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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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41.  ファイナル・カウントダウン
過去に戻ることによって現代(当時の)のアメリカ合衆国が誇る兵器がいかに進歩しいかに最強であるかをわかりやすく見せた映画。しかも比べる相手はF6Fヘルキャットではなく同時代対決でも大人と子供ぐらいの差があった日本のゼロ戦。にしてもF-14トムキャット。見せる見せる。で、魅せる魅せる。マニアにはたまらんでしょうね。マニアでなくてもかっこいいなって思うもん。はっきり言ってその過去が真珠湾攻撃直前であることはこの映画にとって然程重要ではない。トムキャットの勇姿とその勇姿を通してアメリカの威厳を見せることができればOKの映画なんだと思う。カーク・ダグラスはまさにその威厳を見せるためのベストキャスティング。このとき64歳。ちなみに今年(2011年)のアカデミー賞でプレゼンターとして登場したとか。スゲー。
[DVD(字幕)] 5点(2011-06-16 16:11:00)
42.  ドニー・ダーコ 《ネタバレ》 
病的になる一歩手前の独特の暗さが印象的。結局なんだったんだろうという後を引きずる結末もあってかカルト化してるとかしてないとか。『バタフライ・エフェクト』みたいだけどその自己犠牲は比べもんにならんほど最強。それとも自己犠牲なんかじゃなく後に見た『ラブリー・ボーン』の考え方、つまり自分が死ぬことで世界が好転するというポジティブシンキングなのか。はたまた『マルホランド・ドライブ』的死人の夢か。まあ、どれでもいい。そんなことよりも気になるのは何故銀色のウサギなのかってところ。あるいはその名前とか。何故80年代後半なのかとか。あと「世界の終わり」という魅力的なフレーズ。テレビに映される大統領選挙戦もある意味一つの世界が終わろうとしているんだよなとか思うと余計に気にかかる。いろんな意味でスッキリしない映画。意味がなくたっていいんだけど。実際、銀色ウサギはそれだけで幻想的でどこかホラーっぽくもあって映画をじゅうぶん盛り上げているんだし。でもやっぱね。ちょっと気になるじゃん。なんで銀色ウサギなのって。
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-15 17:45:24)
43.  ある日どこかで 《ネタバレ》 
面倒くさくない映画。写真の女に恋をした。だから過去に行く。極めてシンプル。そこに現実的な葛藤はない。どうやって行くのか。こうやって行くのだ。それでいいのか。それでいいのだ。細かいことは放って突き進むそのいい加減さが気持ちよい。だってこれは現実じゃなくって映画なんだから。かと思えば時間をかけて見せる出会いのシーン。初対面の男に有名女優がどんどん惹かれてゆく理由はとくには描かれなく、それでも納得させてしまうのはこの出会いのシーンの美しさに尽きる。唐突に現在に戻された主人公が悲観にくれる。もしや今まで見ていたものは彼の妄想だったのかとも思った。どちらにしろ「妄想」も「過去」もその現実の世界ではない世界に違いない。そしてやっぱり「映画」もまたその世界ではない世界なのだ。そう考えると実に映画向きの物語だなあと思った。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-14 15:55:56)(良:1票)
44.  戦略大作戦
評価悪いだろうなあと思って来たら意外に高評価でビックリ。私も好きっすねえ、これ。地雷を探しながら進んでゆく場所、敵の偵察が来てそこから大銃撃戦が始まるところがいい。どこかダラダラとした展開がここで一気に緊張感が高まり、一気に動きが増す。ドイツ軍のタイガー戦車といよいよ対決ってところもいい。緊張感を煽るラロ・シフリンの音楽が効果的に使われています。(ちなみにこの音楽、『イングロリアス・バスターズ』の映画館内でヒットラー暗殺計画が遂行されようかってときに流れるんだけど、あいかわらずのタランティーノの選曲センス&映画オタクぶりに脱帽。)で、その対決の最終的な決着のつけかたが、そんなのありかよ!なんだけどもう最初から戦争映画なのに愛国心もクソもない内容なのでこの決着しかないなとも思うわけで。イーストウッドが出てる映画ってけっこう長尺のものがあるんだけど、全然だれない。たぶんイーストウッドはいるだけで様になってるってのが一つある。さらにそのイーストウッドを食おうかいうくらいのキャラの相棒とか敵キャラの存在も大きい。ここではもちろんサザーランド。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-03 13:48:52)
