81. 巴里のアメリカ人
見るのはたぶん3回目くらいですが、なかなか楽しめました。パリが舞台なのに、かなりアメリカ的でご陽気なミュージカルに仕上がっています。全体的に明るく楽しく、沈んだ場面でもあまりウェットにならないところが特徴でしょう。下宿やカフェで歌っている場面も、まわりの人がニコニコしていて本当に楽しそう。ヒロインのレスリー・キャロンはそれほどカワイカワイコちゃんとは思えないのですが、ダンスはたしかにうまいです。それもバレエが基本にあるところが、ちょっと異色でよかったと思います。オスカー・レヴァント、ニナ・フォックもいい助演ぶり。ガーシュウィンの楽曲も適材適所で、これぞエンタメ! と言いたくなるような作品です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-03-01 23:02:38) |
82. リトルショップ・オブ・ホラーズ(1986)
《ネタバレ》 ミュージカルとは知らなかった。しかし内容自体はとても面白く、楽しめました。それになんといってもオードリーII君の動き! 変幻自在で、あれを見ているだけでも楽しい。歌ともよく合っています。人間ではやはりスティーヴ・マーティンですねぇ。この2人(?)がかなり持って行ってしまいますが、それ以外のキャストも個性的ではまっています。エレン・グリーンはちょっとトウが立っていますが、エロカワイイ魅力は十分出ていたと思います。時間は短めですが、かえって無駄がなく締まった内容になっていて、これもプラスでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-02-27 16:37:51) |
83. モホークの太鼓
「アメリカ人の・アメリカ人による・アメリカ人のための映画」って感じ。アメリカ人(非インディアン)が喜べばそれでいいような気がするので、日本人には受けなくてもいいんでしょう。ジョン・フォードらしいユーモアがそこここに見られますが、それが本筋の戦いなどとかみ合っていないようにも思われます。一応退屈はしませんでしたし、カラーは奇麗でしたが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-02-22 20:26:51) |
84. 駅馬車(1939)
《ネタバレ》 普通に面白い。映画技法的には製作当時としては新しかったのでしょうが、今見るとそういうところは当たり前になったのか、よくわかりません。ストーリーとしては主役2人を中心としつつ、群像劇の要素も取り入れているのですが、そのバランスが適切。道中いろいろあって人物関係が微妙に変わってくるあたりが面白く、見ものでした。特にダラスとルーシーの女性2人がよかったです。ブーン先生もなかなか格好いい。しかしそのためか、最後の決闘がオマケに思えてしまうのはご愛敬。西部劇にはああいう場面が必要とされていたのですね。ユーモラスなところも多く、重厚さはありませんが、軽いタッチの娯楽作として楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-15 19:41:44) |
85. ヒッチコック
《ネタバレ》 この映画はどの程度事実を反映しているのでしょう。作品のキーポイントが『サイコ』のメイキングではなく、ヒッチコック夫妻の絆を描くところにあるわけですから、アルマがシナリオ作りで現場から離れるというのが重要になってくるわけですが、それが実話なのか、映画用に脚色されたのか判然としない。それで評価がまた異なってくると思うのですが。ヒッチコックの心理描写としてエド・ゲインを出したりしていますが、成功したのかどうか。登場場面も全体的に暗すぎて見にくかったです。 『サイコ』製作の裏話としてもそれなりに面白く、特にスカーレット・ヨハンソンはよく似てるなぁと感心しました。アンソニー・ホプキンスは雰囲気はありますが、やはり似せるのは無理ですね。あくまで映画の中のヒッチコックということで。しかし先にも書いたように夫婦の物語がメインであり、その辺も丁寧に拾っていて好感が持てますが、そちらも特にいいということもありませんでした。私はヒッチコックの作品は好きですが、監督本人には関心がありませんから。「ヒッチコック劇場」を模した最初と最後は、なかなか洒落ていてよかったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-02-06 22:19:19) |
