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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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301.  M★A★S★H/マッシュ 《ネタバレ》 
戦場や軍隊というものに関して戦争映画からの知識しかないが、アメリカ軍ってのは他の国(とくに日本)なんかと違って、わりとくだけたイメージがあって、だからこの作品でのハチャメチャ行為も突拍子も無い行為には見えず、つまりコメディとしてとらえられずに鑑賞していたんだけど、中盤あたりからそのハチャメチャさがどんどん加速していきコメディ色が強くなってくると段々と面白くなってきた。ハチャメチャさが増大するごとに彼らの本業である手術シーンの大真面目ぶりがより強調されてゆく。ここに命を奪い合う場所で命を懸命に救うという矛盾が浮かび上がってくる。この作品はたしかに反戦映画なのだろうが、他の反戦映画のようなストレートさはない。というか、戦争を批判せずに戦争の本質を批判するという高尚(?)な技を使う。ハチャメチャ主人公は最初から最後まで軍の規律を破り続ける。ここは徹底している。勝手に使用できないジープで転任するシーンから始まり、日本での軍の病院では許されない民間人の子供の手術まで。その一方で軍の規律に従順な者を貶めてゆく。軍規を守って戦争に従事することとどんな人間でも片っ端から助けてゆく行為のどちらが人間的か。また軍規を破るというのは軍隊というシステム、あるいはそのシステムを構築した上層に君臨する者を批判するということ。この上層に君臨する者たちが戦争を起こすのだ。まわりくどい反戦映画である。でも本質を突いている。 あと、アメフトの応援をするホットリップ看護婦長に大いに笑ったのだが、彼女は権威の象徴として登場したことで散々な目に遭ったあげくに権威がなんの役にも立たないことを自覚して権威という服を脱ぎ捨てるという、この作品の要とも言える役回りを任されている。
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-08 16:06:06)
302.  ブラディ・サンデー
テレビの世界で社会派ドキュメンタリーでならしたポール・グリーングラスの集大成でありハリウッドへの布石となる渾身の作。この作品の手ブレは臨場感を出すための手段として意識的に使われている。それは単に事件をそのまま再現したいというだけで使われた手段なのかもしれないが、もしこの作品が事件をそのまま再現したものに過ぎないのならば映画としての価値を見出すことはなかっただろう。でもこの作品は単なる「再現」を超えていると思う。それはブレどころを押さえているからだと思う。ブレないカメラが行進する市民、敵対心を露にする若者、英軍のそれぞれの立場のそれぞれの行為をわかりやすく映し出す。冷静で冷酷で、なおかつ結束力のあるところを一瞬で解からせるIRAメンバーの描写もいい。そこに暴動の激しさを表すブレる映像がここぞとばかりに挿入されるから効果も絶大である。主人公とまではいかないがそれに近い存在の青年がいるのだが、この青年の行動にもっと添ったかたちの作品にしてくれれば、個人的にはより良かったように思う。エンディングテーマでさらにそう思った。U2の「ブラディ・サンデー」はかっこよくて好きなのだが、この作品とは合わない。映画よりも存在感がある。おそらく音楽がかもす虚構性が映画よりも強いのだ。真実っぽく語るよりも虚構に富んだほうが胸に染み本質に迫れるといういい例だと思った。だからこそ一人の虚構の主人公を物語の軸にしてほしかった。
[DVD(字幕)] 6点(2008-10-01 14:14:47)(良:1票)
303.  ことの次第 《ネタバレ》 
