1301. ハンニバル(2001)
《ネタバレ》 これは羊の続編ではなく全くの別物だ。羊たちに漂ってたぞくぞくする冷たい緊張感はどこへやら。披露されるのは通り一遍にグロテスクな殺人描写。ああ ジョディのクラリス。繊細で必死で凛とした勇気を携えていた彼女。憧れでした。J・ムーア扮するFBI特別捜査官にはクラリス・スターリングとは別な名前を名乗ってもらいたい。生真面目なおばさんにしか見えないんだ、どうも。肉付きのいい身体でもたもたランニングしないでほしい。どこがFBIや。ああそれに鉄格子の中にいながら他人の生死に影響をおよぼすのがレクター博士の真骨頂だったのにな。スリのタマ潰したりとか、露悪的で興ざめだ。博士とクラリスで恋愛沙汰にするのも嫌い。羊のときは博士が師のような、父性のような礼儀のある距離がちょうどよかったのに。文句ばっかりつけたけども、この監督らしく映像は洗練されて重厚感ありました。 [地上波(字幕)] 5点(2011-12-24 02:30:28)(良:2票) |
1302. マルコヴィッチの穴
《ネタバレ》 こんな状況をありかナシかで言えばあるのかも、と思わせるのが凄い。シュールな手触りが新しい前半の方が断然面白い。絶妙に低い天井に、なんでか異を唱えず首まげて職務をこなしている社員たち するっとズレる会話 困惑する人形師。じわーっとくる。街角でワイセツな人形劇を子供の前でやっちゃって「バカヤロー」と殴られるシーンに笑った。私も殴ると思う。 [DVD(字幕)] 6点(2011-12-24 01:59:15) |
1303. フォーリング・ダウン
脂ぎってないM・ダグラスが実に斬新。 [映画館(字幕)] 6点(2011-12-20 01:53:00) |
1304. コラテラル
監督がやたら高感度カメラを使って夜の情景を映しこんだことをエバッてたけど、確かに夜のLAの顔はたんねんに描かれていたと思う。NYの乾いた感じとはまた違う、多国籍の生活の匂いのする感じがよく出てる。運転手と殺し屋、二人の性格もバックグラウンドの描写も丁寧。似合わない白髪のトムが、冷徹な殺し屋というより口八丁な詐欺師に近いいかがわしさがあってこの人っぽい。組み合うシーンや銃の抜く速さに運動神経の良さが出てさすが、かっこいい。でもトムさあ、6件くらい事前に頭に入れておくべきでしょうが。直前にタクシーの中でばたばたPCチェックって準備悪いぞ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-20 01:12:08) |
1305. 殺しのドレス
《ネタバレ》 デパルマの趣味全開というか、やりたい放題ですなあ。本筋と無関係なトコで怖がらせてどうすんの。性病感染者のアイツ、犯人ちゃうんかーい。一体何のために(?)診断書でビビッたんだ私。ミセス彼女、パンツはいてないの気付くの遅くないですか?ま、でも、カメラワークは冴えに冴えてエレベーターや地下鉄逃走劇など本筋でもちゃんと怖い思いできました。 [地上波(字幕)] 6点(2011-12-20 00:44:24) |
1306. チェーン・リアクション(1996)
子供だましみたいに先走るご都合主義な脚本と、全く見て損した気分になるキアヌにがっかりした。 [地上波(字幕)] 3点(2011-12-13 12:13:42) |
1307. グッドモーニング,ベトナム
ベトナム戦争の一面をこんな風に切り取ることもできるんだあ、と斬新ではありました。実らなかったベトナム人との恋と友情って持って行き方がちとライトノベル風な甘さがあって、後引く感動と呼べるほどの余韻がなかったかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-12-12 18:21:22) |
1308. ブレイブ ワン
