1021. フロント・ページ(1974)
なんでこうなっちまうんだ、の状況に次々襲われる とほほなJ・レモンと驚異的なしつこさを見せる編集長のW・マッソー。B・ワイルダーお約束の状況設定がコミカルで楽しい。はずれなしのコンビの安定した心地よさ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-09-13 16:35:14) |
1022. ロード・オブ・ザ・リング
数十年前に学校で配られた文部省(当時)推薦映画割引券で観た「指輪物語」はなにがなんだかさっぱり分からなかった。あの難解さをこのたびは見事に払拭し、圧倒的な映像をともなって上質な娯楽作品に仕立てた制作者の愛に感動する。あ 会議のシーンは笑ってしまった。さんざん出陣を渋ってたのにフロドが「僕が行く」と言ったとたん私も私もと手を挙げる。どうぞどうぞ、といつなるかと。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-09-12 14:45:18) |
1023. ステート・オブ・グレース
これだけ演技達者な役者をそろえればいやでも重厚感が出るってものです。みなさん熱いですがやっぱりエド・ハリス。冴えない役柄でもエド・ハリス。「アイリッシュ系は貧乏だからな」の台詞が指すとおり、くたびれた革ジャンにぼさぼさの髪。対するイタリア系はいつもぴしっとスーツなのに。貧乏・小所帯のギャングの哀愁が寒そうなブルックリンの街並みと一緒になって記憶に残ってます。 [地上波(字幕)] 6点(2011-09-06 16:08:38) |
1024. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
リュック・ベッソンが撮ったイルカ大好きな西洋人のためのファンタジー。ジャン・レノはこの作品はおそらく素なのだろう。ボロが出ず無難にこなしている。ほっ。ジャックはまるでかぐや姫。海のものだから最後は海に還ってしまうのね。でもさあ それなら陸の女に恋するのは掟違反だよ。R・アークエット扮するジョアンナがあまりに不憫で一言物申す。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-09-05 23:44:35) |
1025. 偶然の旅行者
原作が大好きなのでどうしても比べてしまうのだけど・・。アン・タイラーの小説は、確かに地味。この話が映画化されると聞いて作者本人が「あんなに何も起こらない話を?」とコメントしたほど。でも面白いんですよ。普通の人への作者の愛があふれてしみじみといい話だなあと思う。原作は。で映画、おそらく監督はまじめな方でしょう。人物も話もきちんとなぞってはいる。けどいかんせん映画として立ち上げるなら行間のかわりにプラスαが必要で、それが無い。しっとり焼き上げるためにはメレンゲを泡立てすぎてもいけない、そんな隠し技が原作にはある。んーたとえがうまく浮かばなくて申し訳ない。 [映画館(字幕)] 6点(2011-09-03 05:22:14)(良:1票) |
1026. ファイト・クラブ
あ、そういうことなの?と、オチが明かされたときは充分驚いたものの、それまで延々聞かされてきた何やら社会的なメッセージが勿体つけすぎて すっと理解できたとは言いがたい。なんでテロ集団になっちまうんだ。そもそも殴られることに充実感を得ちゃうのは男の人だけの感性か?猪木にぶたれたがる女のひとを見たことないし。 [地上波(字幕)] 6点(2011-08-14 15:59:55) |
1027. 蜘蛛女(1993)
《ネタバレ》 焼いても煮ても食えないダメの標本みたいなG・オールドマンとなすすべもなく餌食になったJ・ルイスの存在感に比べれば、レナ・オリンの極悪っぷりはいっそ清々しい・・ことはないか やっぱり。「ははははは」ひと殺したあと この笑い方ですからね。こわっ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-07-25 12:14:00) |
1028. レディホーク
《ネタバレ》 中世ファンタジーを形作るうえでの美術は立派だし、映像がくっきりとキレイ。騎士と令嬢のお二方も美々しくハマっている。変に芝居がかった終盤の司教との対決は、護衛やギャラリーののんびり具合がちっともリアリティが無いのだけどそこはまあ「中世劇」としての様式であると思って観れば悪くはないです。 だけども80年代のダサい演出がどうにも感性を逆なでします。オープニングの後光を背負った鷹がコントみたいだし、多くの方が指摘済みの音楽センスが致命的。石塔も衣装も中世してるのに、突如ジャカジャーン、と80'sロックミュージックが流れるのでは雰囲気台無し。ついでにM・ブロデリックのつるんと呑気なアメリカン・フェイスも中世ヨーロッパ顔ではない。 物語の骨格は切ないダーク・ファンタジーでいい線行ってるので刺さる人には刺さるでしょう。わたしは今いちでしたが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-05-28 16:22:48) |
1029. アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング
《ネタバレ》 アンチルッキズムの訴えを「それを言っても痛くない」(というイメージ)のエイミー・シューマーにさせているのですが・・。この脚本、どうなのかな。 自分が美人だと思い込むことによって自信をつけ、積極的に行動するようになる→仕事が上手く行くようになる→彼氏もできる の一見めでたい流れ。だけどレネーはどんどん高慢ちきになっていくんだよね。観ているこっち側としては、彼女の「わたしはイケてる」という振る舞いが暴走以外の何物でもないうえに、“嫌な女”になった辺りではもうお手上げな気分になってしまった。この映画、狙いとは逆の「怖いからブスは調子に乗るな」というメッセージになってしまわないかな。 むしろスポーツジムで知り合った「自尊感情の低い美人」をもっと絡ませて話のキーパーソンにするべきだったのでは。見た目が良くても幸せを感じられない女、それに対してルックスに振り回されず楽しく生きているレネーの人柄の良さを心棒にする方がベタであっても世の大半の女子に響いたのではないかしら。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-05-14 23:29:23) |
