281. 悪魔のいけにえ
子供時代のトラウマ映画ナンバー1だなあ。この映画が他のホラーと決定的に違う点は、フィルムから無駄に溢れてくるパワー。オールロケのホラーで、やたら昼間のシーンも多いくせに、アメリカの田舎の埃っぽい空気に息が詰まりそうだ。あの空気の中にいるだけで怖い。カメラもあんまり動かず、レザーフェイスがいけにえを「処理」して行くのを淡々と映していたりして、恐怖の質が楳図かずお的なんだよね。画は明るいし乾いてるけど。トビー・フーパーは、多分《空気》を描く才能のある監督なんだろう。それも、エネルギーに満ち満ちた無駄に凶悪な空気を…案外、劇映画やらないで戦争ドキュメンタリーとか撮ってればピューリッツァー賞とかイケたかもしれないよなあ。以後の作品を見てると、才能の浪費かもしれないと思っちゃうですはい。 7点(2004-04-25 10:14:08) |
282. スペースインベーダー
《ネタバレ》 わりかし好きな作品なんだよなあ。SFになる前、前半の恐怖映画パートの「間」は往時の『悪魔のいけにえ』的なセンスが宿ってて怖いですね。で、侵略者の正体が割れた後の後半はガラッと変わってスカッとした活劇に。この切り替わりの豪快さには笑ってしまいます。オリジナル旧作の方は観てないんだけど、軍隊が出動したり夢オチってとこも同じみたいだから、この異様な展開は50年代SF映画の持つアバウトさに由来してるのかもね。 6点(2004-04-25 09:55:35) |
283. エド・ウッド
《ネタバレ》 エド・ウッド漬けの1週間の締めは、もちろんこの映画で。いやあ「エド・ウッド・コレクションBOX」買って間もないから、まるでオリジナルの最編集版のように楽しめました。意外だったのが映画への愛というより、ベラ・ルゴシとウッドの泣かせる友情に軸足が置かれて、「老人映画」になっていた点かな。このあたりはホロリと来ました(お気楽版『ゴールデン・ボーイ』か?)。そして「ルゴシってやっぱり偉大だなあ」と見直した次第。大ダコと格闘するシーンなんか、そのプロ魂に泣けてくるよ。ウッド作品の看板たち、トーもヴァンパイラもクリズウェルもオリジナル通りでビックリ(つうかこの辺は、バートンの愛を感じますな)。もっと凄いのは『プラン9』のルゴシの代役までソックリだった事か。ウッド映画は各シーンとも忠実に再現されていて、オリジナル(「エド・ウッド・コレクションBOX」&『死霊の盆踊り』)を見てから本作を観れば楽しさ5倍っすね。丁度いま、シリーズ物の映画をまとめて観終わったような気分でハッピーです。 ●追記:物語のテーマだろうと思われる『怪物の花嫁』でのルゴシの「故郷? 国を追われてからはジャングル住まいよ…(中略)…やがて世界は我が子・原子超人たちが支配するのじゃあ!」ってセリフについて。要するにこの映画って「80年代のウッド再評価が始まった頃からハリウッドが低予算B級ホラーに席捲されて、ボク(バートンら原子超人)みたいな監督が大作映画を取れる時代になったのも、ウッドさんルゴシさんあなたたちの無節操な頑張りのおかげですありがとう。あれ、しかもちゃんと作中で予言してますねえ」ってコトを言いたいワケね。『花嫁』の撮影で、実際にあのセリフを自分にダブらせて語ったと思われるルゴシの心境を鑑みると、熱い涙で画面が曇るっすよ。 ●追記2:クライマックスのオーソン・ウェルズとの対話シーン、何度見ても両人の苦悩の次元の違いに笑ってしまう。苦悩の質は同じなんだけどね。ウェルズ、あんたいい奴だ(笑)。 8点(2004-04-25 03:41:35)(良:2票) |
284. 怪物の花嫁
