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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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121.  群衆の歓呼 《ネタバレ》 
物語はけっこう波乱に富んでいるんだけど省略省略でなんと85分。ちょっと強引さも感じるところはあるんだけどお見事。トニー・スコット×トム・クルーズの『デイズ・オブ・サンダー』は同じコンビの『トップガン』のカーレース版だと思ってたんだけど、その『トップガン』はカーレース映画『群衆の歓呼』の戦闘機版だった。それほどに定番の展開(相棒が死んで乗れなくなる)なんだけど兄弟の葛藤を盛り込んだり男女の恋愛ではちょっとしたロマンスコメディ的展開に行きかけたりと意外にこっちのほうが複雑な構成になってる。それを強引に85分にしてるもんだからやっぱり少々の無理やり感は拭えず。でもラストシーンでなにもかもひっくり返して、ああいい映画だったと思わせちゃう。救急車でバトルという「男ってバカだねえ」と言いたくなるようなシーンなんだけど、このシーン自体も『デイズ・オブ・サンダー』の車いす競争なんかに受け継がれてたりするんだな。
[映画館(字幕)] 7点(2010-09-06 16:40:29)
122.  コクーン 《ネタバレ》 
欲望の塊のような老人たちの醜悪な行動がはるか彼方から仲間を救いにやってきた宇宙人たちのその仲間たちを無残にも殺してしまう。とんでもない蛮行である。にもかかわらず宇宙人たちは老人たちを死の訪れない世界へ招待してくれるという。我も我もと群がる老人たち。友好的宇宙人と接触するには子供、あるいは子供のように澄んだ心の持ち主と相場は決まっていたが、この映画の超友好的宇宙人たちはなぜ老人を選ぶのか。それは老いた者にとっていかにこの世界で生きてゆくことが厳しいものかを宇宙人たちがその醜い蛮行の中に見たからだろう。でも宇宙人たちにはそれがわかったが、我々にはいまひとつそのへんの絶望とやらが伝わりきれていないかもしれない。娯楽映画なんだし、あんまりリアルな絶望を見せられても困るのだが。あまり必要とは思えない若い男と宇宙人の女との恋とか触れ合わない愛の営みとか別れとかいうのは無理矢理にでも入れなきゃならなかったに違いない。ハリウッド資本というのはいろんな縛りがあって当然。そんななかで無難に仕上げてみせたロン・ハワードの力量は相当なものだと思うが、一方で物足りなさも拭えない。
[DVD(字幕)] 6点(2010-09-03 18:06:24)
123.  ノーバディーズ・フール
ポール・ニューマンはどの映画に出てもポール・ニューマンで、しかもいるだけで目立っちゃう人。スターだから。ブルース・ウィリスもまたどの映画でもブルース・ウィリスで、やっぱりこの人もいるだけで目立っちゃう人。クセのある人気俳優だから。メラニー・グリフィスもどの映画でもメラニー・グリフィスで、やっぱりこの人もいるだけで目立っちゃう人。容貌なのかキャラなのか、なんか濃いから。なのにこの映画、三人ともがそれほど目立たず、我を張らず、地味なストーリーに馴染んでいる。元来持ち合わせた存在感が際立っているぶん、でしゃばらなくてもそれなりに印象に残る。言い換えればこの三人だからこそ、この地味なストーリーを引っぱってゆけたのかも。ジェシカ・タンディも、ちょい役フィリップ・シーモア・ホフマンも含めてけっこう個性的な面子が揃ってるのも効果的。キャスティングがうまい。にしても地味だ。
[DVD(字幕)] 6点(2010-09-02 15:27:00)
124.  ハリーとトント 《ネタバレ》 
息子の嫁があからさまに邪険な態度なのがやりすぎな感じがあるんだけど、息子や娘のしっかりと意思表示される父親への愛情表現は欧米ではごくごく自然なのだろう。であるならば孤独ってことはないはずで、実際娘はいっしょに暮らそうと言ってくれているわけで、だから旅は老人の冒険であってそこに老いを憂うものは何もない。そこがいい。とくに女の子がからんでくると何かが起こりそうで楽しい。でもおそらくは映画の肝である老いとか死とかというテーマがやっぱり友人の孤独死とか昔の恋人の痴呆とかというカタチで提示されたりするもんだから単純に楽しんでばかりもいられない。老人が主人公なんだからそこまではっきりと映し出す必要もないと思うんだけど、そのわかりやすいテーマ性がこの映画が高評を得る所以なのだろう。この作品を見るまでなぜかトントは犬だとばかり思ってたんだけど、それはたぶん「ふしぎ犬トントン」のせいだ。
