのに惚れちゃったんだ?
2点(2004-12-08 23:53:34)
229.  サウスパーク/無修正映画版
エンドロールで声優確認したら…すげっ、Vチップの博士の声、エリック・アイドルじゃん! あとフセインの声が「HIMSELF」になってるぞ…いいのかよ?(笑)
6点(2004-12-08 23:32:20)
230.  非情の罠
キューブリックらしさという点からは最高だと思うなあ。ハッキリ言って2001年より高く評価してますよ。最初の緩やかな展開から次第に手綱が締められてきて、息詰まる最後の決闘にたどり着くまでの、全編を通じた加速感は気持ちがいいです。「戦いとは、ボス猿を決めるためにY遺伝子にすり込まれた宿命」という、その後の彼の作品で必ずリフレインされるテーマも、ここから発しているんでしょう。キューブリックと言う映画人の予告編として機能しているような気がします(かなり本気)。
10点(2004-12-04 00:47:14)
231.  X-MEN2 《ネタバレ》 
かけた予算にピッタリ見合う出来映えのエンターテインメントですね。公平に言って特にどうという内容ではないし、完結編への橋渡しなのは明白。でも監督・俳優・配給・ファンまでも巻き込む、この『2』の静かなる熱さには10点以外つけられないです(とかいいつつ2004/12/3、9点に)。敵になったり味方になったり忙しいキャラたちですが、全員に一本筋が通っているのが気持ちいいす。普通はひとりかふたり、理解不能な行動をする奴がいるもんだけど…。映画の迫力+連続メロドラマの気配り。夢中になってしまうワケですなあ(夢中になれる人は、ね)。私的に、教授と「偉大なるイリュージョニスト」ジェイソン君との、救いのない不毛な対決は、涙が出るほど痛ましかった(けっこうイカしてたぜジェイソン!)。パイロとマグニートーのやり取りもけっこう泣ける(マグちゃんあんた、そういう口車で仲間をスカウトしてたんかい!)。そして極めつけ、ウルちゃんの手でアマダンチウム漬けにされた「ウルヴァリン2号」ユキコ…あれって設定上、死なないワケだよね? 動けなくなっても永遠に腐敗と再生を続けるんだよね? まさに生き地獄じゃあ…展開のテンポがいい分、見るたびに新たな発見ができて、深い映画だすなあ。あ、最後に。ミスティークあんた、今回は議員の代役が勤まるくらい頭良すぎで、エエ女で、運動神経抜群で、機を見るに敏すぎて、もしかして死角がないんちゃうか…?
9点(2004-12-04 00:43:20)
232.  ロイドの人気者 《ネタバレ》 
ロイド作品の中では一番好き。彼の映画は、ネタに関しては当たり外れが少ないんだけど、「ロイド」というキャラクターを活かし切った作品は以外に少なかったりする。お調子者のロイドが最後までお調子者のままハッピーエンドを迎える(『要心無用』)か、徹底的に打ちのめされてもなおハッピーを求め続ける(『ロイドの英雄』)かの違いだと思う。チャーリーやキートンと違い、ロイドというキャラクターにはスラップスティックの枠を越えた「人間性」を感じさせるのだ。そういう意味で、本作は後者のロイドを完璧に演じ切ったサクセスストーリー。多分「新入生」という立場が、ロイドの魅力にマッチしたんだろう。この映画でヒロインとの間に結ばれるのは愛ではなく淡い恋心。この時のロイドは今までのマドンナだったミルドレッドとリアル新婚ホヤホヤ状態で、本作のヒロインはいつもとは別のジョビナ・ラルストン(大学モノの定番、大家さんとこの娘さん。内気っぽい演技がグー!)。舞台は男臭さ満点のラグビー部。当然、恋にもスポーツにもヘナチョコなロイドの魅力爆裂だ。しかも今回のロイドは大学に疎い「新入生」で、自分の人生がお先真っ暗である事に一向気付かない(ここが、最初から計算高くてセコさ100%な『要心無用』のロイドと決定的に違う)。