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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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501.  間違えられた男
主人公が新聞の見出しを「見る」。そしてその見出しごとに表情を変える。「見る」という行為がことさらに強調されたこのシーンがその後、保険会社の受付嬢に怪しく「見られ」、取調べの面通しで「見られ」、という恐怖体験を暗示する。主人公の目に映る警察官、留置場へ続く廊下が主人公の不安感を高め、妻の異変もまた主人公と弁護士の、妻の行動を見る目によって露呈される。視覚に訴える映画という媒体の中で視覚の有効利用をしているわけだ。また、状況説明を「見たあとの顔」だけで表現しているのでリアルな恐怖感が出ている。ヒッチコックの他の作品とカラーが異なるが、この作品もまた巧みな映画術が満載だ。
[DVD(字幕)] 7点(2006-08-02 16:13:23)(良:1票)
502.  知りすぎていた男
イギリス時代の『暗殺者の家』を自らリメイク。リメイク映画のお手本でオリジナル作品に縛られない自由な演出が成功しているが「縛られない」というだけでも並みの監督ではないことの証明になっていると思う。サスペンスとは似つかわないゆったりとした「ケ・セラ・セラ」が作品に緩急を与え、その歌声が物語を盛り上げ、その歌詩が母の想いとリンクする。この効果的な歌の使われ方は天才的です。歌手ドリス・デイの起用と合わせて極めて完成度の高い作品。今までのヒッチコック作品のレビューでヒッチコックらしいとからしくないとか書いていたかもしれないが、どっちにしろこの人は天才だというところに落ち着きそうです。それはヒッチコック作品を見れば見るほど確信を帯びてきます。
[DVD(字幕)] 7点(2006-08-01 10:35:57)
503.  ロープ
最初に殺しのシーンを見せてしまっているので犯人たちがその後のパーティーをどうしのぐか、あるいはしのげるかどうかだけがこの映画の楽しみということになるが、言い換えればよほどの自信が無ければ最初に殺しを見せてしまうなんてことは出来ない。そしてこの映画は見事に犯人だけが持ちうる不安と焦りを観客に共有させ、サスペンスを堪能させることに成功している。フィルムの限界までまわし続けるノーカット撮影は結果として登場人物の背中などを利用してつなげる部分などかなり不自然で普通にカットしてくれたほうがより洗練されたものになったに違いないが、こういう試みこそがヒッチコックならではでその精神こそが作品を魅力的なものにしている。また、過酷な緊張を強いられたであろう役者陣によって作品自体も緊張感が張り詰めている。
[DVD(字幕)] 7点(2006-07-31 15:41:22)
504.  3人の逃亡者
これ見たときはオリジナルとあまりにいっしょで拍子抜けしちゃいましたが、なるほど、鱗歌さんのレビューで納得。でも同じことをしてるのに雰囲気が少し違う。どこか軽い感じがするのはキャストが違うからだけではないでしょう。照明の明るさやちょっとした新ギャグがオリジナルのフランス版にはない軽さを演出している。好みの問題もあるだろうがアメリカ映画に山ほどあるこの軽さを催したこの作品よりやっぱりオリジナルのほうが好き。それに唯一大きく異なるラストシーンが断然いいんですよ、オリジナルは。笑いと涙の織り交ぜ具合は変わらず良し!ということで。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-07-27 15:53:24)
505.  インサイド・マン
スパイク・リーお得意の人種差別という負なるテーマを極力抑えて、アクション娯楽映画に徹しながらも最適なさじ加減で人種差別ネタを絡ませるあたりはさすがにうまいなぁと思った。オープニングのリズミカルかつ異国感漂う音楽がまさにそんな「スパイク・リーのアクション映画」を表現しているようだ。でもでも、なんなんだろうなぁ。もう一回見たら感想変わるかもしれないけど印象が非常に薄い。人種差別ネタのパロディのような使われ方は良かったけど、ストーリーのキーとなる銀行の会長の過去というものが社会派の風味を増してくれるものと思ったら増すどころか単なるストーリー上のキーで終わってて、もちろんそれはそれでいいんだけど、それなら娯楽作としてジョディ・フォスターとかウィレム・デフォーという超の付く有名俳優はもっとあばれてめだってくれなきゃと思う。この二人の役は無名俳優でしてくれたほうが作品の風味を活かせたと思う。
[映画館(字幕)] 5点(2006-07-24 19:22:38)
506.  SONNY ソニー
ニコラス・ケイジ初監督作から勝手にイメージしたものとは大きく逸脱したもので驚いた。オープニングこそごくありふれた色調だったが主人公の住む世界に入ってゆくごとに独特の色を配してゆく、いわゆるアート系の作品の臭いを持っている。戦争から帰還し家の扉を開けるオープニングシーンもただのお話のオープニングというのでなく、ちゃんと物語のキーとなる「自分の殻」の象徴として登場し、エンディングにもリンクしている。俳優の演技が作品の評価を左右するほどの人物偏重の描き方は監督が俳優だからでしょう。でも俳優陣はその重責を全うした演技を見せてもいます。とくにジェームズ・フランコの表情の作り方は絶妙です。ただしやっぱり脚本の盛り上がりの無い構成や、先にあげた人物偏重の描き方が不満に残る。
