21. 壮烈第七騎兵隊
どの程度事実を反映しているのかは知りませんが、とりあえず映画としてはそれなりに楽しめました。ただ実話を題材にした映画としては、善悪がはっきりしていて人物関係が単純化されているところが気になります。カスターは枠に縛られない、実直な人物として描かれていて、主人公としてはなかなか魅力的。製作年代からして戦争がらみの目的があると思いますが、そのあたりは気になりませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-08-16 21:48:21) |
22. ロビンフッドの冒険
《ネタバレ》 80年も前の映画ですが、今見ても楽しめる。いわば古典の楽しさ。ロビン・フッドなので当然弓も使いますが、クライマックスは剣での斬り合い。チャンバラ映画というか、剣戟映画のようでした。王様も登場するので、終盤水戸黄門風の流れになっていたのも興味深い。明朗快活な冒険活劇で、難しく考えずに楽しめる娯楽作でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-08-16 10:26:11) |
23. 王になろうとした男
《ネタバレ》 秘境冒険ものとしてはなかなか面白い。イギリス原作らしくユーモラスなところも多々あり、特にフリーメイソンの印が印だったところはかなり笑えます。現地人を教化して組織化していくところも興味深いです。 あまりにもうまく行っているので、見ている方もただの偶然ではないのではないか、などと思えてきます。しかし結局うまく行かないあたりが、妙に現実的。見終わって考えてみれば、ダニーは現地の言葉を覚えようとせず最後まで通訳を通してしか話しません。本当に永住するつもりならば、言葉を覚えることは必須でしょう。このあたりにも覚悟のなさというか、調子に乗っただけということがうかがわれます。うがった見方をすれば、「神の息子」を名乗ったことで神の怒りを買った、あるいはうまく行っていたのも、神のしかけた罠だったとも思えます。そのあたりは見る人の解釈次第でしょうが。そういう意味では『王になろうとした男』という題名がうまくて、王になろうと出かけたのに神の息子に祭り上げられ身を滅ぼすというのは、首尾一貫した話ではないかと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-13 20:24:57) |
24. 傷だらけの栄光
《ネタバレ》 いわゆる「アメリカン・ドリーム」の成功物語としては、まあ楽しめました。前半での素行不良の物語も、なかなか容赦ない。それでも成功できたというところが重要で、失敗してもやり直せる社会はやはり健全でしょう。それだけに過去をネタに強請られるという展開は、考えさせられるところがあります。ボクシング選手といえば硬派なイメージがありますが、女性には奥手でユーモラスな部分もあるところもよかったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-11 22:39:19) |
25. イースター・パレード
異常に暑い、非常識に暑すぎる。こんな時は、なにも考えずに楽しめる映画がいちばん。ということで、コレ。四の五の言わせず華麗なダンスを堪能させる作品。ついでに歌も楽しめる。だからお話の方はオマケみたいなもので、ありきたりの三角(四角?)関係だったり、やはりよくある無名の新人のサクセスストーリーだったりしても、まったく気になりません。惜しむらくは、フレッド・アステアがおじさんすぎること。もうちょっと若ければ、共演者とバランスがとれたんですけど。とはいえ、それを差し引いても十分楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-07-23 19:02:34) |
26. 男性の好きなスポーツ
《ネタバレ》 基本的に面白いんだけど、肝心のアビーがあまり魅力的に思えない。気の強さとか厚かましさが裏目に出ているような気がします。イージーの方がステキに思えるのはちょっと皮肉です。コメディとしてはなかなか冴えていて、マンガ的というか、ドリフのコントのようなドタバタが楽しい。バイクを運転する熊とか、偶然魚を釣っちゃうとか、ありえないことを強引に画にしてしまうところが○。「見せて笑わせる」ことに重点を置いています。だから見ていて笑えるんだけど、ロマンスになると見るだけではなく、セリフでちょっと理屈っぽくなるところが残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-07-20 19:52:59) |
