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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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101.  恋はデジャ・ブ 《ネタバレ》 
死んだって次の日はやり直せるってシーンもあったのだから町中の人たちを助ける意味なんてないように思う。だって誰かが怪我したって、それこそ死ぬことになったってその日はまたやってくるんだから。でもたぶん、同じ日を生きるうちに助けられずにいられなくなるんだと思う。人のために何かするってのは元来気持ちのいいことだから。逃げられないならいかに有意義に生きるかしか行く方向ないもんね。そこに行き着くまでの過程の描き方がうまい。これだけ同じ日を何度も何度も繰り返されるといいかげん飽きそうなもんだが全く飽きないってところも凄い。その同じ日がバラエティに富んでるってだけじゃなく、見せ方がうまいんだと思う。全く同じシーンを繰り返すことで生まれる笑いはもちろん確保しながらも省略短縮しながらテンポよく見せることで弛ませない。そして何よりこの人が恋をしているってところがミソ。楽しい映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-17 14:49:40)
102.  ある日どこかで 《ネタバレ》 
面倒くさくない映画。写真の女に恋をした。だから過去に行く。極めてシンプル。そこに現実的な葛藤はない。どうやって行くのか。こうやって行くのだ。それでいいのか。それでいいのだ。細かいことは放って突き進むそのいい加減さが気持ちよい。だってこれは現実じゃなくって映画なんだから。かと思えば時間をかけて見せる出会いのシーン。初対面の男に有名女優がどんどん惹かれてゆく理由はとくには描かれなく、それでも納得させてしまうのはこの出会いのシーンの美しさに尽きる。唐突に現在に戻された主人公が悲観にくれる。もしや今まで見ていたものは彼の妄想だったのかとも思った。どちらにしろ「妄想」も「過去」もその現実の世界ではない世界に違いない。そしてやっぱり「映画」もまたその世界ではない世界なのだ。そう考えると実に映画向きの物語だなあと思った。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-14 15:55:56)(良:1票)
103.  戦略大作戦
評価悪いだろうなあと思って来たら意外に高評価でビックリ。私も好きっすねえ、これ。地雷を探しながら進んでゆく場所、敵の偵察が来てそこから大銃撃戦が始まるところがいい。どこかダラダラとした展開がここで一気に緊張感が高まり、一気に動きが増す。ドイツ軍のタイガー戦車といよいよ対決ってところもいい。緊張感を煽るラロ・シフリンの音楽が効果的に使われています。(ちなみにこの音楽、『イングロリアス・バスターズ』の映画館内でヒットラー暗殺計画が遂行されようかってときに流れるんだけど、あいかわらずのタランティーノの選曲センス&映画オタクぶりに脱帽。)で、その対決の最終的な決着のつけかたが、そんなのありかよ!なんだけどもう最初から戦争映画なのに愛国心もクソもない内容なのでこの決着しかないなとも思うわけで。イーストウッドが出てる映画ってけっこう長尺のものがあるんだけど、全然だれない。たぶんイーストウッドはいるだけで様になってるってのが一つある。さらにそのイーストウッドを食おうかいうくらいのキャラの相棒とか敵キャラの存在も大きい。ここではもちろんサザーランド。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-03 13:48:52)
104.  ザ・タウン 《ネタバレ》 
監督デビュー作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』同様に小さな街の物語。そして今回もまた素晴らしい脚本にやられた。ものすごく繊細。ものすごく丁寧。例えば主人公の設定。麻薬、アルコールを断っている。断ったからこそ真人間としての思考を持つことができ、強盗団のリーダーでありながらごくごく普通の感覚を持つ女性を好きになるという不自然さを解消させている。あるいはホッケー選手の件をオチに繋げるうまさ。どれもこれもが極めてさりげなく語られていることも重要。トラウマになるほどの人質の恐怖は目隠しのまま解放されるシーンの長い沈黙という一つの画のみで表現してみせる。その後のドラマチックな出会いを実に自然な展開へとしているのはここだ。女性の事故死した弟のエピソードを語るシーンの自然な展開よ。そしてそれがラストに再度使われるためにあるのだと分かったときの痛快感。書き出したらキリがないがとにかく丁寧。かといって辻褄合わせに翻弄されない。街に精通したプロらしいカーアクションや豪快な銃撃戦がまた嬉しい。ベン・アフレックはイッパイいい映画見てるなと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-31 14:41:12)(良:3票)