[DVD(字幕)] 5点(2006-07-21 14:57:51)
507.  プリティ・ベビー 《ネタバレ》 
この作品は超美形と妖艶さと幼さを同時にかもし出すあの時期あの一瞬のブルック・シールズを起用したというただそれだけで映画が成り立ってしまうくらい彼女の魅力が映画を支配している。12歳の娼婦、そして少女のヌードというセンセーショナルな話題先行によって正当に評価されていないような気もしますが、センセーショナルさを奪えばストーリーそのものも活きてこないのでしょうがないところでしょうか。愛を売るという環境の中で愛を求めてしまう、そして本当に求める愛は男からの愛ではなく母からの愛という結末を納得させるだけの少女の少女たる子供っぽさを大人びた美貌の中に確かに映し出していた。そういう繊細な描写がルイ・マルの映画であり、話題づくりに脱がせる安易な作品とは異にする作品であることを物語っていると思う。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-07-19 14:44:05)
508.  拾った女
スリとすられる女、そしてそれを見ている男、と主要な人物が交互に写されいきなりサスペンスを盛り上げるオープニングシーンは電車の揺れの再現、窓からの光、新聞紙などの小道具の使い方も含めて何気ないけど完璧に観客をひきつける。この映画はストーリーもじゅうぶん楽しめるがストーリーを堪能しなくても楽しめる。まずなんといってもテンポがいい。テンポがいいから唐突なラブシーンにも酔える。印象深いシーンは多々あるがコミカルな部分を背負っていたタレコミ屋の老女がゆっくりと大げさにクローズアップされてゆくシーンがとりわけ印象に残る。彼女のコミカルな会話が走馬灯のように蘇り彼女の人生、はたまた下層級の生活の厳しさまでもが浮き彫りにされてゆくというとんでもなく素晴らしいシーンです。娯楽映画としてのツボをおさえた作品であると同時に細部へのこだわりに満ちた作品です。
[映画館(字幕)] 7点(2006-07-07 11:50:13)
509.  北北西に進路を取れ
ヒッチコックの作品の中で最もスペクタクルに富んでいる。それゆえにヒッチコックらしくないと言われることもあるらしいが、全編、巧みでユーモア溢れる演出が満載されており、スペクタクルも<=大味>ではなく見事にサスペンスを盛り上げている。その一番の代表がセスナに追っかけられるシーン。一面畑の広々とした、それでいて寂しい空間にぽつりと立つ主人公。ヒッチらしからぬ長ーい間が緊張の色を徐々に濃くしてゆき、一気に「静」から「動」へと加速する。スペクタクルといってもいわゆるスペクタクル映画と言われるものと比べたら迫力には欠けるかもしれないが、そのことを逆手にとってラストではクライマックスのピークでいきなり端折って列車の中に切り替えてしまうなんて演出はもう参りましたとしか言いようがない。ヒッチコック作品には個人的というか生理的に苦手な演出ってのがあって、それは悲鳴を上げたときの忘れられない恐怖の顔のアップだったり、とにかく精神が普通じゃないときの人物の見せ方にインパクトがありすぎるってことだと自分では思ってるんですが、この作品はそういうのが無いので、素直に楽しめたという意味ではヒッチコック作品で一番かもしれない。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-07-06 18:20:49)
510.  電撃フリントGO!GO作戦
どこまで真面目に作っててどこまでふざけて作ってるのかわからんところが素晴らしい。スパイツールに関しては「007シリーズ」や「M:Iシリーズ」に引けをとっていない。ただものすごくちゃちいだけで。仮死状態でピンチを脱するところなんて馬鹿馬鹿しいんだけどスパイ活動前の精神統一シーンでちゃんと伏線をはってたりして作りそのものはけっこう丁寧だし、敵の理想郷は漫画チックだけど共産主義の理想を彷彿させ、拉致、洗脳、奉仕係なんてまるで某国を彷彿させ、細部はありえないことだらけなんだけど本筋はけっこうリアルでシリアスだったりしてあなどれません。「オースティン・パワーズ」のようなギャグに転化したパロディではなく、まじめにB級路線に転化したパロディ。観たのはずいぶん前だけど大統領直通電話の着信音が忘れられません。
[DVD(字幕)] 6点(2006-07-05 16:49:15)
511.  M:i:III
「Ⅰ」も「Ⅱ」も監督のそれぞれの味が出ていてそれなりに楽しめた。そしてこの「Ⅲ」の味はどうだったか。冒頭で涙を見せるイーサン、、彼はスーパーマンではなくて人間なのだという新しい「M:i」に期待させられるシーンから始まり一般人役のミシェル・モナハンがアクション映画とは不釣合いの初々しい笑顔を振りまく。ここまでは良かった。あとは怒涛のアクションがひたすら続く。そのひとつひとつは確かによく出来ているし見応えもあるし楽しいものだった。しかしそのどれもがこれまでにどこかで見たことのあるものを最新技術をもって映像化しているにすぎない。またクライマックスの連続のような展開も、例えば『レイダース』のように合間に笑いを入れるとか、あるいは笑いじゃなくてお色気でもいいんだけど、なにか小休止的なことをしてくれないと疲れるし、それぞれのアクションが印象に残らない。けっきょく面白くなりそうなシーンをつなぎ合わせただけの金のかかったテレビドラマみたいなものになってる。監督はエンターテインメントに徹したつもりだろうが、その手法はあまりにも幼稚じゃないですか?
