Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧。4ページ目
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2255
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344
>> カレンダー表示
>> 通常表示
61.  Mr.ノーバディ 《ネタバレ》 
邦題は『Mr.ノーバディ』原題は『Nobody』。私は勝手に「誰でもない男」=「どこにでもいる普通の男」と意訳してしまい、DVDパッケージのキャプションも相まって、マイケル・ダグラス主演の『フォーリング・ダウン』みたいに一般人がブチ切れるお話だとばかり思っておりました。しかしこれが全く的外れ。タイトルは『存在しない人』が正しく、主人公は何処にでもいる普通のオジサンではなく、国家レベルの力で存在を隠蔽してしまうトンデモない素性の男でありました。劇中の台詞を借りるなら、羊の皮を被った『狼』どころではなく『オルトロス』『キマイラ』あるいは『ケルベロス』クラスの化け物だったワケであります(注:当方現在『真・女神転生Ⅴ』にドハマり中です)。まあ、とにかく強いこと。でも決してスーパーマンではありません。普通に反撃をうけて傷だらけ。彼の凄さは技術面ではなく、精神面の方。修羅場を潜った経験値がべらぼうなんでしょう。そんな主人公のキャラクターが実に魅力的で、「やりすぎ」「無茶しすぎ」「ちょっとオフザケ」な超絶バイオレンスアクションを存分に堪能することができました。音楽もサイコー!大別すると『キック・アス』とか『ザ・ハント』と同じバイオレンスアクションで、コンプライアンス無縁の代物でありますが、体に良くないものほどオイシイのが世の常であります。
[ブルーレイ(吹替)] 9点(2021-12-06 22:19:58)
62.  スモールフット 《ネタバレ》 
言及したいポイントは2点です。1点目は『CGアニメ技術』について。映像技術の進歩は目覚ましく、実写・アニメを問わず新作映画が公開される度に驚かされます。私は『ターミネーター2』の時点で「もうこれ以上はない」と思ったものですが、いまだCG技術は進化の歩みを止めません。実社会では本物と見分けがつかない『ディープフェイク』なる問題まで出る有様。そこで本作。実写と見紛うとは言いませんが、ところどころまるで『本物』なのです。例えばイエティの毛の質感は、ぬいぐるみのそれ。リアリティ度合は必要量を明らかに上回っており、謎の迫力を湛えています。『不気味の谷』の崖っぷちと言っても差し支えなく、これ以上リアリティを追求してしまうと、崖から落ちてしまう気がしました。これは称賛や批判というより単純な「驚き」です。 2点目は『タブーに触れた物語』のこと。こちらも心底驚きました。タブーとは絶対的な決まりごと。その是非を問うてはいけません。何かおかしいな。変だな。そんな風に思っても飲み込むのが常。圧倒的多数の支持を得ている概念に異を唱えることは、害こそあれ得は全くないからです。こんな事例、あちこちに転がっていますよね。損得勘定に敏感な大人はタブーを嫌います。それが生きる術です。しかし大人になる前の自分を振り返ってみると、もちろんそんな技術は身に付けていませんでした。だからこそ痛い目をみたワケで。大人イエティの正義に賛同すると同時に、子どもイエティの素直な欲求にも共感してしまい、どうにも胸がざわつきました。頭と心が連動しない感じ。しかも、子どもイエティの思いを大人イエティが受け止めるという驚愕の結末が待っていました。マジかと。タブーに触れただけでなく、取っ払っちゃうとは。これ、現実でも通用したりしないかな。今まで封じ込めてきた考えが頭をもたげてきて、大人の私は正直困るのです。だって、もう冒険する年齢は過ぎたはずだから。安全安心が一番に違いないのだから。恥ずかしながら、少し泣いてしまいました。これは称賛や批判というより純粋な「感動」です。
[インターネット(吹替)] 10点(2021-11-17 18:21:52)(良:1票)
