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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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461.  カナディアン・エクスプレス
ヘリからの銃撃と山の中のカーチェイスでド派手なアクションを見せて、その後列車内という限られた場所でしか展開しない動きの乏しさとのバランスをとる。同じ列車に乗っている殺し屋から証人を守る。ただそれだけの話でそれ以外の話は無い。無駄がない。テンポも実に軽快である。気軽に楽しめる娯楽映画の王道。列車内なのにあまり密室という感じがなく、いつ見つかるのかという緊張に乏しいのが難。夜のシーンが多かったり、通路に窓がなかったりのせいで列車が走っているという感覚も乏しい。いや、感覚はあるんだけど、そこから生まれる危機感がないというか。だから気楽に楽しめるんだろうけど。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-03 15:00:53)
462.  ロード・トゥ・パーディション 《ネタバレ》 
これは犯罪映画じゃなく紛れもないロードムービー。旅の中で息子は父の愛を感じ取ってゆく。父親が子供に愛情をカタチとして見せるのってこういった極限でないとなかなか難しい。父は息子の命を守ることと同時に生き様を見せる。一方の父親もまた組織より息子を選ぶのだがその息子は甘えと嫉妬心によって父を見ようとはせず、また父も愛情と生き様を見せることができなかった。両父親が対峙する雨の銃撃シーンが美しい。ちょいとキレイすぎて緊張と哀愁に欠けるところもあるんだけど。この両者もまた実ではないが親子の絆を持つ。「Perdition」というのは妻の姉の家がある場所の名前なのだが、「魂の喪失、地獄に落ちること」という意味もある。息子のために父親を殺す。 まさに息子のために地獄への道を選んだ男の物語。大人になった息子の言葉で始まりそして終わるという、つまりは回想の形式ををとってるんだけどそこが不満といえば不満。息子が父を理解し愛したことはラストシーンが示したとおりなのだから、言葉は邪魔なだけ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-05 16:09:58)
463.  グラスハウス 《ネタバレ》 
これを見た当時、リーリー・ソビエスキーを知らなかった(今もよく知らないけど)ので着替えや水着シーンが出てきても「おお!あのリーリー・ソビエスキーが!!」とか思うこともなくかえってサスペンスを堪能できたような。身元引き受け夫婦がのっけから怪しさ満点で、もしやミスリードしているのかと裏の裏を読んで鑑賞したのに、そのまんまやんけ。これもまたミスリードかと思わせるという作戦だったのだろうか(違うよな)。それでも防犯スイッチの番号や車の運転シーンへの伏線が何気に無理なくされている点などはけっこう巧い。薬漬け、病院解雇、幼きリーリーと遊ぶ思い出のビデオテープ、そしてダイアン・レインの死と連なる流れも巧い。事故に見せた犯行がそのまま自分にかえってくる展開も巧い。着替え&水着シーンだって単なるサービスショットなんかじゃなく、その後の車内シートベルト事件から弁護士訪問、そしてそれに結果的に加担したメイド解雇による拘束感の増大へと繋がる伏線になっている。欲を言えば、ガラスで覆われた屋敷やプールの水の音が反響する仕組みなんかがサスペンスに加わってくれると完璧だったのだが。
[DVD(字幕)] 6点(2009-02-24 13:48:25)(良:1票)
464.  エデンの東(1955) 《ネタバレ》 
