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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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321.  JUNO/ジュノ
16歳で妊娠してしまった女の子の物語ではあるのだが、本人が悩むには悩むのだがそれほど深刻に悩むタイプではなさそうで、まわりも意外と淡白な反応で、だから終始明るいノリで映画は進んでゆくのだが、終わってみれば16歳で妊娠してしまったってことは映画の中でも実は然程重要なことではなく、ある女の子が「好き」「愛する」ってどういうことなのかという素朴な、それでいて重要な問いに答を見出すという実にシンプルな青春恋愛ストーリーで、妊娠は過酷な状況でも明るさを失わずに突き進んだ女の子を演出するためのものでしかなかった。もちろんそれはそれでいいのだが、それにしては妊娠にまつわる交々が大勢を占めているのが不満。もし十代の妊娠を描きたかったのだとしたら明るく元気でというアプローチには全く問題はないが、もっともっと命の尊さを真剣に描く側面が欲しい。ようするにどっちにしても多少の不満が残る。ジュノのキャラは若い世代の自然体みたいなこと言われてるけれど、あんなに返しの言葉がポンポン出てくるのはそうとうに頭が良いわけで、あきらかに面白おかしく装飾されたキャラだと思うのだが、誰が見たって装飾されたキャラだとはっきりわかるくらいにもっと極端なキャラにしてくれても面白かったと思う。ジュノのキャラが映画の魅力のほとんどなんだし。
[映画館(字幕)] 5点(2008-07-28 15:29:23)(良:1票)
322.  マリー・アントワネット(2006)
ソフィア・コッポラが女性をキュートに撮ることのできる監督であることは『ヴァージン・スーサイズ 』と『スパイダーマン』シリーズのキルスティン・ダンストを見比べればよくわかると思うが、この『マリー・アントワネット』がとどめをさしてます。ただ、『ヴァージン・スーサイズ 』がそうだったようにいかにも写真家さんらしい画の中でのキュートさであり、キルスティンの困った顔も可愛い笑顔もあきれた顔もそのカットごとのキレイさとかキュートさとかは巧く撮れているのにそこからの拡がりがないというか、ただキュートなだけ、ただ可愛いだけという感じ。もちろんその、「ただ可愛いだけ」を撮るのには彼女の写真家として培われたであろう例えば顔に当てる光の角度とか強さとか色とか、あるいは化粧とかカメラの場所とか一瞬の表情を導く信頼関係の作り方とかそれを見逃さない臭覚だとかという技術と感性の賜物であってやっぱりこれも才能なのだとは思う。その才能と映画がうまく結びつけば面白いものが出来るんじゃないだろうかとデビュー作『ヴァージン・スーサイズ 』は思わせてくれたのだが、まだ映画ではなくキレイな画で終わっている。しかも、お菓子を美味しく見せるまさに写真のような画の挿入を見るに、デビュー作よりも写真の世界に近づいてるような気が・・。でもキュートな女の子が好きだからもう少し様子を見よう。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-07 17:58:23)
323.  コンドル(1975)
初めて観たときのことをよく覚えている。小学生のときで土曜日の午後。学校から帰るとテレビで吉本新喜劇を見ながら土曜日の昼ご飯定番のお好み焼きかたこ焼きか焼きそばか焼き飯が出来るのを待つ。食べ終わったら即外に遊びにゆく。ただ、この日はグダグダとしてるうちにテレビで映画をやりはじめた。それが『コンドル』。すでに『明日に向かって撃て!』でレッドフォードのファンだったのもあってついつい見始めてしまったのだが、すぐに遊びに行くつもりでテレビの前で座らずに見ていた。遊びに行きたいけどテレビから目が離せないというジレンマ。結局最後まで立ったまま見終えた。サスペンスへの目覚めだったのかも。後々に見直したときに、あぁ、そういうことだったのか!と主人公の狙われる理由に納得したものだったが、はっきり言ってそんなのどうでもいいってくらいにドキドキさせてくれる。サスペンスでそこをないがしろにしたって面白いと思えるのは、たんに私にとっての特別な映画だというだけのことなのだろうか。ちょっとした小物の使い方とか冬の乾いた空気と濡れた路面のコントラストとか事務所襲撃シーンに代表される音の使い方とか魅力的な演出も多いんだけど、この作品の最大の魅力は、いかにも70年代らしいかもしれないけど俳優の魅力を最大限に見せているということだと思う。中でもマックス・フォン・シドーはやばいくらいの当たり役。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-04 14:36:50)