63.  バッド・バディ!私とカレの暗殺デート 《ネタバレ》 
土台となる物語の様式は「身分違いの恋愛」です。『ローマの休日』や『ノッティングヒルの恋人』に同じ。好き同士。されど相手は別世界の人。このラブストーリーの結末は「諦めて別れる」か「どちらかが住む世界を変えて結ばれる」の二択。現実世界では前者が多い気がしますが、映画ではハッピーエンドが好まれるので後者のパターンを結構見かけます。本作もその一例。今回のケースは、殺し屋がカタギになるか、カタギが殺し屋になるか。一見カタギになる方が好ましいように思えますが、実はそちらの方が厄介です。殺し屋は殺しが仕事。しかし足を洗った瞬間から「仕事」は「罪」に変わります。勿論効力は遡り。贖罪は不可能なので、人生の門出に重い十字架を背負う羽目になるでしょう。しかし、カタギが殺し屋になる場合は違います。主人公はぶっ飛んでおり、躊躇なく人を殺せました。オマケに殺しの才能まである。まさにお似合いのカップルです。当人が良ければ問題ありません(ただし身内なら死んでも止めますけど)。これは観客の心情にも沿うもので、『ルパン三世の泥棒を咎める者はいない』理論が、殺し屋にも適用されると考えます。このあたりの気配りはさらに丁寧で、男は金さえもらえれば誰でも殺す非情な男ではなく、殺しを止めたいと思っている善人設定でした(だから依頼人は殺してもいいという理屈は謎ですが苦笑)。主役2人とも好感度が高く、ブラックラブコメとして優秀な一作だと思います。
[インターネット(吹替)] 7点(2021-10-05 21:16:33)
64.  ザ・ハント(2020) 《ネタバレ》 
何者かによって拉致され、殺人ゲームなり殺し合いなりを強要されるパターンは、今やバイオレンスホラー『定番』設定のひとつ。本作の場合、12人の男女が森の中に集められました。武器の支給あり。事前アナウンスはなく、いきなり銃撃されハンティングゲームの開始です。そもそもB級映画仕様のお話。理念やメッセージ性はハナから期待していませんし、むしろあると面倒くさい。重要なのは純粋に“サバイバルゲームとして面白いか否か”です。その点、社会風刺の色合いはあるものの、ゲーム自体のパワーバランスや公平性に問題はなく、途中ルール変更もありませんでした。このあたり結構テキトーな作品が多いので一安心。ゲーム開始直後の緊張感は素晴らしかったですし、後に判明するハンティングゲームが開催された経緯も馬鹿らしくて好みでした。 もっとも、本作最大の魅力は主人公クリスタルのキャラクターに違いありません。見た目は完全に脇役のそれ。派手な美人タイプではありません(失礼)。しかし、表情が実に“そそる”のです。眉を顰め、口を歪ませ、いつも少し不機嫌そう。これは理不尽な殺人ゲームに強制参加させられたからではなく、彼女の標準スタイルでしょう。現状に希望も絶望も抱いていないが故の平常心。だから注意深く観察し、的確な判断が下せるのだと思います。最初の立ち回りやアシストグリップを握っての一撃、その容赦の無いアクションに痺れました。ちなみに役者さんの名前はベティ・ギルピン。本サイトの人物登録が無かったので調べたところ、主にTVドラマ畑で活躍されている女優さんのようです。お名前覚えましたよ。実は3回ほど続けて鑑賞しています。それだけ彼女の不機嫌そうな顔が魅力的だったのです(決して立派な胸に惹かれたワケでない事だけはご理解ください)。物語の性質上、続編は難しいと思いますが、クリスタルのキャラクターを本作だけに留めておくのは勿体ない話。別作品に出張して登場してくれないかしら。アンチヒーローな刑事役とか、ピッタリだと思うのですが。
[インターネット(吹替)] 9点(2021-08-30 19:24:18)(笑:1票)
65.  ワンダーウーマン 1984 《ネタバレ》 