結果的に「エデンの東」(つまりこの場合は戦場)に追放されたのが兄というところがどうもひっかかってしまうのだが、この物語の「カインとアベル」の逸話からの翻案ぶりは実に巧みで面白い。ただ、翻案ぶりは面白くても物語そのものはべつにどおってこともないのかもしれない。それでも最初は甘えたガキンチョにしか見えなかった主人公が、話を追うごとに徐々に、父からの愛情を与えられなかったゆえの歪みという影を見せてゆく様相にはひきつけられる。主人公が父と共に画面に映し出されるときは決まって画面が斜めに傾いているのだが、一見「歪み」を表現するのに安易なようで、実に効果的に観る者を不安な気持ちにさせていると思う。最後の最後。泣かせどころの大一番、死を前にした父の息子へのお願い(看護婦をやめさせろ)で軽く笑いをとりながらほっこり感動させるってのがハリウッド映画のソツの無さである。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-02-05 16:54:19)
465.  リバー・ランズ・スルー・イット
レッドフォード監督の作品は全く食指が動かなくて、でも観てみるといい映画で、でも再見するかっちゅうと躊躇してしまう。なんでか考えたんだけど、単に内容が刺激的じゃないってことなんかじゃなくて、真面目なテーマを扱ってるからでもなく、真摯に映画に尽くしているからでも当然なく、たぶん、今書いたことが全部そろっちゃったってことなんだと思う。観れば映画に引きこまれ感動もするのは、ちゃんと作られてるから。すごく丁寧。とくにこの作品だと、その家族だけが持ちうる独特の空気というのがあって、それはだいたいその家族にとっては居心地の良い空気なんだけど、そればっかりでもなく、家族の一員でもそれを鬱陶しく感じることもあって、でもそれは鬱陶しいだけで違和感ではないという微妙なニュアンスをしっかり表現できてるような気がする。家族の中のそれぞれのそれぞれに対するけして単純ではない感情も非常に繊細に描かれている。うん。いい映画だと思う。物足りない部分はあるんだけど、こういう監督は絶対必要だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2009-02-04 17:15:06)(良:1票)
466.  砲艦サンパブロ
排外思想が激しさを増す中国を舞台に、その排外思想を生んだ元となる列強国のひとつでもあるアメリカ人の悲劇、などと書くと単純そうにも見えるが中国から利益を奪取する外国、そして自国のように堂々と存在する外国に対する憎しみを持つ中国人がいる反面、長らく在留する外国人を飯の種にする中国人もいるわけで、さらに中国国内が国民党軍と共産党による内戦状態であることによって非常に複雑な状況となっている。その複雑さは砲艦の機関室で仕事をする中国人との確執、対立、協調といった複雑な関係を見ても分かるとおり。この中でマックィーンが助手に抜擢する若い中国人とのジェスチャーによる会話が出てくるが、人種を超えて分かり合える可能性をロバート・ワイズは示唆しているのだと思う。歴史ものにありがちな中国人、アメリカ人という大きなくくりも無く、一人一人がそれぞれの事情と主張を持っていることをしっかりと描きこんでいるのも流石。国の利害を無視して人間としての正しさを全うしようとするヒーローが艦内で総スカンを食らうというのも痛々しいほどにリアル。3時間を越える長尺の中で見せ場は終盤に固まっているだけに前半は盛り上がりに欠けるが、このややこしい世界をここまで分りやすく描いていることに脱帽。長尺止むなしか。それにちゃんと長尺の倦怠をマックィーンの魅力で乗り越えている。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-22 17:07:11)(良:1票)
467.  ポセイドン(2006)
誉高いオリジナルにあった、パニック映画にしては重厚にして濃厚な人間ドラマは一方でちょいと説教臭いというか暑苦しいというか、そんなところもあったのだが、このリメイク版はその暑苦しいところが全く無くすっきり見ることができる。オリジナルの贅肉をそぎ落とした作品。あまりに落としすぎて拍子抜けするくらいだ。だからオリジナルでは脱出劇の最中に一人また一人と命を落としてゆくというのはドラマを盛り上げるための必要なシーンでもあるのだが、すっきり簡潔を信条とする(?)リメイクで同じシチュエーションをやっても全く盛り上がらないのだ。なのに何故オリジナル同様の数人の脱出劇にしちゃったのだろう。迫力のCG映像を最大のウリにしていることは分かりきってるんだし、実際その部分は成功してるんだから、展開も大幅変更すればもっと面白かったかもしれない。全員でゾロゾロ脱出してドカドカ人が死んじゃう映画とか。