[DVD(字幕)] 5点(2010-09-01 15:01:27)
125.  ウェイクアップ!ネッド 《ネタバレ》 
良さが分からなかった。評価高いなあ。のどかな田舎風景ののどかな時間に生きる老人が業突く張りだというギャップに可笑しさはあるものの、老人たちの爽やかな業突く張りぶりは人間臭さをこそ見せても嫌味はあまり感じられず、素っ裸でバイクに乗るじいさんという画に見合ったぶっ飛びを期待していた者としてはかなり期待はずれ。かといって村全体の一体感がヒューマンドラマとしての盛り上がりを見せつつある後半で、結束の唯一のハードルをあんなにも簡単に排除してしまうその極黒な顚末もどうかと。無いと思わせてあるからこそブラックさが際立つといったところなのかもしれないが、せめてあの異端者は異端者ではなく犯罪者ぐらいにしてほしいのだが、それだとブラックさが際立たないのか。
[DVD(字幕)] 3点(2010-08-31 15:22:19)
126.  カールじいさんの空飛ぶ家
なんだか評価がいまひとつみたいですが、私の中では今のところ(『トイ・ストーリー3』まで見た中で)ピクサーの最高傑作かも。冒頭の何分か知らないけどじいさんの少年時代から今のじいさんに至るまでのショートストーリーがもう素晴らしすぎる。特に結婚後のセリフなしの部分が完璧。生活で手いっぱいで日々が過ぎ去る、それでも幸せであった日々。子供が見たってわかる言葉不要の美しき日々。それでいて、その後に映し出されるメインストーリーのための冒険、風船、子供・・といった数々の伏線のさりげなさ。メインストーリーの一番の見所は早速やってくるんだけどもちろん家が空を飛ぶところだろう。そのとんでもない量の風船と、人形のような人間とは正反対の色鮮やかな風船のリアルな動きがよりダイナミックさを膨らませている。擬人化された犬も人間が人形みたいなのでかえって受け入れやすく翻訳機によるお笑いもそれなりに堪能できた。鳥らしい滑稽な動きを見せ付ける怪鳥ケヴィンの存在も映画の楽しさに大きく貢献していたと思う。
[映画館(吹替)] 7点(2010-08-30 17:26:47)(良:1票)
127.  椿姫(1937) 《ネタバレ》 
人まちがいが引き起こすコミカルな騒動の中でグレタ・ガルボがそのコミカルさに見合った可愛らしさとコミカルさを悠然と受け流す高貴さを同時に纏いながら映画を牽引する。その後に悲劇が待ち受けているとは到底思えない優雅さで。恋する女の少女のような陽気と不安を見せ、愛するがゆえの強さと健気さを見せ、後半には悲しみが体を蝕んでいき悲壮な姿をさらけ出す。ジョージ・キューカーは貫禄のライオネル・バリモアも世紀の美男子ロバート・テイラーも脇に追いやり、ひたすら女優を映し続ける。それに応えるグレタ・ガルボ。ハリウッドの典型、それも貫いた典型がここにある。
[映画館(字幕)] 7点(2010-08-27 14:08:34)
128.  ドゥ・ザ・ライト・シング
ちょっと逸れたところから入るが、以前ジョナサン・デミ『レイチェルの結婚』のレビューの中で同監督『サムシング・ワイルド』がスパイク・リーの映画のように云々と書いたことがあったんだけど、そのとき念頭にあったのがこの『ドゥ・ザ・ライト・シング』。でかいラジカセを担いで歩く黒人が印象的だったり、劇中に多彩な音楽がかかったり。あと、『サムシング・ワイルド』は劇中の人物がエンディング曲を歌い『ドゥ・ザ・ライト・シング』は劇中の人物がオープニング曲をバックに踊る。『サムシング・ワイルド』で使われる歌「ワイルド・シング」と「ライト・シング」まで言っちゃうとこじつけか。スパイク・リーのほうが後なので同じニューヨーカーのデミに敬意を表し、また人種のるつぼとしてのニューヨークを描いていることに対してのリスペクトなのではと。いや知らんけど。と、そんなことを書いてると内容に触れるスペースがなくなってきたのだが、要するに何が言いたいのかというと、何かとメッセージ性を語られる監督だけど、実はメッセージよりも映画としての見せ方の工夫とかのほうにしっかりと力が入ってて、それゆえにメッセージがどこか冷めた視点となり、結果映画がより深みを得ているんじゃないかと。この作品は特に。