86. 名探偵再登場
《ネタバレ》 『名探偵登場』が謎解きミステリのパロディだったのに対し、こちらはハードボイルドのパロディ。しかし名探偵が集合するわけではないし、そもそもハードボイルドの私立探偵は名探偵という柄ではないので、この邦題は問題がありますね。 内容的にはあいかわらずドリフもどきのギャグが多いのですが、ハードボイルドのためかちょっと大人っぽい(エロな)ネタもあって、これまた楽しめます。いわゆる“ワイズクラック”風の会話がポンポン飛び出し、しゃべくり漫才を見ているような気にもなります。“ファム・ファタール”らしき女性もゾロゾロ。話は『カサブランカ』と『マルタの鷹』をベースにしていて、ただでさえ『マルタの鷹』は話がややこしいのに、『カサブランカ』も加わってゴタゴタに……という展開。それでまとまりがないようにも思えますが、このゴタゴタ自体がハードボイルド、というかその代表作家とも言われるレイモンド・チャンドラーのパロディのように思えてきます。 だいたいチャンドラーの長編は、行き当たりばったりというか適当というか迷走しているというか、とにかく筋が錯綜していてわかりにくい。映画化された『三つ数えろ』の「誰が運転手を殺したのか」というエピソードは有名です。本作でのゴタゴタ・錯綜ぶりは、それを皮肉っていると考えればおみごとです。ただし元ネタが有名ですので、本家チャンドラーよりはよほどわかりやすく、整理された物語になっているのですが。 そんなこんなで、パロディとしてうまくできているし、ギャグ自体も面白く楽しめる作品でした。個人的には、ルイーズ・フレッチャー演ずる『カサブランカ』のイルザもどきがツボでした(似てるんだ、これが)。ただ、ピーター・フォークが時折コロンボ警部にしか見えないのは、意識したのかどうか。そこが気になりました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-02-04 20:52:58) |
87. 名探偵登場
《ネタバレ》 序盤は盲目の執事とか耳の聞こえない料理女とか、わざとらしいと思っていたのですが、そのうち笑いのネタがやたらと子供っぽいこと(子供向け?)に気づき、ドリフのコントみたいなものだと思って見ていったら、かなり楽しめました。だから邦題も『名探偵だよ!全員集合』とかにすればよかったかも。探偵役もちょうど5人(組)いますし。いい役者さんをそろえただけに、それぞれいかにもそれらしい探偵になっていました。また、舞台となる屋敷の仕掛けもなかなか愉快です。 終盤では「名探偵のいかにもそれらしい推理」と「いつもの意外な真相」をおちょくる展開が面白く、かなり傑作。しかし、最後の最後に出てくるどんでん返しはちょっとわかりにくいかも。トウェインが真犯人でしたというのも十分面白いのですが、それではある意味あたりまえすぎる(実際、私は予想していました)。そこでそれをさらにひねって、無理やり「意外な真相」をひねり出したわけです。これは、こうした意外な結末を連発する小説(作家)に対する皮肉であると共に、そうしたものを喜ぶ読者や観客(「よくある結末で面白くない」とか言う人)を揶揄しているように思われます。そこでちょっと考えオチになってしまい、私としてはトウェイン真犯人の方があざやかな終わり方で好きですが、この凝った映画のラストとしては、これもまたふさわしいかと思います。犯人が女性というのは、最初の方から暗示されていますし。 ということで、少々マイナスの点もありますが、オールスターの魅力に頼りすぎず、ストーリーもカッチリ決めてコントも冴え、楽しい娯楽作品になっていました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-02-02 20:34:04) |
88. 最後の猿の惑星
《ネタバレ》 前作に続いて一応シーザーの物語なのですが、重要なのはむしろ最初と最後に現れる2600年代の描写なのではないかと思われます。この頃になると700年も経ったのに文化はそれほど進歩せず、猿と人間は一応仲良く共存し、人間もまだ言葉をしゃべれるようです。ここから1作目でテイラーがたどり着いたような惑星になるのか、それともまた違った道を歩むのか。おそらくそれを決めるのは、映画を見ている観客だということなのでしょう。どのような未来を作るのかを自分たちが選択できるという考え方が、ここに表れているように思います。 このシリーズ、テーマ的にはなかなか興味深いところがあるのですが、それを表現する方法が稚拙すぎてかなり評価を落としていると思います。脚本家(本作ではついに原作だけに終わっています)に恵まれなかったのはつくづく残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-12-27 10:17:36) |
