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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2012
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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321.  ディザスター・アーティスト 《ネタバレ》 
トミー・ウィソーは幸福な方へ倒れたエド・ウッドですね。共通してるのはあふれんばかりの映画創作愛と、それがハイスピードで空回りしちまってるトコ。 ラストで「ザ・ルーム」とのカットが並行して流れるのだけど、J・フランコがトミーを完コピしているのに驚きます。ひえ、つまりホントに実在したんだ、こんな奴が。 ホンは書けない、台詞は覚えられない、演出は無意味、と創作のセンスの欠片もないトミーにいかに周りが振り回されたか、が本作の見どころではありますけど、エドの時と同じように役者もスタッフも最後まで投げ出さずなんだかんだで駄作を作り上げたことに、ある種の愛すら感じてしまうのでした。おばあさん役の役者に問うシーンがあります。「なんでこんな仕事を引き受けたの?毎日80キロも運転してまで」に答えた彼女曰く「だって私は役者なんだもの」・・人は突き動かされてどうしてもそれをやる、止めがたい情熱があるのですねえ。 トミー・ウィソーはラッキーな人です。お金には不自由しないし、生きているうちに本作のような裏話映画まで作られて称賛されている。エド・ウッドにも同じ感動を与えてあげたかったなあ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-26 23:44:41)
322.  こわれゆく女 《ネタバレ》 
G・ローランズの神経症演技が鬼気迫るコワさなので世間は大いにどよめいたわけですが。わたしはメイベルを見ている間、既視感でいっぱいでした。この手の女の人は50年前に限らず、いつでもどこにでもけっこう居ますよね。ざっと思い出してみても、法事の場で突然小学生レベルの発言をして場を冷やす親戚のオバサン、役員会で反対意見を出されたら忽ち興奮して絶叫調になる園ママ、スーパーでカートを押しながらずっと自らの信条を大きめの声で独り言ちている中年女性、等々平均からズレている人にはけっこう遭遇してきました。だからメイベルは普遍的な社会の1ピース。そんなに特殊ではないと思うけれど、まあ周囲を困惑はさせますよね。 P・フォーク演じる夫は一般的あるいはそれ以上の「嫁には普通であってほしい」という願望の強い性格であったので、この二人ベストマッチではないと思います。もっと彼女に心を寄せて物事を見ていれば、子どもが裸で走っているのを見てもカッとならずに事態を正しく把握することもできたのです。実際子どもらは扮装ごっこの最中で楽しそうでしたよね?相手の親御さんはメイベルのノリについてゆけず迷惑してましたけど・・。 「なんでそんなに尻が大きいの?」などと言って人間社会を困惑させる人格。でも子どもらはママが好き。メイベルは生き辛さを抱えていても虐待親じゃないし、反社会的でもない。ゆるりと一息つけるラストが象徴するのは、メイベル「たち」のことを生暖かく見守る社会であれかし、という監督のメッセージにも思えました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-21 23:50:37)
323.  カーリー・スー 《ネタバレ》 
この手の"子ども上位モノ”は子役の出来いかんにかかります。賢さも器量も「大人顔負け」でなければならないし、かつ愛され要素として‟幼さ”も併せ持っていなければならない。さすがにハリウッドです 汲めども尽きぬ天才子役。次々輩出してきますねえ。その後のキャリアが大成したかどうかは別として、本作のアリサン・ポーターも見事な主演ぶりです。 演技論などを超えた彼らの天然演技は表情に嘘が無く、こましゃくれたトコも困った顔も寂しそうな様子も、全部素に見えてしまう。しかも本作は「コメディ」である、ということは押さえているみたい。恐るべし子役です。 そして今作大きく割を食っているのが大人たちで、造形の凡庸なことったら無いです。気ままだけど人の好い父親としっかり者のキャリアウーマン。この二人がくっつくであろうことは、しょてから100%分かっちゃってるわけで、展開にもヒネリがありません。心情描写も大雑把、出会って気に入ってくっつくだけ。子役のアリサンにおんぶにだっこの手抜き脚本はちょっと頂けないです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-09-19 23:15:06)