DCコミック『ジャスティスリーグ』で突出した人気を誇るワンダーウーマンの活躍を描くソロシリーズ第2作目。今回は1984年のアメリカが舞台です。1984年といえばロサンゼルスオリンピックが開かれた年。当時私は12歳でした。その前のモスクワ五輪は日本が不参加でしたから、私が記憶に留める最初のオリンピックというワケ。開会式のロケットマンやカールルイスの9.99など今なお鮮明に脳裏に焼き付いています。そんな1984年のアメリカは、現在より遥かに人々に活気があふれていたと感じます。その時代の色彩や空気感の再現はお見事でした。そんな1984年にダイアナが戦うのは、世界征服を企む悪の怪物ではなく、“人々の欲望”という概念でした。なるほど、この題材ならば当時のアメリカが舞台としてうってつけでしょう。個人的にはアメコミで観念的なアプローチは勘弁して欲しいのですが、アメコミヒーローものって結構こういうのが好きなのですよね。『そんなわけあるかい』な甘々で力業な結末も、アメコミの大らかさで許せてしまうから不思議です。というより、本作のダイアナちゃんは前作にも増して美しくエレガントで、ゴールド聖闘士さながらのコスチュームも私世代的にたまらなく、些細な粗は気にならないのですけども。ガル・ガドット様がワンダーウーマンを引き受けてくださるうちに、どんどん新作を作ってくださいな。
[ブルーレイ(吹替)] 8点(2021-08-10 21:29:17)
66.  ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷 《ネタバレ》 
観始めて2分で「こりゃ呪怨のリメイクだな」と分かる程度に『呪怨』っぽくはあるのですが、本作に元祖の風味が活かされているとは言い難く。一応、日本から元凶となる呪いをアメリカへ輸入した体裁ですが、共有されているのは『家に取り憑く怨念が元となる呪害』という基礎設定のみ。正直、こんなものは『呪怨』の専売特許でも何でもないので、わざわざお金を払ってまで(?)『呪怨』ブランドに乗っかる必要があったのか疑問です。というか『呪怨』一派を名乗るのであれば、最低限『白塗り親子』は出さないと。ブランドの版権は買ったのに、ロゴを使わないとか、勿体ないったらありゃしない。あるいは、老舗のうなぎ屋からタレを別けてもらったのに、継ぎ足しでケチャップを入れてしまったような台無し感とでも言いましょうか。もっとも、これは元祖『呪怨』にそれなりの価値があればの話。冷静になれば、そんなものはありゃしないので、改変しまくっても何の問題も無い訳ですが。『呪怨』の看板があろうが無かろうが、基本的にセールスポイントが見当たらない普通のオカルトホラーとの印象です。
[インターネット(吹替)] 4点(2021-08-05 19:30:00)
67.  ザ・ライト -エクソシストの真実- 《ネタバレ》 
お話の展開が制限されると共に原則批判(ツッコミ)を受け付けない性質であることから、どんなジャンルであれ『実話もの』は好きではありません。しかも本作は正統派オカルトホラーなのに『実話もの』ときました。まるで『氷の天ぷら』のようなミスマッチ感。これが『エミリー・ローズ』のように、ある程度客観的な事実に基づくのならいざ知らず、神父の体験談を拠り所とする(ですよね)の実話など、胡散臭いったらありゃしない。いや『週刊実話』と同レベルと考えるなら・・・『週刊実話』読んでないのでよく分かりませんが。 個人的に『悪魔憑き』は実在すると考えます。ただし、キリスト教圏のみで通用する概念ですから、何らかの精神疾患を『悪魔憑き』と呼ぶと考えるのが自然でしょう。日本だと狐ですな。本作の主人公も当初そのように捉えていました。しかし、彼は実体験を通じて自らの考えを改めましたという話。否定していたものが裏返ると強い肯定に変わる。その心理過程は理解できますが、だからといって彼の体験が真実である裏付けにはなりません。単にエクソシストを生業とする覚悟がついたので、ものの見方が変わっただけかも。スマホで証拠動画くらい撮っておいてよ。 なまじ『実話もの』の注釈がつくから、少々いちゃもんを付けたくなるのですが、一般的なオカルトホラーとしては上々の出来。雰囲気は抜群ですし、やはりアンソニー・ホプキンスは名優であります。ところで『世界最速のインディアン』へのオマージュはありましたか?