[DVD(字幕)] 6点(2009-01-21 14:35:59)
468.  カサブランカ
どんなにキザなセリフを言っても様になるのがボギーのボギーたる所以。と言いたいところだが、これは臭すぎる。それでも徹底して臭いならいいのだが、このボギー、ちょっと女々しいところも見せちゃう。一貫してハードボイルドだったらこのキザなセリフもかっこよくもなるんだろうけど、バーグマン相手に妬いてすねて怒ってイチャモンつけて・・とまるでガキ。だからキザなセリフが妙に浮くのだ。でも、だからこそ名作として語られるのかもしれません。どの作品のボギーよりもどこか手の届きそうな感じがして、そのうえでとことんキザに決めて美人を泣かせて・・ってのがいいんだ。たぶん。 「君の瞳に乾杯」・・か。・・絶対言えんな。「昨日は何してたのよ?」に対して「そんな昔のことは忘れたさ」なんて言おうものなら「ボケたか?」と返されるのがオチだ。「じゃあ今夜は?」に対して「そんな先のことは分からない」なんて答えようものなら「頭弱い?」と返されるのがオチだ。あぁ、ボギー!あんたの時代は良かった~
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-18 14:10:53)(笑:1票)
469.  左きゝの拳銃
ビリー・ザ・キッドものはこれ以外には『ヤングガン』とペキンパーの『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯 』ぐらいしか見ていないが、ビリーの人物像はこの作品のビリーが最も納得のいくもので、作り手もおそらく一番重要視したのはリアルなビリー像だったんじゃないだろうか。復讐の影で多くの人に迷惑をかけ、多くの命をないがしろにすることに気付かない血気盛んでいて浅はかにすぎる青年をニューマンが熱演。粗野な一方で教養の無さをコンプレックスに思う子供っぽさがニューマンのファニーフェイスとまたしっくり合う。パット・ギャレットがえらくかっこよく描かれているが、ビリーのおそらくは史実であろうエピソードに時間を使いすぎて出番が少ないのがもったいない。アーサー・ペンのデビュー作らしいが、銃撃戦の合間やラストのギャレットと対峙するまでの沈黙の時間がなるほどアーサー・ペンらしいと思った。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-12 14:09:39)
470.  片腕マシンガール
映画が始まる前にパンツ1丁の監督によるこの作品の正しい鑑賞方法の説明が映されてそのおバカさに和む。映画冒頭いきなりのド派手なスプラッターアクションもこの和みとのギャップに大いに盛り上がり、和みのおかげで大袈裟な血しぶきもある意味ギャグと割り切れたような気がする。お話は単純で小気味良い。子供向けヒーローものにありがちな展開にギャグすれすれの残酷描写を入れただけで、その部分は全然面白くないのだが(天ぷらにされた腕には笑ったが)主演の八代みなせが見事に激写されていて実に興奮、いや感動した。髪の毛の乱れ具合とか顔の汚れ具合とか苦悶の表情のアップとか怒りの表情のかっこよく映る絶妙な角度とか実に監督のフェチ度が活写されている。体操着姿はアップではなく引いた画でとらえられるのはその場所が体育館であったり背景に校舎が映されていることが重要だから。コダワリに妥協が見えない。そして見えそうで見えないチラリズムの極意とちょっとだけ見せちゃうサービス精神がまた嬉しいではないか。何かを撮ることに長けた人ってのはその何かのオタクでなくちゃいけないのだろうと思った。
[映画館(邦画)] 6点(2008-12-11 15:42:08)(良:2票)
471.  ラッキー・ユー
