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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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261.  ロード・トゥ・パーディション 《ネタバレ》 
これは犯罪映画じゃなく紛れもないロードムービー。旅の中で息子は父の愛を感じ取ってゆく。父親が子供に愛情をカタチとして見せるのってこういった極限でないとなかなか難しい。父は息子の命を守ることと同時に生き様を見せる。一方の父親もまた組織より息子を選ぶのだがその息子は甘えと嫉妬心によって父を見ようとはせず、また父も愛情と生き様を見せることができなかった。両父親が対峙する雨の銃撃シーンが美しい。ちょいとキレイすぎて緊張と哀愁に欠けるところもあるんだけど。この両者もまた実ではないが親子の絆を持つ。「Perdition」というのは妻の姉の家がある場所の名前なのだが、「魂の喪失、地獄に落ちること」という意味もある。息子のために父親を殺す。 まさに息子のために地獄への道を選んだ男の物語。大人になった息子の言葉で始まりそして終わるという、つまりは回想の形式ををとってるんだけどそこが不満といえば不満。息子が父を理解し愛したことはラストシーンが示したとおりなのだから、言葉は邪魔なだけ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-05 16:09:58)
262.  I am Sam アイ・アム・サム
知的障害者が親になれるのかとか、なれないと端から決めるのは差別じゃないのかとかそんなことが映画の中で語られたりするけど、別にそんなことはどうでもいい。いやよかないけど、映画には関係ない。作り手だって話の中で語られるだけでそこを訴えたいってわけじゃなかろう。これは親と子にだけ成り立つ強い絆とその絆にまわりが打たれるお話なのだ。知的障害はドラマを生むための道具立て。・・だったら良かったのだが(それがダメといわれる方も当然多くいるのだろうけど)、ショーン・ペンの力演もあってドラマに妙なメッセージがこもってしまった。障害者の焦りやパニックを表現しようと揺れるカメラやせわしないカット割りがショーン・ペンの力演をバックアップする。どんどん深刻ぶってゆく。最初から障害者ネタでしっかりまじめにいくのか、単なる道具立てとして突っ込んだところにいかないかはっきりしてくれればいいのだが、この中途半端さが命取り。安易さだけが目立ってしまった。この失態を救っているのがダコタ・ファニング。容姿もそうなんだけど、表情が母性、あいや父性をくすぐりまくる。
[DVD(字幕)] 5点(2009-03-04 17:29:36)
263.  ナイト ミュージアム 《ネタバレ》 
博物館内世界中の混乱を偽者アメリカ大統領じゃなくて本物のアメリカ人がなんとか平和的にまとめようと孤軍奮闘するもなかなかうまくいかず、でも共通の敵の出現によって一致団結を鼓舞し大団円の一件落着って、こんなうがった見方もどうかと思うんだけどあいかわらずなアメリカ映画だなと。動くはずのないものが動くというのも『トイ・ストーリー』があるじゃん。まあ、人間がそれを目撃するというシチュエーションだとホラー映画くらいしかないかもだけど。驚くほどのVFXでもないと思うし、画的に面白かったのはレクシー(ティラノザウルス)の遊んで遊んでポーズくらい。今やアニメなみに何でも出来ちゃうんだからもっとこういう面白い動きをわんさか見せてほしかった。あと、歴史上の人物の逸話にまつわるギャグなんかほしいな。この夏、パート2があるらしいので今度こそはじけきってほしい。
[DVD(字幕)] 5点(2009-03-03 18:04:36)
264.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
スペインが生んだ大傑作『ミツバチのささやき』をロールプレイングゲームにしてみましたって感じの映画。スペイン内戦の傷ではなく、わかりやすく戦争真っ只中を舞台とすることで純粋無垢な少女を現実ではない世界へ導きやすくしている。悪者の継父はこれ以上ないくらいに悪者。まるで悪魔。フランケンシュタインの怪物どころではない。しかしかの大傑作におけるフランケン同様に悪魔のような継父は現実世界の象徴であり、少女が成長するうえで避けられぬ通過儀礼であり、さらにこの作品ではゲームをクリアするためのボスキャラでもあるのだ。ゲームだゲームだと思ってたらゲームクリアがこんなにも悲しくていいのか。クリアしたのだからハッピーエンドのはずなのに。夢の世界へ逃避することをこんなにも残酷に描いた作品はない。この特異な後味を評価したい。どこかで見たことのある幻想の世界(かえるの話はそのまま絵本で見たことある)をダークな味付けで独創的にしてみせたセンスを評価したい。そしてなによりもイバナ・バケロという美しい少女を絶賛したい。