クライマックスで自分が笑い者の道化になっている事にやっと気付き、ガッツで挽回…という展開だが、普通なら中盤に持ってくるはずのストーリー転換点をギリギリまで引き伸ばしたおかげで、クライマックスのアクション爆裂度はビル登りシーンのソレどころではない。終わり方も終盤の勢いをうまく利用して、ほのかな恋が実る瞬間を描いてキレイに落としてくれた。サイレント時代の末期作品にあたる本作は、既に完成した「ハロルド・ロイド」というキャラクターを活かし切るべく立てられた企画なのだと思うし、ただ一片のパーツも蔑ろにせず、その目標に向かって徹底チューニングされた「ニッケルオデオン時代の最高級の職人芸」なのだ!と断言しよう。
9点(2004-12-04 00:41:27)
233.  2999年異性への旅 《ネタバレ》 
すげえよジョン・グッドマン! ただのデブかと思ったら、何気に地球の危機を救ってるじゃんよ! しかし評価が分かれる映画っすねえ…最初の方は本気で頭を抱えてしまったけど、後半になるにつれ着実に世界観が組み上がっていったサシウマ的作品でありました。中盤、主人公が結婚について侵略者のボス(どんな駄作でも手を抜かないベン・キングズレー)と意見が分かれるあたりで、やっと土俵が出来上がった感じかにゃ。テーマ的には『逆シャイニング』の名を冠したいと思います。ラストの無理やりハッピーエンドはいただけないが、そこまでのコメディセンスの飛びっぷり(かつ博物館級の枯れぐあい)は他の映画で味わえない独特な感じ。監督にはメル・ブルックスが最適と思われるところを、あえてマイク・ニコルズで行った点に、妙味というか珍味というか、味わい深い何かがあったようです。特にラスボスの死体を抱えてニコニコ去っていくジョン・グッドマンには、あんぐり口開けながら見送ってしまったっすよ。笑いというのとは何か違うレベルの、ヘンなモノが詰まった奇品。
9点(2004-11-23 20:13:55)(良:2票)
234.  ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 
ここの文字数制限じゃ、本作の抱えてしまった深い業を書ききれるわきゃないんだが…表面的に書いてみようかと。クライトンの原作は、彼にしては珍しく「本気」で書かれている。彼の、科学技術を魔法と区別しようとしない輩への深い怒りが、これを書かせたんだと思う。このハナシは決して「現代科学はいよいよ恐竜を復活させる事ができるレベルに達したが、それはやってはイケナイ事なのだ」なんて悠長なテーマじゃなくて、「現代科学で恐竜復活? 確かにできるけど、できちゃった奴らは現代科学じゃコントロール不可能だよ」という、技術の暗黒面がテーマなわけだ。一言で言うなら初代ゴジラの真摯な部分を受け継いだ硬派怪獣SFなのだ(オキシジェンデストロイヤーが登場しない分、より怖い)。これこそ複雑系科学が言おうとしている根本部分なのだが、スピルバーグはあったり前のように「そうゆうテーマって子供にわかんないよねー、夏休み映画だしカットしちゃお」と思いっきりカットしくさった。原作者クライトンは脚本もやってるんだが、インタビューでは「映画になる以上はカットしないとね」と完全に業界人モード(魂を売りやがって…くぉの…)。そうして完成した映画は、皆さんご存知の通り、映画の歴史を変えてしまうエポックになった。ジュラ1以降、CGIのない特撮は考えられなくなった(この映画は比較的低予算だ)。この変化は決定的で、圧倒的だ。『ジュラシック・パーク』はCGIという恐竜をハリウッドに放った映画だ。…さて、それから10年。映画界はこの恐竜を手なずけたか? NOだ。結局のところ、原作の通りになってしまったのだよ。放たれた技術は、映画というメディアには荷が勝ちすぎるような気がする。大陸に渡って、欠陥のある遺伝子でも生き延びられる方法を見つけ、人類の手からすり抜けていったラプトルのように。垂れ流されるCGによってハリウッド映画がハリボテの安リメイクしかできなくなったんだとしたら、それはスピルバーグとクライトンが「だって子供向けアドベンチャーだよ!」「うんうん! そうだよねー」と話し合ってた頃から決まっていた宿命に違いない。あいつら二人が映画の遺伝子を書き換えてしまったんだよ。