324.  ワンダラーズ 《ネタバレ》 
つるんでケンカして馬鹿をやる。いつの時代も共通の、男の子たちの青春が眩しく描かれます。一人一人皆キャラが立っているのでとても見やすい。女好きで仲間想いのリッチー、腕っぷしの強い正義感ペリー、口だけ達者の逃げ切りタイプのジョーイ。裏切者のターキーは最後まで惨めなまま。敵対チームもスキンヘッド系、チャイナ系、黒人グループとまあ色彩豊か。たくさんいるけどちゃんと見分けつきますね。ユニフォームがあるし、そんなものないアイリッシュ系は顔つきがすでに殺人者ぽくて、他グループとは次元の違うヤバさがあったり。 ケンカとパーティ、女の子へのイタズラ、彼女をめぐる諍い。若くて青くて、日々勢いで元気に生息しているように見える彼らにも複雑な家庭事情があったりとビターな差し味が効いています。 映画の終わりは青春の終わり。アメリカ社会はこの先ベトナム戦争が泥沼化して行くのです。ほとんど騙されて兵隊にとられたボールディーズの連中のこれからも、家から逃れて独立を目指すペリーとジョーイの将来も明るい展望を抱けそうにありません。リッチーは間違いなく嫁の尻に敷かれる人生が待ってるし。さらば青春。 フォーシーズンズの歌がぴったりハマる60年代の息吹がリアルに伝わりました。彼らがもっと不良化すると「ウォリアーズ」になるのね。(こちらも好き)対で印象に残る二作品です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-09-14 23:25:49)
325.  ノクターナル・アニマルズ 《ネタバレ》 
・・世間の激賞と相容れない感想なので発言しづらいのですけど。・・ありていに言うと「ちょっと何言ってるのかわからない」です。 まず送り付けられた小説と自分の過去を重ね合わせるって事がやや無理くりではないですか。陰惨極まる妻娘殺害事件と、男と別れた過去がオーバーラップする??男女間のもつれなんてそれこそ星の数ほどありましょうが、どんなにこじれた話であっても「レイプ殺人一家崩壊」とは次元が違いすぎませんか。 スーザンはたしかに無責任、無自覚、不誠実なお粗末女ですがね。この小説をもってエドワードの復讐なのだとする説が大方ですけど、あんなに「何かを愛したら頑張らないといけない」と力説していた男が20年も経って元妻に意趣返しするとは、ちょっとピンと来ないです。 いやいや、これは復讐ではなく愛なのだという解釈も見かけましたが、これまたすとんと落ちないなあ。さして出来がいいとも思えない暴力小説から愛を感じることはわたしには無理です。 スーザンは若き日の愛情を貫徹できず、軽蔑していた母の予言通りにその母そっくりのブルジョワになり下がり、結果中年になった今は空っぽの人生を送っています。わざわざ復讐なんぞのために、自分の20年をこの女に割く価値も無いと思うのですが。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-09-12 23:42:02)
326.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 
そうそうたる役者陣の珠玉の馬鹿演技が見られる得難い一本。皆すごいなあ。高い演技力を間抜けの発露に発揮するなんて。ほぼ全員馬鹿なんだもん。 J・マルコヴィッチはプライド高すぎて世間と折り合いつかずアルコールに逃げ、妻と職場からNGを突き付けられるも受け入れられないプライド馬鹿。その妻ティルダ・スウィントンは間男の本性もよう見抜けないくせに尊大なおバカさん。フランシス・マクドーマンドは冴えない人生が整形で逆転すると信じ込んでいる出会い系利用の痛い中年女。G・クルーニーはエロで頭いっぱい(笑)妻を裏切り、でも実は妻に切られていることにも気付かない能天気。