見るからにSFと解かる画が長々と続いたかと思うと唐突にカット!の声。SF映画を撮影するスタッフたちが映される。その海に面したロケ地にゴダールの『軽蔑』を思い出したのだが、続いて監督がドイツ人で名前がフリッツ(『軽蔑』ではフリッツ・ラングその人が出演している)、プロデューサーがアメリカ人、そして商業主義への批判と、まさに『軽蔑』の映画製作部分が模倣されてゆく。さらにはだいたい時を同じくして作られたであろうゴダール『パッション』の映画内映画製作に描かれる物語の有無における対立、あるいはトリュフォー『映画に愛をこめて アメリカの夜』のようなハプニングに会いながらも仲間内のなごやかで、どこか楽しげな撮影風景が映し出される。映画は後半、アメリカに舞台を移したところから全く別の色合いを帯びてくる。言い換えればヴェンダースらしくなっているのかもしれないのだが、前半に登場した魅力的な面々がことごとく置いていかれてそのまま忘れ去られてしまって、なんだかなあという感じ。ラストの銃声と銃声に反応してカメラを構える姿がかっこいい。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-19 12:52:46)
304.  キャビン・フィーバー(2002) 《ネタバレ》 
あらすじだけ見るとよくあるB級学園ホラーなんだけど、で、実際そんなアホっぽいノリで始まるんだけど、謎の伝染病が発生してからのノリが凄くいい。仲間内の騙し合いとかありふれた展開が繰り広げられるのかと思ったら、あるにはあるんだけど意外とそこには力が入ってない。変な心情描写とか無くって、かといって今どきのホラーにありがちなむやみに観客を驚かせたり予想できない急転直下な展開にしてみせたりといったこともしない。古風なまでに王道。なんだけど全然飽きさせないのは、往年のホラー映画のいろんなところを頂戴しまくっているというのもそうなんだろうけど、それ以上に細やかな点でのヘンテコリンな配慮が抜群に面白い味付けになっているところにあると思う。最初の感染者のもういやがらせとしか思えないように血を吐きまくるとか、汚された車の掃除とか、セックスの後に男の大事なところに殺菌クリームかなんかを塗ってたりとか、みなさんのおっしゃるパンケーキ少年もそう。これで怖かったら言うことないんですけど・・。あと、エンディングが凄かった。ゾーッとするようなことが展開されてるんだけど、めちゃくちゃのどかに見せちゃってる。ハッピーエンドのノリで。ということで限りなく7点に近い6点。 
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-12 14:16:26)(良:1票)
305.  アウトブレイク 《ネタバレ》 
ウイルスやら怪獣やらをやっつけるために軍が町ごと消しちゃうってのはもうお決まりのパターンとして登場するのだが、この作品の公開当時ではお決まりというほどではなかったし、いきなり冒頭部で前触れ無しにアフリカの村を焼き尽くすというシーンを持ってきて観客に軍の非情っぷりを見せつけているのが功を奏し、なかなかどうして、ドキドキと楽しませてくれる。ご都合主義に走るのはハリウッドのお約束なんだし別にいいのだが、でもたしかにこの終盤の展開はちょいとやりすぎ。山に放した野生の猿が早々に見つかるのもアレだが、その前に宿主が猿だと判明する過程がご都合主義に過ぎる。ムリヤリな見せ場としてのヘリの攻防戦はまあいい、というかけっこう気に入っている。爆撃の阻止と指揮官拘束というご都合主義は許せる、というかむしろ天晴れ。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-10 14:50:59)
306.  アイ・アム・レジェンド 《ネタバレ》 
『28日後... 』がゾンビではなく未知のウイルス感染者であったことを現実的に語ったように、この作品は吸血鬼ではなく未知のウイルス感染者であることを現実的に語る。辻褄を合わせることを要求する観客に映画が応えようとすればするほど映画は窮屈で面白くなくなってゆく。しかし『アイ・アム・レジェンド』は主人公がニューヨークに一人残された状態から始めて、それ以前を極力見せず、ニューヨークから脱出することもなくそこで全てを片付けてしまうという、言わば凝縮された瞬間だけを切り取って見せることで映画としての面白さを持とうとする。だが、正直そんなに面白くならない。面白いけど思ったほど面白くならない。ひとつには途中参加の親子の重要なわりに掴みどころのないキャラがある。