324.  ボーン・アルティメイタム 《ネタバレ》 
「1」も面白かったし「2」はさらに楽しめたので「3」への期待はそこそこに膨らんでいたのですが、大枠では期待は裏切られませんでした。とくにボーンは常に姿を現さず(見せず)に、しかし全てを見ているという、世界各国の背景を活かしながらのロングショットがこの「3」でも健在で(駅のシーン)見ている間にも期待値はどんどん上がってゆく。シリーズ通して多用される「何かを見る目を一瞬映しすぐあとに見られるターゲットなり次の行動なりを映すという短いカットの応酬もキマリまくり。ただ、カーアクションや格闘シーンの短いカットの応酬と揺れる画像もまた「2」よりも数段パワーアップしており、これはちょっとやり過ぎに感じた。ぶっちゃけ怒涛のアクションシーンなのに見てる途中から飽きてきた始末。それでもそんなマイナスを吹っ飛ばしてくれたのがエンディングのかっこよさ。海に浮かぶ体の影。テレビで伝えられる行方不明。それを聞いて笑顔になる女の顔。そして浮かぶ影が・・。もうわかってるんです。どうなるかは。わかりきったシーンをじっと待ってるこちらをじゅうぶんにじらせてそのシーンに持っていくその長すぎず短すぎない完璧な間の使い方が最高。拍手しそうになりました。
[映画館(字幕)] 6点(2008-07-03 13:04:34)
325.  シリアナ 《ネタバレ》 
石油メジャーの利権、延いては国家の利権のために他国の政治に介入するどころか暗殺までしてしまうアメリカ。CIAの暴露本を元にしたフィクションは複雑な社会情勢やCIA内部の繊細な描写によって、またニュースフィルムばりのロングショットを効果的に使うことで実話っぽく語られてゆく。だからこそ暗殺が実行されたときの衝撃はインパクトがある。しかも奥さんと子供たちが犠牲になることでたかだかゼニのために非道な手段を行使するアメリカがひたすら憎憎しく思えてならない(フィクションですけど)。また間接的な弊害として生まれるテロという泥沼の構図も本来もっと複雑であるものをわりとわかりやすく見せていると思う。デイモンもアナリストとしての利権が前提として登場するが資本主義社会の中でのギリギリのアメリカの良心的存在としてアメリカ(国民)を擁護する。が、ここのドラマがちとシツコイ。デイモンの家族のいろいろ、中でも子供の死はなんの効果を狙ってるのか。それがあったから王子と特別な関係を持つことができたという設定なのだが、それだけで死なせてしまうの? 国家テロ憎し!の効果を狙った王子一家暗殺は、悲しければ悲しいほどにシーンの意義があるってもんだが、相当の効果の無い子供の死は極力避けてもらいたい。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-02 16:45:04)
326.  リクルート 《ネタバレ》 
ナンパとナンパの阻止というのがどこまで訓練としての効果をあげるのかは知らないが、何が訓練で何が訓練じゃないのか混乱する主人公を生み出すための伏線としてはじゅうぶん効果があったと思う。そこで念には念をと、監禁ショーがあるのだが、これを原因に落選させること自体にムリがあるし(主人公にしかこのテストはされていない)ここまで極めつけの「騙し」を早々にしてしまったら、この後は騙されないようにどうしたって身構えちゃうもんだからよっぽどキレイに騙してくれないと納得できなくなってくる。で、実際ごくありきたりなどんでん返し。その発覚と解決の仕方も強引。冷戦を生きたエージェントと冷戦終結後のエージェントでは仕事の中身も大きく変わってくるだろう。時代の流れと組織の変貌によって生まれる歪みというものが、もの悲しく描写されてたりすると、この結末も大いに感慨深いものになっただろうけど、如何せん、作り手は騙すことだけしか考えていない。
[DVD(字幕)] 4点(2008-07-01 14:09:22)
