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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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381.  キャスティング・ディレクター
ショーン・ペンの役柄自らの深層心理をそのまま言葉に変換させたような哲学チックなセリフの洪水は圧巻。役柄の個性がよく伝わる。深層に迫れば迫るほどやるせない自己の露見。共感はできなくとも理解はできるゆえにこちらもイラつく。住む世界が異なる少女(アンナ・パキン)の存在が清涼剤のごとく作品をなごませる。他の演者たちはかなり豪華なのだが、いまいちパッとしない印象。嘘と虚構に満ちたハリウッドの片隅にいる男の苦悩。ということなんだろうが、画面には苦悩も不安も映されない。なので面白いと思えなかった。
[DVD(字幕)] 4点(2007-12-19 12:06:56)
382.  サンセット大通り
過去にしがみつく往年の大女優を往年の大女優に演じさせ、その女優の執事をする往年の大監督を往年の大監督に演じさせるというキャスティングの惨さ!!たしかにこの二人だからこその真に迫った演技ということになるのだろうが。スワンソンの圧倒的な存在感が目を見張るが(正直、圧倒的にすぎて疲れる)、この作品をより深く濃密なものにしているのはシュトロハイムの存在だ。かつての偉大な巨匠は一人の女を大女優に仕立て上げ何もかもが自由に手に入るセレブへと変貌させる。サイレントからトーキーへと変わったとき女優に求められる演技もまた変わる。よってたかって持ち上げておいてサッとひく。しかし過去のあまりの優遇ぶりに威厳を捨て去れない女優と威厳を持つ女優の崇高さを愛してしまった男の心理が合致してしまう。男は愛情とともに責任を感じていたのかもしれない。そんな男と女の悲しいドラマが、一見本筋のように描かれる三流脚本家との色恋話を凌駕する。シュトロハイムの存在はハリウッドを皮肉った作品に変質的なメロドラマとさらなる皮肉をもたらしている。
[DVD(字幕)] 6点(2007-12-18 15:07:45)(良:2票)
383.  ブラック・ダリア
たしか『ブラック・ダリア』を観ているはずなのだが本当にそうなのだろうかとマジで疑い出したときに、死体発見前のビルをまたぐ長回し登場にデ・パルマの作品であることには間違いなさそうだと胸を撫で下ろす。とは言うものの、惨殺死体の謎は最後に解き明かされはするものの、その過程はほとんど描かれず、画面はひたすらボクサーあがりの二人の刑事の友情と確執を映し出す。そこになんとも謎めいたワケあり風な美しい女が割って入るのだが、この謎めき具合が事件に絡む女たちを差し置いてピカイチ(主人公が下着姿のその女を見てしまうシーンのなんともいえない謎めき具合!)なもんだから、事件の結末のほうに興味がいかないのだ。だいたい事件の真相にしたって相棒の真相にしたって全部手短な説明で済ませちゃうんだもんなあ。階段での影とか落下シーンとかはあきれるくらいに凡庸なのだが、ここはあいかわらずのヒッチマニアぶりに笑ってあげるところだろう。
[DVD(字幕)] 5点(2007-12-17 14:43:23)(良:1票)
384.  夏休みのレモネード
少年の母親が冒頭でインパクトのある登場をしてくれるも、いまいち物語に絡まず残念。体力的時間的に実質子育てに関与しない夫、それゆえの苛立ちや慌しさが実に自然に表現されていて作中で最も魅力的な人物造形ができていた。一方の父親も、けして好き勝手遊び歩くような人物ではなく、むしろアメリカの良き父親像ともいえる、子供を愛し家族を守る強き父でありながら、コンプレックスを抱え、誰もが持ち得る弱さを抱え、誰もが持ち得る不寛容さを抱えるといったリアルな人物像を見せる。この両親の造形の人間臭さからしてみれば、子供も含めた他の登場人物がどうにも出来すぎ感が否めない。宗教の矛盾という一部からはタブー視されそうな問題を子供の無邪気な疑問という受け入れやすい方法で提示しているため、作品全体は常にアットホームな雰囲気を維持するのだが、宗教の矛盾を提示しているフリをして実は大人の言い分の矛盾を指摘する映画なんだと思う。ただ、それにしては宗教が絡みすぎ、もし宗教の矛盾をを前面に出したいのならもっと奥のほうに踏み込んだものにしてほしい気がする。