《ネタバレ》 まさかエド・ウッド作品に9点つけるハメになるたぁ、お釈迦様でもご存知あるめェ。だが言わせて頂く。演出が最低なのは認める。ルゴシ以外のキャストの演技がテキトーなのも皆々様の仰る通り。特撮も冗談抜きでヘボい。セットも使い回しばかり。お約束のように昼のシーンを「夜」と言って強引に観客を納得させやがる(って書いてると本当に最低映画だよな…)。でも、それを押しのけるように溢れ出る物語のテーマ性、これへの感動はオイラには如何ともし難いのだ。「モンスターがフランケンシュタイン博士を改造してしまう」! こんな恐怖映画がかつてあっただろうか。これはホエール版『フランケンシュタイン』『フランケンシュタインの花嫁』へのひとつの回答であり、挑戦状でもあるだろう。この、博士改造シーンには本気で背筋が凍った。モノクロ時代のホラーはそれなりに見てきたけど、インパクトに関しては群を抜いていた。ダメダメな部分を考慮してもなお、ハマープロの凡作なんかよりよほど歴史的な価値を持っているホラーだと思う。多分、これから何回も観る作品になるだろう。 9点(2004-04-23 03:31:42)(良:2票) |
285. プラン9・フロム・アウター・スペース
《ネタバレ》 今見終わった。まいったぜ。ショボいショボいと聞いてたからどんだけショボいのかと思ったら立派な映画じゃないかーっ! これは冤罪だッ(笑)! いま逆の意味で非常に腹を立てているぞっ! 少なくともオイラの愛してやまない『スーパージャイアンツ』と同格(つーかスーパージャイアンツでは円盤の操縦席なんて学習机どころか思いっきり影絵なんですけど)。そしてプラン9は1956年作品、スーパージャイアンツは1957年作品。もしかして宮川一郎と石井輝男、この作品をリアルタイムで見てたの? …と勘ぐりたくなるぐらい各シーンが似てます(第3~4部のカピア人編、第5~6部の黒い衛星編)。いや、彼らは見てたんだ。そうに違いない。石井輝男はその輝かしい経歴の初めに、エド・ウッドの映画魂とパワーを受け継いだんだー! などとバカな事まで考えてしまいました(おい石投げるな)。あと、頻繁に昼夜の入替わる墓地シーンですが、この場面を全て昼に統一したらモロ『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』になりますね。「宇宙からの怪光線で死体がゾンビ化」…ってプロットも一緒だったりして。意外とこの映画、ロメロへの影響がデカいのかも。石井輝男、そしてロメロ。「いかに低予算で撮るか」に心を砕いていた彼ら職人監督にとっては得るものがイッパイあったって事なんすかね。繰り返しますがオイラは本作の史上最低評価は冤罪だと思っとります。映画の奈落はまだまだ深いんだぜ。フッ。 (追記:今ページの上の方見たら1959年作品となってるんだけど…DVDの表記と違うぞ…) 7点(2004-04-19 01:46:02)(良:3票) |
286. グレンとグレンダ
4週間、ビデオショップをひたすら回って、とうとうエド・ウッド・コレクションBOX買ってきましたよっ(←バカ)。しかしまいったなこりゃ…メチャメチャ面白いやんこれ。金がない上にテクニックもない上に内容もないんだけど、巷で「唐突なトンデモ映像」と言われてるシーンは演劇的にはアリですよ。ベラ・ルゴシなんかちゃんと異化効果の役割果たしてるし(あちこちで神様だの精霊だの言われてるけど、彼の役どころは科学と科学者の象徴・抽象表現ですね)。映画じゃなく舞台の骨法で組み立てられてますね。この時期のエド・ウッドは、映画人である前に演劇青年だったんだろうな。本作の後、彼がどうして盆踊りするまで落ちぶれてしまうのかは、『怪物の花嫁』を観てから考えてみようっと。とりあえずこの映画については「凡作」を満喫できたので、この点数で。 (追記:モノローグの多さや唐突さ・安っぽさはキューブリックの処女作を思わせました。格は全然違うけどね…間違った方向じゃないと思うなあ) 6点(2004-04-18 23:42:01)(良:3票) |
287. フレディVSジェイソン