105.  ファンタスティック Mr.FOX 《ネタバレ》 
妻には足を洗うと約束するものの数年後に泥棒稼業に逆戻り。擬人化されているのでここはMr.FOXが悪いと思ってしまうのだが、野生動物の本能なのだと言われるとたしかに彼らはキツネ、泥棒という行為を責めるほうがおかしいのだと思い直す。そしてキツネであることを思い知らすかのように食事シーンでは誰もが凶暴な顔で貪り食う。と思ってたらここに出てくる人間たちはキツネを言語のわかる動物という設定で対決してゆく。もうその行動は相手を動物として見ていない。設定がむちゃくちゃというかテキトーというか。しかしそのテキトーさを許容するのがアニメーション。この作品はアニメーションであることの恩恵を最大限に活かして作られている。ストップモーションアニメなのだが動かないMr.FOXをそのまま回転させて背景を流してゆく逃亡シーンのまるで手を抜いたかのような部分もアニメーションならではで、このふざけた横移動シーンだけでも実に楽しい。父の尊厳と家族の再生の物語であり父を超える息子の成長物語でもあるといういかにもアメリカ映画的なテーマを直球で見せられてもアニメーションは許容する。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-30 15:30:00)
106.  飾窓の女 《ネタバレ》 
オチに関しては当時はともかくとして今の視点から言うとちょいと残念な気もするんだけど、そのオチに強引さは全くない。むしろ飾窓の美女が現実に現れるという夢のような出来事からしてみれば実に自然な展開、適格なオチと言える。そんなことよりジョーン・ベネットだ。言い方は悪いがまさにお飾り的な美しさ。いるだけでいい美人。他の作品で見たジョーン・ベネットでここまで綺麗なのってあったか?我々小市民は映画という疑似体験装置で超美人とイチャイチャしてその代償として恐ろしい体験をしたりするわけだが、この真面目な大学教授、エドワード・G・ロビンソンはその疑似体験を擬似であることを知らずに体験してしまうのだ。おー怖い。その心情が丸分かりの滑稽極まる表情を見せるロビンソンは私でもある。あー恥ずかしい。
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-11 15:53:06)
107.  何がジェーンに起ったか? 《ネタバレ》 
ヒッチコックが恐怖にひきつる女優の顔のアップなどというある種の過剰演出によってインパクトを作ったようにアルドリッチもベティ・デイビスの醜悪な顔のアップによって強烈な印象を残すことに成功している。それどころか醜悪な顔自体が過剰な演出であり、過剰に過剰がプラスされてひたすら「怖さ」「グロテスクさ」ばかりが強調されてゆき、サスペンス以上にホラー色を帯びてゆく。このミスリードが活きて、ラストシーンで自分は「姉を殺したいほど憎んでいた」のではなかったのだと知った後の美しく可愛らしい顔が心に刻まれるのだろう。それにしてもそれまでの顔のインパクトが凄まじすぎる。この後にアルドリッチとベティ・デイビスのコンビで作られた似たような構成と似たような雰囲気の『ふるえて眠れ』と合わせて見ると面白いですよ。
[DVD(字幕)] 7点(2011-04-22 16:18:47)
108.  ショック集団 《ネタバレ》 
それぞれの狂人たる理由がその特徴的な狂人ぶりで提示されてゆく。そこには社会派の色も見えぬことはないのだが、色情狂の女たちの登場で社会派色は一気に減少する。てか、女たちをひとまとめにして色情狂にしちゃうそのシンプルすぎる発想が怖い。そんな異常な世界は、ゆえに外の世界の異常性の写し鏡だなんてことはなく、ひたすらに狂気のるつぼとして描かれる。廊下をゆっくりと移動しながら様々な狂人たちを映し出すカメラワークが凄い。ラストシーンではこの廊下を映し出す一連の流れの中に一人の狂人が加わるのだ。美しいヒロインが待つ外の世界が時折映されることで中の世界の閉塞感が増幅されているように思うのだがそのヒロイン、コンスタンス・タワーズの出番の少なさが唯一の不満。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-21 17:54:41)