[映画館(字幕)] 7点(2009-02-26 15:51:20)
265.  グラスハウス 《ネタバレ》 
これを見た当時、リーリー・ソビエスキーを知らなかった(今もよく知らないけど)ので着替えや水着シーンが出てきても「おお!あのリーリー・ソビエスキーが!!」とか思うこともなくかえってサスペンスを堪能できたような。身元引き受け夫婦がのっけから怪しさ満点で、もしやミスリードしているのかと裏の裏を読んで鑑賞したのに、そのまんまやんけ。これもまたミスリードかと思わせるという作戦だったのだろうか(違うよな)。それでも防犯スイッチの番号や車の運転シーンへの伏線が何気に無理なくされている点などはけっこう巧い。薬漬け、病院解雇、幼きリーリーと遊ぶ思い出のビデオテープ、そしてダイアン・レインの死と連なる流れも巧い。事故に見せた犯行がそのまま自分にかえってくる展開も巧い。着替え&水着シーンだって単なるサービスショットなんかじゃなく、その後の車内シートベルト事件から弁護士訪問、そしてそれに結果的に加担したメイド解雇による拘束感の増大へと繋がる伏線になっている。欲を言えば、ガラスで覆われた屋敷やプールの水の音が反響する仕組みなんかがサスペンスに加わってくれると完璧だったのだが。
[DVD(字幕)] 6点(2009-02-24 13:48:25)(良:1票)
266.  ブーリン家の姉妹
ヨーロッパ近世の絶対王政の時代における宮廷内って性に対して奔放というか貞操観念が薄いというか、まあ、政略結婚が当たり前の時代だし、とにかく現代とは性に対する価値観が大きく異なっているのは明らかなのだが、この映画はたいそうに史実を史実として描きながらドラマをムリヤリに現代の価値観でとらえていることにしらけてしまう。とくにメアリーの生き方ってこの世界では極めて異質で純粋すぎで、おそらくはアンのこの世界では特別であっても異質でない生き方を現代の価値観における真っ当な世界に戻そうとする役目を担わされてると思うんだけど、それをいかにも史実ですって体裁でやっちゃうのってどうなのかなと思うし、もしするならいちいち均衡を考えないでドロドロな世界で突っ切ってくれたほうが良かったんじゃないかなと。そうでないと記憶に残らん。ま、儲かる作品にはならんだろうが・・。
[映画館(字幕)] 4点(2009-02-09 14:26:52)(良:1票)
267.  エデンの東(1955) 《ネタバレ》 
結果的に「エデンの東」(つまりこの場合は戦場)に追放されたのが兄というところがどうもひっかかってしまうのだが、この物語の「カインとアベル」の逸話からの翻案ぶりは実に巧みで面白い。ただ、翻案ぶりは面白くても物語そのものはべつにどおってこともないのかもしれない。それでも最初は甘えたガキンチョにしか見えなかった主人公が、話を追うごとに徐々に、父からの愛情を与えられなかったゆえの歪みという影を見せてゆく様相にはひきつけられる。主人公が父と共に画面に映し出されるときは決まって画面が斜めに傾いているのだが、一見「歪み」を表現するのに安易なようで、実に効果的に観る者を不安な気持ちにさせていると思う。最後の最後。泣かせどころの大一番、死を前にした父の息子へのお願い(看護婦をやめさせろ)で軽く笑いをとりながらほっこり感動させるってのがハリウッド映画のソツの無さである。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-02-05 16:54:19)
268.  リバー・ランズ・スルー・イット
レッドフォード監督の作品は全く食指が動かなくて、でも観てみるといい映画で、でも再見するかっちゅうと躊躇してしまう。なんでか考えたんだけど、単に内容が刺激的じゃないってことなんかじゃなくて、真面目なテーマを扱ってるからでもなく、真摯に映画に尽くしているからでも当然なく、たぶん、今書いたことが全部そろっちゃったってことなんだと思う。観れば映画に引きこまれ感動もするのは、ちゃんと作られてるから。すごく丁寧。とくにこの作品だと、その家族だけが持ちうる独特の空気というのがあって、それはだいたいその家族にとっては居心地の良い空気なんだけど、そればっかりでもなく、家族の一員でもそれを鬱陶しく感じることもあって、でもそれは鬱陶しいだけで違和感ではないという微妙なニュアンスをしっかり表現できてるような気がする。家族の中のそれぞれのそれぞれに対するけして単純ではない感情も非常に繊細に描かれている。うん。いい映画だと思う。物足りない部分はあるんだけど、こういう監督は絶対必要だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2009-02-04 17:15:06)(良:1票)