[DVD(字幕)] 5点(2007-12-12 14:33:36)
385.  カクテル
バスで都会へと向かう主人公の様は80年代版『真夜中のカーボーイ』といったところ。たしかナントカドッグとかいう犬のマークのバスで、車窓から主人公が見る景色にも犬が登場していたと思うのだが何か意味があるのか当時気になっていたことは覚えているんだけど、実際なんか意味があったんだろうか。中身は一人の男のサクセスストーリーを強烈なまでの省略を伴って進行させてゆく。その結果、なんの苦労も無しにプロフェッショナルなカクテルさばきを獲得し、唐突な出会いと別れが描かれるというご都合主義もいいところのトレンディドラマになってしまったのだが、アイドル映画としてトム・クルーズを際立たせようとしなくとも、トム・クルーズって人は勝手に輝いてくれる絵になる男なわけだから、もうちょっとトム寄りでないものにしてくれたほうが良かったような気がする。ま、でも巷で言われるほどの駄作でもないと思う。
[ビデオ(字幕)] 5点(2007-12-11 12:55:50)
386.  ハード・キャンディ(1999) 《ネタバレ》 
同名作品と間違えて鑑賞。冒頭の学園の人気者4人組が颯爽と歩くシルエットは様になっていたが、いざ始まってみると何故人気者なのかがわからん。学園一ダサイ女として登場するジュディ・グリアが一番可愛い。リーダー格のローズ・マッゴーワンはこれでもかってくらいの意地悪な顔。事故死をむりやり他殺にしてしまうのだが警察バカすぎ。ダサ女がイケテル女に変身すると学園中の人気者になってダサ女だとわかると全員無視ってこの学園の生徒はみんなアホですか。パーティ会場での大逆転って、あんな告白テープで生徒たちは真相を知っちゃうってかなりムリない?一応犯人捕まってることになってんだから。どうも荒っぽいなあ。だいたい冒頭でいきなり死人が出るんだけど、死体の顔のアップの真に迫った生々しさと全体のおバカな展開とのバランスが悪すぎ。
[DVD(字幕)] 2点(2007-12-05 11:48:55)
387.  チョコレート(2001) 《ネタバレ》 
ラストシーンの解説をしましょう。チョコレートアイスクリームを口に入れたあとの至福のときを得たようなビリー・ボブ・ソーントンの表情。その彼に対し猜疑心を膨らませ問いただしたい心境と許せない気持ちを抱きつつ口に放り込まれたチョコレートアイスクリームの味に反応するハル・ベリー。これはチョコレートの効能を謳いあげた映画です。間違いない!(ホンマかいな) チョコレートには感情を沈める成分が含まれてるとか。よく知らないけど。でも甘いものって、「ま、いいか」と思わせてしまう力ってあると思う(食べすぎは厳禁ってことも子供の肥満ゆえの不幸をもって描いている)。チョコ好きの私としては実に納得できるラストシーンに思えました。ただ、そこまでの描き方には不満も。まずハル・ベリーは初めて画面に登場したときから違和感があったのですが美人すぎ。女の息子の死という悲劇もその後あまりにも置き去りにされすぎ。ここまで簡単に処理されちゃうとイライラする。セックスシーンもあれだけ長く時間を割いてるわりに、ただセックスしてるだけ。それも唐突でその前後のシーンが活かされているわけでもなく、活かすわけでもなく。でもラストシーンのチョコアイスは『ショコラ』のチョコよりも美味しそうに見えました。(ホンマはチョコアイスよりチョコレートが好きな私ですが)
[DVD(字幕)] 5点(2007-12-04 11:50:29)
388.  ショコラ(2000) 《ネタバレ》 
主人公母娘がたどり着いた町の全体像が映し出されたとき、そのおもちゃのような家々がぎっしりと立ち並んだ様にティム・バートンを想起した。ここから始まるお話がおとぎ話であることの啓示ととった。実際、このお話は実にメルヘンチックで登場する人物たちも実に判りやすく色分けされている。閉鎖的な社会がある放浪の母娘によって開放されるという大筋。でもおとぎ話ゆえに彼女たちを排除しようとするのは社会ではなく町長ただ一人なのだ。そこには異端者の悲惨さは無い。そのことは異国の地で自身に満ちた振る舞いをする主人公を見てもわかるとおり。だから最後の大団円もイマイチ乗れなかった。もう一つの筋は放浪者が放浪を止めるという筋。娘が放浪に疲れている。しかしそれでも放浪の自由さを見せ付けて終わるのだと思った。