[インターネット(吹替)] 7点(2021-08-05 00:18:45)
68.  ジュマンジ/ネクスト・レベル
過不足なし。平日の昼食のような映画。これでいい。これがいい。
[インターネット(吹替)] 7点(2021-07-05 22:49:56)
69.  プリズナーズ 《ネタバレ》 
ネタバレしています。未見の皆様ご注意ください。  タイトル『プリズナーズ』は、主にキリスト教に対する“囚人たち”を指すと思われますが、私はこの分野で語るだけの教養を有していないため、キリスト教を一般的な“価値観”(ルールあるいは思想でも構いません)に置き換えてみることにします。それでも大筋は変わらないと考えます。 『囚人たち』は、特定の誰かではなく全ての人々を指すもの。社会生活を営む人間は、必ず所属するコミュニティ共有の価値観に“囚われて”生きているからです。これが前提。しかし本作では圧倒的多数が支持する価値観(=法律)に沿わない者が現れました。誘拐犯と主人公です。ここで注目したいのは、彼らが価値観を無視した理由。2人とも自らの内なる価値観を優先させたのです。そう、私たちは単一の価値観のみに縛られている訳ではありません。時に相容れない複数の価値観に囚われて生きています。要は、どの価値観を優先させるかの問題。誘拐犯の価値観は論外ですが、主人公が優先させた価値観は多くの人々の共感を得る事が出来るでしょう。“我が子の命を守る”は金科玉条。水戸黄門の印籠クラスの威力を持ちます。しかしながら、同等以上の価値を有するのが“私はあなたを殺さないので、あなたも私を殺さないでください”の対人相互不可侵の約束。人が群れて暮らす上で最初に必要だった原始のルールで、いわば基礎の基礎。最上位に置かれる“価値観”です。ですから、主人公が優先させるべき価値観を逆転させたと感じた時、私たちは「遣り過ぎだ」「それは無い」と判断した訳です。 因果応報が尊ばれるのが映画の世界。対人相互不可侵の大原則を破った主人公がキツイお仕置きを受けるのも道理です(注:これまでの主人公の行動に従えば、真犯人の目星がついた時点で問答無用で拘束すればいい話。映画のルールに則って、彼はあえて罰を受けたと見て取れます)それでも主人公は相手の命を奪う一線は越えていなかったので、彼もまた一命を取り留めたのでしょう。もっとも、普通ならあの笛の音は気づかない。気づけない。気づいた警官こそ法律の象徴であり、彼が蔑ろにした価値観に他なりません。見ようによっては、なんとも皮肉な結末と言えそうです。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-06-30 20:27:32)
70.  キャスト・アウェイ 《ネタバレ》 
個人的に『無人島漂流もの』は大好物です。小説『ロビンソン・クルーソー』『15少年漂流記』、アニメ『不思議な島のフローネ』に、子供だった私は心を奪われました。映画なら『青い珊瑚礁』『ブルーラグーン』『漂流』『東京島』、奥山佳恵デビュー作の『15少女漂流記』は鑑賞済みですし、ついでにいうなら『電波少年』の無人島企画や『アイアム冒険少年』の脱出島なんかも楽しく観ています(もっとも、事前準備があるものは『漂流』ではありませんが)。そんな無類の『無人島漂流もの好き』の私ですが、超メジャータイトルの本作は、長らくスルーしてきました。あまりにオーソドックスな設定故に、『ロビンソン・クルーソー』なら知っているし「後でもいいかな」と感じていたからです。今回本作を鑑賞した経緯は、二女が絶賛ドハマり中の『呪術廻戦』でウイルソンネタがあったから。本作未見の私でもウイルソンは知ってたので、“一般教養”として観ておくべしと、二女と一緒に本作を鑑賞した次第です。 設定こそ予想通り『ザ・無人島漂流もの』でしたが、肝心のサバイバル描写は些か物足りないものでした。特に「住居の確保」「水の確保」でもう少し見せ場があっても良かった気がします。おそらく物語の焦点は、刺激的な『無人島生活』よりも、ある意味地味な『生還後の人生』にあるのでしょう。戦死したはずの帰還兵の婚約者(妻)は、既に別の人と結婚していたという、戦中戦後の日本を描いたドラマでよくみる例のパターンと一緒。