269.  その土曜日、7時58分
シドニー・ルメットの最高傑作と言ってしまおう。時間を遡ってある時点から別の視点でリスタートする。別の視点で見せることで謎めいた物語を徐々に露にしてゆくというのはよくあるが、これはこれからの展開以上にそれぞれの過去までも露にしてしまう。何故そんなことになってしまうのかだけじゃなく、何故そんなことをするのかが解かってくる。しかも説明なしに。最後には全ての人物の行動や成り行きを何もかも納得させてしまう。完璧なシナリオにまず脱帽。イーサン・ホークのダメ弟が少しイライラさせてくれるのだがこのイライラが頂点に達するまえに時間が逆回転するもんだから、あまり不快感を覚えることもない。むしろこのダメ弟のダメ弟ぶりが、また顔だけが男前ぶりまでもがこの坂道を転がるように落ちてゆく物語に説得力を与えていることが判明したときは脱帽したうえに頭を深々と下げざるを得ない状態となること必至。全くもって天晴れ。そしてこの洗練された語り口。老人の作る映画じゃない。
[映画館(字幕)] 7点(2009-02-03 14:47:32)
270.  アンダーカヴァー(2007) 《ネタバレ》 
ジェームズ・グレイの7年前の前作『裏切り者』(これまた傑作!)と同じ主演コンビをそのまま迎え、ソニー・コルレオーネことジェームズ・カーンをトム・ヘイゲンことロバート・デュバルに『ゴッドファーザー』リレーをしてみせたキャスティングからもうサイコーである。前作よりもずっとずっと怖い世界を舞台としているが、哀愁の赴きや作品全体の重厚感は前作の方がある。今回はむしろドラマをテンポよく見せてゆく軽快さがいい。少々強引であろうが早急であろうが関係なく進めてゆく。描かれるのは『リトル・オデッサ』を含めてグレイの全作品に共通する「家族」の絆。ここはしっかり描く。グレイじゃなかったらエヴァ・メンデスという美女を危険にさらしてドラマを盛り上げただろう。あるいは冷酷無比を見せただろう。しかしそれをしちゃうと軽快感が損なわれ、家族のような仲間よりも家族を選んだ主人公のドラマの濃さが損なわれてしまう。ロシアン・マフィアの冷酷さもクラブのオーナー家族との和気あいあいも全て「家族」の絆を描く道具立てにすぎないのだ。それでいて全てのシーンがかっこよくて怖い。とりわけ雨のカーチェイスシーン。というより雨に光る銃身。いやはや、この監督、もうちょっと映画を作る間隔を狭めてもらえないだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2009-02-02 14:21:18)(良:2票)
271.  砲艦サンパブロ
排外思想が激しさを増す中国を舞台に、その排外思想を生んだ元となる列強国のひとつでもあるアメリカ人の悲劇、などと書くと単純そうにも見えるが中国から利益を奪取する外国、そして自国のように堂々と存在する外国に対する憎しみを持つ中国人がいる反面、長らく在留する外国人を飯の種にする中国人もいるわけで、さらに中国国内が国民党軍と共産党による内戦状態であることによって非常に複雑な状況となっている。その複雑さは砲艦の機関室で仕事をする中国人との確執、対立、協調といった複雑な関係を見ても分かるとおり。この中でマックィーンが助手に抜擢する若い中国人とのジェスチャーによる会話が出てくるが、人種を超えて分かり合える可能性をロバート・ワイズは示唆しているのだと思う。歴史ものにありがちな中国人、アメリカ人という大きなくくりも無く、一人一人がそれぞれの事情と主張を持っていることをしっかりと描きこんでいるのも流石。国の利害を無視して人間としての正しさを全うしようとするヒーローが艦内で総スカンを食らうというのも痛々しいほどにリアル。3時間を越える長尺の中で見せ場は終盤に固まっているだけに前半は盛り上がりに欠けるが、このややこしい世界をここまで分りやすく描いていることに脱帽。長尺止むなしか。それにちゃんと長尺の倦怠をマックィーンの魅力で乗り越えている。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-22 17:09:39)(良:1票)
272.  ポセイドン(2006)
誉高いオリジナルにあった、パニック映画にしては重厚にして濃厚な人間ドラマは一方でちょいと説教臭いというか暑苦しいというか、そんなところもあったのだが、このリメイク版はその暑苦しいところが全く無くすっきり見ることができる。オリジナルの贅肉をそぎ落とした作品。あまりに落としすぎて拍子抜けするくらいだ。だからオリジナルでは脱出劇の最中に一人また一人と命を落としてゆくというのはドラマを盛り上げるための必要なシーンでもあるのだが、すっきり簡潔を信条とする(?)リメイクで同じシチュエーションをやっても全く盛り上がらないのだ。なのに何故オリジナル同様の数人の脱出劇にしちゃったのだろう。迫力のCG映像を最大のウリにしていることは分かりきってるんだし、実際その部分は成功してるんだから、展開も大幅変更すればもっと面白かったかもしれない。全員でゾロゾロ脱出してドカドカ人が死んじゃう映画とか。
[DVD(字幕)] 6点(2009-01-21 14:35:59)
273.  激流(1994) 《ネタバレ》 
公開当時の宣伝の印象はサスペンスよりも川下りアクションに重点を置いてて(勝手にそうとらえてただけかも)、とにかく今まで見たこともないようなアクションが見れるのだと期待したのをよく覚えています。けっきょく映画館には行かずレンタルしたんだけど、たしかにほぼ全編で川下りってのは新しいんだけど、ごく普通のサスペンスにちょっぴりの味付けくらいにしかなってないのが惜しい。だいたい、せっかく命懸けで激流を下ってきたのにこんなこと言うのもなんですが、徒歩の父ちゃんの方がトラップつくる時間があるほど先に目的地についちゃってますが・・。
[ビデオ(字幕)] 5点(2009-01-20 15:28:58)(良:1票)
274.  或る夜の出来事
なんでも映画史上最初のスクリューボールコメディなのだそうだ。なんにしろ最初ってのは凄いことなのだが、それ以上に驚くのはトーキー映画が登場してまだ数年のこのときにこれほどまでにリズミカルな会話を映画の軸にして、尚且つ最大のウリになっているところ。話の筋は今でこそオーソドックスに感じはするが、若い男女のかわいい喧嘩のあとの恋の芽生えという大筋の普遍性もあいまって全く古さを感じさせない。古典というのは永遠に古びないものなのだ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-12-19 14:41:49)
275.  カサブランカ
どんなにキザなセリフを言っても様になるのがボギーのボギーたる所以。と言いたいところだが、これは臭すぎる。それでも徹底して臭いならいいのだが、このボギー、ちょっと女々しいところも見せちゃう。一貫してハードボイルドだったらこのキザなセリフもかっこよくもなるんだろうけど、バーグマン相手に妬いてすねて怒ってイチャモンつけて・・とまるでガキ。だからキザなセリフが妙に浮くのだ。でも、だからこそ名作として語られるのかもしれません。どの作品のボギーよりもどこか手の届きそうな感じがして、そのうえでとことんキザに決めて美人を泣かせて・・ってのがいいんだ。たぶん。 「君の瞳に乾杯」・・か。・・絶対言えんな。「昨日は何してたのよ?」に対して「そんな昔のことは忘れたさ」なんて言おうものなら「ボケたか?」と返されるのがオチだ。「じゃあ今夜は?」に対して「そんな先のことは分からない」なんて答えようものなら「頭弱い?」と返されるのがオチだ。あぁ、ボギー!あんたの時代は良かった~
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-18 14:10:53)(笑:1票)
276.  イヴの総て
お話は面白いし、冒頭の受賞式シーンから回想に入ってゆく構成も巧いし、人間関係も整理されてて分り易いし、配役もお見事だし、名セリフてんこ盛りだし、どう見たって名作なのは間違いないのだろうけど回想形式にした部分意外は映画というよりも舞台劇を見ているような感じ。セリフが多いのはいいのだが、その言葉が決定的なものであふれかえりすぎている。お話と無関係の言葉は全く出てこない。当時のハリウッド映画ってだいたいこんなのが多いんだけど、これで2時間超はキツイ。いや、舞台っぽくても面白さが凝縮されてるならそれはそれでオーケーなのだろうから個人的な好みの問題でしかないのですが。それでも時間をあと30分端折ってくれたら手のひら返したように絶賛するかもしれないくらいの面白さはある。
[DVD(字幕)] 5点(2008-12-17 11:41:55)(良:1票)
277.  ディア・ハンター
ロシアン・ルーレットはたしかに怖かったけど、鹿狩りシーンの雄大な画のほうがずっと印象に残っている。どれだけ時間とお金をこの芸術的な画のためだけに費やしたのだろう。鹿がヌッと現れるシーンなんて今だったら間違いなくCGなんだろうな。出兵前の鹿狩りの神々しい画から一転、突如現れるのが戦場シーン。動かないカメラが動き、静寂がヘリの爆音に変わる。長尺の作品の中で実に短い戦場シーンは死と隣り合わせのロシアン・ルーレットに凝縮される。帰還後には出兵前のようなバカやってる小さな幸せが無い。数十分前に映されていたはずの鹿狩り前のしつこすぎる置いてけぼりシーンが妙に懐かしく感じる。ボーリングのアホな出来事も懐かしい。長い長いダンスシーンも懐かしい。何かを奪い去り変貌させてしまう戦争の悲劇をビフォー・アフターで見せる。変わらない友情と移民同士の繋がりが取り返しのつかない「変貌」をより鮮明に浮き上がらせる。
[DVD(字幕)] 7点(2008-12-16 15:45:11)
278.  ノーカントリー
お話は実にコーエン兄弟らしいお話であり、実際『ノーカントリー』は『ファーゴ』のTEX-MEX版と言いきってもおかしくない。にもかかわらずコーエン兄弟らしからぬ空気が充満している。ハビエル・バルデム演じる殺し屋を同業のウッディ・ハレルソンが「ユーモアを持たない男」と評する(髪型はユーモアなのだが)が、もちろん『赤ちゃん泥棒』や『バートン・フィンク』に登場する殺人鬼のようなユーモアは皆無であり、それどころかこの作品自体にこれまでのコーエン兄弟の作品に見られたブラックユーモアが無いことに気付かされる。何かをすればするほどにドツボにはまる展開に、そしてごく普通の人が非日常の世界に足を踏み入れてしまう展開にユーモアを見出すことのできたコーエン流はそこにはなく、ジョシュ・ブローリンはひたすらそのドツボと、その非日常と正面から対峙する。追う者と追われる者のあいだにはユーモアの付け入る隙間はなく、真剣そのものの命の削り合いが展開される。ブローリンは野生の勘と軍隊経験を駆使し逃亡し応戦するうちに過去に経験した戦場という非日常を自らの日常へとシフトしてゆく。殺し屋は非日常という殺し屋にとっての日常を最後まで貫くしかなく、それは殺し屋にとっての非日常である交通事故にあっても変わらずに殺し屋にとっての日常を生きるのだ。そう、ここでは『ファーゴ』にあった非日常と日常の衝突は無い。日常で用いられる道徳やルールの効かない非日常が日常以上に日常面している怖い映画なのだ。コーエン兄弟の新たなる門出を支持する。
[映画館(字幕)] 7点(2008-12-15 15:53:42)
279.  左きゝの拳銃
ビリー・ザ・キッドものはこれ以外には『ヤングガン』とペキンパーの『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯 』ぐらいしか見ていないが、ビリーの人物像はこの作品のビリーが最も納得のいくもので、作り手もおそらく一番重要視したのはリアルなビリー像だったんじゃないだろうか。復讐の影で多くの人に迷惑をかけ、多くの命をないがしろにすることに気付かない血気盛んでいて浅はかにすぎる青年をニューマンが熱演。粗野な一方で教養の無さをコンプレックスに思う子供っぽさがニューマンのファニーフェイスとまたしっくり合う。パット・ギャレットがえらくかっこよく描かれているが、ビリーのおそらくは史実であろうエピソードに時間を使いすぎて出番が少ないのがもったいない。アーサー・ペンのデビュー作らしいが、銃撃戦の合間やラストのギャレットと対峙するまでの沈黙の時間がなるほどアーサー・ペンらしいと思った。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-12 14:11:03)
280.  片腕マシンガール
映画が始まる前にパンツ1丁の監督によるこの作品の正しい鑑賞方法の説明が映されてそのおバカさに和む。映画冒頭いきなりのド派手なスプラッターアクションもこの和みとのギャップに大いに盛り上がり、和みのおかげで大袈裟な血しぶきもある意味ギャグと割り切れたような気がする。お話は単純で小気味良い。子供向けヒーローものにありがちな展開にギャグすれすれの残酷描写を入れただけで、その部分は全然面白くないのだが(天ぷらにされた腕には笑ったが)主演の八代みなせが見事に激写されていて実に興奮、いや感動した。髪の毛の乱れ具合とか顔の汚れ具合とか苦悶の表情のアップとか怒りの表情のかっこよく映る絶妙な角度とか実に監督のフェチ度が活写されている。体操着姿はアップではなく引いた画でとらえられるのはその場所が体育館であったり背景に校舎が映されていることが重要だから。コダワリに妥協が見えない。そして見えそうで見えないチラリズムの極意とちょっとだけ見せちゃうサービス精神がまた嬉しいではないか。何かを撮ることに長けた人ってのはその何かのオタクでなくちゃいけないのだろうと思った。
[映画館(邦画)] 6点(2008-12-11 15:42:08)(良:2票)
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