89. 猿の惑星・征服
《ネタバレ》 基本的なストーリーは悪くないと思うんですが、とにかく話が都合よすぎ。反乱の準備をしても気づかれないとか、それ以前に一人(一匹?)で出歩いていても誰も気にとめないようだし。死んだのを確認しないというのは言語道断で、ここまでくるとお話になりません。シーザーがほかの猿に指示を出すのに言葉を発していませんが、超能力でも使えるのか? そこまでできるという説明もないし、使えるようになる理由も見あたらないし、意味不明。話が始まる前の設定も、前作同様かなり無理がある。見どころはアルマンドが死んだことを知ってシーザーが慟哭する場面と、最後の演説ぐらいか。これで話が成立すると考えた脚本がひどすぎ。人間が猿を奴隷としてこき使っている様子も、わざとらしくて露悪的に映りました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-12-26 16:45:23) |
90. 新・猿の惑星
《ネタバレ》 前半はこれまでとうって変わって、ユーモラスな場面が多く見られました。特にジーラが「知能テスト」を受けるシーンは爆笑。人間の衣服に身を包んでポーズを取る2人(2頭?)もなかなか楽しい。しかし後半、ハスレインがなぜあれほど猿を排斥しようとするのか、そのあたりがどうも曖昧で話が強引に思えます。コーネリアスの話が本当なら(その保証はないわけですが)、彼らとその子供が死んでも、いずれ人間は猿に取って代わられるわけですから。この大元のところが納得できないため、不満が残ります。しかし前半がかなり面白かったので、点数は少しおまけしておきます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-12-23 20:45:08) |
91. 続・猿の惑星
《ネタバレ》 ストーリーが平板であまり起伏がないんですよね。一応テイラーとブレントが戦わされるところがヤマなのかもしれませんが、小粒です。ミュータントというのは、製作当時の未来に対する不安がよく出ています。核戦争の結果放射能でミュータント化というのは、あの頃はありがちネタだったと思いますね。遠征に対するデモやそれを排除されるところはなかなか面白いのですが、これに象徴させるように、1970年前後の時代が出過ぎたとも思えます。そのあたりが今見ると陳腐化してしまっているようです。あと、猿(ゴリラですが)が外の地を征服するために遠征するというのも、前作での印象と異なって違和感を覚えます。一番の見どころは前作より色っぽくなって出番も増えたリンダ・ハリソンだったような気が……。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-12-20 10:45:17) |
92. 刑事コロンボ/二つの顔<TVM>
《ネタバレ》 最初に見たのはNHKでの放送だったのですが、どうも見方を間違えたようです。双子が出てきたとたん、「これは2人の共犯なんだろう」と思い、結局その通りだったわけです。しかし製作側としては、「2人のうちどちらが犯人だろうかと思わせておいて、実は共犯だった」という話を作ったようです。というわけで評価に困るのですが、結末を知ってから見てもなかなか面白い。特に、“犯行前に”警報装置のスイッチを切る場面。単独犯ならあんなことをする必要はないわけです。さりげなく、しかし大胆に伏線を描くあたりはおみごと。リサの死もちゃんと描写されず、そのため殺人かどうかもわからないわけですが、どちらが犯行を行ったのかわからなくするためにあえて描写を避けている。ここのところもキッチリしています。ペック夫人にドヤされるコロンボは笑えますが、ちょっとヒステリックではないでしょうか。料理番組に参加すする場面はアドリブらしいのですが、ここはあんまり面白くなかった。 このシリーズの「構想の死角」で、ケン・フランクリンが「ミステリで双子が出てくるときは目くらましで、犯人は別にいる」とか言っていますが、その裏をかくような作を作ってしまうのも、とぼけたところがあっていいと思います。もっとも、実際にはミステリ小説を書いていない人の言うことですから、当てになるのやら。 [DVD(字幕)] 7点(2015-12-16 22:25:14)(良:1票) |