[映画館(字幕)] 4点(2006-07-03 14:09:32)
512.  ワンダとダイヤと優しい奴ら
モンティ・パイソンのギャグってどうも笑えない。でも嫌いじゃない。必死で笑わせようとしてすべってるってのと違って、また反対にいい加減に作ってるわけでもなくて、実に真剣に喜劇を作り、それでいて安易に笑いをとろうとはせず、かといってわかる人だけわかればいいという高尚な笑いを提供しているわけでもなく、むしろ馬鹿馬鹿しくって下品なギャグが満載で、でも下品なギャグってゆうより大人のギャグって感じで、笑っていいのか困惑するようなブラックが散りばめられていて、やっぱりこれは子供には見せられんなと思ったりもする楽しい映画です。なんのこっちゃ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-06-30 17:42:20)
513.  泥棒成金
偽者は誰なのか!というストーリーはまぎれもなくサスペンスなのに極力サスペンス演出を排除し、ロマンス色、コメディ色を前面に押し出している。今気づいたのですが『ダイヤルMを廻せ!』『裏窓』そしてこの『泥棒成金』というヒッチコックとグレース・ケリーのコンビで見せる3作品ってすべて同じ年の製作なんですね。凄い!でもなるほど、だからこそ作風をあえて変えてきたのでしょう。ロングショットで見せるカーチェイスシーンは意図的にスリルを排除しているのがわかる。南仏ののどかな景色を眺めながらのちょっとした観光気分を味わえるカーチェイス。そしてやっぱりグレース・ケリー。クールなお嬢様がプンプンと怒る様がなんとも可愛らしい。そして熱烈なキスシーンでは大人の女の顔を見せる。美しいグレース・ケリーを堪能する映画。でもどうせならもっともっと彼女を前面に出し切ってほしかったような気もする。
[DVD(字幕)] 6点(2006-06-29 11:50:08)
514.  ピンクの豹
さりげないギャグの連続がナンセンスに消化されればいいのだが、妙にリアルでクルーゾー警部がドジるたびにそのドジぶりが笑いへと転化されずに哀れみすらおこさせる。しかしクルーゾーにだけ頼った作品ではなく、むしろ笑いに関してはクルーゾーのキャラで笑わせるという小賢しいまねよりもちゃんと演出で笑わせようという第1作ならではの誠実さが伺えます。ベッド下のリットン卿とバスルームの彼の甥がクルーゾーの部屋から脱出を試みるシーンの抜群のタイミングで絡み合うドタバタぶり、やっと出て行けると思ったらドアノブがとれるという典型的ギャグ、けっこう楽しめました。あと、反則的に笑いをとっていたシマウマ!あの画面の収まり具合は絶妙でしょ。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-06-28 11:10:25)
515.  エントラップメント
盗みのシーンは緊張感はなかったけど盗み方のアイディア自体は面白かったし、その見せ方も悪くない。スター俳優同士のロマンスモードが控えめに描かれているのも好感が持てる。でもラストのどんでん返しは反則ぎみ。たしかに伏線らしきものもあったけど、逆伏線とでも言おうか、ラストを読ませないための取って付けたような展開がダメ。脚本だけで完結している作品。
[DVD(字幕)] 4点(2006-06-27 12:35:26)
516.  オーシャンズ12
ぜったい面白くないだろうと思いながら観たせいか、『11』よりも楽しめた。思えば『11』はかっこよすぎたんです。こちらはいきなりメンバーが「なぜオーシャンズ11なんだ?」と一匹狼的その筋のプロの集まりがなぜオーシャンのグループのような名前なんだという我々も感じていた疑問をパロディとして『12』は『11』のアラを提示する。その時点でこの作品には「余裕」を感じます。そしてかっこいいの手前でかっこ悪さを見せるクルーニーとピットのリアクションが楽しい。たぶん撮影も楽しかったに違いない。泥棒対決なんて筋はチープこの上ないわけですが、ソダーバーグの仲間内(凄いセレブな仲間)で撮った洗練された和気あいあい映画としてじゅうぶん楽しめました。一人だけ「余裕」を感じさせないデイモンがまたかわいい。
[DVD(字幕)] 6点(2006-06-26 15:26:41)
517.  ジーザス・クライスト・スーパースター 《ネタバレ》 
