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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2012
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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81.  タクシードライバー(1976)
この映画の主人公は2つ デニーロとN・Yの街。多面体都市の、それも洗練されてない、社会底辺な方の顔の。小さな映画館で観たんです。一番前の席しか空いてなくて、おかげでああー狂ってくデニーロが近いよー。余計に迫力増すなあ。 N・Yがけだるいなあ素敵 しかし首が痛いなあ といろいろなことを思い出してしまいます。
[映画館(字幕)] 9点(2011-08-31 00:48:55)
82.  カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 
主人公はJ・ニコルソンにしかできない仕事。野卑で破天荒、写らぬテレビを前に実況を始めた彼に完全に肩入れして観ていた。自らの主張を是とする者同士の対立 舞台が舞台なだけに、暴力が陰惨で恐ろしい。死よりもひどい目にあう主人公。観客にもたらされる絶望の後のわずかな希望。エンドロールの間中ただ呆然と椅子に沈み込んでいた。
[映画館(字幕)] 9点(2011-08-31 00:21:04)
83.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 
タランティーノが好き放題やってくれた小気味よさ。農家や酒場での半端ない緊張感や、まさかほんとにナチ全滅の映画館炎上など、映画を観る快さにどっぷり浸りました。女優陣が全員美しくて目にも楽しい。ランダ大佐ったらそれまでキレキレに冴えていたのに、全てを手に入れたと思った途端、足すくわれちゃって。これまたイカレてるブラピが見逃してくれるわけないじゃんか。馬鹿だなあ。    2017/6 追記 観終わった直後より、じわじわ効いてくるのがタランティーノなのか。何年経っても、ふとこの映画の細部まで思い出し、ああまた観たいなあ、あのショシャナとランダ大佐の再会する震撼場面とか痺れっぱなしの地下居酒屋とか、赤赤赤で彩られた炎上映画館とか、イングロリアス飢餓に見舞われたりするってやっぱすごい映画だよな。というわけで点数変更なのでした。
[DVD(吹替)] 9点(2011-08-23 17:45:17)
84.  セブン 《ネタバレ》 
後味の悪さ、という点では五指に入るサイコ・サスペンス。グロいにも関わらず、映像の美しさで魅了してくるのは「エクソシスト」や「羊たちの沈黙」を彷彿とさせます。こちらにまで湿度が漂ってきそうな雨ばかりの描写とうっそりと暗い現場、空気中に漂うチリ、耳障りな音。画面の怖げな統一感が見事です。一転してからりとしたラストの砂漠の空気が、これまた奇妙な居心地の悪さ。あと二つ残ってる、という不吉な思いがそう思わせるのかな。この頃はまだケビン・スペイシーを見ると怪しい、という条件反射ができていなかったのですんなりと脚本に翻弄されました。超有名なラストは驚愕必至。未見の人に語る時は絶対に明かさないようにしてもらいたいものです。
[DVD(字幕)] 9点(2011-08-21 18:45:48)
85.  L.A.コンフィデンシャル
人物のキャスティングが全員見事にはまると映画ってこんなに楽しいんだ、と改めて思う。誰一人浮いておらず、満点の出来。ちゃらちゃらと軽いけどやるときはやるK・スペイシーが一番のお気に入り。うまいなあ。太めのスーツやクラシックな車、ネオンの過剰じゃない当時の街といった美術も丁寧で見惚れる。それともアメリカのひとなら小さな違和感あんのかな。ストーリーも先の読めないおもしろさ炸裂 ロロトマシでええーっ、です。大好きこの映画。
[地上波(字幕)] 9点(2011-08-14 16:59:40)
86.  レザボア・ドッグス
これを見たときの衝撃。なんとこの映画を表したら良いものか。クールでドライ、スタイリッシュ。とにかくかっこええー!!黒のスーツで揃って歩かれただけでしびれた。色選びでしょーもない論争を繰り広げたりとキャラ立ち全開。痛いのは苦手なので後半は薄目で見てたのだけど、こんなにすかっと面白い映画は久しぶり、と感激した。全く新しい才能がハリウッドに出現した瞬間。