そしてブラピの天然で純度の高い阿呆っぷりはこの面子でも真打ち。緊張感のカケラもない顔つきから仕草から、もう真正の馬鹿に見える。 馬鹿が引き起こす事件がバカすぎて深読みCIAは何のことだか全体像が掴めない。面倒くさくなってるお偉いさんのJ・K・シモンズのブルーの瞳が哀しげです。 F・マクドーマンドが勝ち残ったと言えるんでしょうな。しかし彼女の浅薄さもかなりのもんで、ロシア人に「こんな情報いらん」と突き返されたら「私は米国市民よナメないで」だって。その「米国の機密」を売ろうとしたくせに。 お馬鹿がわあわあ騒いで起こる事件は極めて無意味。この味わいを楽しめるかどうかはコーエン兄弟のファンであるかどうかにかかっています。わたしは好きです。 無意味に見えて本質はCIA批判なのだ・・って、そんなことはないよね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-31 23:45:41)
327.  サベイランス -監視-(2001) 《ネタバレ》 
巨大企業の悪だくみを若き精鋭が暴く社会派勧善懲悪モノ。殺人ありスパイあり隠蔽工作ありの仕様は全く新しくないんだけど、その大企業てのが誰が見てもM・ソフト社というのが21世紀ぽい。そしてあの社長をティム・ロビンスがまんま似せてるってのもそこはかとなく笑いを誘います。いいのかなー。 若々しいライアン・フィリップはこの頃が容姿のピーク。瑞々しさや若さゆえの青っぽさが魅力的です。 人物の印象をラストに急変するキャラクターが三名は居り、素直な客のわたしはおお、そうなるのかこいつはと驚いたのですがこのへんは脚本のミスディレクションがさすが、というところでしょうか。 邦題がややテーマとズレてるのが違和感残って残念。いかにも‟surveillance”が原題のような書き方してますが。
[試写会(字幕なし「原語」)] 5点(2020-08-21 23:18:12)
328.  ヘレディタリー 継承 《ネタバレ》 
・・ああやだやだ。嫌だーこの映画。なんか怖がらせてくるというより、ヤな気持ちにさせる嫌がらせのような映画である。えげつないんですよねやり口が。小説に「いやミス」があるなら、こちらは「えげつなホラー」とでもジャンル確立できそうな。 悪魔信仰云々といった正統ホラー描写は宗教の違いもあってか、別に怖くない。けど人の気分を胸糞悪くさせる中盤まではホント消耗する。妹を事故で死なせた兄ちゃんが現実逃避するあのいたたまれなさ。翌朝長々と耳障りに響くトニ・コレットの絶叫。トニ・コレットのガサガサした感じの顔もしんどいが、あの娘役の顔がこれまたキツイ。一体どうやったらあんな不吉なオーラをまき散らす顔になるのか。あの子の担任になるのは絶対ゴメンである。 ‟親として絶対子どもに言ってはいけない”ことばかりを息子にぶつけるトニ・コレットの毒親ぶり。その言葉に削られてゆく息子の土気色の顔。えげつないって。誰だって辟易する。 「家」もヘン。やけに奥行きあり過ぎ、だだっ広い空間が多くて昔の旅館みたい。撮影のために建てたんだとか。生活動線を考えてない住居ってこうも居心地悪いもんなのか。 現代アメリカンホラーの最高作との呼び声高い本作、たしかに強烈なパンチは食らうけれど個人的には「怖い、でも美しい」シャイニング的ホラーの方が好み。ほんとやだったあ 二度と観ない。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-20 23:45:20)
329.  華氏119 《ネタバレ》 
何故トランプが大統領になり得たのか。その原因を民主党政権の時代にさかのぼって多角的に分析した本作は、これまで「怒り」をベースにしたムーア監督に「疲れ」や「絶望」も垣間見えてアメリカの闇が深まった感がありました。 ごりごりに「左」の監督が民主党への批判をも縷々織り込んで展開してみせるは拝金主義に陥った米政治の混沌ぶり。彼の故郷ミシガン州フリントの水問題のくだりでは、「新しいアメリカの象徴」として輝かしく大統領に就任したはずのバラク・オバマの骨抜かれぶりが記録され、かの地の住民ほどではないにせよ日本人のわたしも衝撃を覚えました。 ヒラリーが献金漬けなのは有名な話だし、政治信条など無いトランプは時に民主党以上にリベラル発言をしたりで場は混乱。結果「どっちも嫌」という有権者を大量に生むことに。 これまで漠然と「米国は民主主義のチャンピオン」と思っていたけれど、実はかの国でも未だ民主主義は到達すべき理想形に過ぎないのだという学者の指摘には、問題がそびえたつほどの山積なのだと思い知らされます。 すぐになど変えられない。でも声を上げないとどんどん専横がまかり通る事態になる。その恐ろしさを胸に刻んで、この国でも選挙には必ず行かなくちゃ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-18 23:31:07)(良:3票)
330.  ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー 《ネタバレ》 
マイケル・マンとJ・カーンというのも幸福な取り合わせだと思う。「男」でなく「漢」を撮りたい監督と、武骨でちょっと粗野な感じも併せ持つカーン。この手の男優さんはめっきり少なくなりました。最近はみんな小ぎれいでデリカシーも満タンになっちゃって。 徹頭徹尾男汁が溢れ出る。金庫破りのシーンひとつにしても実に丹念に時間をかけてカメラ固定で「男子一生の仕事」ぶりを描写。ついでに仕事を成功させた直後のカーンの埃ですすけた顔も長映し。この時の満足げな表情もまた渋い。 嗚呼、己はカタギになれぬ身と悟った男は幻想を破り捨て、女房を追い出し手を血に染めに向かうのだ。自宅も店も後腐れなく破壊して。ボンネットに映える電飾の煌めき、夜の空を焦がす炎。映像も美しい。 どうですこのハードボイルド気質。撮っててシビれちゃっただろうなー。わたしはハードボイルド苦手なんですがね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-17 23:18:46)
331.  アンフォゲタブル 《ネタバレ》 
「アン××ブル」ってタイトルの映画他にも色々あったよなー。きっとコレもそのうちどんな内容だったか思い出せなくなりそうな。しかし「レイ・リオッタが主演の」と言ってくれれば ああ、となりそう。だってこの人が主役を張るっていうのがもう珍しいもんね。 顔つきが(役者としては幸運なことに)小ずるくて信用置けなさそう(わたしの主観)だもんだから、役どころもそんなバイプレイヤーキャリアの彼。本作はアルコールに溺れた過去を持ちながらも妻愛に満ち、殺害犯を我が身をリスクに晒しながら探し続ける、しごく「正」側のキャラクターであります。レイはまあ好演と言えるのでしょうが、犯人像が二転三転するという展開も相まって、わたしはどーしてもレイへの固定観念が捨てきれず「結局この人が殺したんちゃうの?」と思い続けてましたから、‟真犯人探し”のプロットを生かすためにも客が勝手にミスリードするこの配役は絶妙だったのかもしれません。レイすまない。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-08-13 23:30:15)
332.  ビューティフル・デイ 《ネタバレ》 
作品紹介でスリラーとあったのですが、本作は違いますね。人の死に方がオソロシくて血も飛びますけど、テーマはPTSDと闘う男の凄絶な心の軌跡。画も音楽もビターで内省的。とりわけ音楽は劇中のラジオが音源だったりすることが多く、これが作品世界にすっと入っていける効果をもたらしているように感じました。 ホアキン・フェニックスが只事じゃない重たさです。幼少期の父親の虐待に始まって、軍の任務で経験した数々の不条理な暴力でジョーはすっかり心をやられてしまいました。何度も死のうとして、でもギリギリ踏みとどまってきたのは母親の世話があるから。二人でフォークを磨いたり、子どもの頃に口ずさんだ歌を思い出したりする姿は、説明の少ない本作の中で彼らの結び付きがうかがい知れる心安らぐ場面でした。 母親は死んでしまったけれど、ニーナがいてくれる。観る者が希望を抱くのは、彼女が若くて心の芯が強そうだから。彼女もさんざん傷ついているのに「今日はいいお天気よ(It's a beautiful day) 」とジョーが立ち上がるきっかけを与えることができるのだから。 窒息しそうなジョーが息をつくことのできる人生を取り戻してほしい。ショッキングなラストの自死のシーンが現実でなかったと分かった時、わたしは本当に、心からほっとしました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-08-11 23:41:15)