109.  コッポラの胡蝶の夢
映像がとにかく美しい。夜道が青い画調の中で光り輝くシーンの美しいこと。時代を感じさせるくすんだ色も素晴らしい。暗闇とソフト帽がノワールの香りを、幻想的なストーリーと静かな語り口が文学の香りを発散する。セピア色に映える女優の顔は美しさと儚さを演出する。色調にはかなりの拘りを感じる。どこからも詮索されない環境で作るとこんなのが出来ちゃうのかという驚きと納得。かといって自己満足にかたよりすぎずにちゃんと「見せる」映画に仕上げているのは娯楽の王道のトップを走ってきたコッポラゆえか。素晴らしいです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-04-14 16:33:18)
110.  ドリーの冒険
アメリカ映画の父D・W・グリフィスのデビュー作。しっかりと物語映画。その題材に「誘拐」を選んでいるところが興味深い。「誘拐」には当然被害者の物語と加害者の物語がある。その後『國民の創生』『イントレランス』『嵐の孤児』等と同時進行する2つの物語を見せることに天才的な手腕を発揮することになるグリフィスらしい題材ではないか。このたった12分の物語にはちゃんと被害者の物語と加害者の物語があった。二者が交わるシーンのサスペンスまで用意されている。お見事としか言いようがない。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-08 16:32:07)
111.  ゴーン・ベイビー・ゴーン 《ネタバレ》 
次の監督作『ザ・タウン』もそうなんだけど、とにかく脚本が素晴らしい。物語の何もかもが必然となっている。ボストンの小さな町を舞台に、小さな町であるがゆえの物語(ここんところも『ザ・タウン』と共通)なのだけど、主人公の探偵が地元のチンピラと一悶着起こすシーンや、探偵の公私のパートナーと誘拐された娘の母親(母親の薬中仲間のほうだったけか?)が顔見知りであることなんかも「小さな町」であることをさりげなく見せている。そしてある者たちの繋がりが露呈してゆき犯行が発覚するという衝撃的な結末もまた「小さな町」であることで成り立つ。「小さな町の物語」であることを丁寧に紡いでいるがゆえに衝撃的でありながら唐突ではない結末を見事に作り出しているのだ。ある者は死に、ある者は捕まり、ある者は去ってゆく。取り残されたようにこの小さな町にいる主人公。この愁傷感が「小さな町」の閉塞感を表現しているようでもあり、エンディングをやるせなくする。
[DVD(字幕)] 7点(2011-04-04 15:41:08)(良:2票)
112.  暴力団(1955)
モノクロであることを最大限に活かした映画。光と影のコントラストに魅入る。ラストシーンの光を帯びたスモークに立つ人影にはしびれた。さらにサーチライトが出てくるのだがその強烈な明暗の美しさは圧巻。刑事がギャングのボスの女に執着する流れがいまいち説得力に欠けないこともないが、そんなのどうでもいい。とにかくモノクロの美が半端ないです。大音量を使った拷問シーンの流れで殺しのシーンを無音にしているのにも唸った。演出が洗練されている。かっこいい。ある女に関わるサスペンスの見せ方はヒッチコック映画みたいだ。いやはや知らなかった。こんなのが(まだ見ぬ傑作が)まだまだごろごろしてると思うと嬉しくなる。
[映画館(字幕)] 7点(2011-03-07 14:27:56)
113.  スペース・カウボーイ 《ネタバレ》 
過去に名を馳せた主人公が返り咲く『許されざる者』を宇宙を舞台に描いてみた。タイトルにはそんな意味もあるのだろうか。それとも「時代遅れ」の象徴として「カウボーイ」を使っているだけなのか。とにもかくにも老いた者は若い者に取って代わってゆく、その流れの中で老優イーストウッドをいかに葬るか、『グラン・トリノ』で見事に成しえたそれを『許されざる者』以降ずっと考えていたに違いない。それほどに『許されざる者』『スペース・カウボーイ』『グラン・トリノ』は本筋で同じなのだと思う。だとするならばこの場合、トミー・リー・ジョーンズもイーストウッドの化身といえる。『グラン・トリノ』の予行演習をトミー・リーでやってみたのだ。まあ、あとの二人もイーストウッドなんだけど。ジェームズ・ガーナーの登場シーンなんて『サンダーボルト』で牧師をしているイーストウッドの元に昔の仲間が訪ねてくるシーンそのまんまだし、やたらと裸になるドナルド・サザーランドなんてのもまさに俳優イーストウッドの特徴を表してる。要するにチーム・ダイダロスは4人のイーストウッドなのだ。そしてやはり死に様を模索し4人のうちの一人は見事に死に花を咲かせる。やはりこの映画、『グラン・トリノ』への布石と捉えていいように思う。
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-25 15:41:11)(良:2票)
114.  RED/レッド(2010)
ことごとく痛快。プロフェッショナルな身のこなしと破格の強さは『ナイト&デイ』のトム・クルーズを超えてもはやマンガ。しかし年の功。ブルース・ウィリスはかつてのマッチョさを剥ぎ取り強さの裏側に余裕と優しさを獲得している。ゆっくりと歩きしなやかに敵を倒す。家をぶっこわす見事な蜂の巣銃撃の痛快さ。それを余裕でかわす痛快さ。しかもその後次から次へと登場するステキなおじいちゃんおばあちゃんが皆すべてこの余裕を纏った超人プレイを見せてくれるのだからもうたまらん。それぞれの再会シーンがまた面白く、中でもヘレン・ミレンの家の外で銃を構えるマルコビッチには笑った。さらにこの映画を面白くしている立役者で忘れちゃいけないのが、ただ一人超人ではない普通のおばさん、メアリー=ルイズ・パーカーだ。彼女のコメディエンヌぶり、そしてどこか華のない顔立ちがどんどんと輝いてゆく様が楽しい。惜しむらくは仲間に死人が出たことか。
[映画館(字幕)] 7点(2011-02-22 15:38:58)(良:3票)
115.  悲しみは空の彼方に 《ネタバレ》 
大混雑する海水浴場でこの映画の主人公たちが出会う。出会う前に一度すれ違っている。この多くの人たちにそれぞれのドラマがあるのだと言ってるようだ。その中のひとりである白人の未亡人と黒人の未亡人はここで出会う。そして独立した両者のドラマが描かれてゆくことになる。互いに助け合うときもあればただ傍観するしかないときもある。それぞれの母と娘の話がメインなのだが、黒人母子のドラマには人種差別問題が色濃く映し出されることになる。しかしそのシリアスなテーマゆえの説教くささはあまりない。そこはダグラス・サーク。社会背景は背景であって描き出したいのはあくまで母と娘のドラマ。そういえばドイツ時代の『思ひ出の曲』という映画もまた親子の絆を描いたお話であった。結果はそれぞれ違えど、どんな障壁をも越えてしまうのが親子の絆なのだというところに落ち着いているように思う。ストーリーを思い返せばかなりくさいような気もするのだが、見ている間は全くそんなことはなく、見終わったあとは「いい映画を見た」としみじみ思うこと間違いなし。
[映画館(字幕)] 7点(2011-02-08 15:57:58)
116.  インビクタス/負けざる者たち
黒人と白人を隔てていた壁がいとも簡単に崩れ去ってゆく。愛すべき予定調和を見せた『グラン・トリノ』の後でもさすがにこれには拍子抜けした。おそらく誰もこんな語り方はできない。なぜならそこに辿り着くには様々な障壁があり様々な苦労があり複雑なやりとりがあり複雑なからくりがあったに違いないから。何よりも前提となる南アフリカの歴史があるから。しかしイーストウッドはシンプルに語ってゆく。障壁が描かれなくても誰もそこに障壁がなかったとは思わない。苦労が描かれなくても誰もそこに苦労がなかったとは思わない。観客を信頼している証しとしてのシンプルさ。そして白人と黒人が手を取り合うことがさほど難しくないとでも言うように簡単に話は進む。実際に難しいことではないのかもしれない。それを行うことが難しいのであって。イーストウッドの描くマンデラはそれを適格にこなしてゆく。自分を虐げてきたものたちを許すということを。『グラン・トリノ』のレビューで私は書いた。過去の自身の作品の中で十字架をちらつかせながらの残虐行為を描いてきたイーストウッドはキリストが成し遂げたことを生身の人間で成し遂げさせることで自身の宗教観に対するひとつの答えを見せたと。ここでも同じことをしている。マンデラは計算する。どうすれば政治手腕を発揮できるか。どうすれば国が豊かになるか。その手段として「許す」という行為がある。そして「許す」を演出する。あえて白人の象徴のユニホームを着る。白人の護衛を信頼する。並大抵のことではないだろう。しかしそれは成された。やったのは人間だ。神話ではなく実話なのだ。娯楽であることを意識したこれ以上ないくらいのシンプルな語り口の中にもイーストウッドの印が確実にある。そこがたまらなく嬉しい。
[映画館(字幕)] 7点(2011-02-07 15:34:14)(良:4票)
117.  浜辺の女(1947)