まずポーカーの極意というか面白さというものがよく描けている。手持ちのカードが弱くても勝てるのがポーカー。運よりも観察力。性格の見極め。読み、裏読み。ポーカーフェイスと演技。プレイヤーの表情や仕草、それらを観察する視線でもってポーカーの醍醐味を見せる。金額がとんでもないのでびっくりするんだけど、その金額相当の緊張感は無い。無いけどもそれはたぶんここでポーカーをする連中の金銭感覚が麻痺しているということであり、一番の目的がお金ではないということの表れなのだろう。ドリュー・バリモアはここでもいい演技をしている。脇にまわれば脇に徹する。ラスベガスの派手な町並みに似合わない、いわゆる華の無い役を完璧にこなし、どこにでもいそう、それでいてけしていない素敵な女性をうまく演じている。屋外シーンも意外に多くてラスベガスそのものも堪能できる。「ベネチアンでゴンドラの船頭してた人が今はルクソールで働いてる」とかデカそうで狭い街であることがさりげなく語られ、いっそうラスベガスのラスベガスらしさが出ている。
[DVD(字幕)] 6点(2008-12-03 13:19:09)(良:1票)
472.  シンシナティ・キッド 《ネタバレ》 
若いギャンブラーが自信満々に登場すると、昨日書いた『ハスラー』のニューマンよろしく往々にして挫折というものが待っているものである。そこから起死回生するのが通常のパターン。ところがマックィーンは自信満々であってもイヤミではなく、クールな佇まいは延々と続くのだろうと思わせてくれる。画面に映っているのはキッドではなくマックィーンその人だ。だから挫折なんて考えられないのである。映画はまさにそのとおりに進み、マックィーンはマックィーンとして勝ち続ける。それでも映画になるのがマックィーンなのだ。と、思わせといてなんとも寂しい挫折で終わらせるという逆どんでん返し。なかなかお目にかからない展開だけにこれはこれでOKなのだが、如何せんマックィーンなもんだからイマイチ挫折感が伝わらないのが残念ではある。言葉少なくアクションも皆無の淡々としたポーカー映画の中でアン=マーグレットの生き生きとした存在が際立つ。サイテー女をここまで魅力的に演じられるのも珍しい。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-02 14:30:22)
473.  ウォー・ゲーム(1983)
冒頭の緊迫したシーンからB級感が漂う。最先端なものを映しているはずなのにセットがことごとくチープ。場面が変わって音楽が鳴り出すと画面はもうB級感で満たされる。けして時代のせいではなくてあきらかなB路線。そのうえシナリオはちゃんとしてるから気楽に楽しめる。ちょっとダラダラしてる部分があって、そのダラダラしてる無駄なシーンにはいつもバカ女がいるのだが、こいつの能天気なキャラにはイライラさせられる。こいつさえいなければ90分くらいの最良の上映時間に収まったのに。それかもっとB級にありがちな学園一の美人かクールな才女かエロ専門かにしてくれたほうが良かったぞ。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-14 12:38:42)
474.  スニーカーズ 《ネタバレ》 
これけっこう好き。たしかに豪華キャストがその豪華さを全く発揮せずにいるのはもったいないようにも思えるが、豪華キャストだと思うからそうなるのであって、それぞれの役者たちはきっちりとそれぞれの役を魅力的に演じている。彼らのそれぞれの分野でのプロフェッショナルさをもっと大袈裟に見せてくれてもそれはそれで楽しいだろうが、抑え気味の中にもそれぞれの個性をちゃんと見せている。キャラ分けもストーリーの小さな抑揚に従事し、とりわけ盲目ゆえの音のプロが指南する音を頼りに場所を特定するシーンはなかなかに巧い展開。さらに盲人に車を運転させる痛快救出シーンもドラマを盛り上げる。ラストのそれぞれの希望の品を告げるシーンの告げられるジェームズ・アール・ジョーンズの顔がそこだけコメディになってて大いに笑えるのもいい。シリアスな場面でもう少し危機感を出してくれてたら傑作になり得た作品だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2008-11-07 16:20:49)