333.  ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ 《ネタバレ》 
続編というのは難しいものですけど。これもねえ・・。デル・トロのキャラクターが変わってしまっているのは大変に痛い。前作の‟闇に生きる者”としての凄みがほとんど感じられない。三段階くらい安い話になりました。女の子一人を守る為に身体を張る元検事、現殺し屋。リュック・ベッソンかいな。 車中からトバす眼光の鋭さや、側頭部を撃たれてなお瀕死でハンドルを握る鬼気迫る姿は生への執着が漲り、さすがデル・トロ。彼の演技だからこそ作品水準は一定の高さに保ててはいますけども。 細部の粗も気になっちゃうなあ。冒頭の敵対マフィア弁護士を街中で撃つ描写がまず安っぽくて嫌い。あれでは三下のチンピラみたいです。 組織の使い走りの子が夜目にデル・トロを認識したのもあまりにも都合よくないですか。一度駐車場で車内の人間と目が合っただけでしょう?それをあんな闇夜で変装すらしている男と見破ることができるもんかね、とここはどうしても引っかかって嫌でした。他のプロットを考えてほしかった。わたしが人の顔を覚えるのが苦手だからかもしれないけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-08-10 23:24:41)
334.  スクリーム(1996) 《ネタバレ》 
いろんなレビューを見たところ、ホラーにコミカル要素が混じるのがツボなようで受ける人には受けてるみたい。確かに「○○、後ろ後ろ!」みたいな場面があったり、妙に転び方のキレの良い殺人鬼とかはコント風でしたが。でも、ぐさぐさとナイフ刺さったり、シャッターに吊るされた女子とかスプラッタ場面もしっかり怖いじゃないですか。笑うに笑えないというか。 話に粗が多いのはホラーの通常運転なので流せるんだけど、ワタシ序盤にドリューがポップコーンのコンロ火を消さないのが気になって気になって。二度もコンロの前通ってんのに。煙もうもうなのに。ホラーの登場人物って火を消さないものだっけ?火事は当座の不審者より怖いぞ。あ、それとホラーの定番外しといえばTVの女レポーターのまさかの活躍。マスコミの女はウルサイだけなのが常道ですのにね。以上気になった二件でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-08-03 23:01:25)(良:1票)
335.  キッズ・オールライト 《ネタバレ》 
両親と子どもが二人の家庭。妻が家族ぐるみの付き合いのあった男と浮気してしまった。当然家庭の空気は悪くなり、思春期の子どもらへの影響も計り知れず・・と書くと凡庸なホームドラマだけれど本作は夫婦がレズビアンカップルで、浮気相手が子どもらの精子提供者だというヒネリにヒネったシチュエーションである。 いやあー、考えさせられましたねえ。なまじ設定をノーマルな家庭環境にしなかったため、「家族」というシステムの定義しづらさ、曖昧さを浮き彫りにする効果がありました。 即ち「生物学上の父は家族となり得るか?」 本父ポールはいい線行ってましたよね。独身の気楽さがちょっと鼻につくけど人好きがして、明るく積極的な性格がニックの家庭には無い資質で子どもらもジュールスすらも惹かれてゆく。アネット扮するニックはこの家で父性的な役割でしたから、初めからポールに対して「侵入者」への警戒心が強かったのも無理はないです。だって相手は「正真正銘の」父なんだもの。いくら女医でも彼女には真似できない。ほんと設定の妙が活きますな。 わたしはマーク・ラファロ扮するポールに反感は抱かなかったので、ジュールスと事があったのち、子どもらが一斉に怒りを向けてきたのにはむしろ驚きすら感じました。つまりこのことこそがこの映画のアンサーで、やはり「家族」を作り上げるのにかかった年月はそれなりに重いのです。特に子どもにとっては、人格形成期に愛情を注いでくれた大人がやはり親なのですね。 そして四人が「家族」なんだ、ということをこの上なく表したジョニの巣立ちの場面。