27. モネ・ゲーム
《ネタバレ》 一応コメディとして製作されているようですが、どうにも笑えない。オープニングでアニメを使っているので、『ピンク・パンサー』の路線を狙ってるのかと思いましたが、どうもよくわからない。犯罪がらみというのは共通していますが。しかし犯罪にしても、壺を盗むあたりのドタバタはどう見ても必要とは思われないし、なにがやりたいのかよくわからないところも。最後のオチは「なるほど」って感じで、コン・ゲーム映画としてはなかなか面白いです。 見終わって「これは誰のために製作したのだ?」という疑問が浮かびました。主な舞台はイギリスですが、どうもアメリカっぽい雰囲気がうかがわれます。もしかしてアメリカの観客を喜ばせるために作ったとか。つまり、アメリカ人というのはああいうバカバカしい、ある種下品なギャグを喜ぶものではないか(と、製作者は考えているのかも)。そう考えると、途中での日本人の描き方も、いわゆる「白人至上主義者」が喜びそうなものです。もっとも、最後に逆転されるわけですが……。 もしかすると製作者たちは、アメリカ人に対する大いなる皮肉をもってこの映画を作ったのかもしれませんね。そもそも原題の"Gambit"というのは、チェスでの捨て駒を使った戦法を指すようです。本作で捨て駒にされたのは誰か……ということを考えると、そんな気がします。最後に次の標的として挙げられている人物を見ても、「ある種の」アメリカ人を皮肉る、あるいはからかうことを目的としているのかもしれません。 そう仮定するとなかなか愉快ですが、もちろん本当にそういう意図をもって製作されたどうかはわかりません。それに、意図はともかく話としてあまり面白くないことには変わりませんし。最後のだましがまあよかったので、点数はオマケしておきましょう。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-20 21:39:55) |
28. 陽のあたる場所
《ネタバレ》 アイラ・レヴィンの『死の接吻』を読んだとき、ドライサーの『アメリカの悲劇』というのが引き合いに出されていたのですが、そんな小説は知らなかったのでそんなものか、とか思っていました。その『アメリカの悲劇』の2度目の映画化ということなのですが、正直どこがアメリカの悲劇なのか、さっぱりわかりませんでした。 おそらくこの映画、恋愛メロドラマとして作られたのだと思います。原作を読んでいないので比べようがないのですが、多分原作にある『アメリカの悲劇』的な要素は薄められ、美男美女のラブストーリーとしての側面が強調されているように思います。だから題名も変更されたのでしょう。アリスがわりとうっとうしい女性に描かれているのも、主役2人の仲を際立たせるためではないでしょうか。観客をジョージに同情させる手のようです。しかし私は、ジョージはあまり同情できるような人物には思えず、主要人物3人とも魅力を感じられなかったので、どうにも面白さを感じられませんでした。 だいたい、ジョージが軽率すぎる。「イーストマン家の人間であることに誇りを持て」と言われ、社内恋愛は御法度だとわかっているのに、会社の女に手を出してる。田舎者とか世間知らずで済ませられることではないでしょう。そんなことだから、その後の成り行きも自業自得としか思えず、むしろ呆れるしかありません。アメリカの悲劇ではなく、アホの悲劇ではないのか? [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-03 18:14:59) |
29. ラスト・ショー
《ネタバレ》 題名から映画に関する映画かと思ったら、アテが外れました。 青春映画としてはくっついたり離れたりで、まあありがち。親友とケンカして仲直りするというのも。大人と若者の関係というところに、青春ものとしてはひねりが加えられているようです。時代の流れの寂寥感のようなものは出ていたと思いますが、正直どこがいいのかはよくわかりませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-01-02 15:41:24) |
30. ダンディー少佐