45.  マーニー
オープニングに目に飛び込んでくるのがなんとも鮮やかな黄色のバッグ。ヒッチコックらしからぬ奇抜な色使いがこの後に「色」がキーとなることを予告しているかのようだ。『白い恐怖』『めまい』『サイコ』等と同様「トラウマ」を扱った映画なのだが、この作品の「トラウマ」はそこからサスペンスを生み出すというよりは重要な物語の一部としてある。そのせいか妙に説明くさい。そして何よりも余裕をかますショーン・コネリーがよろしくない。巻き込まれてこそ面白いのだ。慌てふためいてこそスリリングになるのだ。コネリーは貫禄がありすぎて安心して見られる。これはいかん。前半はロマンスコメディのノリなのでそれもありかなとも思ったんだけど。
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-02 16:20:46)
46.  ツーリスト
まさか「監視」から始まるからってこの監督の名前が挙がったってことはないだろうが、ハリウッド映画とはあまりにかけ離れた『善き人のためのソナタ』の監督がなぜ選ばれたのだろうか。結果としてはハリウッドの監督よりもいい味が出てるかもしれない。巻き込まれ型サスペンスであり、その巻き込まれる人ジョニー・デップの登場が列車の中ということもあってヒッチコック映画を彷彿させたりもするのだが、それを置いておいても豪華に着飾るヒロインといい、そのヒロインに心底惚れた男がいるなんて設定がどこか一昔前のハリウッド映画を彷彿させる。この一昔前ってのが外国人監督ゆえの味付けなのかなと。それにしてもあのアンジーのメイクはなんなのでしょう。これも「一昔前」の演出なのでしょうか。それとも今の流行?ひたすら怖かったんですけど。あれでアップは勘弁。
[映画館(字幕)] 6点(2011-06-01 15:36:35)(良:1票)
47.  ザ・タウン 《ネタバレ》 
監督デビュー作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』同様に小さな街の物語。そして今回もまた素晴らしい脚本にやられた。ものすごく繊細。ものすごく丁寧。例えば主人公の設定。麻薬、アルコールを断っている。断ったからこそ真人間としての思考を持つことができ、強盗団のリーダーでありながらごくごく普通の感覚を持つ女性を好きになるという不自然さを解消させている。あるいはホッケー選手の件をオチに繋げるうまさ。どれもこれもが極めてさりげなく語られていることも重要。トラウマになるほどの人質の恐怖は目隠しのまま解放されるシーンの長い沈黙という一つの画のみで表現してみせる。その後のドラマチックな出会いを実に自然な展開へとしているのはここだ。女性の事故死した弟のエピソードを語るシーンの自然な展開よ。そしてそれがラストに再度使われるためにあるのだと分かったときの痛快感。書き出したらキリがないがとにかく丁寧。かといって辻褄合わせに翻弄されない。街に精通したプロらしいカーアクションや豪快な銃撃戦がまた嬉しい。ベン・アフレックはイッパイいい映画見てるなと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-31 14:41:12)(良:3票)
48.  ファンタスティック Mr.FOX 《ネタバレ》 
妻には足を洗うと約束するものの数年後に泥棒稼業に逆戻り。擬人化されているのでここはMr.FOXが悪いと思ってしまうのだが、野生動物の本能なのだと言われるとたしかに彼らはキツネ、泥棒という行為を責めるほうがおかしいのだと思い直す。そしてキツネであることを思い知らすかのように食事シーンでは誰もが凶暴な顔で貪り食う。と思ってたらここに出てくる人間たちはキツネを言語のわかる動物という設定で対決してゆく。もうその行動は相手を動物として見ていない。設定がむちゃくちゃというかテキトーというか。しかしそのテキトーさを許容するのがアニメーション。この作品はアニメーションであることの恩恵を最大限に活かして作られている。ストップモーションアニメなのだが動かないMr.FOXをそのまま回転させて背景を流してゆく逃亡シーンのまるで手を抜いたかのような部分もアニメーションならではで、このふざけた横移動シーンだけでも実に楽しい。父の尊厳と家族の再生の物語であり父を超える息子の成長物語でもあるといういかにもアメリカ映画的なテーマを直球で見せられてもアニメーションは許容する。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-30 15:30:00)