327.  グッド・シェパード
わかりづらいと言われる時の流れはマット・デイモンのかける眼鏡の形状によってなんとかクリアした。場面が変わるごとにまず眼鏡を見てしまう羽目になったが、そのおかげでレンズを通したデイモンの目の大きさから、けっこうな度の入ったレンズであることがわかる。これも演出なのだろうか。なりきり俳優の頂点にいる人が監督だからついついそんなことを考えながら見た。3時間弱という長尺ながらギリギリだれずに見せきったのは良かったが、盛り上がりそうで盛り上がらない展開に欲求不満。軸はある計画の失敗の原因は何かというサスペンスだったのだが、サスペンスよりも背景に魅力がありすぎて、どうしてもその背景に目が行くのだが、しょせんは背景ゆえにそこは多く語らない。でも全然語らないわけじゃないので欲求不満に感じてしまう。背景というのはまさしくCIAのこと。CIAの前身となる機関の性格の描かれ方がせっかく面白いのにこの組織がどう力をつけていったのかという興味をそそる部分がうやむやにされている。CIAの必要性を加速させたはずの米ソ冷戦期の時代背景もある程度の知識が無いと面白さを欠くだろう。敵対するスパイとのライバル同士特有の特別な関係がドラマを盛り上げるのかと思ったら思いっきり肩透かしをくらう。さらに恋愛ドラマや家族ドラマまで入れちゃってるから本筋まで置いてけぼり状態のときもあった。もうちょいと何かを捨てて何かに絞ってくれないと。
[DVD(字幕)] 5点(2008-06-30 18:36:33)
328.  イースタン・プロミス 《ネタバレ》 
クローネンバーグの他の作品のレビューでも書いたが彼の作品の主人公はいつも二つの世界を生きる。そこから本当の自分を見出してゆく。ガラッと作風を変えてきた前作の『ヒストリー・オブ・バイオレンス』でも自らを偽り、過去と決別した人生を作り出していた。今回は病院勤務の女がひょんなことから暗黒の世界とこちら側を行き来する物語なのかと最初思って観ていたのだが、どうやら違っていた。体に墨を入れ、素っ裸の男が自分を殺しに来た男たちを返り討ちにする。その壮絶な格闘の末に気付く。偽っていたはずの二つ目の世界にこそに自分の真の姿を見出さずにはおれない刹那!クローネンバーグのテーマはここでも全くぶれなかった。そのうえで『ヒストリー・オブ・バイオレンス』がアメリカの西部劇のプロットを借りていたのに対し、この『イースタン・プロミス』は日本の仁侠映画のプロットを借りている。面白くないわけがない。次は何を持ってくるのか。だいたいこういうのは3つ続くことが多い。
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-25 11:02:45)(良:1票)
329.  シューテム・アップ
こりゃ、たまらん。銃撃戦のてんこ盛り。『トゥモロー・ワールド』に続いてまたしても赤ちゃんに翻弄されるクライヴ・オーウェンが終始難しい顔をしながらひたすらかっこよくむちゃくちゃハードボイルドで強烈にスタイリッシュなガンアクションをキメまくる。なのにそこには常に「おバカ」がある。こんなにも「おバカ」と「かっこよさ」が同居してしまっていいのだろうか。これでもかってくらいにいろんな銃撃戦がある。「かっこいいー!」と「んなアホな!」を同時に言葉にしたいのだが口がひとつなので「んなアホな!」になってしまうのが心苦しい。車を正面衝突させるのになんでシートベルトをはずすんだろう(咄嗟に『ペイバック』の正面衝突シーンでのメル・ギブソンのマウスピースを思い出した)と思ったら、おいおいおいおい。そう来ますか。大笑い。あと、銃撃戦のオンパレードなので当然人がガンガン死にます。この映画のおかしなところはかっこいい銃撃戦のあとにはちゃんと死体を映しているところ。ふつう映さんでしょ、この手の映画は。でも死体の処理までわざわざ描く。空中での銃撃戦の後の死体にはあきれてしまった(そこまで徹底しますか!)。たまたま『ランボー 最後の戦場』のすぐ後に観たんだけどどちらも徹底的に人が殺されまくるのにその「暴力」の描き方が対極。あえてその残酷さを強調する「ランボー」に対し、マンガチックに、いわば死を軽んじたような描き方。でも死体をしつこく映し続けるってのがミソ。たんなるファッションでもたんなる「おバカ」でもなくシニカルな後味という深い味わいまで持つ特異な「おバカ映画」。サイコー!