[ビデオ(字幕)] 9点(2011-07-27 17:58:22)
87.  トラフィック(2000) 《ネタバレ》 
頭は疲れたけれど、‘映画見たー!’という充足感でいっぱいになる。麻薬を巡る三組のドラマそれぞれがずっしりと見応えあり。特に画面が黄色く切り換わると‘デル・トロの組’だ!とわくわくする。根深い社会問題だけに重たいのだけど、時折笑える演出が粋なのもこの映画の魅力。ハビエールが米側から「どこならいいんだ」と問われて選んだ場所には大笑い。屈強な男3人がファミリー向けレジャープールかいな。(しかもちゃんと遊ぶんだ。まじめな顔して。)麻薬取締局の捜査官2人の勤務中トークもじわっと面白い。ヘレーナがレモネード持ってやってくるときのおたおたぶりは みもの。各組が自分たちの問題にとりあえず答えを出して話は一旦終わる。ハビエールの出した答が力強く、希望にあふれて素晴らしい。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-07-25 01:17:41)(良:1票)
88.  ディナーラッシュ 《ネタバレ》 
舞台であるイタリアンレストランと、そこにいる人たちがとても魅力的な群像劇。 お店は監督の有する本物だそうで、だからこそのリアリティなのですね。フレンチのように気取らず賑やかで、でも心が落ち着く種類のざわめきで満たされている。粋なバーテンが場を回すミニ・バーの心躍る空気。地下厨房からキビキビと上がってくる一皿一皿がしっかり美味しそうなイタリアン。舞台装置が素敵に整っているうえ、そこに配置された個性的な人間たちの日々のドラマも興味を引きます。 ギャングとの駆け引きが文字通り命がけのオーナー。女にだらしないけれど腕の立つ料理人の跡取りシェフ。ギャンブル依存で首が回らなくなってるサブシェフと、男女のあれこれ。 皆しょってる人生が濃いなあ。アーティストを目指すウェイトレスや、厨房内でちょっぴり格上げになった若手料理人とか脇役の者たちも存在感があって単なるモブではないです。一人ひとりに目配りの効いている脚本だからこそと思う。出時間の少ない料理評論家のおばさん二人のインパクトの強さをごらんあれ。もう忘れ難い。 なんてことない一日を切り取った形であっても観られる作品になったでしょうけど、どっこい終幕に向けて驚きの伏線回収も見せてくれます。ちょっとしたカタルシスも得られて、とても面白かったです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-12-29 14:21:21)
89.  ドミノ(2023) 《ネタバレ》 
これ面白かったですよ。邦題がぱっと見意味分かんないのも、話を予想できなくて良かった。 序盤~中盤までの流れからは全然思ってたんと違う所へ着地。この驚きが快感なタイプ(わたしです)は必見。 プロットの全体像(国家VS個人の超能力バトル)は昔っからよくあるものだけど、見せ方がぐっと洗練されて巧い。画像加工の技術はもちろん、逃走劇を引っ張って引っ張って、ついに主人公が気づいた場面はその鮮やかさに「えええ」と声が出そうになりました。 配役も良かった。ベン・アフレックは安定感あるし、敵方W・フォクナーは風貌からして手強いし、娘ちゃんハラ・フィンリーもラスボス感漂ってて頼もしい。 尺が短いので頭も疲れない。ノーランが畳みに畳んだ何層もの折りパイだとしたら、こちらは手軽な練りパイといった感じ。どっちも好きです。
[映画館(字幕)] 8点(2023-11-10 21:17:12)
90.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 
マンデラ大統領の激動の人生を、95年ラグビー南アW杯にスポットを当てて観易く仕上げた脚本力が見事だと思いました。スポーツイベントの持つフェアな爽やかさが、人種差別というえぐみを中和させる効果もあって心地よい仕上がりになりました。 キャスティングも超安定。フリーマン大統領とM・デイモンキャプテン。ハリウッドでもトップクラスの「信頼感を醸す」二人ですから、これはもう心の底から任せた、という気持ちになりますよね。 試合のシーンも良かった。もっと観ていたいと思わせるような臨場感がありました。 ラジオ実況を聞く白人のおっちゃんたちと黒人の子どもの連続一コマ劇場、いいなあこれ。見る度に縮まる距離と、いつの間にか買ってもらってるジュース。笑って泣きました。 ああ、ひとつだけ。低空飛行を演出したパイロットもとい航空会社は事前に警備および主催に連絡しとくべきだったとは強く思うな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-09-10 19:06:59)
91.  告発のとき 《ネタバレ》 
こんなに原題とかけ離れた邦題もないのではないか。これではジョディ・フォスター主演のやつかな、と勘違いしてスルーする人もいるだろうし、第一制作の思いが全然伝わらない。 トミー・リー扮する父親は古いタイプの軍人。かつての自らの軍人としての経験・信条が未だに生きていると信じていたのでしょう、息子二人も軍人になった。父は息子に語るのでした「共に戦線で命を張った仲間を裏切るはずはない」「お前はちょっと神経質になっているだけだ」。 でも現在の戦争は彼の時代と大きく様変わりした。父たるトミー・リーは大きく見誤っていたのです。 かつてエラの谷で英雄になったダビデの物語。(これが原題ですね)幼い子にトミー父が語ったような「勇気をもって戦えば勝利することができるんだ」的理想論はもう通用しない。 戦争はより複雑化して残酷になって人間の心を粉砕してしまうということを、ラストに息子の同僚に聞かされているトミー・リー。彼のひしゃげた顔はむごくて見ていられなかった。 トミー父の傍に地元刑事であるシャーリーズ・セロンを置いてサポート役にしていることが、観ている側の理解を助けます。彼女もまた、職務において自身の判断の誤りで悲劇を回避することができなかったという重荷を負っています。そして幼い息子の「なぜ王様はこどものダビデを行かせたの?」という問いに答えられない。 なぜ国家は若者を殺すのか。敵はゴリアテではなくなっているのに。国旗を逆さに掲げたトミー父の絶望を思うとやり切れない。 誰も勝者のないイラク戦争の一端を、静かに深く掘り下げた作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-07-23 22:29:44)
92.  最後の決闘裁判 《ネタバレ》 
ああ、苦手な中世だ。科学も芽生えてなくて因習ギチギチで人間は争ってばかりの。さすがリドリー・スコット、画の力にかけては当代随一の手腕とセンスの監督です。眼前に広がる石造りの城も荒野も硬くて寒々しい中世ヨーロッパそのもの。画力だけで映画作品としての格の高さを感じます。 主演の三名の演技も良かった。各々の視点に沿って出来事を描く羅生門スタイルであるゆえ、それぞれが三パターンの演技を要求されるのですが、なかでもジョディ・カマーが見事。微妙な表情はちゃんと三通りに違い、三番目の‶本物のマルグリット”がやはりというか一番説得力のある造形でしたよね。 それにしても現代の人権感覚では何もかも理解しがたい話です。実事件とはいえ数百年も前のこと、この映画の解釈とは別の事情があったのかもしれない、とか色々考えさせられました。だって敗けたらマルグリットも火あぶりだなんて。なんでこんな滅茶苦茶な決闘裁判に臨むの二人とも。ああやだやだ中世こわい。 三パターンのドラマを観終えて思うはクソな男どもに搾取されるばかりのマルグリットの心の痛み。封建時代の根底に流れるあまりの男尊女卑の思想にはめまいがしそうになりました。こんな時代でも仲睦まじい夫婦もいたんだよねきっと?そんなお話を聞きたいな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-06-25 18:14:08)
93.  エンド・オブ・ウォッチ 《ネタバレ》 
数ある「ロス警察もの」の中でも屈指のドキュメンタリー感です。演技巧者J・ギレンホールとM・ペーニャが普通の公務員たる警官にしか見えないので、彼らの日常そのものに付き合ってるみたい。まさしくLA警察24時です。 奥さん役のアナ・ケンドリックもほどほどの中流美人なので‶一般感”がより強まった効果があり、キャスティングの妙味と思います。 ひと月の間に一体いくつ映画になるネタが転がってるんだろうというレベルの、極めてハードな勤務内容でにわかに信じ難いほど。しかし監督自身がこの犯罪多発地区で育ったというのだから、普通に「ある」のでしょう。薬物絡みの酷い犯罪も人種差別に起因する銃犯罪も警官への暴行も。それも毎日毎日。 ドキュメンタリーの題材レベルの事件が次々に起きて、でも一つ一つに丁寧に関わってる時間なんかなく流れてゆく日常と化している犯罪と隣り合わせのエリア。これってつまり地獄なんじゃないの。何とかすべきじゃないの、との制作の叫びそのものの映画。わたしが子どものころ、アメリカはもっと伸びやかな自由の国のイメージだったのに。心して観ないとふらふらになりそうだ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-21 23:27:35)