49.  フォー・ルームス
タランティーノの声がけで集まった当時の若手監督たちによるオムニバスコメディ。案内役のベルボーイがどのお話にも登場すること以上にジェニファー・ビールスが2話と4話に登場するなどの工夫で1本の長編映画としても楽しめるようになっている。  ■「ルーム321:お客様は魔女」女性監督らしい下ネタ満載なのはいいが、個性豊かな魔女軍団の見せ場なしなのがもったいない。盛り上がらずにオチもなし。ただ下ネタがあるだけ。撮影はロドリゴ・ガルシア。 ■「ルーム404:間違えられた男」目の前に椅子に縛り付けられている美女がいる。そこから始まるのがまずいい。ずっと縛られた状態で話が進むのだがホテルの部屋という限定された空間でのお話にとってもこれ以上ないシチュエーションといえる。けっこう楽しめた。監督は当時のジェニファー・ビールスの旦那。 ■「ルーム309:かわいい無法者」ロドリゲスだ(笑)。ホテルの一室の子守でここまでハチャメチャなものを作っちゃうなんて、さすがだ。子供たちの大活躍はロドリゲスの初期短編『BEDHEAD』を彷彿。全てが過剰なロドリゲス。短編だから、コメディだから、その過剰が活きてくる。 ■「ペントハウス:ハリウッドから来た男」「とり」としては物足りないが「しめ」としてはまずまずか。もうオチにつきる。というかオチのためにダラダラと無駄話が続くお話。タランティーノらしいといえばらしいのかもしれないけど、作品のほとんどが無駄話と説明というのはちとキツイぞ。  ◆<総評>こういうカタチのオムニバスは監督それぞれの個性を楽しめるからけっこう好き。それぞれをホテルの一室での話にした構成もいいと思う。低予算も足かせになりにくいし。その中でその設定を活かしきったのが2話と3話。全4篇で右往左往するベルボーイのお話を4話できっちりと閉めているのもうまい。 
[DVD(字幕)] 6点(2011-05-27 15:55:32)
50.  ノックは無用
アブナイ女を美人が演じるのは至極真っ当なんだけどマリリン・モンローには華がありすぎた。遺作『荒馬と女』では不安定な精神の女も実に様になっていたがこの主演デビュー作においては「華」が勝ってしまっている。冒頭から低いトーンでうつらうつらとしゃべることで「若さ」「明るさ」といった「陽」を消して「陰」を出そうとしているのはわかるが類稀なる「華」はそんなことだけでは消えはしない。というか作る側も作品の質よりも「華」を選んだのだろう。まあそれはそれでいい。そんなことよりも部屋の住人が戻ってくるかもしれないとか他の部屋の住人に覗かれてるだとか電話を盗み聞きされてるとかといったものがサスペンスにいまひとつ活かされていない、また重要な役どころを予感させるホテル探偵がこれまた全くサスペンスに寄与しないってことのほうがはるかに問題だ。
[DVD(字幕)] 5点(2011-05-25 13:46:09)
51.  SOMEWHERE
きらびやかな物語の『マリー・アントワネット」よりも動きがなく地味な物語のこちらのほうがソフィア・コッポラには合っている。退屈になればなるほどソフィアお得意のキレイな画が生きてくるから。いっそのこともっと地味にすりゃいい。最初のフェラーリとか最後のフェラーリとか意味持たせすぎてわざとらしいし、娘の唐突な涙も父親の唐突な嗚咽もやっぱりわざとらしい。もっともっと物語の動きを減らして元々の職業でもあった「写真」に近づけていけばいい。そうすることでもっと映画は豊かになってゆくような気がする。エル・ファニングはかわいいかわいいと思ってたが、ソフィアの手にかかるとさらにかわいい。
[映画館(字幕)] 6点(2011-05-23 13:55:53)
52.  愛がこわれるとき
遠い昔に愛がこわれてしまったあの娘と見に行ったのがもう20年前(しんみり)。筋は「ありがち」且つ「いかにも」なんだけどちょっとホラー風というのもあって見ている時はそれなりにドキドキハラハラしてたような気がするんだけど、作品全体としては地味な印象。地味だといいながら20年前に見たきりなのに缶詰のラベルがキレイにこちらを向いた棚とか海辺の豪邸とか堅苦しくて息も出来ないような結婚生活の雰囲気とかといった断片ははっきり覚えているので、それなりのインパクトを残しているというだけでも評価されてしかるべしと。後半の展開がまた輪をかけて「ありがち」且つ「いかにも」なのはしょうがないにしても「大味」な演出までもが「ありがち」且つ「いかにも」なのがどうにもこうにも。あと、同じ新妻でもこれより後の『ペリカン文書』のほうがずっとかわいいのは何故。