93. 猿の惑星
《ネタバレ》 最初に見たのは「月曜ロードショー」でした。荻昌弘さんが最後に猿のメーキャップをして登場した放送です。ラストについては「あ、そう」という感じで、特に驚きとかは感じませんでした。まあ子供だったから意味もあまりよくわかっていなかったのでしょう。その後民放で2回ほど見ました。 今回久しぶりにノーカット・字幕で見て、ていねいな作りに感心しました。宇宙船が不時着してから砂漠や荒野を越え、植物を発見し、次第に惑星のことがわかってくる。そして人間を登場させ、人間を狩る猿の出現。この展開は正攻法ながら、それ故に成功しています。物語の設定が奇抜なだけに効果的だと思います。それ以降も、テイラーが喉を打たれて最初は話せない、コーネリアスが研究している遺跡に何か秘密があるなど、段階を踏んだ進め方で自然な流れになっています。 テーマとしては人間社会に対する批判が色濃く、そもそもテイラーが人間を嫌い、地球を見捨てるような形で宇宙船に乗り込んだということが、それを端的に示しています。猿が支配する社会を舞台にすることで、猿と人間を対比させて人間批判を行うというのも、正統派ですがそれだけに説得力があります。面白いのは、人間が滅んだ理由としてテイラーが病気や自然災害を挙げ、戦争に言及しないこと。真っ先に思いつきそうなものですが、おそらくは敢えて戦争を出さないことが、なかなか意味深いと思います。 結局、そうした人間に対する批判の結果としてあのラストシーンがあるわけで、そこだけ取り出してもあまり意味がないと思うのですが……。非常によく練られた脚本で、シャフナー監督のダイナミックな演出も見どころですし、名作の名に恥じない作だと思います。(レビュー800本目) [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-12-13 10:28:24)(良:2票) |
94. ヒット・パレード
《ネタバレ》 こりゃあ面白い。音楽ものとしては、トミー・ドーシーやルイ・アームストロング、ライオネル・ハンプトンら当時の人気ミュージシャンが本人役で出演し、ゴキゲンなセッションを聞かせてくれます。こうした音楽にあまり関心のない私でも楽しめますから、好きな人ならたまらないでしょう。カラーで動いている姿が見られますし。ベニイ・グッドマンはダニー・ケイの同僚教授役ですが、やはりみごとな演奏を披露してくれます。 お話としては脚本がビリー・ワイルダーなので、例によって嘘をついてだますのが中心プロットですが、これはだました相手と最終的にくっつくので、後味はいいです。やはりこういう古典的な展開の方が、安心して見ていられます。また、音楽を使ったギャグが秀逸。冒頭の「求愛の歌と踊り」なんか、バカバカしくって大笑いしました。クライマックスの「騒音で物を動かす」というのも、なかなか愉快な使い方でした。これ以外でも、かなり笑わせてもらいました。別に期待していたわけではなかったのですが、予想外に楽しく拾い物。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-12-02 20:09:29) |
95. 荒野の七人
《ネタバレ》 改めて考えたらまだレビューしてませんでした。ということで久しぶりに見たのですが、ちょっと微妙。面白いのはハリーとリーという、『七人の侍』にはいないオリジナルの人物。特に一攫千金を狙っているというのは異色ですが、考えると逆に西部劇的な設定かとも思えます。個人的には、「男気」を感じさせないリーが好きです。彼だけ衣装がキッチリしていて洒落者って印象ですね。 時間の関係もあって人物設定・物語共に薄味で、特に後半農民が裏切ったりするのは、独自の展開を考えたのでしょうが、あまり面白くない。最後にバタバタと4人死ぬのもあっさりしすぎで、むしろとってつけたよう。このあたりがよければもう少し高得点でした。娯楽映画として楽しいことは間違いないですが。 あとこの映画、スティーヴ・マックィーンが格好よすぎて、ユル・ブリンナーはお気の毒さま。序盤の霊柩車で準備するところを見ても、2人が違いすぎ。このマックィーンはほとんど反則ですわ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-11-28 21:05:15)(良:1票) |
96. ハタリ!