1030. ゼイリブ
《ネタバレ》 いやあ~~けんか長い。せっかく「資本主義社会のひずみを皮肉る社会派作品」的なインテリっぽい方向に持ってったのに。後々この映画を思い出すに「サングラスをかけろかけないで延々殴り合うヘンな映画」としか。そのへんてこぶりがカーペンターをしてカーペンターたらしめる評価に繋がってるというのも興味深いなあ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2024-04-22 23:34:40) |
1031. 小説家を見つけたら
《ネタバレ》 良さげな話なんですが、あいにく類似テーマの先達作品らがすでに感動の輝きを残しているので、この手のネタで勝負するのは分が悪い。それに実際出来も今一つです。 まず主人公の高校生がスーパー過ぎる。詩作の能力もバスケットの才能も大学推薦を軽く得られるレベルで、その才能を幸運にも見出されている。家族・友人とも関係は良好。この時点で彼に悩みなど無いでしょう。‶グッド・ウィル・ハンティング”のマット・デイモンとは環境が違いすぎる。 そして師の役割であるフォレスター氏。彼がジャマール・ウォレスに与えた薫陶がどんなものだったのか、描写足らずに感じます。‶セント・オブ・ウーマン”のアル・パチーノが己の生き様を丸ごと叩きつける形で若い世代に強い影響を与えたような、そういった印象を残すやりとりが老作家と高校生の間でほとんど見られなかったです。ただの仲良しです。 つまるところこの映画は‶セント・オブ~”と‶グッド・ウィル~”と ‶アマデウス”(奇しくもサリエリ氏のF・M・エイブラハムではありませんか)等のエッセンスをうすーく伸ばしてブレンドした、雰囲気映画と思います。S・コネリーの佇まいは良かったですが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-31 23:38:20) |
1032. メイド・イン・アメリカ(1993)
《ネタバレ》 言わんとするテーマは米国普遍の価値観だし、キレイに心地よくまとまっていると思うけど。 でも30年前のコメディは今観るとやはりキビシイ。当時なら笑えたかなあ。笑わせのツボというより全体のノリが感覚としてズレている感じ。 のっけから交通ルールまる無視でチャリを飛ばすウーピーの画が破天荒というより「常識無い人」に思えるし、精子バンクの提供者に押しかける娘にも引く。ましてや黒人じゃないからって当たり散らすウーピーのキャラはもうただの迷惑で、たぶん今なら脚本段階で却下でしょう。 それにねえ、やっぱりウーピー・ゴールドバーグにラブシーンは要らないよ。今作はとりわけ文句ばかりのオバサン役だし、男性が恋に落ちる要素がどっかにありました? [CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-07 23:07:19) |
1033. 栄光のランナー/1936ベルリン
《ネタバレ》 原題はRACE、米国の根深い人種差別問題と陸上競技のダブルミーニングという意味では上手いんだけど、映画としてはいろんな問題をぶっ込み過ぎで総花的に感じました。 ジェシー・オーエンスの陸上選手としての偉業を描くなら個性的なコーチとの関係・葛藤で一本話ができそうなもんですけど(本作も前半はそんな感じ)、話はどんどん裾広がりに。 自国のユダヤ人選手を排除してまでナチ政権下での五輪に参加することへの是非や、レニ・リーフェンシュタールとゲッペルスの不協和音まで挿入し、ナチ政権に批判的なドイツ人選手ロングまで登場するとは何をかいわんや。 色んなテーマが自己主張して渋滞を起こしてて整理ができてない映画だなという印象でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-12-07 23:29:21) |
1034. MEG ザ・モンスター
《ネタバレ》 中国資本臭が強くて辟易の一本。続編を先に観たのだけど、そういう観点からも内容も‶2”の方が良かったな。 ステイサムと中国人女優のロマンスは誰も欲してないし、元妻の存在もあまりドラマとして機能してないし。この手の作品はパニック時の演出・画ヅラが命ですからドラマ部分はやっつけ気味になりがちではあるけどね。 主人公?のメガロドンは良かったけど海の中だと比較対象が無くて、その大きさがピンと来ないという難点がありまして。だから海上にバーンと飛び出して船をなぎ倒す画などは素晴らしく映えます。 深海生物のはずのサメも巨大イカも思い切って海上にひょこひょこ登場させる続編の方が、よりエンタメに振り切ってて楽しいです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-11-30 22:55:11) |
1035. エージェント・マロリー
《ネタバレ》 おお、身体のキレの良い女優さんだなあと思ったら、格闘家の方でしたか。キックや身体の位置の戻りの速さが素人よりコンマ数秒早いですもん。さすが。 映像もソダーバーグぽいクールな仕上がり。やたらとカメラが動く一般的なアクションものより観易く感じました。「浜辺で阿呆面しているユアン・マクレガーの背後からぐんぐん迫ってくるジーナ」の画には心躍っちゃった。 ただねえ、お話はあんまり面白くないです。たいして入り組んでもないし謎解きでもないし。ビッグネームが逆に邪魔する面々がウルサイし。M・ダグラスとA・バンデラスのバイト感が半端ない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-09-12 17:37:36) |
1036. カムバック・トゥ・ハリウッド!!