レコードのヒットから始まりコンサート、舞台劇、そして映画化という流れで登場した作品。イエスの最後の七日間をロックに乗せて綴ってゆく中で時代考証を無視、というかわざとむちゃくちゃな衣装と設定にしているのは、それ自体がロックということでしょうか。マグダラのマリアがアジアンな顔立ちなのは、またイエスとマリアの愛をとりわけ際立たせたところには、ジョン・レノンとオノ・ヨーコを連想しちゃったのですが、自分で言うのもなんだがあながち的外れではないような気がしてるのですが・・。オープニングで役に入る前の人たちを映し出したようにエンディングで役をおりる人たちを映し出すのですが、そのときのマリア役の人の視線に劇中の物語を凌駕する物語を感じます。ダンスそのものに斬新さも無ければダイナミックさも無いのが不満ですが、それ以外ではけっこう気に入ってます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-06-23 19:14:27)
518.  キング・オブ・キングス(1961)
聖書というフィクション(大きな声では言えないが、イエスは実在したが特に目立たなかった人物というのがその筋の定説だとか)をほぼ忠実に再現し、聖書に記載された事件の一つ一つをわかりやすく且つ壮大に解説してくれる作品。なんでもイエスの顔を映し出した最初の映画だとか。イエス役のジェフリー・ハンターがかなりのイケメンですが個人的には人をひきつけるイイ顔だと思いました。バラバが民衆を味方につけたゲリラのリーダーでユダとは昔ながらの友人という設定が斬新でしたが、ユダの裏切りをやむをえない行動とし、なおかつドラマチックに見せることには成功していたと思う。物語を追うことに必死になるのは題材ゆえにしかたのないところだろうが監督がニコラス・レイだけに残念。それでもロケシーンはハリウッドに染まらないレイの迫力ある演出を堪能できます。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-06-21 13:43:27)
519.  偉大な生涯の物語
シーンの合間に映し出される情景や特に前半にあった遠景のショットが、この映画の扱う人物の崇高さを漂わせる神々しい美しさを発している。しかし中盤あたりからその美しさが消えている。ジョージ・スティーヴンス以外にノンクレジットながら二人の名前が監督の欄にありますがなにか関係があるのでしょうか。この作品、オールキャストながらけして俳優のスター性に偏った演出はなされずに、またわざとらしい見せ場も用意されずに作られていますが、すでに商業主義が何よりも優先されたハリウッドの大作でそれが出来たのはイエス・キリストという名前の重さゆえでしょう。ただ、その重さゆえに面白みにも欠けているような気がします。感情を露にしないこの作品のイエス像は製作者たちの宗教観から来るものなのか、キリスト教世界に彼らなりに配慮したものなのかわかりませんが、個人的にはすでに大ヒットを記録した『ベン・ハー』でけして姿を見せず声も発しない、まるで「神」そのもののイエス像が影響しているのだと思いました。
[DVD(字幕)] 5点(2006-06-20 15:13:50)
520.  パッション(2004) 《ネタバレ》 
イエスを描いた映画は、そのほとんどが聖書に沿ってイエスの生涯が語られる。その中にあって「受難」のみを描き、それ以前のエピソードをフラッシュバックというカタチで見せてはいても「受難」のシーンに絡んでくる事柄以外はばっさりと切り捨ててしまったこの作品はそれだけで異色であり、他とは違うという一面において意義があると思う。私はキリスト教徒でもなんでもないが、これはイエスを描いた映画ではなく、キリスト教の心理を描いたものだと思った。目を覆いたくなるような拷問をひたすら受け続けたイエスが「彼らを許してください」とつぶやく。迫害されれば迫害するものを愛しなさいと言う。この「受難」のエピソードは知っていても「受難」の過酷さはなかなか伝わらないものだ。でもこの作品は拷問が激しければ激しいほどにそれを受け入れることの尊厳さが際立つ。イエスの「奇跡」だとか「復活」だとかは置いておいて、今世界の、特にアメリカのキリスト教徒たちに向かって「許す」ことの偉大さをあらためて提示しているのだと思った。ただもう一回見ようとは思わない。それほどに痛々しい。
[DVD(字幕)] 6点(2006-06-19 16:58:19)
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