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-19 15:15:24)
129.  第十一号監房の暴動
冒頭の刑務所暴動を報じるニュース映像がなんとも生々しく、その社会派色の強さに少々戸惑ったのだがその後の展開は社会派であることよりもハラハラドキドキが優先されている。主役が囚人たちと対峙する側の善の人ではなく、また囚人側の善の人である出所の決まっている元軍人でもなく、暴動の首謀者の一人という善とも悪ともつかない男であるところが後に『ダーティ・ハリー』を撮ったシーゲルらしくて嬉しい。全体的にはアルドリッチっぽいと特別な理由無く思ったりしてたんだけど、ここで書いてるうちにこれまたなんの決定的理由も無くやっぱりシーゲルの映画だなどと思ったりもする。首謀者といえば相方がいてこいつがかなり凶暴なんだけど、こいつがいるせいで展開が全く読めない。若い看守が殺されようかというシーン、爆破予定場所に裏切り者たちを括りつけるシーンなどのドキドキは全部こいつのせいだ。なにせいきなり議員にナイフ投げつけるシーンの唐突感といったら!このあたりなんかもなんとなくシーゲルだとか思ったり。シニカルなオチがまた「らしい」とか思ったり。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-17 17:21:07)
130.  それでも恋するバルセロナ
マンネリ気味のアレン節もスペインの陽気に当てられて実に意気揚々といった感じ。スペインの芸術家を演じたハビエル・バルデムがウディ・アレンの分身だという文章を多く目にするが、アレン映画の新たなミューズ、スカーレット・ヨハンソンこそがアレンの分身だと思う。短編映画の監督だったっけ。ちょっと芸術家かぶれのところがあって、芸術家ってのは破天荒であるべきなんてありがちな概念を持ってて、だもんで破天荒な行動をするんだけどいざってときに胃潰瘍になっちゃうというナイーブさが露見されちゃう。まじめさがとりえのはずの親友が後に女の本能のままに行動しちゃうのとは違い、自身の芸術家としての才能が開花されていきその喜びをも得ているにもかかわらず、論理的にいろんなことを考えちゃってけっきょく芸術家との別れという現実的な選択してしまうってところからも間違いなくアレンの分身は彼女。冒険して帰ってくる。この一連の行動をひと夏のバカンスにまとめてみたのがまたうまい。芸術家=破天荒という妄想を具現化したようなハビエルとペネロペのカップルがまた最高なんだけど二人ともがまたこの役にはまってるんだ。
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-05 15:00:56)
131.  NEXT-ネクスト-
『ジャンパー』じゃないけど特殊な能力ってのはやっぱり秘かに自分のために使うもんだ。たったの2分先が見えるくらいで何ができるのかって思ってたけどなるほどカジノね。ナンパも。でも核爆弾持ってるテロリストはどうにもならんだろ、2分じゃ。と思ってたら自分のことは2分だけど運命の人にかかわることならずっと先までわかっちゃう。あきらかにストーリーを成り立たせるための例外を強引に作ってる。この例外ってのが後に効いてくるんだけど、ある意味痛快。主人公だけに見えている未来の映像を未来の映像だとばらさずに我々に見せるという方法で2分先が見えることの効能をわかりやすく且つ面白く見せていると思う。2分先が見えるから落石のコースとか撃たれることとか前もってわかるってのとその岩や弾丸をよけれるってのはまた別の話だと思うんだけど。ま、それも含めて多少強引ではあるんだけど見所を絞っている点では好感が持てる。テロリスト側をほとんど無視したストーリーのわかりやすさも然り。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-30 16:39:08)
132.  ジャンパー