[映画館(字幕)] 5点(2011-05-18 16:55:59)
53.  かいじゅうたちのいるところ 《ネタバレ》 
某レンタルショップの「こども向け」の札がかかった棚にあった。子供と見ようと思ったんだけどなかなか時間がとれず結局一人で見たんだけど、子供が見て楽しめるのかどうか怪しい。まあこればっかりは実際に子供に見てもらわないとなんとも言えないんだけど・・。絵本が元だからといって子供向けでないといけないってこともないわけで、それはそれでいいんだけど・・。うーん、よくわからんかった。かいじゅうたちは少年の創作物で、少年はかいじゅうたちを通して自分を見つめるわけで、というのはわかるんだけど(と思ってるんだけど)、まず、かいじゅうたちの関係が分かりづらいうえにその分かりづらい関係を軸にしたドラマを見せてくることに戸惑う。かいじゅうたちの造形が可愛くもなければ怖くもないのもどうなのかと。子供の創作物だからということであればドラマも子供の創作物なわけだからもっとわかりやすい展開じゃないと。と思うんだけど。テーマとか意味するものを無視して見たって、ドキドキとかヒヤヒヤとかするはずのシーンであんまりドキドキヒヤヒヤできなかった。前後の現実の世界のシーンはけっこう好きなんだけど。
[DVD(字幕)] 5点(2011-05-17 15:26:26)
54.  飾窓の女 《ネタバレ》 
オチに関しては当時はともかくとして今の視点から言うとちょいと残念な気もするんだけど、そのオチに強引さは全くない。むしろ飾窓の美女が現実に現れるという夢のような出来事からしてみれば実に自然な展開、適格なオチと言える。そんなことよりジョーン・ベネットだ。言い方は悪いがまさにお飾り的な美しさ。いるだけでいい美人。他の作品で見たジョーン・ベネットでここまで綺麗なのってあったか?我々小市民は映画という疑似体験装置で超美人とイチャイチャしてその代償として恐ろしい体験をしたりするわけだが、この真面目な大学教授、エドワード・G・ロビンソンはその疑似体験を擬似であることを知らずに体験してしまうのだ。おー怖い。その心情が丸分かりの滑稽極まる表情を見せるロビンソンは私でもある。あー恥ずかしい。
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-11 15:53:06)
55.  ブレインストーム 《ネタバレ》 
他人の五感を体感できる装置の発明にまつわる科学者と会社とのありがちな対立のドラマに一度は崩壊した夫婦関係が再生されてゆく大人のラブストーリーが絡んでゆくのだが、そこから偶発的に起こった「死」によって全く新たな展開を見せてゆくことになる。映画はこの新たな展開を重点的に描こうとする。対立のドラマとラブストーリーはその後も活かされ、この新たな展開の駒として盛り上げてゆくのだが、ここは逆でしょ。新たな展開、つまり「死の体験」という魅力的な展開によって前者を盛り上げていかないと。科学者の遺志を継ぐための行動なのか単に「死の体験」をしたいのかよくわからん状態で「死の体験」が一人歩きしていってる。まあ、見せたかったのはその体験映像だってのは分かるんだけど。で、その映像は監督がこれまで特撮スタッフとして係わってきた映画を想起こそすれ、映像自体に感動はなかった。でも想起すること自体が一種の感動ではあったと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2011-04-28 14:12:39)
56.  ラブリーボーン 《ネタバレ》 
「わたしはスージー・サーモン、お魚みたいな名前でしょ。」と可愛らしい自己紹介。そして14歳で殺されたことが告げられる。殺されることが分かってるから、もう最初っから彼女の笑顔が眩しすぎて・・。仲のいい家族の描写が見ていられなくって・・。死に向かってゆく様々な記号が辛くって・・。で、この映画はこの辛さをどう償ってくれるのか。ありがちではあるけれど「復讐」が最もスッキリとするのは確か。でもこの物語は辛さを「気持ちの持ちよう」で克服する。それって実に映画に不向き。何か行動を起こすから映画になるのであって「気持ち」という目に見えないものをどうやって伝えるのか。家族の崩壊と再生の物語それ自体から読み取ることもできるかもしれないが、スージーの語りというフォローなしでこの「気持ち」を読み取ることができたであろうか。そういう意味では元々映画に不向きな原作をよくここまでのものに仕上げたなとは思う。妹の活躍とかそれなりに面白いんだけど、物語から浮いてる。ビジュアル面が売りなのかもしれないけど、そこは特に惹き付けられなかった。殺害場面を映さなかったことは大いに評価する。