非常に遣り切れないお話ですが、結論的には「それでも生きていくしかない」訳で、もっと広義の『サバイバル術』を描いた映画であったと考えます。サバイバルで真に必要なのは『生きたいと願う気持ち』。それは心の拠り所から生まれるもの。恋人、家族、仲間、仕事、趣味、宗教。何でも構いません。主人公の場合は「恋人」「ウイルソン」「配達物」の3つの拠り所のお陰で自死を免れました。 ラストシーン。何もない十字路の真ん中で主人公は佇みます。まるで大海原にいるような。そう、彼はもう一度『漂流』するのです。もう「恋人」も「配達物」もありません。唯一手元に残ったのは“実在する親友”「ウイルソン」のみ。目的が定かではない分、今度の漂流は長く険しいものになるかもしれません。きっとウイルソンがその役目を終えた時、彼の二度目の漂流が終わるはずです。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-06-25 18:54:56)(良:4票)
71.  クロール -凶暴領域- 《ネタバレ》 
冷静になってみると『ワニ甘噛みばかりだな』とか、『ワニ狂暴過ぎない?』等疑問が湧くものの、『自然災害』『親父重傷』『逃げ道なし援護なし』の危機的状況設定の上手さと、時間制限ありのスリリングな展開により、些細な粗に目を向ける暇がありません。人間VSワニの異種格闘技戦におけるルール設定(狭所、水中、2人VS大群、満足な武器なし)も見事。これぞ理想的なアニマルパニック映画の様式だと思いました。中弛みなく一気にクライマックスまで駆け上ります。いや、泳ぎ切ります。挫折と妥協ばかりの人生を送ってきた私にしてみれば、『意図した形ではないが努力が報われる』結末は感涙ものであり、ラストカットの主人公の雄姿に勇気を貰えました。その一方、倫理的に厳しい見方をするなら、避難命令に逆らった主人公の行動が遠因となって、死者が出ている点が引っ掛かるところ。おそらく彼女の行動に対して、観客が満足する丁寧な言い訳を用意することも出来たと思いますが、“正しい選択(非難されない選択)”よりも“後悔しない選択”を選んだ主人公を責めるのも酷という気がします。最善を目指した末の“過ち”は許されて欲しいと願います。 個人的見解では、『ワニ映画』の中では本作の方が『マンイーター』よりも評価は高く、『100日間生きたワニ』は観ていないので分かりません。あれ、まだ公開もしていないや。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-06-02 19:45:30)(良:2票)
72.  透明人間(2020) 《ネタバレ》 
(ネタバレしてます。ご注意ください)  私の世代ですと美脚も露わな2人組女性アイドルの歌声が脳内リフレインしてしまう『透明人間』でありますが、人間透明化の手法は大きく2種類に分けられると考えます。『物理的要因』と『心理的要因』。前者がサイエンス、後者がオカルトと言い換えても構いません。かつては前者が主流だった気がしますが(例:博士が透明薬を発明)、最近は後者のパターンが多い気がします(例:『ハンター×ハンター』の某キメラアントが有名でしょうか。同じジャンプ漫画の『アウターゾーン』でもそんな話がありました。あれ?最近でもないな)。いずれにせよサイエンス(SF)の切り口で『透明人間』を理論づけるのは無理があります。理屈不要のオカルトの方がまだ説得力があるでしょう。そんな事情などお構いなく、本作では『物理的透明人間』が採用されていました。しかもナノテクノロジーなんて『流行りの言い訳』には目もくれず、旧知のアナログ型テクノロジーで勝負です。私のようなメガネユーザーにしてみれば、あのスーツがメガネ着用に対応しているのか大変気になるところですが(いや、そこはコンタクトレンズにすればいいのか)、やはり空想科学はロマンに溢れており好感が持てます。とはいえ、トンデモサイエンスとシリアスな社会派サスペンスの相性が良いとは思えません。ドラえもんはコメディマンガ(アニメ)だから愛されるのであって、リアルドラマ、ましてや実写など誰も望んでないでしょう。ですから、ツッコミ耐性ゼロというハンデを負ってまで、あえてシリアスドラマに『物理的透明人間』を採用したのには、何らかの意図があると推測します。