94.  処刑人 《ネタバレ》 
シリアス寄りのクライム・ムービーと思って観始めたんですよ。見目スタイリッシュな兄弟、クラシックを聴きながら現場を検分するクセ強そうなFBI、マフィアが殺られてこれは血で血を洗う惨劇に発展するのだろうな、おっかないな・・・と。 いや、シリアス目線を捨てたのはどのあたりだったかな。デフォーが床を共にした相手(男)に「このオカマ野郎」(!!)と言い放ったトコだったかな。ここで点になったわたしの目はその後ずーっと点々のままでした。 わりかしすぐ殺られる悪役マフィア、キレいまいちのアクションシーン、主人公兄弟二人の狂気度の低さ等、バイオレンス分野最高峰のタランティーノレベルには及ばない。及ばないものの、怪方向へ振り切れたW・デフォーの貢献もあって、おやなかなか良いんじゃないかこの映画、と私的評価はうなぎ上りに。 デフォー、凄いもん。どんどん加速度増しの怪演だもん。仕草も表情もどんどんと。セルフパロディまでかますのかあ、そこがピークかと思いきや血も凍る女装ときたもんだ。参りました。 正直デフォーが凄すぎて兄弟側の主張「悪への社会的制裁」の是非についてはけっこうどうでも良くなっちゃった。 Pコートの着こなし方のお手本とW・デフォーの最高の仕事が観られる、わたしにはコレはそんな映画です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-03-09 17:58:27)
95.  1917 命をかけた伝令 《ネタバレ》 
1カットが話題となった本作、観る前は映像酔いを心配したのだけど意外なほど観易かったです。むしろ中盤まで‶切れ目のない”ことに気付かなかったほど。 主人公目線の多さゆえ、その者とのシンクロ感が半端ないです。前線に飛び出して行く時は身体がすくむ思いがするし、振り返ったら仲間が刺されているショッキングな場面では腰が抜けそうになりますし。チキンなわたしは引き返したいけどもちろん主人公は前に進むので、なかなかしんどかった。 撮影技術の進歩を実感する、こういう「体験型」作品が増えてますね。命令を届けに行くだけのこの話、第三者目線の撮り方をしたら単調になってしまって、これほどの緊張を伴う仕上がりにはならなかったのかも。 映像がまたキレイなんですよね。緑の稜線、夜に映える炎のゆらぎ、真っ白な塹壕すら視覚に強烈に訴えてきます。隣り合わせの死がより不条理に感じられて、印象的でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-02-13 17:37:18)
96.  ワイルド・バレット 《ネタバレ》 
2分で考えついたような安易な邦題が「どうせB級」という不当な先入観をもたらしている感があります。B級はB級ですけども、かなり一生懸命に練られた脚本で面白いですよコレ。 一丁の銃が次々と人の手に渡っていくにつれ広がる騒ぎと予想不可な展開。場面の一つ一つが手抜き無しに緊迫するし、次に繋がる伏線にもなるしで目が離せなくなります。少年が出会う娼婦の情の厚いこととか、チャズ・パルミンテリ扮する悪徳刑事の狡猾な存在感とかDVロシア親父がJ・ウェインに心酔のオタクぶりをまさかの場で発露するとか、脇キャラに至るまで強烈な個性を放ちます。 秀逸エピソードがベラ・ファーミガvsサイコパス夫婦の一幕。本筋とはほぼ無関係なこのくだり、無関係にもかかわらずしっかり作り込んでいてセットも役者も完璧に不気味。なぜここにこれだけ情熱を注ぐのか。良いなあ。ベラ姉さんの気っ風も麗しい。 ラスト直前の数分には複数回のひっくり返しがあります。わたしはどれも読めなかった。最後まで驚かせてやろうという気概を感じる気持ちの良い映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-01-17 23:21:49)
97.  ザ・ドライバー 《ネタバレ》 