去年、世間がマトリックス完結編に大騒ぎだった頃、一人で「この秋の最大の話題作はコレだね!」と本作に多大な期待を寄せていたバカでございます。結局どっちも観れずに秋は過ぎて行きましたが…。で、DVDが出たので早速購入。噂通りのバカっぷりにニヤニヤしながら観終わりました。オイラは基本的にフレディ派なんで、エルム街っぽさが基本になった展開は嬉しい限りっす。『リアル・ナイトメア』で映画の製作スタッフや役者までも襲いまくる、メタフィクションの方向に足を踏み出したフレディすから、ジェイソンと戦う展開はもう『エルム街の悪夢』の正当な後継と言っていいね。次作へのハードルはメチャクチャ高くなったと思うけど…まあ出ても10年後だろうから、期待せずに待ってますわい。 6点(2004-04-03 21:44:36)(笑:1票) |
288. ラスト サムライ
《ネタバレ》 故あって鎌倉の映画館で見ました。「武士道は今の時代には不要になった」「違う。いま最も必要なものなんだ」…途端に「ズルッ」と鼻をすする音が。しかも四方八方から…流石は開幕の地の観客です。そっから後はもう涙をこらえる観客たちの嗚咽のウルサいこと(決してバカにしてるワケじゃないんだけど、あまりにストレートな反応なもんだから)。オイラの評価は低いです。彰義隊をイメージさせる戦場の絵造りは素晴らしかったし、敢えて歴史に背いて官軍をアメリカ式に教練させる事で「戦後の日本」までシンボリックに絵の中へ封じ込めてますね。ハリウッドならではの含蓄を持つ力技でした。けど、戦場と戦法がまるで運動会(もっと言えばたけし城)なみ。予算の少なさも響いてて、日本の国力自体、現実の1/20くらいに描かれてるし(あんなヘナチョコ官軍じゃ、半世紀後にアジアを席捲するなんて無理無理)。《イラク戦争》という外部要因で、シナリオやコンテを練るヒマもないまま急造しなければならなかったんじゃないかと疑ってます。結果、強烈なメッセージだけが浮き上がってしまった感じ。あー最後に。渡辺謙を使ったのはきっと『独眼竜伊達正宗』と『炎立つ』のイメージからだと思うんですが…これで生涯「天下を取れなかった田舎反逆者」というテーマを背負って行く事になってしまうんですかぁ…? 本作のイメージに押し潰されない事を切に祈っています。 (追記:小心な宰相・大村の扱いについて批判噴出してるけど、オイラは仕方ないと思うなあ。だって大村益次郎を悪者としたのはGHQなワケだし、過去の敵国の軍神を偉人扱いするような企画には、ハリウッドがお金出してくれないですよきっと…と、オイラは我慢して見ましたです) [映画館(字幕)] 3点(2004-03-21 18:01:40) |
289. フォーリング・ダウン
まるで民話のようなシンプルな筋立てに乗せた、上質なブラックコメディですよね。他の国では絶対成立しない、バイオレンス大国アメリカならではの黒く爛れたジョーク映画。何度見ても面白いです。展開のバカさ加減と、わらしべ長者風に膨れ上がっていく主人公の武装がおかしさを醸し出してます。ゴルフ場での発作シーンは何度見ても笑えてきます。 8点(2004-03-20 22:30:35) |
290. レナードの朝
《ネタバレ》 特に感動を誘うような筋立てにせず、淡々と事実を展開にしたのがいい。人間が化学的に微妙なバランスの上で存在できている事を教えてくれる作品。この映画の世界には、奇跡を起こしてくれる神や運命は存在しない。ホルモンの一種であるドーパミン(その化学的挙動は今でも完全解明されていないらしい)が起こした一夏の悪戯。言ってしまえばそれだけの話。デ・ニーロもウィリアムズも、その流れに逆らおうとはせず、ただあるがままに生を営んでいく。もっとドキュメンタリー風の、語らないカメラワークであれば、満点に届いたかもしれない(「この絵で充分」とも言えるし、利益を求める商業作品としてはいいバランスだと思うけどね)。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-03-20 22:09:55) |
291. ゴーメンガースト
告白します。映画の評価ではなるべく原作との対比を重視しているオイラですが、ゴーメンガースト3部作は何度も挫折を味わい、読了できていないアルプス級高峰でした(そーいや「指輪物語」「ホビットの冒険」もいつも1巻目で遭難してるよな)。それがあーた、たった4時間の労力で鑑賞できてしまうんだから、手が伸びないはずがありやせん。原作を読んだ上で見た方がいいであろう事は承知の上で、敢えてDVDを買いました。結果。「4時間に収まらない内容を4時間に納めるため、圧倒的演技力を投入した力技ドラマ」という評価です。まさにファンタジー版の『ファニーとアレクサンデル』(絵はショボいけど)。『ゴーメンガースト』への観客の期待は「城を見たい」「人々を見たい」の2面に分かれるでしょうが、このBBCドラマは後者の欲求を満たすべく、予算を徹底的に「役者」と「衣装」に絞り込んでます。石の大迷宮はチャチいビデオ合成になっちゃってますが、その分、一人として存在感のない人物がいないのでドラマの迫力は圧倒的になりました。ある意味、とても豪華絢爛な造りです。3DCG大作として「納得できるようなゴーメンガースト城」を作れたはずの予算と期間を、役者と、その役作りに投じてるんですから。この先、何度も見返すでしょう。もう一度、原作にチャレンジする際の道しるべとして…。 7点(2004-03-20 09:36:08) |
292. X-MEN2
《ネタバレ》 かけた予算にピッタリ見合う出来映えのエンターテインメントですね。公平に言って特にどうという内容ではないし、完結編への橋渡しなのは明白。でも監督・俳優・配給・ファンまでも巻き込む、この『2』の静かなる熱さには10点以外つけられないです(とかいいつつ2004/12/3、9点に)。敵になったり味方になったり忙しいキャラたちですが、全員に一本筋が通っているのが気持ちいいす。普通はひとりかふたり、理解不能な行動をする奴がいるもんだけど…。映画の迫力+連続メロドラマの気配り。夢中になってしまうワケですなあ(夢中になれる人は、ね)。私的に、教授と「偉大なるイリュージョニスト」ジェイソン君との、救いのない不毛な対決は、涙が出るほど痛ましかった(けっこうイカしてたぜジェイソン!)。パイロとマグニートーのやり取りもけっこう泣ける(マグちゃんあんた、そういう口車で仲間をスカウトしてたんかい!)。そして極めつけ、ウルちゃんの手でアマダンチウム漬けにされた「ウルヴァリン2号」ユキコ…あれって設定上、死なないワケだよね? 動けなくなっても永遠に腐敗と再生を続けるんだよね? まさに生き地獄じゃあ…展開のテンポがいい分、見るたびに新たな発見ができて、深い映画だすなあ。あ、最後に。ミスティークあんた、今回は議員の代役が勤まるくらい頭良すぎで、エエ女で、運動神経抜群で、機を見るに敏すぎて、もしかして死角がないんちゃうか…? 9点(2004-03-20 00:51:46) |
293. ウエストワールド
セットがチープなのに、かえってテーマパークらしいリアルさが沸いて不思議。下手な解釈を持ち込まず、観客に判断を丸投げしてるようなエンディングがカッコいい。皆さん仰る通り、ユル・ブリンナーは少年時代のトラウマになりました。『ターミネーター』は公開時、その視覚表現と執拗さであからさまに「パクリ」と呼ばれてました。それ以外にも、クライマックスを山ひとつで終わらせないストーリー構成(再びキャメロンが『エイリアン2』でやってる (^^;)とか、ハイテクを駆使しておいて気付かせないさり気なさとか、けっこう後世に与えた影響は大きいですね。ただ、それだけ持ち上げておいても、でもやっぱりクライトンは監督の才能ないと思うなあ(苦笑)。 8点(2004-03-15 14:18:04)(良:1票) |
294. ザ・ファーム/法律事務所
《ネタバレ》 法律事務所が相談料取り過ぎてるだぁ? なんかセコくて…主人公のやりクチが。映画館で見て、途中までは良かったのにラストでいきなりガッカリした記憶が強いなあ。とりあえず「合法的・合理的に解決できればそれでいいんかい」って言っておくか。ドラマチックなモノ、なにもなし。観客は無理を承知で、その先にあるものを見ようとして映画館に足を運ぶんだと思うぞ。ジーン・ハックマンを配した時点で、敵が手ごわいのもわかっちゃいるけど。 2点(2004-03-15 04:54:26)(良:1票) |