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-24 11:48:33)(良:4票)
330.  トゥモロー・ワールド 《ネタバレ》 
この作品を面白くないと言われる方のレビューを読んでなるほどなるほどと思えるところもあるんだけど、やっぱり擁護したい。子供が地球上にいないということがどんなに絶望的なことか。数十年で人類が滅びるということがどういうことか。学校も公園も子供の笑う声も無い世界がどんなものか。映画は映画なりにそのことを描こうとしている。でもあまりにも突飛で、その反面現実的すぎて想像しにくいだけなのだと思う。もっともっと想像力を駆使してこの作品の世界に浸ってほしい。どうして命懸けで赤子を守ろうとするのか。それは赤子が貴重だから?たしかにこの世界での赤子の命は貴重という次元を超えている。しかし人は簡単には何かのために自らの死を覚悟しない。主人公は自分の子供をインフルエンザで亡くしている。その事を主人公の父は、信念を持って生きていたが運命に負けたと評する。主人公は自分の子供のためにできなかったことを必死でしようとしているだけなのだ。信念が運命に打ち勝つように。別れた妻も同じだったに違いない。ヒューマンプロジェクトは全世界でイギリスだけがかろうじて政府組織が存在するという危ない世界で、しかもその政府が政府を維持するためにしか機能していない状態だからこそ、国家ではなく人類のことを考える組織が存在する可能性はある。以上、設定やストーリー自体への擁護をしてみました。圧巻と言われる長回しは冒頭の爆破シーンが一番良かった。車が襲われるシーンや銃撃戦のシーンは、おそらくカットを割ったほうが良かったかもしれないが、こういうお遊びと言ったら失礼だろうが、出演者、スタッフらが力を合わせて行っただろう撮影風景を想像すると楽しくなってくる。絶賛は出来なくても応援はしたいと思わせたのはこの長回しのせいだと思う。ラストは暗転後に子供たちの笑い声が響き、エンディング曲が全て終わったあと、もう一度子供たちの笑い声を入れて締める。全編が暗い世界観で占められた世界を少し明るくしてくれた。そしてなにより、なんの説明もないトゥモロー号が紛れもなく希望の光だったのだと教えてくれた。
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-23 16:07:59)
331.  スコルピオンの恋まじない
もう見るからにおじいちゃんになっちゃって役柄的にもかなりムリがあるのは一目瞭然なんだけど、観ているうちにそんなことどうでもよくなっちゃう。たしかにもう少し若い役者で演ってくれたら冒頭でこのような戸惑いを覚えることなくスムースに作品の世界に入ってゆけたかもしれないけど、あくまで入り方だけで、入ってしまえば関係ない。むしろ全編溢れる自虐トークをここまで嫌悪感を抱かず安心して見ていられるのはアレンだからこそ。もともとお得意の自虐ネタも熟練の技の域に達した感がある。アレンの早口、セリフの間、表情、どれもが完璧。この人は一流のコメディアンなのだと再認識。王道のシナリオも安心感を増す。これは楽しい。
[DVD(字幕)] 7点(2008-06-18 14:47:53)
332.  愛しのローズマリー
自分が好きならそれでいい。人がなんと言おうと。そんな純粋で当たり前で今さらなハッピーエンドを空々しくやってのけられるのは今やファレリー兄弟くらいしかいない。そこに落とすにはそれまでのドラマはちょっとずれてるようで、何人かの方が書いておられるように外見に対する差別が前提としてあるので不快感のほうが勝ってしまう人もいるようです。私も不快感とまではいかないまでも解せんなという思いはありました。だいたい心が美しいってどういうことよ。でも、これはファレリー兄弟の映画ということを忘れてはならない。動物虐待、身体障害者差別をギャグにしてしまう明け透けな兄弟だから、このデブとかブスという身体的特徴による差別を堂々とギャグにしてしまうのは明らかな確信犯。だからそこを突っ込むよりもむしろ差別をあけっぴろげにしながらハートウォーミングに仕上げてしまうというファレリー兄弟の悪魔的視点とそれをあくまで「おバカ」で包んでしまうクレバーさを賞賛しよう。5点だけど。個人的にはもうちょいと下品に仕上げてくれてもよかったと思ってる。
[DVD(字幕)] 5点(2008-06-17 16:11:55)
333.  ブラック・スネーク・モーン