《ネタバレ》 ジョン・ウェイン主演でアフリカが舞台の映画、あと「みんなのうた」で聞いたことのある「子象の行進」くらいしか予備知識はありませんでした。実際見てみたら、いい意味でふざけた映画ですね(笑)。途中から子象が増えたり、猿を捕獲するのにロケットを使ったり、その猿を収容するのにヘンテコな「鎧」を着込んだりと、だんだん現実離れしていくのがおかしい。その一方で、通常の動物捕獲作戦は迫力があり、アクション性もあって楽しめました。長くて途中ちょっと飽きましたが、基本的にエピソードの積み重ねであり、作り自体はうまくやっていると思います。ドラマ部分の恋愛も、男女関係のおかしさをうまくかもし出していたと思います。気楽に楽しめる娯楽作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-11-16 18:23:45) |
97. テレマークの要塞
《ネタバレ》 登場人物に魅力がないのが致命的なんですよね。主人公2人も没個性的ですし……。ロルフ教授と元妻の関係も中途半端な扱い。アクションもそれほど見どころがあるわけでもなし。最後の沈没のシークエンスは悪くなかったですが。 あと、ナチの原爆製造を阻止して一応めでたしなのですが、その後アメリカが日本に原爆を2発も落としたことを、実際にこの活動に参加した人たちはどう思ったのでしょう。そこのところがものすごく引っかかる。そういう点からも、日本人は見ない方が賢明かもそれません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-11-15 11:03:48) |
98. 鷲は舞いおりた
《ネタバレ》 原作未読。映画としてはまとまっていたし、なかなか楽しめました。正体がばれてからシュタイナーが脱出するまでがもっとも面白かったのですが、その前後ももちろんよかったと思います。作戦発動までのプロセスもちゃんと追っていましたし。ポーランド女性を助けるエピソードはよくわからないのですが、親衛隊嫌いということなのでしょうか。何にせよ、無茶な作戦を実行しそうな向こう見ずな人物であるということは、よく表れていると思います。最後の落ちも、よく考えればドイツ側に情報が簡単に漏れたというのが伏線になっており、なるほどと思わせます。「ドイツ兵を主人公として公平に描いている」と評価される作のようですが、今見るとやはりイギリス作家の原作をイギリスが映画化したな~と思わせる部分がチラホラあります。とはいえ、マイナス点にはなっていません。何にせよ、戦争娯楽映画としてよくできていたと思います。ただ、マイケル・ケインやロバート・デュヴァルは、やはりドイツ人という雰囲気ではありませんね。 あと、セリフで明らかに"Father"と言っているのに、字幕で「牧師」となっているのは完全な誤訳ですね。イギリスでは、カトリックかプロテスタントかの違いは重要だと思うのですが。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-10-05 21:12:28) |
99. ファイナル・カウントダウン
《ネタバレ》 これはアメリカ海軍の宣伝映画ですな。映画としての中身はスカスカ。肝心なときに現代に戻るって、観客をバカにしてるのか。最後の辻褄合わせも申し訳程度で、SFとしての格好をつけただけ。あくまでリアルな展開で押したのはよかったですが。過去に戻ったのに葛藤も何もなく、上っ面だけの言動を延々と続ける登場人物には親しみが持てません。ミリタリー好きが喜んでいればいい映画でしょう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-10-03 21:07:44) |
100. 西部戦線異状なし<TVM>(1979)
《ネタバレ》 テレビ作品ということで少々長いのですが、飽きずに見ることができました。いろいろなエピソードをうまくまとめていると思いますが、とくに印象的だったのは前線にいる主人公たちと、戦争に加わらずあれこれ言っているだけの人々との対比。何事も言うだけなら簡単なんですねぇ。たとえば映画でも、現場で実際に作るのと、作られたものを見てあれこれ言うだけでは、かなり意識の違いが生まれそうです。そのあたりが一番興味深かったです。全体的に淡々としたクールな描写で、内容に比べて重くなりすぎていないところもよかったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-09-29 19:28:37) |