うんうん、ヒッチコックの映画みたいだった。そのうえジョーン・ベネットはファムファタルの匂いプンプン。ジャン・ルノワールの映画とは思えない。かわいい恋人をほったらかしにして人妻にのめりこんでゆくロバート・ライアンの異様な行動よりもその人妻の亭主チャールズ・ビックフォードの異様さのほうが勝ってるもんだから先が読めない。三人のうちの誰かが悪意を持った人間ならばそれこそフィルム・ノワールへと昇華するのだが、どうも一概にフィルム・ノワールと断言できないところがミソといえる。でもファムファタルはどうだろう。女に翻弄される男には何やら戦争の傷が影響されているらしき描写があるもんだから「女」そのものに宿るファムファタル性の強さがうやむやにされてる。もちろん狙いなんだろうけど、ここはもっと単純でいいような気も。ひとつの画、ひとつのシーンで怪しさをかもし、サスペンスを盛り上げる。このあたりはさすが。
[映画館(字幕)] 7点(2011-02-01 17:03:00)
118.  永遠の戦場
第一次世界大戦中のフランスを舞台にしている。製作が第二次世界大戦以前ということもあって戦意抑揚映画というわけでもなく、かといって無駄に兵士が死んでゆく様はあっても反戦色もそれほど強くない。システムに対する皮肉は大いに感じるところはあるけど、そのあたりはホークスの盟友、文豪ウィリアム・フォークナーの戦争感の表れか。戦争を背景としながらも描かれる男女の三角関係はあくまで男女の三角関係の話であって、そのあれやこれやが戦争と絡み合ってメッセージを発信するといった面倒くさいドラマにはしていない。むしろ戦争は男女の恋愛ドラマを盛り上げるアイテムに過ぎない。このあたりがいかにもホークスらしい。とは言うもののその背景の撮り方も半端ない。撮影時には誰か死んでるんじゃないかってくらい戦場の爆発シーンは凄まじい。ヒロインのジューン・ラングという女優が場違いな美しさを発散させているが、大真面目な反戦映画でこの場違いさは致命的な欠点となりかねないだろうが、この作品ではこの場違いな美しさが映画に華を添えている。太田胃酸の音楽が泣かせてくれるのだが、反射的に心の中で「ありがとう、いい薬です」とつぶやいてしまうのが難儀である。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-31 16:33:43)
119.  クロッシング(2009)
疲れた。見てる間、相当力入ってたみたいだ。同監督の『トレーニング デイ』もそうだったんだけど、いつ発砲されるのかという恐怖が凄まじい。それは即ち一瞬で死ぬことの恐怖。冒頭の緊張感漲る会話を中断させる一発の銃弾がその後の「一発の恐怖」を持続させることに一役買う。銃口を自ら咥えるリチャード・ギア。いつしっぺ返しを食らってもおかしくないイーサン・ホーク。いつばれてもおかしくない侵入捜査官のドン・チードル。常に死と隣り合わせの3人の男たち。ギアが新米警官を一人現場に残すシーンでわざとらしくギアに躊躇させるところなんて明らかに「一発の恐怖」を煽ってる。主役が三人というのも効果的。一人が早々に消えたってかまわないのだから。リチャード・フライシャー『センチュリアン』をベースにしたような警察官物語は時に上層部のエゴを垣間見せもするが、そこに社会派たらんとするものはなく、ひたすら「一発の恐怖」への単なる一伏線としてしか描かない。いやはや怖い映画であった。そして緊張感が持続する映画は疲れるのであった。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-24 14:46:40)(良:1票)
120.  キック・アス 《ネタバレ》 
この監督の『レイヤー・ケーキ』が全くのれなかったのであまり期待もしてなかったし、前半のいろいろを見てても『レイヤー・ケーキ』同様に流行のいろいろをうまく取りまとめただけの軽薄な真似っこ映画にしか見えなかったのだけど、痛快極まるヒットガール登場で俄然面白くなってくる。ぐずぐずの主人公の映画に豪快に人を殺すヒットガールが息吹を与える。その素晴らしきキャラのヒットガールを前半出し惜しみしているのも後々効いてくる。防弾スーツの前フリがキュートに描かれていたので当然ヒットガール復活を我々は期待し、そこにドカーンと登場というわけだ。よ!待ってました!このタイミングが素晴らしい。そこから次。主役の座はヒットガールに入れ替わる。「復讐」が始まることを告げる『夕陽のガンマン』のテーマ。震えた。もう真似っこだろうが軽薄だろうが安易だろうがどうでもよくなった。震えちゃったんだから。しびれちゃったんだから。どうしようもないではないか。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-14 14:52:24)(良:2票)
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