《ネタバレ》 エリカが私怨にとどまらず、直接には関係の無い殺人を次々犯してしまうとこが人それぞれ意見の分かれ目。コンビニでは正当防衛だし、冒頭の暴漢に復讐することについては異議を申し立てる人は少ないのではないかと思われる。映画作品としてのメッセージはわりと明確。タイトルはbrave oneで、エリカは生き残る。けれど、犬を取り返したとはいえ、「以前のようには戻れない」とも言わせてるわけで。殺人の代償をこれから払っていかなければならないエリカの後姿に復讐を遂げた達成感はまったく無かった。年齢を重ねても、きびきびと動きの良いジョディがスマート。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-12-12 00:58:40) |
1309. シティ・オブ・ジョイ
インド映画は熱量が半端じゃなくて、この映画でもインド熱にあてられて倒れそうになった。いかにも西欧的に自己の内面に悩む主人公も、圧倒的なインド人の生のパワーに押し流された格好。娘に美しいサリーを買ってやるためにチンピラ相手に血を流す父親。愚かだけど泣けてくる。良い台詞も多かった。「地面に這いつくばっていると、立てなくなるぞ」 [映画館(字幕)] 7点(2011-12-12 00:22:12) |
1310. リトルマン・テイト
子供にとって一番大切なことは何なのか、監督ジョディの主張は明確だ。ちょっぴり教養のたりない母親も、学者の先生も愛の形こそ違えど、この子を想っている。ジョディ・フォスターの、全人物への視線が優しい。最後のパーティーのシーンは、全てを包み込むように融和して、和やかで美しい。出来の悪いジェーンのケーキの方を選ぶなんてねえ。鼻の奥がつーん。 [映画館(字幕)] 8点(2011-12-12 00:07:15)(良:1票) |
1311. サンセット大通り
黒いビリー・ワイルダーという感じの女優残酷物語。黒くてもそこはビリー・ワイルダー、おどろおどろしさは控えめに、品のある描写だったと思います。とうとう最後に自らの狂気の中に閉じちゃうノーマは心胆寒からしめるものがありました。 [地上波(字幕)] 7点(2011-12-10 01:42:35) |
1312. プリティ・リーグ
大柄なジーナ・デイビスの頼もしいこと。トム・ハンクスの人間臭さ。野球を愛する女の子たちの健気さ。可愛らしい子たちもみんな見事にユニフォームを着こなしている。うそ臭さが無く、ちゃんと野球選手に見える。野球母国の力なんだろうか。ジーナが噛みたばこをぺっとやるシーンが大好き。姉さん、ずっとついてゆきます。 [映画館(字幕)] 8点(2011-12-06 15:27:24) |
1313. グラン・トリノ
《ネタバレ》 参った。イーストウッドにやられた。口の悪い、とっつきづらいクソじじいか・・いるよなあこんなじいさん。丁寧だなあと思うのはウォルトの人生の背景ともいうべき日常がきちんと描かれていること。理容室やバーでの友人とのやりとり。ゴミ出しの日常。アメリカにしてはやや小規模な家構えや「初めてオーダーメイドで服を作ったよ」との台詞から、フォードを退職したあとの元軍人の年金ってどのくらいなのかなあとか、自然と彼の生活に関心が湧く。偏屈を振り回して身内に嫌われて、でもお隣のオバサンたちには結構モテてんじゃん。妙なアジアの風習をどっさり持ち込まれて困惑するウォルトじいさん。笑ってしまう。愛すべきクソじじい。なんてかっこ良い死に様なんだ。ちきしょお。涙が止まんないや。あんた凄いよ。前出の背広を何のためにあつらえたのか、鈍い私は観終わって数十分経ってから気付いた。滝のように涙が出た。くそおっ もっと長生きしてほしかったよ、じじいっ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-12-05 23:49:07)(良:2票) |
1314. ティム・バートンのコープスブライド
暗くてしっとりした質感、奥行きのある暗い森。素敵でした。妙に明るい死者の世界にちょっと笑い、ラストはほろり、とイイ大人でも楽しめました。近所のレンタル屋さんではこの作品、子供向けに陳列されてましたがハム太郎とポケモンで育ったうちの子らには冒頭のエミリーが墓から追っかけてくるシーンでまず無理かと思われます。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-04 00:45:33) |
