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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2012
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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241.  シング・ストリート 未来へのうた 《ネタバレ》 
とてもオーソドックスな青春映画。10代前半に出会いたかった。 そうそう、80年代はあんな感じ。バンドはヴィジュアル重視なのでメンズもメイクをかっちり施して中世的、極楽鳥のような髪色で。 流れる楽曲もザ・80年代な聴き心地の良いメロディラインとゆるめのテンポとリズム。作中では素人の15才が作ったことになっているのがリアリティを削ぐくらいのクオリティの高さ。 ただドラマ全体として見ると浅い。両親の不和、荒れる学校、大人への反発、バンド結成の高揚感、初恋、と青春ネタをずらっと並べているだけです。 味のある脇キャラをなぜもっと推さない。マネージャー、黒人のキーボード奏者、いじめっ子の不良。彼らと主人公が関わって「あ、面白くなりそうだな」と思ったところで描写が止まる。人間関係の化学反応が起こる前に。 主人公の感情も今一つ掴めないね。いじめにあっても校長のパワハラ暴力に晒されても全くメンタルに影響してない演技と脚本は疑問に感じます。いつでもけろりとバンド活動にいそしむ姿しか描かない。生々しい痛みの伴う負の描写を避けると、おとぎ話になってしまうのです。この作品は映画的というよりはティーン向けのまんがテイスト。ひねた大人の鑑賞眼に堪えるレベルのものではなかったです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-07-18 22:33:17)
242.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 
とても話題になった本作ですが音楽バンド映画として観るならとても凡庸な出来です。平均点ど真ん中くらいです。おそらくクイーンの楽曲が感動の底上げに三役くらい買っているのではないでしょうか。 クイーンの20年間を2時間に収めるのはたしかに難しいけど、どんな種類の伝記映画も抱える課題を克服できていません。各エピソードの羅列にとどまっており、フレディの内面を推し測るにはBSで放送していた英国製のドキュメンタリーを見た方がよほど有効です。 ライブ・エイドでのステージをクライマックスに持ってきたのにはなるほど、と思いました。当時わたしもテレビの中継にかじりつき、VHS3本に録画を収め、ラジオの音源も録音したものでした。お目当てのミュージシャンはクイーンではなかったのですが、しかし彼らのステージは間違いなくライブエイドにおける№1のパフォーマンスでありました。フレディの圧巻の熱量、声量、肉体の躍動には頬をひっぱたかれたかのような衝撃を覚えたものです。 そのライブを完璧に再現したという評価の本作。セットの細部やメンバーの動作など、確かに完コピできているとは思います。 でも、でもフレディじゃない。ラミ・マレックは誠実にフレディ・マーキュリーを演じたと思うけれど、そしてこれは彼にはどうにもできないことだけど、ラミにはフレディのような体格が無いのです。あのステージ映えする八頭身、長い脚、厚い胸板、頭部の小ささ。彼が舞台に仁王立ちして腕を高々と突き上げた時の筋肉美。他を圧倒するあの立ち姿をもってして、フレディはフレディ・マーキュリーたりうるのです。 汗光りしながら、マイクコードを華麗に脚でさばきつつステージを縦横に駆ける往時の「本物」の映像と比べると、最後まで涼しげにパフォーマンスを終えるラミ・マレック版ではフレディのオーラもナルシズムも感じることはできませんでした。 ブライアンやロジャー、ジョンが錯覚しそうになる位本人とソックリの役者さんなので、余計にラミが浮いて見えてしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-17 00:07:25)(良:1票)