わあ、これはカッコ良い映画ですね!わたしはハードボイルドの自己陶酔成分が苦手なのだけど、この作品は酔っぱらう隙が無いほどに無愛想です。へらへらと人を小馬鹿にした表情の刑事ブルース・ダーンを除いては誰も笑わない。口角すら上げない。紅一点のアジャーニすら。 ”男は黙って○○”式の美学。ライアン・オニールのストイックさが夜の街の画とぴったり合って、心ときめく素敵さです。 カーアクションも元祖作だけあって迫力あります。今ほど派手に画がブレない分、むしろ観易い。後続作品のお手本になるだけあります。 クルマの一台一台に個性と存在感があって70年代ぽいですね。オレンジのベンツが素敵!(なのに壊された。ショック。) 濃い目のコーヒーにテキーラを垂らしたようなガツン、とくるハードでクールな一本。好きです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-12-13 16:43:06)
98.  赤い河 《ネタバレ》 
ああこりゃ名画ですねえ。映画「シティ・スリッカーズ」で都会暮らしに疲れた現代の男たちが熱く語るのがこの「赤い河」でした。 もう、広大ですもんね空も大地も。アメリカが夢を抱いていた頃の人間の希望、ひたむきさがスクリーンに迸る西部劇のマスターピースというのも頷けます。 映像が圧巻。スクリーンいっぱいの牛牛牛。この大暴走を止めるべく疾走する男たち。この迫力、男くささ。ジェンダーだなんだとかまびすしい現在ではちょっと口にしづらいけど、これは真に男の仕事、男にしか成せない事業と思いました。いやシビれるなあ。 で、当然主人公はジョン・ウェインだから正統にかっこ良いのだろうと予想していたら、裏切られましたまさかの。よもや老害と部下らに反駁され、解任される展開になるとは夢にも思わなんだ。オイオイ、大丈夫かアンタらジョン・ウェインやぞ? それに、ワタシ的にはダンスンがさほど理不尽に横暴とは思わないんですよ。契約違反と盗みをしでかした奴はシメないと組織がばらけるでしょ。私刑はよろしくないですが。あのドロボー二人の処遇を養子モンゴメリーがどうしたのか描かれてないのがちょっと不満。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-12-02 23:32:21)
99.  ウィリーズ・ワンダーランド 《ネタバレ》 
お金に追われて来る仕事は断らないニコラス・ケイジ。近年は出演作のクオリティとともに俳優としての評価が迷走している感がありましたが、自ら製作を買って出てこんな素っ頓狂なB級ホラーを作ってしまうとは。大したもんです。個人的に彼への評価が爆上がりしました。 何しろまれにみるストーリーの内容の無さ。悪魔付きゆるキャラロボットVSケイジ、それのみです。これがケイジが一方的にバカ強いので決着は割とあっさりとつく。じゃあ一体何をもってこのバカ映画が良いのかというと、無言の男N・ケイジのキャラのシュールさに尽きます。 クソがつくほど真面目で潔癖症と思しきこの男、1人で片づけるなんて無理でしょレベルに荒れたテーマパーク内をせっせと掃除し、突然襲い来る人形らに一切ビビることなく、それどころか過剰なまでにぼっこぼこに打ち倒す。 女の子を援けもするけど、休憩時間を遵守する方が優先するという予想斜め上の性格。 もう話の後半になると、このエナドリとピンボール大好きな変なTシャツを着た中年のおっさんに魅入られてること請け合いです。ただし一部の人に限るけど。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-10-10 14:39:53)
100.  レイニーデイ・イン・ニューヨーク 《ネタバレ》 
W・アレンの撮るNYは雨でも趣深い。過剰な湿度が大都会をしっとりと落ち着かせます。 今作、アレンに代わる多弁な文系男はティモシー・シャラメ。美形なので画になります。女の子とのロマンチックな雰囲気も、彼が務めてこそ。 シャラメ演じるギャツビーの周辺で発生する‶男と女のあれこれ”が軽快な喜劇仕立てで描かれ、恋愛哲学者たるアレン監督の面目躍如といったところです。べたつかずドライなアレン節がふんだんに堪能できます。純朴に見えるガールフレンドはなかなかに打算的だし、妻の不倫に取り乱すジュード・ロウがいれば、婚約者の笑い方に限界を感じるギャツビー兄と、愛憎あるあるオンパレードで楽しい。 思いもかけなかった自分のルーツを確認して晴れ晴れと(雨だけど)往く道を急転回してみせるギャツビーが、呆気にとられるくらいに身軽で鮮やかで羨ましいな。 排ガスも、夜中の消防車のサイレンも、娼婦も毒舌の過ぎる女の子も、全部ひっくるめて愛すべきニューヨーク。アレンのニューヨークはアレンにしか撮れない。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-08-20 22:36:27)
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