ひとつには先に書いた現実的であることに縛られたゆえのもの。あともうひとつはよく出来たCG。冒頭の人間のいなくなった都会の殺伐とした風景は素晴らしいし、そこで鹿狩りってのがまたいいのだが、鹿が走り出した途端に作り物っぽくなる。動きが微妙に俊敏に過ぎるように思う。そんな些細なことって思うかもしれないけど、これは感染者の動きにも言えることで、あの素早い動きが、本物らしく見せるためのごまかしにしか見えないんです。犬を探しに入った倉庫にまだこちらに気付かない感染者たちが映されたときの恐怖感はなかなかで、超絶パワーを見せ付けるよりもただじっと立ってるほうが断然怖いのは一目瞭然であることを証明している。理由をこじつけなきゃならないし、見せなくてもいいものを見せなきゃならないし、ハリウッドも大変である。
[DVD(字幕)] 5点(2008-09-09 15:38:06)(良:1票)
307.  バイオハザードIII
お話自体はよく出来てると思うし面白いとも思うんだけど、もっとなんとかならんかったのか。まず主人公以外のキャラがけっこうおいしそうな役を持って登場するんだけど、全然薄い。薄いままに消えてゆく。アリス以外の名前なんて無いに等しい。前作で見せた「廃墟と化した街」ってのはすごく絵になるなあと思ってたんだけど、砂漠と化したラスベガスってのは確かにラスベガスは砂漠の上に造った街だったと再認識するだけで全然絵にならん。ルクソールのスフィンクスやパリスのエッフェル塔がポツンとあるだけでラスベガスってのもなんだかショボイ。お揃いの衣装を着た凶暴ゾンビ軍団(どうやって着せた?)は笑ったけど、そこで見せる怒涛のアクションが全然盛り上がらん。なんというか、、もっと弾けてほしい。
[DVD(字幕)] 3点(2008-09-03 12:13:34)
308.  ローズ 《ネタバレ》 
これはもうベット・ミドラーが凄い、ただそれだけの映画。パワフルに歌う半面あまりに弱い女。ベット・ミドラーの独壇場。ドラマ上でけっこう重要な役を担う人物もちらほらいるのだが、みんな負けてる。全然負けてる。なのにそんなことお構いなしに突っ走り、ステージでぶっ倒れるまでを力技で見せきる。ローズがいかにスーパースターなのかをベット・ミドラーの資質で見せる。ローズの弱さや孤独をベット・ミドラーの演技で見せる。ベット・ミドラーにおんぶにだっこの映画だが、軽々とおんぶにだっこしてしまってる。ロックだ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-08-28 12:13:57)
309.  ドリームガールズ(2006)
どうでもいい映画だろうなと思ったら案の定どうでもいい映画だった。いや、それ以下か。そりゃ、エディ・マーフィー凄い!歌もめちゃうま!とかビヨンセってこんなにキレイだったのか!とかそういう映画からちょっとはなれたところの驚きはじゅうぶんあったし、いちいちダイアナ・ロスが頭にちらつきながらの鑑賞もなんともいえない感慨をもたらしてはくれたものの、盛り上がらんというか感動が無いというか。音楽の醍醐味はあるけどミュージカルの醍醐味は無い。だいたい生で素晴らしいパフォーマンスを見せれる人たちをこんなに細切れの加工しまくりの映像で見せちゃうのってめちゃくちゃもったいない。パフォーマンスはそれぞれに素晴らしいけど俳優たちそれぞれの魅力は映されない。アップでビヨンセの顔をとらえたらもっとしっかりきっちり映し続けてほしい。画面がパッパッパと変わるの早い。あと、これは評価とは関係ないけど、私の思うところのモータウン・サウンドとちょっと違うんだな。ま、でもハリウッドにしか作り得ない煌びやかさはある。それは認める。
[DVD(字幕)] 4点(2008-08-26 14:10:19)
310.  クジョー 《ネタバレ》 