243.  評決のとき 《ネタバレ》 
今観ると凄い顔ぶれですね。25年の間に皆着々とキャリアを積み上げているのが感慨深い。スキャンダル勃発した人もいますが。 主演マシュー・マコノヒーは今やベテラン実力派ですが、この時は駆け出し。演技もムラがあります。最終弁論や家の焼け跡でのシーンとか箇所ごとに見れば熱演しているのですが、ストーリー一連の流れの中での心情変化までモノにできていない感じです。日増しに酷くなるKKKの暴力に晒されていても一向に呑気な顔つきはいぶかしく感じるほどでした。メイクでもいいから目の下にクマでも描いたらどうかと思った。 お話の方も山場の最終弁論、あれどうなんでしょう。どんな感情論で訴えてくるのかと期待させた割には「いや、そんなことわかっとるわ」と思ったんですが。しかしミシシッピの白人陪審員たちはそうではなかったんですね。少女が白人であったらと想像せよ、と言われるまで痛みを感じないほど人非人感性な12名なのでしょうか。 あとサンドラ・ブロック演じる女子大生。彼女の死刑反対主義は揺らいだのでしょうか。あんなKKK連中は吊るしてしまえ、とは思わないのかな。本筋に関係ないけど、そこ知りたい。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-11 22:31:51)
244.  メン・イン・ブラック3
なんの工夫もなかった2よりずっと面白い。ちゃんとした娯楽作です。起承転結をきちんとやっているシナリオが良いですし、敵役のエイリアンがきっちりと凶悪で気色悪いのもよろしい。タイムワープという荒業も‶ネタ切れの挙句の苦し紛れ”に留まらない説得力を持ちました。 全然年を取らないウィル・スミスの安定したはっちゃけぶりも常連客を安心させます。わたしはトミー・リー・ジョーンズが好きなのでジョシュ・ブローリン版のKがメインなのがちょっと残念でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-10 23:40:13)
245.  ゴジラvsコング 《ネタバレ》 
‶巨大なもの”って人をわくわくさせる特性がありますよね。ダムとか空母とか戦艦大和とか鉱物採掘現場の巨大重機とか。巨大物好きにとって堪らないのが本作。コングもゴジラもその巨体を余すところなく画面に躍動させていて、胸が躍ります。 「大きさ」を伝える演出が随所で光ります。ビル群と比較させるのは定番ですが、ワタシが今作シビレたのは海でのバトル。コングの頭上から鼻先をかすめて降下したと思ったら、ゴジラの喉元をせりあがるカメラワークが素晴らしい。大海原にそそり立ち、ゴジラの横っ面をコングが張り倒せば、返す尾をしならせてゴジラが反撃。木っ端のような艦艇、周囲を旋回する戦闘機をひっつかんでゴジラに投げつけるコング(パイロットが脱出する人道的配慮アリ)と、デカい怪獣が大暴れする様は近年の怪獣映画の中でも屈指の爽快感に溢れています。 コングが顔つき性格ともにやけに「男前」なのは、そこはやはりアメリカ製だからでしょうか。ラストにコングを一瞥して「あばよ」的に海へ帰るゴジラもキャラ的に悪くはないですが、造形としてはわたしはやっぱりハンサムな「シン・ゴジラ」の方が好きかなあ。 惜しむらくは人間ドラマのパートがつまらな過ぎることです。観てるのが苦痛なくらいです。早くゴジラ出せよ、とずーっと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2021-07-05 23:53:01)(良:1票)
246.  プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 《ネタバレ》 