例えば、どんなに狡猾なモラハラ男が相手でも、立ち向かう術はあるというメッセージが隠されていたとしたら。それなら、手に負えない魔法ではなく、タネも仕掛けもある、ある意味弱点だらけの『物理的透明人間』が採用されたのも頷けます。最後に透明スーツについて。発明者は光化学研究の第一人者だそう。光の屈折?反射?を使って透明化するという理屈は、それなりに説得力があります(ホントにそう?)。しかも私たちは、『アイアンマン』という奇跡を既に目の当たりにしており、『そんなスーツがあっても、まあいいか』程度に騙される用意は出来ていました。ただそうだとしても、ペンキを浴びても水洗いで元通りとか、部分破壊されても機能は失われないとか、流石に好き勝手が過ぎました。空想科学は、奇想天外な設定の中にも科学の足枷を完全に無くさない部分にロマンがある訳で、何でもアリだとオカルトと区別がつかなくなってしまいます。もう少し謙虚に『空想科学』と向き合って欲しいのです。
[インターネット(吹替)] 7点(2021-04-15 18:53:34)
73.  ディープ・インパクト(1998) 《ネタバレ》 
『アルマゲドン』と同年制作。20世紀末に量産された人類滅亡系ディザスター映画の代表格です。とっくに観た気になっていましたが、実は未鑑賞だった事が判明したため、この度のお籠り期間を機に初鑑賞しました。正直いいますと『アルマゲドン』と大差無い気がしますが、本作の方がちょっとだけリアリティ路線のような気がします。最後まで諦めなかった人たちが助かる展開はOK。でも諦めて穏やかな最期を迎えようという姿勢も理解できます。公開当時だったら、また違った感想だったと思いますが。大津波シーンの迫力は、今観ても震えます。こんな映画を観ると、ちょっと本気でシェルターが欲しくなります。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-02-20 21:56:59)
74.  ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル 《ネタバレ》 
『ジュマンジ』は、アップデートされボートゲームからTVゲームへ進化。さらにアクションRPG仕様となりました。シリーズ映画として、またファミリー映画として、過不足ない注文通りの出来映えだったと思います。驚きが無い代わりに、失望感もありません。こういう映画はこれで正解。私は支持いたします。ただ、一点注文を。それはクライマックス。あのアイデアをフィニッシュに使うのであれば、それ以前に使用してはいけません。必殺技とはそういうもの。スタン・ハンセンは試合途中でつなぎ技としてウエスタン・ラリアットを放ったりしません。そこだけ、気になりました。
[インターネット(吹替)] 6点(2021-02-05 22:00:45)
75.  スポンジ・ボブ/スクエアパンツ 《ネタバレ》 
私が子どもの時分よく観ていたTVアニメは、ご存じ『トムとジェリー』。そして現在小学生の娘たちが夢中になっているのが本作『スポンジ・ボブ』です。ハンマーで叩かれペチャンコになってヒラヒラ。傍で眺めている分には『トムとジェリー』と変わらないカートゥーンアニメに見えます。Eテレ(かつてのNHK教育テレビ)で放送ですから内容も問題無いはず。しかしこのような認識は、本作を2分も観れば吹き飛びます。一言でいうなら『狂気の毒アニメ』。安心安全なんてとんでもない。害しかありません。日本が誇る良識アニメ『アンパンマン』と同じ擬人キャラクター作品ですが、教育的要素はゼロ。お話はアンモラル&刺激過多で、社会風刺から差別偏見・下ネタに至るまで広域に渡り、基本どうかしています。とりわけギャグの手数の多さは圧巻で、ケンシロウも舌を巻くでしょう。『クレヨンしんちゃん』に眉をひそめる親御さんがいると聞きますが『スポンジ・ボブ』を観たら即死です。こんなアナーキーな作品がEテレで放送されているですから、とかく批判の多い国営放送も捨てたものではありません。 なお本作は劇場公開作品だそうで、TV版には無い『実写とコラボ』の特別仕様となっています。『ロジャー・ラビット』みたいなヤツですな。