筋骨隆々の黒人に鎖で繋がれる白人女。しかもアメリカ南部で。なんともエロくもあり意味深でもある。みなさんがおっしゃるようにけしてエッチな方向へは行かないのだが、画づらがインパクトあり。白人女の鎖が取り払われても彼女には簡単には払えぬ過去の呪縛がある。その目に見えぬ鎖は彼女を救おうとする黒人男にも彼女と共に生きようとする白人男にも存在する。奴隷としてアメリカにやってきたアフリカ系黒人たちが生み出したブルースがその見えない鎖を断ち切るのではなく、見えない鎖への怒りを表明する。なにも問題は解決しない。でも怒りを表明することで鎖の存在(現実)を認め、前を見る自分たち、立ち向かう自分たち、人生を捨てない自分たちを鼓舞するのだ。さまざまな問題が多岐にわたってありすぎる気もするし、黒人男の抱える問題のぼかしかたも消化不良感が残るけど、クリスティーナ・リッチの下品でナイスなボディが拝めるのでまあ良し。それにしてもリッチ嬢、ポチャポチャだったのに、いつのまにあんな体に!ダイエットとか鍛えたとかとはレベルが違うというか、別人の体になってる。
[DVD(字幕)] 6点(2008-06-13 10:55:48)
334.  ミザリー
キャシー・ベイツのキレたところよりも優しさの中に自己中心的な性質を内包させた絶妙な演技が素晴らしい。同じキング原作で同じく雪深く人里離れた場所を舞台とした『シャイニング』とは恐怖の質が異なり、キューブリックは狂気を描きロブ・ライナーは狂人を描いている。そこに、より現実的な恐怖を感じると同時につまらなさを感じたりする。ヒッチコック映画、とくに『サイコ』を彷彿させるシチュエーションが多々あるが、ここでも例えばデ・パルマのようなお遊びはせず、ひたすら成功法でくる。破綻などない。よく出来た作品だと思う。田舎の老保安官夫婦のユーモア溢れるやりとりを入れることでちょっとした和やかな間を作っているのも実にソツのない演出。でも個人的にはなんか物足りない。
[DVD(字幕)] 6点(2008-06-12 14:14:50)
335.  キャプティビティ 《ネタバレ》 
この映画の予告編でけっこう魅力的なシーンがあって、その一つは窓から見える南国の風景だと思ったらノイズが走って、つまり画像であって、コンクリートむき出しの壁になるというシーンなんだけど、その風景を見せる意味というか前後に興味が沸いたのだが、実際にはただそのシーンがあるというだけのものだった。あと、ポスターなんかにもある砂時計シーン。ドライヤーの『吸血鬼』か『刑事ジョン・ブック/目撃者』か。いや、ディズニーの『アラジン』からの引用で実写で見せるとこんなに怖いんだよというシーンなのかとも思ったんだけど、これもなんだかなあ。全然怖くないよ。最近『フォーン・ブース』や『セルラー』でスピード感溢れるシナリオや設定そのもののアイディアが面白かったラリー・コーエンとは思えない意外性の無いスリラー。意外性が無いといってもこちらが思うだけで一応意外性を狙ってる節があるからイタイ。その狙ったであろう意外性のせいで怖さを半減させてしまっているから尚イタイ。
[DVD(字幕)] 4点(2008-06-11 13:44:35)
336.  ペイバック
メル・ギブソンの悪党っぷりが凄まじい。なのにその非情さを言い訳するように優しい面を見せたり(犬の傷の手当だとか裏切った妻とのグダグダしたやりとりとか)して、その痛快極まる悪党っぷりに水を差す。もったいない。そこんところ徹底してもらうと最高に面白いものになったんじゃないだろうか。チャイニーズ・マフィアがらみの銃撃戦(車の底から撃ちまくるやつ)のかっこよさ。そこに全く切羽詰った感の無いルーシー・リューがまたおもろすぎ。いや、ルーシー・リューは出てる全てのシーンがおもろい。あー、もったいない。あと後半の展開がご都合主義に走りすぎなのもちょっと残念。
[DVD(字幕)] 6点(2008-06-06 16:02:58)
337.  ミニミニ大作戦(2003) 《ネタバレ》 
地味なのか豪華なのかよくわからんキャスティングが絶妙といえば絶妙。それぞれが主役も張れるんだけど、どちらかというと脇で主役を食うタイプが勢ぞろいという感じ。ベニスの金塊強奪シーンがなかなか楽しくこのまま痛快で軽やかな展開が続くのかと思いきや仲間の裏切りといういきなりのどんでん返しが全然軽やかでも痛快でもなくズンと重たい雰囲気に。で、1年後というテロップ後はその重さが無かったかのような軽やかさを取り戻す。ここから復讐劇のはじまりはじまり~なのだが、師弟の絆だとか父娘の絆だとかというウジウジした展開があるにはあるんだけど全体としては軽やかさを維持しており、いかにもではあるけどもスタイリッシュなカーアクションを堪能できる。ただ、重ーいのがドーンとラストにきた。おいおい。オチだけノリが悪いよ。軽やかに殺しちゃおうよ(という言い方もどうかと思うが)。