なぜにこれほど酷評されるのかわからない。けして絶賛するつもりもないんだけど。感情移入できないとか共感できないとかという意見の多さにも驚いてる。特別な力をどう使うか。その力を世界中の人々に還元するスーパーマンやスパイダーマンよりもずっと共感できるような気がするんだけど。こういう身勝手さに共感しちゃうほうがおかしいのだろうか。『インビジブル』で透明の体を手に入れた男の悪行に比べりゃかわいいもんだ。のび太だってドラえもんがいなけりゃけっこう「悪いこと」に道具、使ってるぞ。『ジャンパー』にはドラえもんがいないのだ。それよりもこの映画の醍醐味、バン!と瞬間移動するその映像を楽しもう。と言ってもいざってときに使うんじゃなくてバンバンバンバン使っちゃうもんだから段々飽きてくるんだなこれが。バンバンバンバン使いまくるところのスピード感を楽しむものなのかもしれないし、たしかにそれを堪能できたところも確実にあるんだけど、うーんイマイチ盛り上がらん。
[映画館(字幕)] 6点(2010-07-26 17:34:29)(良:2票)
133.  サンダーボルト(1974)
このニューシネマテイストの映画がチミノの長編デビュー作というのは意外な感じもするのだが、時代に取り残された男たちのどうしようもなさ、そんな切なさ漂う男性映画ってところで納得。顔だけで映画になっちゃうからしゃべる必要が無い苦みばしった顔をしたクリント・イーストウッドと、まるでイーストウッドの取巻きのようにまとわりつく憎めないやんちゃくれのジェフ・ブリッジス。プラスとマイナス。陰と陽。この二人のキャラクターを作り上げた時点で半分成功。演技しないイーストウッドとの名コンビ役をこなしたブリッジスの名演技で残りの半分ゲット。さらにジョージ・ケネディがいい味出してる。銀行強盗をするための資金を稼ぐのにバイトしてるのがなんとも微笑ましく、そのまま地道にバイトしてればいいのに、なんだけどできないジョージ・ケネディが面白い。たしかに見所が散漫な印象もあるんだけど、見所が満載でもあります。
[映画館(字幕)] 7点(2010-07-23 15:57:30)(良:1票)
134.  バンディッツ(2001) 《ネタバレ》 
脱走して押し入った宅でカップルが『大脱走』見てたり、ボニー・タイラーの「ヒーロー」BY『フットルース』をバックにヘッドバンキングしながらの野菜カットがあったり、『或る夜の出来事』のジェリコの壁が出てきたり、『エディ・コイルの友人たち』のお泊り強盗があったり、最後に襲う銀行がアラモ銀行だったりといった引用の嵐はそれなりに楽しめた。中でも『或る夜の出来事』の引用はスクリューボールコメディ、つまりいがみ合う二人が惹かれあうようになることの伏線でもあったわけで、ジェリコの壁を引用した二人ではなくそのときいがみ合っていた二人のその後を暗示していたというニクイ演出に唸った。ブルース・ウィルスが冒頭一人で暴走しているときは良かったんだけど、徐々に三人の中の一人って立ち居地に落ち着いてくると妙に浮いてきた。バリー・レビンソンはいつも大物俳優をうまく使いこなしているんだけど今回はブルース・ウィルスの我が勝っちゃったってかんじ。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-22 17:12:31)(良:1票)
135.  白熱(1949)
極悪非道。徹底してます。母親が牛耳ってるという構図は30年代に実際にいたバーカー一家(ロジャー・コーマン『血まみれギャングママ』の元ネタ)ってのがあるんだけどこの母親への依存度の異常さの徹底が極悪非道さをリアルにしている。この異常な依存があるから潜入捜査官への強固な信頼がまたリアルとなる。サミュエル・フラー『東京暗黒街・竹の家』のその関係が変質的であったように、構築されるはずのない関係が構築されるにはそれなりの理由が必要でその影には異常さが不可欠なのだ。仲間であっても殺すことになんの躊躇も感じない非道ぶりを見せつけているので潜入捜査官とのやりとりは常にドキドキもんなのだがそこはネチネチいかず意外に淡白。そのぶん怒涛の反社会行為がテンポ良く襲い掛かる。最後の石油コンビナートはたしか鈴木清順『悪魔の街』でも使われてたけど、この映画が後の多くの映画に多大なる影響を与えたであろうことは見ればすぐわかる。インパクトが凄まじいのだ。強烈なキャラクターとしての最善の最期がとどめを刺す。
[映画館(字幕)] 9点(2010-07-16 15:18:13)
136.  東京暗黒街・竹の家