悪くないんですけども。三世代ものドラマを描こうとするにはやっぱり尺がたりないですし、各パートの出来不出来が一本の映画作品の中にできてしまっては座りが悪くなります。 収まりが一番良かったのは一番手ライアン・ゴズリング編。ダメ父の悲哀を短い時間の中できっちり見せ切ったゴズリングの技量は大きいです。 2番手B・クーパーは脚本で割を食ってしまっています。生来の生真面目くんが狡猾に立ち回る政治人間になってゆく流れなど、30分やそこらで描き切れるわけないのです。だもんで、まあクーパーのキャラ変化が忙しい。おまけにこういう挿入話的なすき間にレイ・リオッタなんて特大級存在感の悪顔役者を投入すべきではありません。レイ・リオッタだよ?全部持って行かれたではないか。 3パート目のデイン・デハーンが輝きを放ったので、なんとか最後盛り返しました。良い血筋もそうでないのも三代は続かない、ということですかねえ。 タイトルは地名まんまだそうな。松林の向こうへと巣立つデインはかつて父親が居た世界で何を見るのでしょう。若者が旅立つ姿ってほんとに良いなあ、とラストシーンはなかなかにじーんときました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-05 12:21:11)(良:1票)
247.  スパイ・ゲーム(2001) 《ネタバレ》 
レッドフォード扮する退職間近のベテランスパイが回想する過去の敵は外国人。そして現在の戦うべき相手はなんと同僚。CIAの人たちも年季の入った悪そうな顔をしていてスリリングです。 いかなる時も沈着冷静なレッドフォード上司は間違いがなくて、でもその分「情には欠ける」ので部下のブラピは反発し思春期よろしく無茶な行動に出て結果親(上官)に世話を焼かせることになるのでした。あーあレッドフォード長年貯金してきたのにねえ(涙)。 過去パートと現在パートが入り組んでいる上、現在軸ではブラピ救出の策謀も同時進行しているので結構忙しい。忙しいけれど、ややこしくないというのが脚本の凄いところで、こういう親切設計はトニー・スコットらしさを感じます。 個人的には過去パートの「東ドイツからの亡命者」の物語を一本分の映画で観たいです。シャーロット・ランブリング雰囲気抜群なのにあれだけでは勿体ない。ああそしてシャーロット姐さんはいつでも血まみれで死ぬのね・・。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-03 18:04:03)
248.  スターリンの葬送狂騒曲 《ネタバレ》 
旧ソ連の指導体制を笑おう、という演出にキレはあると思います。冒頭、スターリンの無茶指示に慌てふためくモスクワ放送局長には心から同情しつつ笑ってしまいますし、政権中枢幹部らのスターリンへの媚びへつらいぶりったら、もう。ウケたネタ、ウケなかったネタを表にしておさらいしているなんざ、高潔さを失った人間とはかくも滑稽である、の見本です。 だけど、人間の扱いのあまりの軽さ描写には肝が冷えて笑うどころではありませんでした。 笑い飛ばすことができないのは、血なまぐさい政争も市民への弾圧も極めてノンフィクションであるからで、あのおっかないソ連時代からさほど時が経っていないことをつくづくと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-28 23:39:05)(良:1票)
249.  エクスカリバー(1981)
「昔々~」で始まりそうなイングランド昔話、もといアーサー王伝説。外国人のわたしにとっては良い入門編になりました。その名を耳にしたことのある魔法使いや騎士らがちゃんと体系立って頭に入りました。 伝説のおはなしの多分に漏れず出来事が箇条書きになっている印象で、映画作品としては物足りなさを感じます。美術も学芸会の演目を見ているようだし。 ‶映画作品”にしようと思ったら、やはり「グラディエーター」のような画が必要になりますよね。それこそリドリー・スコットが手掛けたら、アーサー王もどんな出来になるでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-24 23:40:00)
250.  女優フランシス 《ネタバレ》 