あえて「浮気」が描かれていることからもこの理不尽な恐怖の出来事はデ・パルマの『殺しのドレス』同様に浮気に対する罰と位置づけられるような気がするんだけど、子供が巻き添えとなっているという部分で、どうにものほほんとスリルを楽しむ雰囲気にはなれなかった。『シークレット・ウインドウ』にしたって『ショーシャンクの空に』にしたって浮気をした女には必ず罰が与えられているが、これはキングというよりもアメリカ特有のものなんだろうか。それとも襲われる人間は男よりも女のほうが興奮するというか、様になるというか、ただそれだとあまりに理不尽すぎるので襲われる側になんらかの不正を行わせるのだろうか。などと考えるような映画ではないかもしれんが・・。でも実際この作品に浮気のシーンはべつにいらんでしょ。 それにしても子供の泣き叫ぶシーンの迫真性といったら、マジで泣いてない?これ演技?とそこばっかり気になってしょうがなかった。車の中でどうにもしようがない状態が長く続き、当然ながら子供が脱水状態となる様が痛々しかったのだが、もうちょっと、いつ襲ってくるのかわからん恐怖感とか緊迫感とか欲しかったような。
[DVD(字幕)] 5点(2008-08-22 17:52:42)
311.  黙秘
過去の事件の真相が今の事件を通して判明してゆくと同時に、母と娘の苦悩をも浮かび上がらせ、ラストに両方を開放させてしまうという素晴らしいストーリーなのだが、この苦悩の部分がけっこうヘビーなためか全体的に暗い。苦悩の根本は過去にあるのに過去のシーンよりも現代のシーンが暗く描かれているので余計にそう感じる。現代のシーンにおいての母のポンポンと出る憎まれ口に見られる痛快さがネガティブなイメージとうまく折り合っていて全体の暗い流れの中にユーモアを与えていたと思うので、この辺の痛快さをもっと強調してくれればもっとバランスのとれた娯楽映画になったような気がする。回想シーンへの導入部が実に解かりやすくストーリーに没頭できるのは良いのだが、その解かりやすいことに貢献しているだろう光の度合いの変化が妙にチープ感を出してしまっているような気もしないでもない。ストーリーもその見せ方もうまいなあと思うんだけど、先に書いたユーモアだとか画の重厚感だとか感情を盛り上げるための何かとか、ストーリーとは関係の無いところで細々としたものが欠けているという印象。
[DVD(字幕)] 5点(2008-08-21 13:30:30)
312.  ドリームキャッチャー 《ネタバレ》 
えらいお話が散漫なんだけどそれなりに楽しめた。冒頭に4人の男たちが少年時代のあることを切欠に持ってしまった特別な力のために苦悩する姿が映され、興味をそそるなかなかの序章となっていると思ったが、その後のお話のむちゃくちゃな方向転換からすると、この序章はかなりくどい。だいたい結局4人も必要無かったし。未知の生物の出現後の唐突なエイリアン登場は面白い。頭パーン!は笑った。ここに4人の男たち以外にエイリアン壊滅に血肉を注いできた特殊部隊の大佐というのが登場するが、この人が狂ってる。特殊部隊とやらが登場するのはいいが、狂ってることでさらなるドラマを見せるから余計に散漫になる。「記憶の部屋」の映像化がしょぼいなりにも面白く、ここでのエイリアンとの戦いを最大の見せ場に持ってくるのが妥当だと思うが、中途半端な見せ場を多く持っているため印象薄し。中盤にあった狂った大佐の総攻撃が見た目かなりド派手なのに対し、クライマックスはけっこう地味。いちいち肩透かしをくらわせる侮れない映画。
[DVD(字幕)] 5点(2008-08-20 13:11:45)
313.  シークレット ウインドウ 《ネタバレ》 
『恐怖のメロディ』を彷彿させるように湖から湖畔の屋敷へと流れるように見せてゆき、そのまま窓が映されたかと思うと窓を通ってソファーで眠るジョニー・デップをとらえるというヒッチコックに目配せしたような演出が、けしてイーストウッドほどの安定感もなければヒッチコックほどの驚きもないのだが、なかなかオープニングから楽しませてくれるではないかと期待が膨らむ。が、お話がしょぼい。そのうえ一応サイコサスペンスなんだろうが、全くドキドキしない。おそらくジョニー・デップがキマリすぎなのだ。寝癖全開の頭に小汚いガウンがここまでキマッテしまうのも凄いが、その凄さが映画に勝ってしまっている。ジョン・タートゥーロと役を入れ替えたほうがいいと思う。ブラビ主演の二重人格映画じゃないけど男前はやっぱり虚構のほうが合ってる。
[DVD(字幕)] 5点(2008-08-19 12:24:47)
314.  ミスト 《ネタバレ》 