475.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
冒頭の銀行強盗シーンで一気に引きつけられた。まるで『ヒート』の冒頭部のようにこれ以上ない「つかみ」にやられた。前作はバットマンに現実味を帯びさせたゆえのつまらなさがあったのに、この作品はなぜかかっこいい。前作のレビューにバットマンのプロットを借りた別の物語だと思えばそれなりに云々と書いたが、今作はまぎれもなくバットマンのプロットを借りた犯罪映画だ。だから面白いのだ。アクションシーンは前作同様に何がなんだかなのだが、アクションシーン自体が少ないのでそれほど気にならない。それでも前作が最初から最後まで「正義とは」を語るだけだったように、今作もまた「正義とは」が語られ、バットマンの対称としてジョーカーを位置づけることでそもそも「正義」の必要性への疑問まで持ち出してくる。犯罪が蔓延った世界に均衡をもたらすために犯罪者に恐怖をもたらすバットマンがいる。バットマンがいる世界に均衡をもたらすためにジョーカーがいる。そして均衡を得るために少しずつ歪んでいった世界に真の均衡をもたらすのがカタチとして存在しない希望の光。という話。結局、終始説明の映画であることに段々と苛立ってはくる。ここにこの映画に対するイヤな、それでいて大きなしこりのようなものを感じる。あーだこーだ言ってないで犯罪映画を楽しませろよと思うのだ。このあーだこーだはおそらく次回作に引き継がれるのだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2008-10-15 14:51:57)(良:2票)
476.  スケアクロウ 《ネタバレ》 
最後のマッチをくれたから。友情の始まりはこんなものかもしれない。どちらも世間からはみ出した風来坊なのだが、性格は両極端。ジーン・ハックマンとアル・パチーノが見た目そのままの役柄(パチーノは今でこそ我の強いオーバーアクトぎみな役者だけど、若い頃はナイーブな若者の典型みたいな優しい顔をしている)で、その両極端なコンビを演じてみせる。一見、世間にはどうしたって馴染まない欠点だらけの劣等性と世間を渡り歩く術を身につけた優等生のコンビのようにも映る。実際、劣等性は優等生から世間との関わり方を学んでゆく。しかしそれは諍いを避け、世間とうまく折り合いをつけるための方法でしかなく、世間と対峙するものではなかった。映画はむごい現実を見せて終わる。この急転直下ぶりは反則気味だ。しかし同時に一度作られた友情は易々とは壊れないことも見せる。そのことを体現してみせるハックマンだけが救いなのだが、これは救いなのではなく映画はこれこそを見せたかったのだと思わないとやってられないぐらいきつい。
[DVD(字幕)] 6点(2008-10-09 12:09:34)(良:1票)
477.  ブラディ・サンデー
テレビの世界で社会派ドキュメンタリーでならしたポール・グリーングラスの集大成でありハリウッドへの布石となる渾身の作。この作品の手ブレは臨場感を出すための手段として意識的に使われている。それは単に事件をそのまま再現したいというだけで使われた手段なのかもしれないが、もしこの作品が事件をそのまま再現したものに過ぎないのならば映画としての価値を見出すことはなかっただろう。でもこの作品は単なる「再現」を超えていると思う。それはブレどころを押さえているからだと思う。ブレないカメラが行進する市民、敵対心を露にする若者、英軍のそれぞれの立場のそれぞれの行為をわかりやすく映し出す。冷静で冷酷で、なおかつ結束力のあるところを一瞬で解からせるIRAメンバーの描写もいい。そこに暴動の激しさを表すブレる映像がここぞとばかりに挿入されるから効果も絶大である。主人公とまではいかないがそれに近い存在の青年がいるのだが、この青年の行動にもっと添ったかたちの作品にしてくれれば、個人的にはより良かったように思う。エンディングテーマでさらにそう思った。U2の「ブラディ・サンデー」はかっこよくて好きなのだが、この作品とは合わない。映画よりも存在感がある。おそらく音楽がかもす虚構性が映画よりも強いのだ。真実っぽく語るよりも虚構に富んだほうが胸に染み本質に迫れるといういい例だと思った。だからこそ一人の虚構の主人公を物語の軸にしてほしかった。