ハリウッド女優の悲劇は色々聞きますが、代表格マリリン・モンローより数年先輩にフランシス・ファーマーという女優さんがいたのですね。精神不安定と決めつけられて病院送りにされるところなどマリリンとそっくりです。ジェシカ・ラングが強烈な体当たり演技をこの作品に残したことで、フランシスの記憶も後世に刻まれることになりましたね。 ジェシカの熱演はともかくとして、映画は脚本の整理の仕方が上手くないと感じました。フランシスの女優人生を初めから順々に追ってゆかなくても良いのです。エピソードの羅列になってしまっていて、散漫な印象です。精神病院に出たり入ったり三度も繰り返したのは実話らしいけれど、律義に全部突っ込むから尺が長くなり、飽きます。 演出も過剰では。ロボトミー手術は施術されていないというのが事実らしいですし、病棟の内部も半裸だったりヤク中の廃人溜まりのような描き方はどうなんだろう。必要以上に露悪的で気分悪いです。 友人ハリーとの関係も描き足らず。あんなに重要な役回りなのにフランシスの彼に対する心情はほぼスルーされていて、?ばかりが募りました。この人実在したのかしらと疑ってすらいるワタシです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-22 23:56:40)
251.  メン・イン・ブラック2
点低めのレビュワーさんらの意見と一緒です。酷評であっても皆さん言葉少なめなのは語ることがさほど無い、ということでもありましょう。 人気コンテンツに乗っかっただけの続編。新規のアイデアも無いまま前作と基本同じパターンでお茶を濁していますが、これで喜ぶ熱心なファンはわずかでしょう。悪役のキレも処理もなんか雑だし。 全く初見だったのでマイケルだけはちょっと笑ってしまいましたが。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2021-06-20 23:41:21)
252.  13F 《ネタバレ》 
仮想世界の構築に成功したと思い込んでいた自らが仮想世界の人物だった、というプロットは連環モノの高度SFですし‶アイデンティティの喪失と再構築”という難解な命題すらはらんでいて、事と次第によってはどえらい傑作になったかもしれません。 でも本作はきわめてライトな仕上がり。というか、中盤までの盛り上がりで話の面白いトコは終了してしまいました。 せっかく過去世界まで行ったのにやってることが買春と殺人。「現実の」世界から来た本家の女は夫が殺人者だとカミングアウト。姿も見せないそいつから逃げ惑う後半はありがちなB級サスペンスで萎えます。 電子の集合体に意志があるのか否か、という議論はハナからする気もないという姿勢ですがいやー、でもそこわりと引っかかっちゃったんですけどね私は。意志があるならあるで、そこんとこの描写がも少し丁寧にあっても良かったんでは。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-19 23:15:01)
253.  グリーンブック 《ネタバレ》 
良いですねえ。大好きです。もうヴィゴ・Mのトニー・リップが良いですもん。単純かつ腕っぷし(のみ)が取り柄の、よくしゃべりよく食べるイタリア系アメリカ人のおっさん。この映画がよくある‶被差別黒人と白人との友情話”より一段精彩を放っているのは、信頼に値するメタボ腹のトニーがいるから。 トニーは精神の根っこに差別意識の無い奴。周囲の人間が黒人蔑視のノリなので、特に考え無しに同調していたのでしょう。だからギャラをもらえるなら黒人がボスでもさほど抵抗は無いのだった。 なにしろシンプルで腹の底まで透けて見えるトニー相手だからこそ、ドクは(怒りに任せてだけど)内なる心情を吐露したのですね。おそらくトリオの二人にも内面の最も深い面をさらしたことなどなかっただろうと思います。状況に対して脊髄反射するトニーは、教養のある連中のように感情を包み込んで体の良いことを言わないから。 出番は少ないけど奥様のドロレスも素敵。お見通しの手紙の一件にはふふっとなりますね。わたしはトニーオリジナルの手紙も好きでしたが。 ヴィゴ・モーテンセンにアラルゴンの面影など限りなく残っていないことに初めこそ衝撃を受けましたけど、別人トニー・リップも彼の見事な仕事のひとつに数えられることになるでしょう。イタリア訛りとか言葉遣いの悪さを聞き取れたらなあ、と自分が残念でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-06-18 23:47:12)(良:1票)
254.  ベン・ハー(1959) 《ネタバレ》 