なぜならハルストレムは『ギルバート・グレイプ』で町に縛り付けられていた青年(ジョニー・デップ)をキャンピングカーで生活する少女と共に旅立たせたから。しかしこの作品では放浪をまるで魔法にかけられたゆえの行いのように描き、放浪から安住への変化をしてハッピーエンドとする。しかも船上生活者までもが地上にあがる。なーんか納得しかねる。ただ、ここで深読みすると、これはおとぎ話、おとぎ話って残酷なお話を子供向けに可愛らしく描くことが多い。店の扉がなかなか直らなかったのが最後ようやく直ります。それまで誰でも出入りできた開けっ放しの出入り口に。これって放浪という自由を手放した者が自ら閉鎖的社会の一員となることの暗喩というちょいとビターなお話なんでは。いや、深読みすればね。
[DVD(字幕)] 5点(2007-12-03 19:04:38)
389.  ミスティック・ピザ
デイモンが出てきて笑った。デビュー作ですかね。ジュリア・ロバーツもデビュー作とか。無名の若手俳優を配した80年代青春映画にしてはすごくあっさり作られてるなぁと思った。3人の女の友情を描いてはいるけど、そこばっかり強調するわけでもなく、恋愛ドラマもくどくなく、一人だけ突出して描くわけでもなく。なので浅いんだけどチープ感がない。一応アナベス・ギッシュがメインなような気もするけど、ジュリア・ロバーツとリリ・テイラーの個性が際立っていたのでバランスがうまくとれたのかも。配役は絶妙かもしれん。他の女優だったらもっと地味な映画になってたと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-30 11:58:12)
390.  エイプリルの七面鳥 《ネタバレ》 
見ているうちに先がわかるどころか、途中のゴタゴタまで予測ついちゃうくらいなんのヒネリもない単純ストーリーに、観た事を失敗したかなと思うもケイティ・ホームズの愛らしさに負けて見続けてゆくといつのまにか作品に入り込んでしまって最後にはこの上なくほっこりさせてもらった。最初は、ケイティの不良から更生はしたけど乱雑でケバケバで、でもホントはいい子っていう描写が作り物っぽすぎてイヤで、なんでイヤかってあれだけ露骨に娘を忌み嫌うイヤミな母親からあんな「ホントはいい子」が育つわけないじゃんと思ってたからなんだけど、でも父親がそんな妻をものすごく大切にしているのを見て、あぁ、いちいち説明してないだけでちゃんと「ホントはいい母」が描かれているなと気づいた時点からこの映画が楽しくなってきた。妹もちょいとイヤな感じなんだけど、彼女もまた不良の姉と正反対のいい子ちゃんゆえに親にかまってもらえない寂しさを「ちょっとイヤな感じ」でもって伝えてる。母が娘に会いに行くきっかけが感動的に描かれないのも気に入った。というかこの映画で一番いいところ。トイレで母親に怒られている女の子を見る。たったこれだけ。でも凄いわかる。感動的な和解も描かれない。ずっとほっこり感が持続する。
[DVD(字幕)] 7点(2007-11-28 15:20:22)(良:3票)
391.  ブラッド・ダイヤモンド 《ネタバレ》 
扱うネタは社会派であっても社会派映画として問題を露にしたり伝えたりという体はとらず、そのネタはひたすらサスペンスとアクションに従事する。だから面白い。さらにサスペンスとアクション以上にズウィックが比重を置くのが「男のドラマ」。ディカプリオの最期は、それまで見せてきたワイルドさからしてみればちょいとセンチメンタルに過ぎるような気もするが、あの最期のシーンこそがズウィックの真骨頂。紅一点ジェニファー・コネリーの存在は、子供が殺し殺される悲惨な世界の中で展開される、それぞれが異なる目的のために強力し合う男二人のドラマに華を添えることで作品の重さを軽減している。物語を終わらせるラストシークエンスは蛇足とまでは言わないが、社会派映画によくあるパターンでがっかり。もう一工夫欲しかった。
[映画館(字幕)] 6点(2007-11-16 11:21:39)
392.  トパーズ(1969)
冒頭、ある屋敷から3人の家族が出てくる。それを追う様にして男が出てくる。スリリングな尾行、陶芸品の工房からのアイディアの効いた脱出劇、アメリカ大使館の救出劇、と、ここまでほとんど会話無し。で、これ以上ないほどの美しいオレンジ色に染まった空をバックにワシントンに向かって飛び立つ飛行機。これぞ映画ではないか!と思ったのですが、なんと一般的にはヒッチコックの駄作と言われてるんですか?これ。どうやら私は映画を見る目が無いらしい。たしかにヒッチコックらしいかどうかで言えば、らしくないかもしれないけど、面白かったんだけどなぁ。主役に華がないのはエンターテイメント映画としては減点かもしれないけど、本来表立たないスパイなわけだから華が無いのはある意味リアルだし、一人にスポットライトを当てないのは、さまざまな国とさまざまな人が絡むサスペンスを広い視野で見て捉えているからじゃないのかなぁ。カリン・ドールが床に倒れるシーンの美しさなんてかなり小まめな細工をしていると思われるし、複雑なスパイ合戦もわかりやすく見せてると思うんだけどなぁ。初めて観たのがちょうどこの手のシリアスなスパイ映画が好きだったころ(ポラックの『コンドル』とかも好き)だったからなのかなぁ。
[DVD(字幕)] 7点(2007-11-13 13:01:46)(良:1票)
393.  ラリー・フリント
おもろいやっちゃなあ。こうゆう体制に流されない人は大好きだ。でも作品はただラリー・フリントなるおもろい人物が成してきたことをダラダラと流しているだけという感じ。アメリカンドリームを謳ったものでもなく、言論および表現の自由に焦点を当てている部分もあるけどあくまで部分でしかなく、おもろい人物の紆余曲折をドラマチックに見せているようにみえてもいまいち盛り上がりに欠け、アウトローを描いてるようでクライマックスの最高裁は弁護士の一人舞台。全体的にだら~っとしてる。そのなかでコートニー・ラブの純愛にはぐぐっときた。旦那が急激にお金持ちになろうが、刑務所にいようが、下半身不随であっちのほうがダメになろうが、はたまた自分自身が薬に溺れようが、夫に向ける不変の優しい眼差しが印象的。かといって夫婦に焦点が当たっているとも言い難いんだな。
[ビデオ(字幕)] 5点(2007-10-30 11:49:06)
394.  顔のない天使
もっと大袈裟な演出で感動を煽ってもよさそうなのに、しんみりとした感動に徹した演出に好感が持てる。俳優メル・ギブソンの初監督作なのに、俳優が前に出ることなく(かといって映像が前に出でもなく)出来事の一つ一つを丁寧に描かれてゆく。数年後という設定のラストシーンは、本当に数年後に撮ってるんですよね(ビデオソフトだけ、後で追加撮影したとかですか?それとも別の俳優ですか?)。妹の姿に時の流れの残酷さ、いやいや、成長の証を見ました。化け物扱いされる男が謎に包まれている前半は、画的にもっと怖い演出をしてほしかった。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-04 12:31:08)
395.  荒野のガンマン 《ネタバレ》 
イライラする。子供を殺した償いのために追いかけて行ってるくせに何故にああも大きな態度でいられるのか。何故にあんなにえらそうに振舞われて他の男は付いてゆくのか。何故にアパッチの戦士は主人公たちを殺さずに返り討ちにあうまで待つのか。あーイライラ。しかし終わってみれば何故かそんなことどうでもよくなっている。これが『ガルシアの首』につながり、さらにトミー・リー・ジョーンズの『メルキアデス・エストラーダ~』につながるのは観てのとおり。ナイスタイミングで現れる町の人たちというむちゃくちゃ強引な予定調和もここまでくると気持ちよい。夜のシーンは暗すぎでしたが。
[DVD(字幕)] 6点(2007-09-26 11:18:46)
396.  ダーク・スター
ジョン・カーペンターとダン・オバノンに限らず皆が様々な仕事を兼務している。スタッフのその後の仕事を見ても、オシムもうらやむ(なわけない)ポリヴァレントぶりにはびっくり。『スターウォーズ』の光速移動の原型にはオォォ!となるも、全編で低予算であることを前面に押し出しており、どんなにシリアスな場面でも乾いた笑いを伴っているという脚本との相性もバッチリ。エイリアンの造形のしょぼさは限度を超えているような気もするが(笑)。『2001年宇宙の旅』をパロった妙にやさしいコンピューターと意固地な爆弾が最高。乗組員にもう少しインパクトがあったらもっと良かったんですが。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-19 11:28:11)
397.  パーマネント・バケーション
「青春」という言葉の響きから連想するのは、眩しく輝かしいもの、あるいは反対に怒りと反抗に満ちたもの、だったりするが、この作品で描かれる孤独と葛藤もまた「青春」の代名詞。人生の方向がままならない10代の心の放浪はやたらとリアルでもある。主人公の放浪は、無意識的に未来を模索しているようにも見える。冒頭で交互に映される、いつもの喧騒のニューヨークと、けして表立たないゴーストタウンのようなニューヨーク。賑やかに見える街にも孤独があるということだろうか。出会う人々もまた孤独を抱えている。パリに行っても同じこと。同じような理由でパリからニューヨークにやってきた若者がいるから。でも行かずにはおれない。若者の性分であり特権である葛藤が永遠に続くかのように感じる、それもまた青春。若きジャームッシュがここにいる。そんな気にさせてくれるから好き。 
[映画館(字幕)] 7点(2007-09-14 16:24:31)
398.  イレイザーヘッド
リンチが好き勝手やってます。悪夢を映像化するリンチワールドの原点であり、リンチワールド全開の作品。突然の結婚からその悪夢は始まっている。未熟児が怪物にしか見えないというのも一つの悪夢だと思うのだが、このあたりは個人的にいかにもB級ネタに感じられて、グロテスクな赤子の造形も含めてチープ感を拭えないのですが、踊り子登場からはリンチにしか作り得ない独特の意味不明感というか、いや意味は確実にあるのだが、そんなものはどうでもよくなるくらいのイマジネーションの奇抜さ、しかもただ奇抜なだけではないとても惹かれるセンスを擁したイマジネーションの洪水にただひれ伏すのみ。と言うものの、正直、私にとってこの映画は踊り子のシーン以外はどうでもよい。でも、反対にリンチといえばこの踊り子の笑顔が真っ先に思い浮かんでしまうのだ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2007-09-12 16:44:20)
399.  ヴァージン・スーサイズ
デビュー作にしていきなり独自の世界観を画面にしっかりと残したソフィア・コッポラの作家性には恐れ入る。けして生々しすぎる人物造形はせず、あくまで虚構の人物造形に徹しながらも、女の子の「不思議」と「キュートさ」にはどこか生々しいものを内包させており、そういえばこの人、元写真家なのだそうですが、たしかにまるで写真の中にしか存在しないような加工された美と、けして映るはずのない被写体の中にある何かを、同時に写しだような画という印象を受けました。ただ、映し出される被写体が男の子たちになると、途端に凡庸以下なものになっているような気がする。内容からして確信犯なのかもしれませんが。監督のその後の映画を観ても、女の子を可愛らしく撮ることにかけては長けていると思われる。これはかなり大きな武器だと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2007-09-05 12:12:43)(良:1票)
400.  キッスで殺せ! 《ネタバレ》 
リンチの『マルホランド・ドライブ』は間違いなくこの映画の冒頭シーンを引用してますね。探偵マイク・ハマーが活躍するハードボイルドものなのですが、40年代に代表されるハードボイルド探偵ものとの差異は暴力描写でしょうか。強烈なインパクトをもって登場する女との出会いから映画は始まるが、その鮮烈な印象が消える間もなく女は殺されてしまう。尋常ではない金の匂いと好奇心から、真相に迫ろうとする主人公とそのまわりの人間に容赦ない暴力が降り注ぐ。そしてその暴力の頂点ともいえる「マンハッタン計画」「ロスアラモス」「三位一体」から連想されるものを前にして、なんと主人公は真相追及を放棄する。探偵映画なのに探偵が事件を解決せずに逃げるのである。斬新であるとともに、人間の力の及ばないものが存在するという衝撃がそこにある。そして暴力を超えた暴力によってこの映画は終わらされる。より緊張感のあるハードボイルドにバイオレンスとポリティカル・アクションとSFを混ぜ合わせたら、とんでもないフィルム・ノワールが出来上がってしまった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-10 16:32:20)
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