1315. イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
《ネタバレ》 ジョン・ローン!スクリーンの中で、欧米人と並んでも見劣りしないアジア人って当時すごく評判だったんですよ。映画館は満員で、立ち見でした。134分立ち通しで見ましたとも。腰痛を忘れさせる突っ走る展開。面白かった。マイケル・チミノ監督だったんですね。ずっとジョン・ウーかと脳内変換してしまってました。 懐かしく観なおしてみるとですね、ところどころ時代に流されてしまってました 残念ながら。J・ローン。今観てもさすがにしゅっとしていらっしゃる。しかし心なしかk-popの整形歌手に見えなくも無い21世紀なのだった。韓国余計なことしてくれたなあ。 M・ローク。泣きの演技は安定のけれん味、あの泣き顔に女性ファンはころりといったのです。私も含めて。 男同士の奇妙な“情”の交換ともいうべきラストシーンは、ジョンの後方から照らされるライティングややけくそな銃乱射も熱量が高く、今でも名シーンといっていいと思うんだ。 だけどなあ。足を引っ張るのは80年代のかっこよくない流行、風俗。中国人のチンピラは単なる不良の顔つき、女レポーターの肩張りコート、ありえないほどのアーティスティックなワンルームマンション。あんな風呂、部屋中湿気が上がって大変だ。今観ると「金にあかせた」感満載で、失笑してしまった。こんなんだったかなあ。参ったな。 [映画館(字幕)] 7点(2011-12-04 00:24:23) |
1316. サイコ(1960)
人が殺されるシーンは、そのものずばり目撃するよりも想像させられる方がずっと怖いのだ、と思い知らされた作品。外国の、カーテンのあるシャワー室はその後今でもちょっと恐怖感がある。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-12-04 00:01:23) |
1317. シー・オブ・ラブ
元女房に愚痴ったり同僚に絡んだりちょっと情けないA・パチーノが味があって愛おしい。あーE・バーキンが羨ましい。彼女と変わりたい。 [映画館(字幕)] 7点(2011-11-27 16:48:03) |
1318. エイリアン
79年当時でこの映像技術・・、凄いなあ。初見の時「あ、宇宙船の中ってこんな風なんだ」と素朴に信じたくらい凄い。パイプが何本も交錯する機関室や船体爆破装置の重厚感に心奪われる。無駄を一切廃したスリリングな展開のシャープなこと。S・ウィーバーの男らしさに惚れ惚れ。猫の目を通して凄惨な場面を想像させたり、遠隔地のビーコンで恐怖を煽る手法も未だに新鮮で粋(?)。グロすら芸術の高みに昇華した、唯一無二の正に名作。 [映画館(字幕)] 10点(2011-11-27 16:33:50)(良:1票) |
1319. 俺たちに明日はない
《ネタバレ》 1930年代のアメリカ。大不況で失業者があふれ、農村部では砂嵐が吹き荒れて離農者続出、格差がどんどん開いていった時代。ボニーとクライドが駆け抜けたのはそんな時代。閉塞しきった世の中を若さのままに暴走した彼らは一方では自由な魂の象徴にも見えて、あの時代にアメリカに生きていたらやっぱりちょっと憧れたかもしれません。 W・ベイティとF・ダナウェイという逸材を得て青春の無軌道を体現しながら、ピュアなラブストーリーを織り込んで2人の人物像に深みを持たせることに成功しています。 時代の徒花として散った彼らに用意された映画史に残る強烈なラスト・シーン。あの場面をもってボニー&クライドとこの映画は永遠のアメリカンニューシネマの金字塔として記憶されることになるのですね。 [映画館(字幕)] 8点(2011-11-27 16:10:39) |
1320. ジョニー・ハンサム
人物にしろ背景にしろ、説明不足&掘り下げ不足。主人公の行動原理が唐突であいまいで・・とつまり作品として出来は良くない。ですが、これを言うとほぼ友人全員にひかれたのだけど私はM・ロークが好きだった(小声)ので、彼を目で追ってるだけで結構楽しかったのです。それだけです。1点プラスしても良いですか。 [地上波(吹替)] 4点(2011-11-27 15:44:25)(笑:1票) |