オチがダメなんじゃなくて、オチが許せない。観た直後なら0点付けてた。一面が見渡せるガラス張りのスーパーマーケットに閉じ込められるという展開が絶妙なシチュエーションで、映画という異次元の世界のポスターを描いてる主人公がまさに異次元の住人たちをガラス越しに見ることになるのだが、蛸の足のような、または食指のようなものをいきなり見せられた時点でちょっとガッカリ。それでもその後のイケイケなモンスターパニック路線に興奮。異次元の住人たちってただデカイだけかよ!とか思ったりもしながら、そのいかにもB級なノリも悪くない。ダラボンやるじゃん。と思ってたらこのオチ。最悪。原作は違う結末らしいが、仮に書籍でこの映画の結末をするならべつにいいです。問題なしです。たぶんこの後味の悪さを堪能できる。でも映画ではできない。映画と書籍の違いがここにある。ストーリーをひたすら追いかけてゆくという鑑賞ができる人なら問題無いかもしれないし、むしろ急転直下ともいえるこのオチこそを堪能できるだろう。でも映画は、映像は、本来、文字ほどストーリーを明確には語れないゆえに常に観る者の(それこそ十人十色の)想像力との共同作業で「世界」を作り上げてゆく。それゆえに疑似体験度は大きい。私の場合は子供がいるので特に後味最悪に感じたのかもしれない。でもたんに後味が悪いからダメってことだけじゃなく(後味の悪い映画は山ほどある)、その後味の悪さが、現実を、あるいは本質を描くための必然としての後味の悪さなんかじゃなく、たんに後味の悪さを狙ったものでしかないという悪意にも似た戦略からくるものだから許せないのだ。 ちなみに超ネタバレだが、自らの子を殺すから最悪なのではなく、そのあまりにも悲しい結末をチャンチャン♪的な結末にしてしまうから最悪なのだ。
[映画館(字幕)] 1点(2008-08-18 16:53:26)(良:2票)
315.  プラネット・テラー in グラインドハウス
大袈裟に飛び散る血、意味無くセクシー、堂々としたパクリストーリー、低予算B級映画群・グラインドハウスを模した2本立ての1本。なんだけどロドリゲスの映画は元来このグラインドハウス系なのでタランティーノ版ほどのパロディじみた面白さを感じなかったんだけど(1巻紛失は絶妙のタイミング!)、それでもさすがは得意分野だけあってあいかわらずビッチ系キレイなお姉さんがすこぶるセクシー。ローズ・マッゴーワンはこの世界でこそ活きる女優なのだと妙に納得。赤のマッゴーワンに対し、青のマーリー・シェルトンというのは『バイオハザードII』の引用?違うか。とにかくこの二人がサイコー。マシンガンは言わずもがなで、その前の棒切れの足もかなりイケてる。生きてゆくうえで必要のない無駄な取り柄がこの二人によって生き抜くために最も必要な取り柄となってゆくのが爽快。映画が最後に必要とするものは教養や道徳なんかじゃなく、「見た目」なのだ。人生に無駄だと思われたブリッジが、注射器さばきがひたすら美しい。
[映画館(字幕)] 7点(2008-08-12 11:12:15)(良:2票)
316.  デス・プルーフ in グラインドハウス
公開直後からいろんなところで(ここでも)ダラダラと続く会話がうっとうしいみたいなこと言われてたんだけど、どの会話のことか全然分からず、でも言われてみるとたしかに前半のクライマックスまでは会話が多かったんだけど、たぶん私は会話をほとんど聞いていなかったので気にならなかったのだろうと思われる。それほどに60年代あたりの映画のクレジットの出し方や古びたフィルムの模写ぶりなんかをニコニコしながら堪能していたということなんだと思う。そしてグラインドハウスムービーの真骨頂としての無駄にセクシー、過剰にバイオレンスなシーンがわざとらしく配置されるが、そのわざとらしさが巧い。そして計画的に作られたとは到底思えないアホアホなエンディングに度肝を抜かれる。2本立て映画の片割れ『プラネット・テラー』との、というかロドリゲスとの差異を最もわかりやすく見せているのがカーアクションのシーン。元来からCGをうまく映画に取り入れ、デジタルの可能性を念頭に置くロドリゲスに対し、タランティーノは頑なにフィルムの可能性を信じている人。CGにはCGの良さがあるが、生には生の良さがある。「迫力」とかそんなことじゃなく。路面に反応する揺れ、ジャンプしたときのサスペンションの撓み、着地したときの砂埃。生には生の良さがある。本人たちはグラインドハウスムービーを模して遊んでいるだけなのかもしれないが、この映画には間違いなく映画の醍醐味というものがある。