どえらいお金がかかっている壮大な映画ですが、内容は‶小学校中学年向き偉人伝”です。なにしろ人物描写がシンプル。感情パターンが「裏切られる」→「悲嘆に暮れる」or「復讐に燃える」→「奇跡を前にして歓喜」、と情感のひだが少なめ。人間がこんだけ単純ならキリスト教のみならず各宗教布教は容易に広まったことでありましょうが、二千年経った現在人類の思考はもう少し複雑なのでした。戦争はいっこうに収まらんし。 映画は前例の無いほどに作り込まれていて、セットや衣装のまばゆさにパワー負けしそうです。ただ、あくまで‶舞台上のお芝居”を観ているようでリアリティは低い。世を忍び廃屋に隠れ住んでいる元従者の娘の髪が綺麗にセットされていて、肌ツヤも良くメイクもばっちりというあたりとか。 長尺なドラマの締めを、それまで観客と共に苦難を分かち合ってきた主人公ベン・ハーが担わない、というのには感動どころかずっこけた21世紀の客(=わたし)でありました。 ともあれ、C・ヘストンの隆々たるスターの風格といい、制作への熱量といい、当時のハリウッドの隆盛をつくづくと知る作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2021-06-13 22:39:33)
255.  デス・レース(2008) 《ネタバレ》 
もう設定からして無茶苦茶なB級映画ですが、ジェイソン・ステイサムだというのでつい観てしまった。見どころはジェイソン・ステイサムが出ているというところ(だけ)です。 いくら定番の「荒れた近未来」といったって、刑務所長が自己利益のために一般市民を殺害して夫に濡れ衣を着せたうえ殺人レースに参加させる、ってそりゃないよ。イモータン・ジョーだってもう少し理屈が通っていた(たぶん)。それはまあいいとして(いいのかい)、カーレースが見せ場の映画であるのは間違いないんですがガチャガチャとクラッシュが多くて何がどうなってんのかよく見えないや。高速でトバしているのはCGまたはスタントだということがまるわかり。運転席の二人の乱れの無さ、緊張感の乏しさ、振動の無さ。女の子の髪も乱れない。 ラストのオチのつけ方にはツッコミ必至。アンタが所長を殺んのかい。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-06-11 23:45:45)
256.  ノマドランド 《ネタバレ》 
「圧倒的」、この映画を表現するならこの言葉です。広大でむき出しなアメリカの原風景、孤独、フランシス・マクドーマンドの演技。 定住する家を持たず、自動車生活を余儀なくされている人々。もちろん社会問題として捉えることもできるのですが(初めはそっち系の話だと思っていた)、監督の意図するところはそこではないみたい。 人が生きること、その原点・あるべき心の整理をマクドーマンド演じるファーンを通して私たちは見るのです。ファーンはじめ、同じ境遇の季節労働者の人たちは平均年齢が高く、皆痛みや喪失を抱えて生きています。人との関わりは保ちながら、でも結局は一人で死ぬのだと腹を据えて日々を重ねているその表情は諦念というのでもなく、静かにきっぱりと‶受け入れている”ようでした。 マクドーマンドの乾いたノーメイク顔はもうそれだけで演技を超越しています。ドキュメンタリーと言えそうなほどです。 ノマドの果てに生を終える人、ノマドをやめて屋根の下で暮らす人、それぞれです。過去を大切に抱きしめながら一人きりで大地を踏みしめるファーンの後ろ姿は決して哀れではないけれど、彼女の抱く喪失の悲しみ、痛みが少しでも和らいでほしいと切に願いました。
[映画館(字幕)] 9点(2021-06-06 18:02:47)(良:1票)
257.  127時間 《ネタバレ》 
うおおお、痛い。短めの上映時間ですが、痛描写がきつくて充分長く感じてしまった。 突然「死」を突き付けられたら、人は何を思うのか。脳内映像ならいろんな形で描写してきたダニー・ボイルの真骨頂ともいえる、主人公の走馬灯。その走馬灯巡りに付き合わされる1時間半です。 痛みと絶望のためか記憶は幻想のようでもあり、そんな中でもわずかな正気でここに至るまでの人生を反省したり。 辛くて痛くて気が気でない鑑賞モードだったですが、これが実話と知らずにいたので救助が来るのだろうと思っていたんです。ですから、あの極限の場面に至った時のわたしの驚愕をご想像ください。各国の上映会で失神者が出たというのもむべなるかな。 一人の登山家の強靭な精神ドキュメンタリー的な本作。極めて制約のキツイ撮影条件下でダレることなく見せきった監督も天晴れなら、迫真の演技で肉体の痛みと意志の尊さを伝えたJ・フランコも素晴らしいです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-04 23:12:29)