“お困りごとは全てスーパーカーがジャンプで解決”『ナイトライダー』からマイケル役のデヴィッド・ハッセルホフ氏がゲスト出演という悪ふざけが絶妙で(日本だと錦野旦みたいな肌感覚ですかね)、マイケルにはだいぶ無茶な発注がされています。おじいちゃんスターに何ってことさせるの。よく承諾したものだと感心しますが、それだけ愛されているコンテンツなでしょうね(あるいは大金を積まれたか)。いずれにしても、ギャグクオリティの高さは相当なものです。ただし、子供が30分スポンジ・ボブを観たら、2時間白湯でも飲みながらジブリでも観て精神のバランスを取らせる必要があるでしょう。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-01-25 18:44:46)
76.  ゾンビーバー 《ネタバレ》 
CG全盛の時代に、チープな縫いぐるみが暴れまくるゾンビコメディ。『ハング・オーバー』のスタッフが集結したとの触れ込みでしたが、確かに『悪ふざけ』だらけの内容でした。個人的には、『悪ふざけ』は『B級』とはまた違うカテゴリーな気がしておりまして、本作についてはアリかナシかでいうとナシかなあ。あまり笑えませんでしたし、どこが見どころかもよく分かりませんでした。おっぱいですか?ただ『ビーバー』に目を付けたセンスは流石です。程よいサイズ感、ダム作る習性や穴掘りスキル。毎度同じ面子で停滞していた感のある『危険野生動物』界に新たなヒーローが誕生したと言ったら過言でした。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-01-20 18:58:32)
77.  グッド・ネイバー 《ネタバレ》 
いきなりネタバレしております。未見の方はご注意ください。なお本作は予備知識なし、予断を持たずに鑑賞される事をおススメします。  ホラー映画の様式に基づく『観客の先入観』をミスリードに使い、裏に悲しきヒューマンドラマを配しながら、その実は極めてシリアスな問題を扱った社会派映画でありました。タイトルも意味深長で、物語の奥深さたるや見事なものです。 メインテーマは犯罪に対する量刑の意味と捉えます。刑法の目的は、罪を犯した者に適正な量の罰を与え更生を促し、社会復帰させること。ポイントは『適正』の部分。しかしながら本作で加害者に科された刑罰はあまりに軽いものでした。判決が出た瞬間、加害者及びその家族は安堵したように見受けられましたが、現実は甘くありません。法が機能していないとコミュニティが見なした場合、『善き隣人』が足りない分の罰を自主的に科すことになります。いうならば集団の自浄作用。それは時に、いや往々にして、適正な量を上回る熾烈なものとなり、加害者の再起は極めて困難となるでしょう。法の機能不全は、社会にとってのシステムエラー。言い方は変ですが、裁判で適正な量刑を受けられなかった罪人もまた不幸かもしれません。 人は過ちを犯します。自身が被告人とならない確約など誰にもありません。観客は、被害者ではなく加害者側に自身を当てはめ、物語と対峙するよう促されています。そこで生半可なホラーより遥かに恐ろしい『法の落とし穴』に気づかされるという仕掛け。『赦し』とは、与えられた刑に服する事にあらず。被害者に、そしてコミュニティに、贖罪を認めてもらうこと。裁判所の外の世界は、必要な罰を受けられなかった罪人にとって『地獄』そのものです。 (以下余談)『寄生獣』で田村玲子は、『人間は何十、何百、何万、何十万と集まってひとつの生き物である』みたいな主張をしていたと思います。これは言い得て妙で、私たちは個人の考えとは別に『集団の意思』に気を配りながら日々過ごしています。ここでいう『意思』とは、法律等で規定される厳格な枠組から、漠然とした『社会の空気』をも含む広義なもの。特に『社会の空気』は、漠然としている分移り気なのに、多大な影響力を有します。不倫した芸能人が赦しを乞う『世間様』もこの仲間。他者を思いやる『共感』が集団の意思を生み、我々を助けることもあれば、挫くこともあると。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-01-15 19:23:14)
78.  リンカーン弁護士