295. レインマン
トム・クルーズに見切りをつける事になった作品。なんかダスティン・ホフマンの演技は既にトムを置いてきぼりにして見切りつけてるし。レビンソン流の淡々としたロードムービーも、ノンビリした音楽も良くなかった。障害者としての演技について言えば、確かに凄かったけどデ・ニーロの『レナードの朝』に軍配を上げる(まあアレも淡々とした作品だったが…)。しかし、いいとこの挙げづらい作品だなあ。 1点(2004-03-15 04:44:56)(良:1票) |
296. 未来警察
学研の大人の科学が自動車に負けないスピードで襲ってくる映画。当時はまだ大人の科学は売られてなかったため「メカモの襲ってくる映画」と呼ばれていた。監督としてのクライトンは日本の特撮なみにガジェットを映したがり、それがまた延々と続いて退屈。ウェストワールドみたいに、主人公の周囲全体をテクノロジーで覆っておかないとサスペンスを出すのは難しいよ(マット画でいいのよマット画で!)。ハイテクをベースにしたテロリズムを描いた点では先駆的と評価できるかな。もっとも、クライトン本人は70年代初めに書いたサスペンス小説『サンディエゴの12時間』で既にこれをやってるワケだが。そういや電話を使ったネットワークハッカーの登場も、この小説が最初だと思う。クライトンあんた、才能ありすぎて時代がついて来ないんよ。『タイムライン』ぐらいが丁度いいんだよ(笑)。 2点(2004-03-15 04:36:16) |
297. ラスト・アウトロー<TVM>
ミッキー・ローク、怪演を経由して名演の領域にまで到達してます。なんかもう『白鯨』のエイハブ並みの迫力です。毎度変わらぬエリック・レッドのシナリオもグー。当時乱発された異色西部劇としてはベスト3に入るかな。特にラストの対決は、正統派ウェスタンでは絶対やれないカッコ良さでしょう。 7点(2004-03-15 02:43:59) |
298. エンゼル・ハート
《ネタバレ》 どうしても『ドグラ・マグラ』を思い浮かべる作品なんだよね…最初から最後まで出口がないちゅーか。でもラストシーンで、堕ち切ったエレベーターから出てくるロークの姿を見て、ちょっと安心してしまったりもする。絶望的・ショッキングなラストにするのを避け、方程式が解けた瞬間のような「落ち着くべき場所に落ち着いた」という妙な安堵感を漂わすラスト。オカルトとハードボイルドの巧い融合だと思いました。とはいえ、暗いので減点。 5点(2004-03-15 02:34:19) |
299. ジョニー・ハンサム
なんか『レッド・ドラゴン』の犯人の半生みたいな話で、けっこう泣けたのを思い出します。ウォルター・ヒル節はちょっと空回りしてたかなあ。当時だからミッキー・ロークという選択肢だったワケだけど、その時代その時代で主役はいろいろ考えられそうですねえ。今ならジョニー・デップあたり(冷酷な役もやれるし)かな。うーん、『ソラリス』みたいに妙なモンをリメイクするくらいなら、これをリメイクする企画を立てた方がいいかも。 4点(2004-03-15 02:13:18) |
300. ブルースチール(1990)
ロードムービーでないエリック・レッド脚本作品は大して面白くないな。彼のシナリオは、助けの来ない無人の荒野で戦うからいいのだ。とはいえ、夫キャメロンとの愛憎劇をバネにこの作品を監督したビグローの「執念」が、脚本の甘さを補っていると思える。でも、それ以上のモンではなかった。もしこれが「父を凶弾に奪われ、テネシーの田舎町で保安官助手になった女」の話だったら、どれほど震えた事か。製作・監督ともにエリック・レッドのシナリオの使い方がわかってなかったと見た。 5点(2004-03-15 01:54:18) |