3点(2004-11-17 00:17:02)(良:2票)
235.  クイズ・ショウ
まず懺悔する。ITバブルの頃はウハウハだった。楽天の社長の給料の半分くらい稼いでた。90年前後のバブル崩壊の反動で、カネを湯水のように使ってた。もちろん欲しいDVDは全部買った。この映画も、そんな中の一枚だ。レッドフォード印だけあって出来はいいけど、たいして面白い話とも思わなかった。…そして、当然のごとくバブルは弾けた。今はレンタルするDVDを選ぶのにも、小銭を数えて慎重に考えてる暮らしだ(貯金しとけとかゆーな! 人間欲望には弱いのだッ!(^^;)。今はステンペルの気持ちが痛いくらいにわかる。アメリカの黄金時代、トリビアな才能で貧乏暮らしを抜け出そうとして、いつの間にか一線を踏み越えてしまった、等身大の男…。世間の「夢」を牛耳る仕組みと、それに人が群がっていく原理、限界を超えてまだ行こうと思う者が手を染める犯罪、そしてその夢のあっけない崩壊。これはヤラセ番組の話には留まらない広範なテーマだ。人間の弱さと、弱い者こそが持っている「夢の力」を描いた寓話だ。ここから自分の姿を引き出せない奴の5割は、いつの日かオイラと同じ穴にハマるですよ。
7点(2004-11-16 01:39:15)
236.  ウォー・ゲーム(1983) 《ネタバレ》 
内容的には7点が妥当だと思うんですが。でも映画館で4回見ました。強烈なインパクトを植え付ける冒頭エピソード。贅肉を削いだ、恐ろしくシンプルなストーリー。それを支え、観客を引っ張り続けるだけの力を持った「核の恐怖」という屋台骨。それが少しづつアレンジされ、世界の命運を賭けた○×ゲームへ集約されていく展開(ってアレはサスガに「それはないべよ~」って醒めたけどさ)。序盤の豪快な掴みを除いて、ここにあるのは節約の魅力です。話に関係ない無駄なモノを排除して、グラマーな美女や無意味なアクションを排し、本当に物語の力だけで観客をエンドマークまで案内する事を目的に映画を作った時、どれほどのモノを生み出せるのか。ちなみにコンピュータ・ハッカーの出てくる作品はこの映画をさかのぼる事10年、『サンディエゴの12時間』『サルベージ1』(共にTVムービー)なので、特別な存在という訳じゃない。が、遊び半分の少年ハッカーのイメージ(これ絶対スティーブ・ジョブズがモデルだと思う!)を決定付けたのはこの映画でしょうね。この映画の後、同じ手口(公衆回線網からの軍用ネット侵入)が現実に発生してしまい、その経過はノンフィクション『カッコウはコンピュータに卵を生む』で詳しく書かれています。この映画は当時からかなり「侵入方法が現実的じゃない」と言われていたけど、現実の方がもっとズサンだったのダ。
8点(2004-11-13 13:39:50)
237.  “アイデンティティー”