[映画館(字幕)] 7点(2008-08-11 16:15:08)(良:2票)
317.  カポーティ
この映画を見る限りカポーティは犯人、中でもペリー・スミスに興味を持っているようにみえてしまうのだが、「冷血」を読むと、作者の興味は犯人ではなく事件そのものであり、事件にまつわる全てのことに異様な執着を持っていたことがうかがえる(ような気がした)。そうでなきゃ被害者の生前の描写や事件前と事件後の街の描写をあんなにも明確に(頭の中に画が浮かぶくらい)文章で魅せてしまうなんてことは不可能。そのあたりの私の思い込み(?)のせいで、「作家と犯人」という構図自体になんだかサイコスリラーものによくある「犯人に同化してゆく捜査官」みたいな安っぽさを感じてしまった。興味の的はともかく、たしかにカポーティのまるで子供のような、あるいは乙女チックな興味の抱き方は妙に納得。フィリップ・シーモア・ホフマンが実際どこまでカポーティにそっくりなのかは知らないし、似ていようが似ていまいが映画には関係の無いことではあるのだが、あの独特のしゃべり方が悲惨な殺人事件に興味を抱くという反倫理的な無邪気さを表現するのに一役買っていたのは間違いないと思う。迷作(私は好きですけど)『悪魔をやっつけろ』の撮影秘話は嬉しい反面、とってつけた感がありあり。
[DVD(字幕)] 5点(2008-08-08 17:56:50)
318.  夜になるまえに
キューバ革命が反米の象徴として語られることが多いから、革命の別の視点が描かれているという点では興味深いところもあるんだけど、一人の作家の一生を描くにあたってあまりにもマジメというか、あまりにも本当っぽいというか。もちろん本当のお話なんだろうけども、細かいエピソードにおいて例えばそれらが本当であろうが嘘であろうがどうでもいいんだけど、どっちにしてももっと嘘を見せて欲しい。嘘と言ったら語弊があるか、もっと幻想的に描くとか詩的に描くとか荒唐無稽な描写を入れるとか回想シーンをありえない世界観で描いちゃうとかストーリーを絞ってもっとドラマチックにしちゃうとか。主人公が芸術に生きる人なんだから尚更。好みの問題だとも思うんだけど。どうも「伝記」って苦手。
[DVD(字幕)] 4点(2008-08-06 13:12:07)
319.  氷の微笑2
前作の悪女なのかそれともそう思われてるだけの実はか弱い女なのかわからないという設定とは違い、あきらかな悪女として描かれる続編はそれだけで損をしてしまっている。そんな劣勢の中でシナリオはそこそこ頑張っている。シャロン・ストーンの容姿はギリギリセーフ、というか実年齢から考えればこれもよく頑張ってる。ただ、ここにきてまだシャロン・ストーンのお色気を画的に前面に押し出してくるのはちとキツイ。ネタばらしもちとくどいかな。
[DVD(字幕)] 4点(2008-08-05 12:16:17)
320.  恋は邪魔者
これ観たのが某レンタル屋で新作か準新作かって時なのでずいぶん前になるのだが、『メリーに首ったけ』『キューティ・ブロンド』などに続くプリティ・ピンク・シリーズと銘打った作品で、このシリーズはたいていヨメさんのリクエストで借りているんだけど、あんまり印象に残っていない。他のシリーズ作品と比べると毛色が違う。おバカさが無い。レニーがとにかく可愛くないなあと思って観ていたのはよく覚えていて、でも『キューティ・ブロンド』でもそうなのだが、観ているうちにだんだんその可愛くなさが味になってくるんだけど、ちょっとキャラが作りこみすぎた感があって苦手かも。ミュージカルのようなオーバーアクトは作品の世界に合ってたし、サスペンス映画なみの凝ったカラクリもそれなりに楽しかったが、こういうところに凝るとどうしても作品としての印象が薄れてしまうのがもったいない。
[DVD(字幕)] 5点(2008-08-04 16:06:42)
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