《ネタバレ》 「誰と戦ってる(もしくは戦いたい)のか?」と思うようなお話。実際、アパッチとのドンパチは夜のシーンだけでよく見えず、むしろフランス軍との対戦がメインのようです。しかし本来戦うべき相手ではないし、不毛な争いをやっているという感じ。この作品にはこうした不毛感が全編に漂っていて、そのあたりがチグハグや行き当たりばったりな展開の原因でしょうか。元北軍と南軍の呉越同舟は面白くなりそうな気がしましたが、どうにも空回り。ちなみに、上映時間は3種類あるようですが、私が見たのは真ん中の136分バージョンでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-01-01 17:13:49) |
31. 炎の人ゴッホ
《ネタバレ》 正直美術にはほとんど関心がないので、ゴッホについても「こういう人だったのか」と思いながら見ていました。エピソードはまあよかったと思いますが、序盤の宗教と美術との関連があるのかないのか、そのあたりをもう少し突っ込んで見てみたかったです。ゴーギャンも登場しますが、むしろ弟テオとの情愛の物語が中心のようで、そこはよく描けていたと思います。しかし、希望が持てるような雰囲気だったのになぜ自殺したのか、正直よくわからず不可解な気持ちになりました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-12-19 21:04:56) |
32. プレイス・イン・ザ・ハート
《ネタバレ》 頭の方で宗教絡みの映画なのかと思ったら、やはりそうだったようです。キリスト教徒ではない私には、そのあたりよくわからないのですが……。あるいは「人は神の前に平等である」ということかもしれませんが、そうなると異教徒は関係ないわけですね。そういうところも、ちょっとどうかと思います。 ウェインとヴァイオラの話がしっくり来ないのは、この2人がなぜ交際しているかがよくわからないからでしょう。ヴァイオラが現状に不満を持っているというのはなんとなく推察できるのですが、ウェインの方は曖昧だし、結局何だったんだ? となるわけです。ヴァイオラが街を出ていくのは、彼女にとって居場所(Place)ではなかったということで、つまりここを居場所と思える「お仲間」だけがいればいいということ? ますます宗教的になってきました。黒人も障害者もない、みたいな顔をして、意外と閉鎖的なお話だったのかもしれません。メインのドラマも、まあこんなものでしょうという感じでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-11-29 08:50:27) |
33. ヒッチコックの ファミリー・プロット
派手さはないけど手堅いサスペンス・コメディ。前半エドワード捜しのミステリー風展開にしたのもよい。その後との対比が生きています。両カップルを適度に描きわけながら、クライマックスに持っていくところもうまいです。被害がこちらに及ばず、他人事としてサスペンスを楽しめるのもいいところ。まあとりあえずは、バーバラ・ハリスがキュートでグーですな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-08-12 10:57:43) |
34. リバティ・バランスを射った男
《ネタバレ》 序盤では、若い弁護士が法律を武器に西部の無法者と渡り合う……と思いきや、あっさり銃の練習に乗り換えて肩すかし。結局そうなるわけですか。とはいえ、教室を開くなど秩序を取り入れようというところが見られて安心しました。バランスが撃たれた事件の顛末は予想通りでしたが、これって考えると『カサブランカ』のリックと同じ立場ですね。惚れた女のために、彼女が愛した男を助ける。本作ではそこで終わらず、図らずも英雄になってしまった男の悲哀も取り入れていて、さらに一歩踏み込んだ感じです。社会性にロマンス・男の友情物語をからめ、さらにジョン・フォードらしく適度にユーモアを交えてうまくまとめあげた、洗練された作品だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-08-10 15:58:52) |
35. スローターハウス5
《ネタバレ》 ドレスデンの大空爆を描きたいのならふつうの戦争映画でいいわけで、わざわざこういう手法をとるのはそれなりの考えがあるのでしょう。最終的に「世界は瞬間の集まりであり、それは順不同にやってくる」という結論に至るようですが、つまり世の中何が起こるかわからないから、先のことにクヨクヨしても仕方がないということ? それと「いいことだけを見て嫌なものは見ない」というのも出てきますが、これも完全に現実逃避であり、あまり同意できません。というか、そんなことをできれば誰も苦労をしないのですが。とはいえ、昨今ネット上では「自分の嫌なものは存在自体を否定する」という発言がしばしば見られ、結局人間はそういうものなのかという気もします。そういう点では、なかなか鋭いところを突いているようです。話としては、つまらなくはなかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-07 10:40:18) |