[DVD(字幕)] 4点(2008-06-03 12:32:18)(良:1票)
338.  スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
『チャーリーとチョコレート工場』もそうだったが、これもビジュアル的にバートンぽいにすぎない作品。その美術センスは確かに独創性に富み、我々をひきつける力を持っていると思う。でも映画としてはかなり物足りない。「色」を抜き取ったかのような灰色の世界がファンタジーであることを強調しているのに、さらに虚構を強調するミュージカルにしたところでそこに感動は生まれない(それぞれの歌は良かったと思う)。また、灰色の世界はそれ自体は悪くないものの、光は常に一定で奥行きも感じられない。絵本を眺めているような感じ。加工されたそれぞれの画を写真にしてまとめれば、それこそ美しい写真集ができるだろう。結局バートンってビジュアルだけの人だったのだろうか。初期の作品はそれが新鮮だっただけなのだろうか。うむむ、、。どっちにしろもうバートンには過度の期待はしないほうがよさそうだ。
[映画館(字幕)] 4点(2008-05-30 15:14:48)
339.  ハンニバル・ライジング
『羊たちの沈黙』後のシリーズ全ての作品に言えるんだけど、作品の良し悪し以前に作品の存在自体が『羊たちの沈黙』をさらに楽しむために作られた解説書的なものになってしまっている。どれもが『羊たちの沈黙』ありきの作品で単品では楽しめないものばかりなのだ。そしてこの『ハンニバル・ライジング』だが、タイトルどおり、ハンニバル・レクターという狂人の起源が描かれる作品で、他の後続作品とは異なりはなから解説書的作品であることを大々的に言い放っている分、良心的といえるかもしれない。だから余計な期待を抱くことなくこの解説書的なお話を楽しむことができた。夜毎に幼少期の記憶であるところの妹が連れていかれる夢を見て深い眠りにつけないハンニバルは、『羊たちの沈黙』で、これまた幼少期の記憶であるところの撲殺される羊の鳴き声によって深い眠りにつけないクラリスそのまんまだ。トラウマに敏感に反応する後年のハンニバルの起源がここにある。レディ・ムラサキを卑猥な言葉で中傷する男を殺してしまう姿は、やはりクラリスに卑猥な言葉でなじった囚人への行為へと反復される。作品として物足りない点はシリーズで初めて主役を務めるハンニバルに匹敵するキャラが一人としていないこと。そしてもうひとつ、ここで描かれるハンニバルは結局のところ、天才ではあっても狂人ではないということ。これについては狂人のようには見えないということではなく、作り手も狂人前を描いているからということが最後に判るのだが。なぜなら狂人となるのは物語の最後、ある真実を告げられることによってである。次回作(がもしあるのなら)、期待はしないほうがいいに決まっているのだが、ちょっと期待してしまうではないか。
[DVD(字幕)] 5点(2008-05-29 15:10:14)(良:1票)
340.  アウトロー(1976) 《ネタバレ》 
いきなりの残酷シーン。そして復讐の鬼と化したイーストウッドが復讐のために南北戦争に参戦。というオープニングシーンもタイトルクレジット後はいきなり北軍に降伏。ここからまたしても残酷な展開とガトリング銃を使ったガンアクション後、今度は傷を負った若者との逃避行。このまま二人組の逃避行と復讐劇が展開されるのかと思ったら、若者あえなく死亡。と思ったら白人に土地を奪われた文明かぶれの老インディアンとのへんてこりんなコンビが誕生。と思ったら雇い主に虐げられていた女インディアンもついてきた。どこぞから野良犬までついてくる。さらに行商に捕まった態度のでかい老婆と可憐な孫娘も同行。『荒野のストレンジャー』かと思わせといて『ブロンコ・ビリー』な映画。レオーネっぽくもありシーゲルっぽくもある。家族を奪われた男がいつのまにか(擬似)家族に囲まれている。イーストウッドが家族を守るために出てゆこうとするように家族たちはイーストウッドを守るために戦う。真っ黒な唾を頭に吐きかけられて唸っていた犬も、「またかよ」ってな諦め顔になってゆく(ように見えるんだけど、笑)。詰め込んだ脚本も散漫さよりもイーストウッドの映画を2本観たようなお得感のほうが強い。よくまとまったなと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-28 16:40:01)
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