[DVD(字幕)] 6点(2008-10-01 14:14:47)(良:1票)
478.  ことの次第 《ネタバレ》 
見るからにSFと解かる画が長々と続いたかと思うと唐突にカット!の声。SF映画を撮影するスタッフたちが映される。その海に面したロケ地にゴダールの『軽蔑』を思い出したのだが、続いて監督がドイツ人で名前がフリッツ(『軽蔑』ではフリッツ・ラングその人が出演している)、プロデューサーがアメリカ人、そして商業主義への批判と、まさに『軽蔑』の映画製作部分が模倣されてゆく。さらにはだいたい時を同じくして作られたであろうゴダール『パッション』の映画内映画製作に描かれる物語の有無における対立、あるいはトリュフォー『映画に愛をこめて アメリカの夜』のようなハプニングに会いながらも仲間内のなごやかで、どこか楽しげな撮影風景が映し出される。映画は後半、アメリカに舞台を移したところから全く別の色合いを帯びてくる。言い換えればヴェンダースらしくなっているのかもしれないのだが、前半に登場した魅力的な面々がことごとく置いていかれてそのまま忘れ去られてしまって、なんだかなあという感じ。ラストの銃声と銃声に反応してカメラを構える姿がかっこいい。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-19 12:52:46)
479.  キャビン・フィーバー(2002) 《ネタバレ》 
あらすじだけ見るとよくあるB級学園ホラーなんだけど、で、実際そんなアホっぽいノリで始まるんだけど、謎の伝染病が発生してからのノリが凄くいい。仲間内の騙し合いとかありふれた展開が繰り広げられるのかと思ったら、あるにはあるんだけど意外とそこには力が入ってない。変な心情描写とか無くって、かといって今どきのホラーにありがちなむやみに観客を驚かせたり予想できない急転直下な展開にしてみせたりといったこともしない。古風なまでに王道。なんだけど全然飽きさせないのは、往年のホラー映画のいろんなところを頂戴しまくっているというのもそうなんだろうけど、それ以上に細やかな点でのヘンテコリンな配慮が抜群に面白い味付けになっているところにあると思う。最初の感染者のもういやがらせとしか思えないように血を吐きまくるとか、汚された車の掃除とか、セックスの後に男の大事なところに殺菌クリームかなんかを塗ってたりとか、みなさんのおっしゃるパンケーキ少年もそう。これで怖かったら言うことないんですけど・・。あと、エンディングが凄かった。ゾーッとするようなことが展開されてるんだけど、めちゃくちゃのどかに見せちゃってる。ハッピーエンドのノリで。ということで限りなく7点に近い6点。 
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-12 14:16:26)(良:1票)
480.  アウトブレイク 《ネタバレ》 
ウイルスやら怪獣やらをやっつけるために軍が町ごと消しちゃうってのはもうお決まりのパターンとして登場するのだが、この作品の公開当時ではお決まりというほどではなかったし、いきなり冒頭部で前触れ無しにアフリカの村を焼き尽くすというシーンを持ってきて観客に軍の非情っぷりを見せつけているのが功を奏し、なかなかどうして、ドキドキと楽しませてくれる。ご都合主義に走るのはハリウッドのお約束なんだし別にいいのだが、でもたしかにこの終盤の展開はちょいとやりすぎ。山に放した野生の猿が早々に見つかるのもアレだが、その前に宿主が猿だと判明する過程がご都合主義に過ぎる。ムリヤリな見せ場としてのヘリの攻防戦はまあいい、というかけっこう気に入っている。爆撃の阻止と指揮官拘束というご都合主義は許せる、というかむしろ天晴れ。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-10 14:50:59)
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