[DVD(字幕)] 5点(2011-04-27 15:53:21)
57.  ヒア アフター 《ネタバレ》 
主人公は死んだ人間と交信ができる。本当にできるのか。冒頭に兄の紹介でやってきた男は第三者の知るはずのない情報を理由に本物だと確信する。つまり本当に交信ができるのだ。この映画のヒロインのように登場した料理教室の女はそれが本物であるがゆえに唐突にヒロインでいることをやめる。その力は主人公を苦しめる。兄を亡くした少年の手をとり死者と交信する。たしかに交信している。一度終わったかと思ったら、そのときの少年の寂しげな顔を見たあとに「まだ何か言ってる」と交信の続きが語られる。ここは本当に交信が成されているのだろうか。主人公の機転で少年を立ち直らせるために話を作ってるってことはないだろうか。何が言いたいのかというと、その力を信じられない人に対してその力を使う場合は過去にあった秘密の暴露をしなくてはならない。一方、端からその力を信じる人にはその必要がない。それが本当なのか嘘なのかはどうでもいい。本当を前提としているから証明がいらない。結果、過去を語らず、未来を語ることができる。「信頼」を前提とした対人関係が示されているのだ。「死後」を共感できる人との出会いは「信頼」から入る対人関係の成立の可能性を意味する。つまり運命の人(の可能性)。よって主人公ははじめて明るい未来へと目を向けるのだ。そのことをあまりにストレートに見せてしまうラストシーンに呆気にとられながら、その強烈な幸福感に泣いた。
[映画館(字幕)] 8点(2011-04-25 16:18:58)(良:4票)
58.  何がジェーンに起ったか? 《ネタバレ》 
ヒッチコックが恐怖にひきつる女優の顔のアップなどというある種の過剰演出によってインパクトを作ったようにアルドリッチもベティ・デイビスの醜悪な顔のアップによって強烈な印象を残すことに成功している。それどころか醜悪な顔自体が過剰な演出であり、過剰に過剰がプラスされてひたすら「怖さ」「グロテスクさ」ばかりが強調されてゆき、サスペンス以上にホラー色を帯びてゆく。このミスリードが活きて、ラストシーンで自分は「姉を殺したいほど憎んでいた」のではなかったのだと知った後の美しく可愛らしい顔が心に刻まれるのだろう。それにしてもそれまでの顔のインパクトが凄まじすぎる。この後にアルドリッチとベティ・デイビスのコンビで作られた似たような構成と似たような雰囲気の『ふるえて眠れ』と合わせて見ると面白いですよ。
[DVD(字幕)] 7点(2011-04-22 16:18:47)
59.  ショック集団 《ネタバレ》 
それぞれの狂人たる理由がその特徴的な狂人ぶりで提示されてゆく。そこには社会派の色も見えぬことはないのだが、色情狂の女たちの登場で社会派色は一気に減少する。てか、女たちをひとまとめにして色情狂にしちゃうそのシンプルすぎる発想が怖い。そんな異常な世界は、ゆえに外の世界の異常性の写し鏡だなんてことはなく、ひたすらに狂気のるつぼとして描かれる。廊下をゆっくりと移動しながら様々な狂人たちを映し出すカメラワークが凄い。ラストシーンではこの廊下を映し出す一連の流れの中に一人の狂人が加わるのだ。美しいヒロインが待つ外の世界が時折映されることで中の世界の閉塞感が増幅されているように思うのだがそのヒロイン、コンスタンス・タワーズの出番の少なさが唯一の不満。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-21 17:54:41)
60.  コッポラの胡蝶の夢
映像がとにかく美しい。夜道が青い画調の中で光り輝くシーンの美しいこと。時代を感じさせるくすんだ色も素晴らしい。暗闇とソフト帽がノワールの香りを、幻想的なストーリーと静かな語り口が文学の香りを発散する。セピア色に映える女優の顔は美しさと儚さを演出する。色調にはかなりの拘りを感じる。どこからも詮索されない環境で作るとこんなのが出来ちゃうのかという驚きと納得。かといって自己満足にかたよりすぎずにちゃんと「見せる」映画に仕上げているのは娯楽の王道のトップを走ってきたコッポラゆえか。素晴らしいです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-04-14 16:33:18)
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