ハリウッドの老優に恩給を与えたくて作ったんだろうかこの映画。 デ・ニーロもM・フリーマンもトミー・リーもゆるっとラクだなあこんな脚本。役作りも大していらないし。 コメディならコメディでもっと振り切れてほしい。中途半端にトミー・リーの「老いた名優の哀愁」話なんて入れなくたっていい。すごく安易に感じる。 映画は正直4点評価なんだけど、デ・ニーロの小物プロデューサーぶりがやっぱり上手くて、その空とぼけた表情なんか観てて楽しかったのでプラス1点とします。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-06-24 23:52:45) |
1037. ディープ・ブルー(1999)
《ネタバレ》 レニー・ハーリンてわたしのイメージでは”火薬量は多いけど緊迫しない爆破パニックもの”の監督でして、簡単に言うとB級娯楽作の定番請負人なのですが、でもわりと大物を使うんだよな。 今作もきっちりセオリー踏襲、どかどか火薬大爆発に加えて大量の水ときたもんだ。海水がなだれ込んできて人物らが逃げ惑っても緊張感が今一つ湧かないのがレニー・ハーリン印。海水流入の扉を3,4人で閉められるとも思えないし、女博士は必然もなしに下着姿になるしで。基地の構造もさっぱり分かんないので逃げた先のシャフトがどこにどう繋がってんのやら。そっちで合ってるの?まあいいけど。 ところでこの映画「誰が生き残るか」視点でいくと相当の意外性があります。そんな意外性で驚きを稼ぐのはやめてほしい気もするけどな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-05-31 23:30:42) |
1038. すてきな片想い
「りぼん」とか「別マ」に載ってたマンガみたい。片思いの甘酸っぱさ、賑やかな周囲と自信が無くて不器用なヒロイン像とか。もう王道すぎて話は至って平凡。 こういうのって読者が主人公にいかに共感できるか、が大事だったのです。モリー・リングウォルドという逸材を見出したジョン・ヒューズの慧眼には唸りますね。 一般の女子が共感するには美人すぎてはいけないし。ブロンド以外が望ましく、でも小顔でスタイルは均整がとれていて、ふくれっ面をキュートに演じられる。 「わたしでもモリーにならなれそう」このあたりの支持を獲得したモリー。大ブレイクしても、凄く洗練されもしなかったのがなんともいえず貴重で尊いのでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-05-22 20:34:23) |
1039. ワイルド・アット・ハート
感性の合わない人はオール引くであろう本作。リンチが苦手なわたしもなんと感想にしたら良いのかわからない。リンチって内容はともかく画はもっとキレイじゃなかったかしら、などと戸惑いながらの120分。 一つ一つのメタファーに意味を求めるからダメなんだろうなワタシの場合。場面転換に流れていく唐突なバーサンの顔とか太った半裸の女たちとか、考えたって分かるわけない。 意味不明瞭でもパルムドールなんだねえ。ヨーロッパの感性もわからん。 極めて個人的なこと言うと、キレてる男と女の逃避行なら‶トゥルーロマンス”タイプのが断然好み。娼婦みたいな恰好のローラ・ダーンよりパトリシア・アークウェットの方が可愛いし。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-04-20 23:26:12) |
1040. ラン・ハイド・ファイト
《ネタバレ》 閉じ込められた場でテロリストと闘う孤立無援の主人公、まさしくダイ・ハードな今作はB・ウィリスおじさんではなくて女子高生。構成も演出もキャラの造形力も本家の五割減くらいです。 悪玉の方が一向に仕掛けてこないので中だるみがひどい。べらべらと空疎な台詞ばかりの犯人側リーダーのアイツ、ネットで自己配信することだけが目的だったのかな結局。あと、女教師の上半身を裸にさせただけ。 ヒロインが必死に食堂外の生徒を避難させようと奮闘するけれど、犯人側が学校全部を制圧しようという動きに乏しいのでちっとも緊張しません。ラストの爆発もけっこう小規模だったなあ。というかああいう場合って車のエンジンかけたらドカーンっていくのかと思ったんですが。セオリーじゃん。 教師らが怪我した女子生徒にリーダーシップを丸投げしている寒さもさることながら、やはり学校での銃乱射事件てのは現実に起きている社会問題なのだから娯楽作品にしてしまうのはデリカシー欠け過ぎなのではと感じました。大企業ビルにプロがテロを仕掛けるのとは訳が違う。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-02-02 23:23:04) |