36. マラソン マン
《ネタバレ》 特に前半部分の思わせぶりたっぷりな演出は面白い。しかしお話の方は、意図的に説明を省いたのかわかりにくいところも見られます。おそらく観客をベイブと同じ立場に置いてサスペンスを盛り上げようということなのでしょう。裏設定はいろいろ考えてあるようで、よく見ていれば辻褄は合うのですが、それでもよくわからないのは、ジェニウェーがなぜ仲間になっているのか。彼にとってどういう利点があるのか不明。単に金のためなのか? そもそも、ゼルが何をやっているのか(あるいは何もやっていないのか?)がよくわからないし、ゼルにとってドクがどれほど重要だったか(あるいは重要でなかったか)もわからないので、殺すほどのものなのかというのも不明瞭。そういうわけのわからなさによるサスペンスを狙ったのかもしれませんが、正直かんじんな部分もわからないので、ぽかーんとするよりほかありません。フィクションとしてはある程度説明することも必要だと教えてくれる作品。それとも、原作を読めばわかるのでしょうか。原作者が脚本を書いているから、原作を読ませるための手? こういうこじつけでもいいから、説明がないとね! [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-08-01 08:46:57) |
37. 草原の輝き(1961)
《ネタバレ》 よくも悪くも昔の映画。当時は宗教の影響もあったのでしょうが、もはや今では過去の遺物といった感じ。「親の抑圧」という点では、現代も通じるものがあると思いますが、必ずしもそこが中心ではないようなので、そこにポイントを置くと肩すかしをくらうかも。とりあえず現代の日本では、あの年代で抑圧する前に子供を殺してしまう親も少なくないようです。話としてはつまらないわけではない。題名にも取られているワーズワースの詩の使い方がうまく、これによって「青年期を脱して大人になる」というテーマが浮かび上がり、かろうじて普遍性を獲得しています。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-12 09:18:28) |
38. ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
《ネタバレ》 いわゆる二番煎じ。つまり面白くない。「前世の因縁」とかを完全な後付けで設定したのが失敗で、かえって白けてしまいます。巻き込まれ型の方がよかったのに。前半から派手なアクションが続きますが、派手すぎてそれだけで飽きてしまいました。ユーモアもやや弱くなって残念。ジョナサンは相変わらずでいいけど。イムホテップがえらく情けなくなったのも、なんだかな~。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-05-22 20:00:00) |
39. ハムナプトラ/失われた砂漠の都
オリジナルは未見ですが、おそらくかなり違うんだろうなー、と思いつつ見ていました。冒険+アクション+ホラー+ユーモアがうまくブレンドされ、気楽に楽しめるいかにもハリウッドな娯楽作となっています。ただ、イムホテップがなぜあんな超人的な能力を発揮できるのかが、いまいち謎(笑)。そうした適度ないい加減さも含めて楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-21 15:45:29) |
40. スタア誕生(1954)
《ネタバレ》 映像が欠落した(?)部分をスチル写真で補った長時間版でした。 ミュージカルとしては聞き応えがありましたが、アル中の旦那はあまり好きになれない。後半は夫婦愛の話かと思いましたが、立ち直れない情けない夫では感動できません。友人のサポートも結局あまり役に立たなかったわけですし。それで勝手に死ぬのはどうよ、と思ってしまう。その結果「スタア誕生」になったという理屈はわかりますが、それより生きてちゃんとやり直した方がよかったんじゃないの? あまり晴れ晴れとしないお話でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-05-15 16:07:46) |