ワタシは思わずもらい泣きしたのですが、一人家を離れる長女を別れ際に抱きしめる両母親の姿は娘を手放す寂しさや祝福、心配がないまぜとなりA・ベニングとJ・ムーアの演技力の真骨頂を見せられます。まさしく長年手塩にかけて我が子を育ててきた者でないと出せない感情であり、やはり「単なる良い人」ポールでは無理でありましょう。 そして、息子もまたちゃんと成長を遂げていました。15才という難しい年ごろ、両親がゲイ・カップルということに事あるごとに反抗的な態度を見せていましたが最後に車中で「別れちゃダメだよ。もうトシなんだから」ですって。涙なくして聞けましょうかこの台詞。 初め、正直なところレズビアン両親にどうも気持ちが入りづらかったのですが、観終わってみれば彼らの家庭にとても親近感を抱いていました。脚本も演技もとても良いです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-08-01 23:20:35)
336.  ロボコップ(1987) 《ネタバレ》 
なんとなくタイトルからメカ警官がバンバン銃をぶっ放してばたばた悪人をやっつける爽快ドラマを想像していました。だいぶ違いました。だってそりゃ監督がこの人だものなあ。 作品の根底にびっしりと悪趣味や底意地の悪さが通底しており、爽快のソの字もない。 P・ウェラーに銃弾を浴びせてなぶり殺しにするチンピラ集団の極悪ぶりはお茶の間にそぐわないほどだし、彼の所属する警察組織はいわば身内なのに上層部はろくでもない連中ばっかで非人道的なロボトミー手術を勝手に施す始末。唯一人間らしく側に寄り添ってくれたナンシー・アレンにすら、あんな最期をくれてやるのかね。監督ヒドくない?マーフィー「大丈夫だ復活するさ。俺みたいになって」って、励ましなのか冷たいのかそれとも笑うトコなのか判別つかなかったんですが。 甘さ一切なし、どことなく牧歌的なタイトルとは真反対の苦いテイスト。ナンシーと恋仲になるとか、署の誰かが彼の非運を嘆いてくれるとかそういったヒューマニズム要素を排除した、稀にみるハードな作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-28 23:15:32)(良:1票)
337.  深夜の告白(1944) 《ネタバレ》 
正統派の保険金殺人モノ。正統もなにも、この作品こそがこのジャンルの草分け的存在なのでした。 色と欲に目がくらんで計画を実行する語り部と、黒幕悪女、そしてトリックを見破る推理役とこの手の話に必要なオールキャスト揃えで、穴がありません。 一つの計画に破綻が一つ。後発作品がもっと色々と不確定事態を盛り込んでくるのに比べればシンプルですが、役者が上手いのでぐいぐい引っ張ってくれます。金髪カツラが妙に似合わないバーバラ・スタンウィックのやり手っぷりは迫力ありますし、エドワード・G・ロビンソンのコミカルな名探偵ぶりもキャラ立ち抜群。彼と罪を犯した主人公との友情も根底にあって、ちょっと話が深まりました。 ワイルダー監督が意図したのかどうかわからないけれど、ヒッチコックばりのサスペンス感も漂います。列車で居合わせた老紳士が保険会社の待合室にいた時のひやっとさせられるあの感じ、似てますよね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-27 23:21:22)
338.  デイブレイカー 《ネタバレ》 
ヴァンパイアと人間の人口比とか考えたこともなかったわ。なるほど‟エネルギー源”となる人間が絶滅寸前ともなると吸血鬼側も確かに困ってしまいますね。 吸血鬼といえば月と古城をバックに美女を襲いに単独行動していた中世から何世紀も過ぎるとヴァンパイア社会が出来上がり、血の配給が行われ、コーヒースタンドの商品も血液入り(それがどんどん薄くなっていくという経済破綻の一面もあり)、ニュースでは血液配給量が流される。怪物すら生き辛い世の中になってるとはねえ、と作品設定にまず感心しました。 上司に特効薬の製造をせっつかれ、モラルと仕事の板挟みで悩むイーサン・ホークてのもやけに現代サラリーマン的な描写です。 ヴァンパイアものなのに社会問題提起作品になりつつあるところ、終盤ごろには急展開で血しぶき上げまくりに。それまた豪快にバンバン血が吹き上がって戦争映画かスプラッタものの様相を呈し、懐かしきゴシックホラーとの距離がはるか遠くなった感のあるニューヴァンパイアのお話でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-23 22:46:31)
339.  スパイダー パニック! 《ネタバレ》 
「化学物質によって巨大化した蜘蛛が街を襲う」と、まあ撮り方によってはZ級まで落ちそうなコンセプトなんですが、由緒正しい(?)B級それもBの上ランクの出来です。 スカヨハが出ている、というのも水準を上側にキープするのに一役買っているし、一人ひとりのキャラ付けや台詞等がちゃんと練りこまれていてやっつけ仕事感が無いのです。こんな映画なのに。 登場人物らになんとなく好感を抱くというか、このコミュニティにすっと入れるという雰囲気づくりは脚本のセンスを感じます。怪物にやられる犠牲者数も爆薬の量も惜しまないあたりも、正しいB級作品のセオリーを踏襲してます。 敵は数で押し寄せてくる。それもショッピングモールに、となるといやでもゾンビを思い起こしますよね。蜘蛛とゾンビ、どっちが嫌かなあ。ゾンビの方は遅いから逃げきれそうな気もするな。でも噛まれたら自分もゾンビ化する二次被害もあるんだった。嫌だ。じゃあ蜘蛛の方がいいかというとそんなこともない・・、などと本筋とやや遠いことを考えながらの鑑賞となりました。 それに化学物質で池が汚染されたのにデカくなったのは蜘蛛だけなんだね。ほかの虫は・・、いや、いいや。脚がいっぱいあるやつとか考えたくないし。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-21 23:22:56)(良:1票)
340.  ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 《ネタバレ》 
もう、美しかったです。「若草物語」が美質の塊のような原作であることに加えて、役者陣、風景、衣装、何もかもが美しい。わたしなんぞは素敵な四姉妹が連れ立って隣家に食事を運ぶシーンだけでその尊さに涙止まらず、折しもウィズコロナ下での鑑賞ゆえマスクがハンカチ代わりになるという、湿り気のある体験になりました。 従来の作品群と大きく変えてきたのは時間軸を前後させる脚本。これまた巧い。何度も現在と過去を行きつ戻りつしながら、ジョー目線に偏らずメグやエイミーの心情もこれまでにないほどの丁寧さで描きます。特に「お利口さん」のイメージが強かった長女メグについては彼女の小さな見栄や羞恥心まで描くことで、どのメグ像よりも立体的で人間性がよく伝わる造形となりました。 姉妹の脇を固めるベテランも皆役の解釈が正しく圧倒的な仕事を見せます。賢母のローラ・リニー、封建的考えの叔母M・ストリープ、少ない出番ながら印象大のC・クーパー。しかし特筆すべきはティモシー・シャラメでしょう。これまでこんなに鮮烈にローリーを演じた役者がいただろうか。若草物語といえば四姉妹のお話、であったのが今作は「ティモシー・シャラメの」と枕詞がついても過言でないくらいの存在感であります。 この人は「君の名前で僕を呼んで」でも見せたように、身悶えするほどの恋情を演じたら天下一品。ジョーに告白する丘のシーンは切なく激しく、彼の心がざくざく切れる痛みまで伝わり、映画史における告白シーンでも屈指の場面といえるでしょう。彼の表情を捉えるカメラも、距離や角度が完璧です。ティモシーの発露するフェロモン量はただ事でなく、世界中でやられる女子が続出するのも納得ですねえ。 ラストはちょっと驚きました。ここでようやく邦題の意味するところが分かるのですが。監督は原作者オルコットの考えを最大限に尊重したのだそうな。 編集者と対するジョーは突然オルコット女史になり、それまでの物語は以降は(数分程度ですが)フィクション扱いとなって展開するんですよね。目線の急激な転換にわたしは大いにまごついてしまって、咀嚼するのに時間がかかりました。なんというウルトラC的な力技でしょうか。とはいえ現実のオルコット女史の幸福は製本過程の美しく丁寧な職人技の描写で伝わりますし、フィクション側のマーチ家の人々もハッピーエンドです。監督の原作&原作者へのリスペクトを感じます。
[映画館(字幕)] 10点(2020-07-16 23:52:10)(良:2票)
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