なんとも言えぬコロンビアらしきヒネクレ方。オイラ的にはちょうどいい感じで先が読めたので、エンドクレジットが流れるまで飽きさせず、おいしいサスペンスでした。もっとも、「驚愕の」アイデンティティネタが明かされた時も、「ああそうだよねえ」って感じで特に驚く事もなかった。このネタ、この映画のオリジナルじゃないんだよね。実は『名無しのオプ』シリーズで有名なプロンジーニ作品に、同じネタの長編があるのだ(http://www.tsogen.co.jp/np/detail.do?isbn=4-488-25602-3 これに出会った時はさすがにブッ飛んだ)。が本作も、ごまかしの効きづらい映画というメディアでキッチリやってくれた点はすごい評価するよ。●追記:この映画のネタばらしは、ある意味で舞台設定の一部だ。観客はこの設定を受け入れた上で推理を開始しなければならないのだよ。そして、「キーの番号は10からカウントダウンしているのにモーテルに集まったのは11人」という点を加味して、『そして誰もいなくなった』の種明かしを参考に、真犯人像へ迫っていくのを期待しているんでしょうな、シナリオは。かなり観客を選ぶ映画だと思うが、明示されたルールに従っていけば解けるので、クリスティのアレよりはフェアな造りだと思う。
7点(2004-11-09 02:22:05)
238.  ホット・チック
いかにもタッチストーンらしい作りの映画。プロダクションムービーの真骨頂と言えるだろう。あらすじから想像されるほぼ全てが入っている(まあそこはディズニー傘下の会社だ、過激な期待はしないでくれい)が、この作品のすごい所はそれ以上のモノもキッチリ押さえてある点。主人公が、正体を見抜いた弟と抱き合うシーンで10点が確定。結局、すごい量の伏線の張り方と、ほぼ全員のキャラを立ててしまった入念なシナリオの勝利だ(って脚本もロブ・シュナイダー? マジ?)。いやあのオチは勘弁してほしいが…。レンタルで見たけど、これは手元に置いておきたい気持ちにさせる職人芸ですな。●追記:あらすじを書くために公式サイトを参照していて、ジェシカ役の女優さんが本作で初デビューなのを知った。あのビッチガールぶりなんか「素ですか?」ってくらいに巧いんですけど!
10点(2004-11-07 03:23:18)(良:1票)
239.  キル・ビル Vol.2
うーむ。腹いっぱい四川風マカロニを食ってしまった。しかも味がね、辛かったり酸っぱかったり…タラ坊、どういう料理作りたかったんだよっ! とは言え満腹感では右に出る者のない映画でした。ごちそうさま。
8点(2004-11-03 08:12:10)
240.  9|11 N.Y.同時多発テロ衝撃の真実 《ネタバレ》 
よく「息詰まるドラマ」なんて言うけど、これは本当の意味で息が詰まった! 何しろカメラが災害現場にいるだけでなく、災害に巻き込まれてしまうんだから。轟音がして、カメラが揺れ、ビルが倒壊し、遠方に見えた土埃がどんどん大きくなり、街の風景を変えながら見る間にカメラまで迫ってくる。逃げる、なんて考える間もありゃしない。それから後の画面は一面の白いホコリばかり。北海道の吹雪も、目の前があれくらい濃密な白になると息ができなくなる。だもんで、画面の前で息を止めてしまいました。事故直後にチェルノブイリ原発の取材を強行したドキュメンタリーがあったが、あれに匹敵する恐ろしさがあった(もちろん、事故としての規模は911の方が遥かに小さい。こちらの方が派手だったから目立っただけ)。あと、取材対象だった新人消防士の、事件前と事件後の変貌振りが凄い。最後の「男になった? …男ってなんだ?」という台詞には、どんな劇映画でも語る事のできない、当事者だけが口にできる重みがある。他の消防士たちも、事件を境にいろいろな変化が起こっているのを目にできる。この変化は製作の当事者たち、要するに現場に居合わせたカメラマンや、彼を探しにWTCまで行った監督にまで及ぶ。遠い将来、この事件すらもハリウッドが映画にするんだろうが、このドキュメントを超える事はないだろう。ただし、ブレアウィッチ並みに手ブレが多くて吐き気を催すので、未見の御仁は覚悟して観るべし。
7点(2004-11-02 01:39:15)(良:1票)
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