マシュー・マコノヒーが演じるミック・ハラーというキャラクターが実に魅力的です。手練手管で金をせしめる悪党の一面と、弁護士として真摯に職責を全うしようとする正義の顔を併せ持つ男。どちらが表とか裏ではなく、どちらもミックという人間の正面と考えます。非の打ちどころのない極悪人も、聖人君子もそうそう居ません。ミックは実に人間らしく、そして弁護士らしく、損得勘定を忘れず良心と相談しながら、難局に立ち向かっていきます。感情移入するに足る器量を持った人物でした。イメージ的には少しハリー・キャラハン刑事と重なるかもしれません(細身でヤサ男なルックスも含めて)。展開はスリリングですし、カタルシスも十分。脚本は非常に良質でした。ちなみにミックに対抗できる日本人弁護士だと古美門研介(『リーガル・ハイ』)になるのかな。うーん、タイプは違うけどどちらも素敵。それにしても動く車内で仕事をして酔わない体質は羨ましいです。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-01-01 00:00:01)(良:1票)
79.  ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey 《ネタバレ》 
人気サブキャラクターを主演に据えるスピンオフ企画は映画界ではよくある手法。今回はDCコミック映画『スーサイド・スクワット』からハーレイ・クインの登場です。かの作品の中でのハーレイの存在感は格別ですので、スピンオフの流れは当然と考えます。作品世界の番付を壊さないため、また有名俳優のギャラ削減の観点からも、本体作品のメインキャラを重用しないのがスピンオフの流儀ではありますが、それにしてもハーレイ以外のキャラが誰も登場しないのは意外でした。それだけ徹底してコストカットされているとも言えますし、顔見せに程よいお馴染みキャラが不在なのかもしれません。キャラクター造形が命のコミック原作にも関わらず、この『駒不足感』はシリーズの弱点かもしれません。 さて、悪役が戦う敵は正義のヒーローではなく、別グループの悪党でした。ポイントは、奴らの方が主人公チームより罪の程度が重いこと。そりゃ、万引き・傷害・強盗より、殺人の方が憎むべき犯罪でしょう。善悪の概念は、絶対的なものから、相対的なものへと移行しました。とかく倫理に煩い映画において、本作を娯楽作品として難なく楽しめるのは、このような『倫理基準の調整』が施されているためです。なかなか巧妙ですね。 ハーレイちゃんの小悪魔な魅力は存分に味わえますし、アクションも見応えあり。ただし内容は無いため、余程ハーレイ・クインというキャラクターに価値を感じていないと、ツマラナイかもしれません。かくいう私はそうでした。
[CS・衛星(吹替)] 4点(2020-12-30 19:23:56)
80.  スーサイド・スクワッド 《ネタバレ》 
『DCコミック』キャラクターで結成されたオールスター『ヴィラン』チームだそうで。そもそも『マーベル』と比べるとマイナー感が否めない『DC』ですが(失礼)、さらに敵役という『裏面』にフューチャーした事で、より一層地味な印象を受けます。ウィル・スミスやマーゴット・ロビーなど配役は豪華なものの、キャラの能力が化け物(メタヒューマン)に対抗できるかというと疑問。いくら銃の腕前が人間離れしていても、そもそも弾丸が効く相手なのかという話。ハーレイ・クインさんの武器に至っては木製バット。そのへんの輩同志の抗争にしたって、金属バットくらい用意するでしょうに。もっとも、このチーム編成で化け物を倒せたワケですから文句を言うのも筋違いなのでしょうけども。私にとっては、名前も顔も知らない微妙な能力の持ち主たちが、微妙な理由で、微妙な敵と戦うという、何とも微妙なお話でありました(ごめんなさい。基本的にこれは私側の事情です)。全体的に地味な色合いと個性の面々の中にあって、ハーレイ・クインさんの存在感は抜きん出ていました。スピンオフも製作されるほどの人気者ですから、彼女が影の主役なのは間違いないのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-12-30 19:22:45)(良:2票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS