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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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441.  サブウェイ123 激突 《ネタバレ》 
デンゼル・ワシントンが犯人でジョン・トラボルタが地下鉄職員なのかと勝手に思ってて勝手に期待に胸膨らませていたのだが、蓋を開けてみるとまるっきり逆であったことにガッカリしてしまったのだが、犯人がどうやらウォール街でビシバシいわせてた金融マンだったという設定ならば致し方ない。地下鉄職員というよりも名探偵のような落ち着きぶりを見せたオリジナルのウォルター・マッソーに比べると脛に傷持つしがないサラリーマンのデンゼル・ワシントンのほうがはるかにリアルで、だからこそ犯人とのやり取りも必然的に緊張が高まってゆく。しかしオリジナルは単調になりがちな展開ゆえにカーアクションが冴えたのに対し、リメイク版のド派手なカーアクションはあまりにもアホっぽい。劇中で市長が何故ヘリを使わないのかと呆れるぐらいだからこのアホっぽさは狙っているのだと思いたいのだが、ただでさえガチャガチャしたトニー・スコットの映像が余計に慌しくなってしまっているような気がする。早々にある男が殺されてしまったことでラストシーンが当然全く違ったものになるのは分かっていたが、これだけは超えることはないだろうオリジナルのストップモーションを軽々と超えたエンディングにはやられた。しかもストップモーション。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-27 15:01:02)
442.  3時10分、決断のとき
オリジナルほどの男同士のせめぎあいに見られる緊張感を持ってはいなくとも観客が喜びそうな派手なガンアクションは見せてくれる。この安易な展開になぜか心躍るのである。「西部劇」を新作で見る。ただそれだけで嬉しいと思わせてくれる。主人公が信念を貫こうとする源泉に「家族」がいる。オリジナルはその中でも「妻」こそにこの男気を見せようとする。リメイク版ではそれが「息子」に変わる。ただ変わるだけでなく息子が帯同することから生まれるドラマが加わる。このあたりはいかにも現代の映画だなと。正直くどい。主人公の無謀な行動を観客に納得させるためのあれこれを匂わせているのだが、元来「西部劇」の衰退は、何故殺すのか、何故奪うのか、何故決闘するのかをいちいち説明しなくちゃならない現代の映画環境のせいというのもあるんじゃないかと思ってるんだけど、いくらその説明をさりげなくやったとしてもそれは「父と息子」のストーリーを面白くさせるだけで映画が面白くなるわけじゃない。一方ラッセル・クロウの描き方がいい。何をするにも説明がほとんどされない。されなくてもなんの問題もない。また悪党として魅力的な顔をしている。何はともあれこれを切欠に絶滅したはずの「西部劇」が復活してくれたら嬉しい。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-26 17:35:54)(良:1票)
443.  恐怖の足跡 《ネタバレ》 
私も例の映画の元ネタであることを知ったうえで観たので、もし知らなかったらはたしてオチに驚いたのか、そのあたりは今さら知るよしもないのですが、この作品の公開当時ならばじゅうぶんに驚けたように思います。でもけしてオチだけの映画ではなく、オチを知ったうえで観てこそ、主人公のこの世界に存在することの違和感、孤独感がいっそう引き立ってみえたような気がします。廃墟となった遊園地の遠景が実に怪しく実に寂しく、よくまあこんなにもドンピシャなロケーションを探せたものだと感心。あまりくわしくは書けませんが例の映画にはまだいろいろな意味での「救い」があったのですが、これはただそのことを知らされるだけなので、悲しい後味を残します。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-21 13:29:47)
444.  ロッキー・ザ・ファイナル
回を追うごとに落ちてゆく「ロッキー」を侮っていました。見くびっていました。元々このシリーズを1作目以外は映画館で見続けてはいても特に思い入れがあるわけでもなく、今回も全く期待していなかったんだけど。シリーズ最高傑作です。まずもってスタローンがアクション俳優であると同時に立派な映画監督であることに気付かされました。まだ明るくなりきらない朝と、街灯のオレンジをこれ以上ないほどにうまく使った夜のシーンがとにかく素晴らしい。地味に素晴らしい。過去のフィルムの挿入というおなじみのシーンも大袈裟に感動を煽る試合のシーンよりもエイドリアンとのささやかな日常に重点を置くことで「これで本当にお終い」なのだという感慨を煽っている。ただしんみりするだけに終わらず、しっかりと燃える闘志をトレーニングと試合のシーンで表現するエンターテイメントぶりも健在。減点対象はスタローンの老いた顔くらい。肉体は驚くほどの筋肉を身につけてはいるが顔の老いは隠せない。もちろんスタローンはあえて隠さなかったのだと思う。堂々とアップで顔を晒している。そこにリアルな年齢を見せつけ、無謀ととられるほどの挑戦を表現したかったのかもしれない。不可能は無いということをより感じてほしかったのかもしれない。でも、垂れ下がった瞼がよりいっそう垂れ下がった状態は美しくない。ごまかす必要はなくてもアップで見せる必要もなかったと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-16 17:18:37)
445.  ランボー/最後の戦場
ミャンマー政府を非難したものでもなければ軍事政権を非難したものでもない。勧善懲悪の悪として登場できれば敵は誰だっていいのだ。これはランボーが戦場で敵を殺しまくる映画なのだから。しかしシリーズを締めくくるにあたって「戦争とは」という問いに対するある一つの答えを用意している。戦争とは・・・人殺しである。戦争では自国が善であり敵は悪なのだ。この作品は敵を悪と強調したうえで敵を殺しまくるのだが、その死に様が凄まじい。生きていた者が肉片と化す。動いていた者が止まる。その瞬間、悪である敵もまた人間なのだと思わされるのだ。さらに今回ランボーは誰の命令でもなく自らの判断でこの殺戮を行う。しかも実に個人的な理由で、と言っていいだろう。戦争において兵士は上官の命令で人を殺す。もっと言うとその人殺しには国のため、あるいは正義のためという大儀を得ている。そのことで霞んでしまうもの、それが人を殺しているという事実なのだ。この映画はイヤというほど戦争が人殺しであることを見せ付けている。こんなにも惨いことを国家が国民に強いるのが戦争なのだ。反戦ベースの1作目とシリーズの流れを加味すれば順当な帰結と言えるかもしれない。
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-15 16:26:58)
446.  熱いトタン屋根の猫
明朗快活に見えるアメリカの表層の下にうごめく心の闇に光を当てるテネシー・ウィリアムズの戯曲を心の闇を描かずに映画化してしまっている。自殺した親友に対する同性愛的感情から生まれる葛藤という心の闇を描かずに。当時は当然タブーだったんだろうから仕方ないんだけど。親友の死のショックと親友と自分の妻に何かあったのではという嫉妬に置き換えてなんとなくまとめているがちょいとムリがある。ムリがあるんだけどそこはなんとかしなくちゃいけなく、親子の問題、兄弟の問題、夫婦の問題をからめて筋が通るようにしているのは苦肉の策としては合格点なのだろう。兄嫁のあんまりなキャラに辟易しつつもエリザベス・テイラーのもうなんて言ったらいいのか、要するに色っぽいというかいや全然セクシーなことしてないんだけど内からにじみ出るような若妻臭というんでしょうか、ってそう書いちゃうとものすごくエロいけど、そうじゃなくてもっとこうなんちゅうか、、、、たまらんね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-09 17:36:18)(良:1票)
447.  相続人(1998) 《ネタバレ》 
邦題がネタバレになっちゃってるんですけど、まあばれててもいいというか、どっちにしろすぐばれるというか・・。だいたい離婚した弁護士、しかも女たらし、で敏腕、しかも強引なやり口で警察を敵に、となると大まかな流れも予想できようってもの。実際今あげたものは全て伏線となっている。しまいには「ジンジャーブレッドマン」の童話(うまくやってると思ってたら最後に裏切られるお話)。そしてクライマックスに向けて接近するハリケーン。結末でドッキリではなく結末を必然とするための伏線を楽しむ映画。遊んどるがな。というのは言いすぎにしても少なくともアルトマンは観客を煙にまこうとかびっくりさせようなんて考えていない。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-08 13:42:35)
448.  カンパニー・マン 《ネタバレ》 
オープニング・・・顔を映さずに近未来をうかがわせるブルーとシルバーを基調とした涼しげな映像にスッとキャスト、スタッフの名前が入る。センスいいなあ。手の込んだ洒落たタイトルロールと言えばヒッチコックの『北北西に進路を取れ』。物語後半にあきらかにこの『北北西に進路を取れ』を意識したシーンが登場する。なるほど全体の流れもまたヒッチコックお得意の「巻き込まれ型サスペンス」だ。もしかして原題の「CYPHER」が「PSYCHO」と似ているのはお遊びか?しかしヒッチコック映画のようにぐいぐいと引きつける力がない。少々のトリックでは驚かない現代の観客を相手にするというハンデを克服するための二転三転の展開がかえって映画を退屈にしてしまっている。二転三転の展開が早すぎて先読みしながら見るのが面倒くさくなってくるのだ。しかしまあ、よくがんばってると思う。オチがイマイチ不評なようだが私は好きだ。たしかに誰が誰だったとかという展開そのものはどんでん返しとしては弱いんだけど、(超ネタバレ→)謎の女に助けてもらってばかりの主人公の行動が実は全て女のためだったって、それまでの妙にシステマチックな、それこそ『キューブ』的展開から一気にメロドラマ、とまではいかないまでも人間味に溢れててホッとするというか、映画の世界観がごろっと変わっちゃうところにどんでん返しの極みを見たというか。良かったよ。あのオチは。
[DVD(字幕)] 6点(2009-08-17 15:05:53)(良:1票)
449.  4Dマン 《ネタバレ》 
とんでもない発明をしてしまうのは物理学者の弟である。職にあぶれて女もいない。一方科学者の兄は立派な研究所の主任で将来有望、なおかつ美人の恋人がいる。それでも狂ってゆくのは兄の方という意外性。そして兄だからこそという丁寧な理由付け。さらには弟の発明が招いた事件を兄の発明したもので締めるという構成の巧さ。いやなかなか面白かった。途中から葛藤やら怨みつらみやらが置いてきぼり状態で兄はただの化け物と化してしまって物語的には面白みがなくなってくるのだが、4次元に生きているんだからたしかに無敵の化け物だ。かといってモンスターものとしては弱い。派手さもなければ怖さもない。科学の暴走の末の悲劇という王道に放射能の潜在的恐怖を加味したこの時代特有のSFホラー。
[映画館(字幕)] 6点(2009-08-12 14:16:57)
450.  TOKKO―特攻―
日系アメリカ人が撮ったからどうのといったことはあまり感じられなかったけども、特攻隊の生存者だけでなく特攻を受けた戦艦の生存者の証言映像があるのはインタビュー形式のドキュメンタリーとしての強度を得ている。はたして特攻隊とはなんだったのか。そこに狂気はなかったのか。特攻隊の生存者の一人が言う。天皇がもう少し早く降伏してくれてたらと。今だから言えるのかもしれないし、そう感じる人だからこそ生きて帰ってきたとも言えるかもしれない。つまり、生存者の証言では特攻に狂信めいたものはないのだが、特攻で命を落とした者もそうとは言い切れないってこと。私の祖父は戦死している。私の父は、内心では天皇なんかくそくらえ!と思っていると母から聞いたことがある(ここで言う天皇とは個人ではなく、戦時の概念としての)。でもそれは今生きている父が思うのであって祖父がどう思って死んでいったのかはわからないってこと。だから何もかもがこの映画でわかるわけじゃない。もしかしたら偏った伝え方になっているかもしれない。でも少なくとも証言者は「死にたくない」と思っていた特攻隊員だったのだ。別の生存者が映画終了間際に言う。語り継がなければいけないが、謙虚にしゃべらなきゃならないと。重い言葉だと思った。
[DVD(邦画)] 6点(2009-08-06 15:00:50)
451.  プレイス・イン・ザ・ハート 《ネタバレ》 
突然の不幸によって路頭に迷う子持ち女が断固として譲れないのが家を売ること。まるで『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラのように家と土地に執着を見せる。そういえば舞台も同じ南部だ。これが南部の女なのか。とにかくなんのアテもない絶体絶命の状況をこの南部魂としか言いようのない根拠なき自信をもって乗り越えようとする。そこにおよそこの南部では助けにもならない黒人と障害者が女の南部魂に感化されてか、手に手をとってなんとか乗り越えてみせるのである。大恐慌の時代、南部における黒人、そして障害者、はたまたハリケーン襲来という困難等々と、あまりに揃いすぎの感は拭えず、また予定調和にも過ぎる気がしないでもないのだが、ラストシーンの寓話的な描写によって映画全体が理想郷だったのではと思えて、そうなるとかえって、これは現実ではないよ、現実はこんなに甘くないよと言われているような苦味を感じたりもする。広大な綿畑での作業風景が素晴らしく、朝昼夕の光、そして電灯の下と光への細やかな配慮が効いている。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-15 14:25:19)
452.  スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい 《ネタバレ》 
けっこう面白かったス。出てくる人間、どいつもこいつも主役になれそう、というか誰が主役かわからんのは確信犯か。誰もが映画の中で我を張りながら殺される駒としての可能性を秘めているのがこの映画の面白いところであり怖いところである。映画はそのことをまずベン・アフレックを使って宣言するのだ。あとはかっこいい女二人組に感情を移入させようが、非情な殺し屋が最後まで残るというお約束を信じようが、いやいやFBIもなかなか見せてくれるような展開だとか思ってみたところで、どこか疑わしくもあり、そしてやっぱり微妙に裏切ってくれるのである。漫画チックにすら見えるかっこいい構図も荒唐無稽なストーリーによく合っている。惜しむらくは狙われているご本人が影が薄く作品内の駒として一人だけ蚊帳の外にいること。それとオチ。カラクリはまあアレでよいとしてもダラダラと描きすぎ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-07-09 14:23:30)(良:2票)
453.  群衆(1941)
いきなりとある新聞社のプレートが外されるシーンから始まり、社員が次々とジェスチャーでもってクビを宣告され、宣告された一人の女性が上役にかけあい懇願し落胆し憤慨するその傍らで、その間中新たなネームをドアに書き入れる職人が邪魔に邪魔され続ける様の流れるような見せ方が実にスムーズで且つ面白い。キャプラの楽しい映画が始まる。しかし思いっきりコメディな冒頭部から徐々に社会派色が色濃くなってゆく。それでも男が群衆に祭り上げられてゆく展開そのものはコメディそのものだし、随所にユーモアを散りばめた演出もあって傑作の臭いまで漂ってきたのだけど、終盤はえらくブラックな展開が待ち受けており、社会派は残ったままコメディは消え去り重く暗いヒューマンドラマで締めくくる。重い暗いと言ってもそれがダメなんじゃなくてむしろ群衆にバッシングされるシーンの雨の中の孤立無援ぶりの凄まじさは強烈な画として印象深くすごくいいと思う。ただ、最後の最後。感動的なのはいいのだが、その重さ暗さをひきずってるのがどうも。なんとか笑ってお終いにしてほしかった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-11 17:21:23)
454.  大統領の陰謀
事件のドラマ性を排除して、国家の圧力や情報操作をはっきりとしたカタチで見せず、ひたすら二人の記者の行動のみを羅列する。聞き込みと書き込みとタイプライターの打ち込み。ドラマ部分は事件とは関係のない、どの記事にどれだけの枠を与えるかの編集会議とその中で二人の若い記者を支える上司の姿ぐらいに抑えているのでかなり淡々としているはずなのだが、この抑揚の無さが事件の重大性を露としているようでもあり、作られた緊張感とはまた違った妙な生々しさを伴う緊張感の持続がある。とは言ってもこの作品の最大の功労はアメリカ史上最悪の政治スキャンダルをたかだか2年か3年ほどしか経たないうちにエンターテイメントで見せてしまうところにあり、大統領を辞任に追いやった実際の報道とともにアメリカ映画の正義と自由を声高々に発したところにあるのだと思う。2大スター共演はいろんな意味で適任であった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-10 14:55:15)(良:1票)
455.  消されたヘッドライン 《ネタバレ》 
トニー・ギルロイ監督「デュプリシティ~」を観たのが本作鑑賞の前日だったせいか、本作の脚本家の一人にギルロイがいることを知らない時点でなんとなく似ているなあと思ったのだが、ストーリーも雰囲気もけして似てはおらず、ただ単に二転三転する展開と最後にドンとひっくり返す構成だけが似ているだけなのかもしれないが、どちらにしても比べてしまったわけで、比べて気になったのが本作の脇役陣の存在感の薄さである。とくに編集局長へレン・ミレンは勿体無い。キャスティングだけ見ると実に適材適所だと思うのだが、各キャラクターが実にステレオタイプであることもまた事実。ベテラン記者のやぼったさと現場主義。新人記者のはつらつさと正義感。編集局長の資本至上主義。最後のどんでん返しは予想できない。しかしそこに痛快さはない。ダースベイダーを倒すことに躍起になってたら倒すべきはハン・ソロだったみたいな。ちょっと違うか。巨大な組織を相手にした反体制のヒロイズム、ダンディズムがしぼんでゆく。それでも書く!というジャーナリスト魂な映画だったわけだが、このオチの部分だけ妙に安っぽいドラマになってる。
[映画館(字幕)] 6点(2009-06-08 16:09:31)(良:1票)
456.  バニシング・ポイント(1971)
何度かテレビで見ていて印象に残っているシーンはところどころあるんだけど、どんな話だったか全く思い出せず「デス・プルーフ」後に再見した多くの映画ファンに漏れず私もやっぱり再見したのだが、そのおかげでどんな話か思い出せないことに納得できた。だってストーリーなんて無い。ただ爆走するのみ。あるにはあるのだが、爆走する以外のものはムリヤリにとってつけたようなものばかりだ。そのムリヤリにとってつけたものってのはアメリカの60年代後半から70年代初めの社会をあまりに分かりやすく再現したものなのだが、この分かりやすい情景による説明があってもアメリカン・ニューシネマを体験していない者にはイマイチピンとこないのではなかろうか。つまりその情景と無謀な爆走の関係にピンとこないということ。それほどにコワルスキーの心情はこの時代背景なら当然のものとして理解できることを前提にされているように思う。ヒッピー・ムーブメント、フリーセックス、ベトナム反戦運動、ドラッグ、、、。そんな時代にハリウッドに対抗するようにして生まれた反体制派の映画群。この映画はアメリカン・ニューシネマという枠に収まる映画というよりもアメリカン・ニューシネマそのもの。というかコワルスキーの爆走がアメリカン・ニューシネマそのものか。鬱屈した、それゆえに反抗的な社会はただひたすらアンチヒーローを求めて止まない。だからどうしたと言われればどうしようもない。ただ、時代背景を無視した、ただひたすらに爆走する青春映画として見たってそれなりの感慨は得ることのできる映画でもある。
[DVD(字幕)] 6点(2009-05-07 13:43:49)
457.  ナインスゲート 《ネタバレ》 
世間が言うほどつまらなくはなく、むしろ面白かったのだが何か物足りない気もしてしまうのは「悪魔崇拝」が描かれたポランスキーのオカルト映画というところでどうしても『ローズマリーの赤ちゃん』を想起してしまうからだけではなさそうだ。主人公は本に携わった仕事をしているが本を愛しているわけではなさそうで(貴重な古書をタバコを吸いながら触りまくる)、金で動くいわゆる商売優先の人。こう書くと悪魔に魅入られる人間という気もしないでもないが、正義の人ではないけどどこか憎めないキャラは彼が演じた某海賊映画の船長をこじんまりとした感じに似ていなくもなく、だからこそ面白かったわけでもあるが、結末がああなるとちょっと愛嬌がありすぎるような気もしないでもない。『ローズマリーの赤ちゃん』や『テナント』や『反撥』のような妄想がなく、オカルトを現実の世界のものとして描く。だからあの女はバイクにも乗り怪我もしセックスもする。何度も言うがだから面白い。でもやっぱり何か足りない。何かはたぶん「狂気」。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-17 14:15:55)
458.  ハメット
作家とタイプライターと虚実入り混じった展開にクローネンバーグ『裸のランチ』を想起してしまって(『ハメット』が10年先ですが)どこか気味の悪い怪しさを感じながら見てしまったが、この独特の怪しさが『裸のランチ』から来るのか『ハメット』の世界観なのかが今さら判別できないのがもどかしい。でもセットを使って撮影してることもあってあきらかに他のヴェンダース作品には無い虚構性を発揮している。撮影が一度頓挫してその合間にまるで「『ハメット』撮影における受難」とでも言える『ことの次第』を撮ったらしいのだが、これを見るとなるほどアメリカとヨーロッパの、娯楽と芸術の、コッポラとヴェンダースの対立と妥協がこの奇妙な世界観を作ったのかもしれないとも思う。けして嫌いではない。途中、物語が破綻へ向かっているようにも思ったが終わってみれば全くそんなことはなく、そこがかえって物足りなかったりする。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-15 14:35:33)
459.  さらば愛しき女よ 《ネタバレ》 
目の前に死体が転がっていようが警察に尋問されようが常に落ち着き払って対応すれば誰でもマーロウになれるんじゃないだろうか。その落ち着きぶりに無理さえなければ。いや、ボギーの落ち着きぶりはけっこう無理があったような気がするけどそれでもマーロウだったんだから、無理の無い落ち着きを見せるミッチャムはさらにマーロウだといえる。加えて、原作には落ち着き払ったうえにキザな心情の語りが入る、そこにハードボイルドの源があるのだが、ナレーションを使うことでそこんところをうまく補足している。だから原作ファンには至って好感度が高いように思う。チャンドラーの作ったハードボイルド臭は確かに再現されているから。それだけでもじゅうぶん面白い映画ではあるんだけど、チャンドラーを知らない人にとってどうなんだろう。知らなくたってシャーロット・ランプリングのファムファタールぶり、はたまた相反する男の純情物語をからませたドラマは回想で語られることによってより哀愁を漂わせていて実にいいと思う。思うんだけど、やっぱりこの映画の良さってチャンドラーの醸す雰囲気を壊さなかったってところが一番なんじゃないかな。とか思ったり。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-04-13 17:01:54)
460.  宮廷画家ゴヤは見た 《ネタバレ》 
『アマデウス』のゴヤ・バージョンを想像してたら全然違った。ゴヤはいなくてもいいくらいの役回り。単にゴヤの生きていた時代のお話ってだけ。でもゴヤの描いた絵がこの時代を切り取っているからこそ生まれた作品なのだろう。宮廷画家だからこそ異端審問を免れたといえるような、人を悪魔に見立てたような風刺版画はまさに「宮廷画家ゴヤは見た」である。今の視点で見るからこの世界のイビツさが際立つのではなく、その時代を生きるゴヤの目にもはっきりとそのイビツさが映されていたというところにそのイビツさに真実味が加わる。教会は神の名の下に天使を裸に剥き腕がちぎれんばかりの拷問を行う。ゴヤは見た。美しい顔が歪む様を。正義はその都度変貌することを。人間があまりに弱く愚かなことを。見応えがあった。ゴヤのモデルとなった二人の男女が時代に大きく翻弄される展開はちょっとわかりやす過ぎる気もするしドラマチックに過ぎる気もするが、まあ娯楽映画としてこの異常な世界を見せるにはこれくらいのドラマを見せないといけないのかもしれない。
[映画館(字幕)] 6点(2009-04-07 16:44:03)(良:1票)
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