258.  ミスティック・ピザ 《ネタバレ》 
田舎の女の子たち3人の青春模様。他愛のない恋バナが三編で、とりたててドラマチックでもないしとても「普通な」エピソードです。でもなんとなく見入ってしまう。‶よくある”話ゆえ、同級生らとおしゃべりをしているような親しみを感じる空気感が心地よいのです。 女優3人がまた適度に「普通」で、丁度いいあんばいに華やかではないというのも親しみポイントが高い要素です。(もっともジュリアは一段上の容貌ですけどキラキラを抑えるガサツな性格設定が効いています) それぞれの恋愛話のオチのつけ方がなかなかリアル。結局ジョジョは生活感にじむ結婚に収まり、キャットの不倫は破綻し、デイジーの階級違いの彼氏との先行きは不透明と、甘くないシナリオは極めて現実的。ビターだけど決して不幸せではなく、3人ともちゃんと前を向いて生きている、そんな描き方が好感を呼んだのでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-03 23:25:11)
259.  我輩はカモである 《ネタバレ》 
一言でいうと「脱帽」です。マルクス兄弟、偉大なる先駆者であります。 米国文学史のテキストにもなり得る、じつに90年も前の映像喜劇。ドリフの全員集合を1時間10分にわたって鑑賞しているという感覚がぴったりなのを思うと、いかに後世のコメディアンらに多大な影響を与えたか分かるというものです。 さんざん使い倒された感のあるギャグと洗練されていて古びていないセンスが混在しているので、鑑賞中びっちり抱腹絶倒というわけにはいかないですが、ただもう天才に畏敬の念を抱く70分でありました。 グルーチョ・マルクスが個人的に一番好き。冒頭で「新首相」のキャプションと共に新聞に紹介されただけで、そのすっとぼけた顔つきに笑わされましたもん。あの顔はズルイよなあ。 人を小馬鹿にした毒入り台詞の数々、伝説のシンクロ合わせ鏡、すれ違いのなめらかさと正確さ。コントとはかくあるべし、と人類史上に燦然と打ち立てた金字塔でありますね。 開戦後「援軍を頼む!」の電信→兵士→マラソン選手→動物の群れ、と画が切り替わるのには涙出ちゃった。ああ、馬鹿々々しきは尊きことなり。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-05-31 23:25:24)
260.  バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり 《ネタバレ》 
猟奇サスペンスのジャンルなのでしょうが、どうにもB級感から抜けられないのは何故なのかつらつら考えてみました。 まず犯人のサイコな迫力が今ひとつ。顔はイッちゃってて充分怖いんだけどやってることが「常識内の暴力」にとどまっており、50年前ならいざしらず数々の秀でた(?)サイコパスを経験してきた21世紀においては ちと存在圧が不足です。 それと主人公。タイトル原題は「Good Samaritan=良きサマリア人」のもじりなのは明らか。なにがBADかというと頭かしら、と思わざるを得ないほどこの青年頼りないし受け身一方。まあ中盤まではビビりなのもしょうがないかと思って見守っていたのだけど、終盤には被害者の女子にまで胆力で圧倒されるシマツ。 この辺のあっけなさやコミカルと言えるほどの軽いクライマックス~安っぽいラストシーンの幕切れ方等が一級サイコランクレベルから大いに下回った原因かと思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-05-28 00:15:34)
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