冒頭の列車強盗から警察の現場検証までことごとくバックに悠然と在る富士山の美しいこと。当時と今とじゃ富士山自体はそう変わらんのだろうからまわりの景色の差なんだろうけど本当に美しい。貴重な画だと思う。噂のヘンテコなニッポンはさほど気になりませんでした。『キル・ビル』のようにあえてそうしている映画がウケている現代ではむしろアバンギャルドという褒め言葉で受け入れられる範疇にあろうかと。実際、踊る芸子(?)さんらが着物からドレスに早変わりするところなんかはその方向を狙ったものなんじゃなかろうか。とはいうものの『ブラックレイン』とは違って主役も敵役もアメリカ人なのでニッポンを舞台とする必要性ってのは物語的には全く無かったりする。それでもあまりにもアメリカと違った世界には当然ながらアメリカにはないアイテムに溢れ、結果アクションシーン一つとってみても実にオリジナリティ溢れるシーンとなって我々を楽しませることとなる。その点においてこのニッポンは実に魅力的な舞台として効力を発揮している。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-15 14:40:58)
137.  遊星よりの物体X
ジョン・カーペンターが4歳のときにコレを見て衝撃を受けたことが映画の世界に入るきっかけだったとか。なるほど、たしかに未知への物に対する興味と恐怖をストレートに見せるこの映画は頭でっかちな大人以上に子供の好奇心を刺激するかもしれない。恐怖もさることながら科学者側の見地なんて子供の視点そのもののような気がする。密室劇は恐怖演出以上にストーリーをシンプルに進ませることに一役買っている。その中で強い男がリーダーシップをとってそのシンプルなストーリーを引っぱるといういかにもホークス的な展開がいい。硬派だ。紅一点の女は当然その男に惚れるのだがまわりの男たちも当然そうあるべきのことのように振舞う。女もまたサバサバとしていて硬派なのだ。一人の強いリーダーと一人の美しい女、そして仲間たち、で締めるラストカット気持ちいい。
[DVD(字幕)] 7点(2010-06-25 16:30:59)(良:1票)
138.  ゼイリブ
今まさに日本で問題となっている格差社会の原因が暴かれる!なわけないんだけど、そこに堂々と宇宙人をもってくるあたりの幼稚さというか浅はかさこそがカーペンター映画の売りで、メジャーな監督でありながら新人監督が低予算で作る類の映画を恥ずかしげもなく撮ってしまうところに彼の偉大さがある。このB級SFは「百聞は一見にしかず」ということわざを如実に実証する展開が最高の満足感を与えてくれている。「ほらね」「言ったでしょ」ってやつ。その展開に不可欠な、というかそのためだけにあるアイテム、サングラスのチープ感がまたいい。カーペンターにとってここはどうでもいいわけ。実際、途中から特殊なコンタクトレンズになってサングラス消えちゃうし。もちろんどんな構造になってるかなんか知ったこっちゃない。そのあたりのテキトーさがいい。映画にはなんら問題がない。ディテールへのこだわりは映画以外のものが映画を持ち上げるだけで映画そのものが良くなるわけじゃない。少なくともカーペンターにとっては。それを考えずにできるのがこの人の強み。
[DVD(字幕)] 7点(2010-06-24 14:13:43)(良:1票)
139.  スターシップ・トゥルーパーズ
『ロボコップ』や『トータル・リコール』でもそうだったんだけど、この監督の未来世界の未来世界たる部分への皮肉めいた描き方っていかにもSFミステリー小説みたい(実際、原作がSFミステリーなんだけど)。現代の視点で現代の諸悪や問題を誇大にしてみせて未来世界とするという、皮肉を言うために作ったような世界を背景としている。単純化された人間の行動パターンによって短絡的に進んでゆくスカスカのストーリーそのものが皮肉となり、スプラッター描写を強調することでさらなる皮肉を生み出す。終わってみればその完成された皮肉の塊に感心しきりなのだが、はたしてこれは面白いのだろうか。いや、面白いんだけど、見ている間の興奮ってのは単純なインパクトの羅列のせいで(もちろん意図的に)中の下ぐらいなわけで、所謂ヴァーホーヴェン・ワールドは堪能できたんだけど、うーん、どうなんだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-23 14:26:19)
140.  第5惑星
近作の『第9地区』は異星人を被差別者と置き換えるように誘導しているような描写がいくつもあったがそれはあくまでお遊びの範疇であってけして社会派を気取ろうとはしなかった(と思う)。社会派が好きなのであればペーターゼンのこの『第5惑星』をすすめる。地球上の異文化、異人種間の対立に置き換え可能なお話は大真面目に反戦を謳いあげている。個人的にはその社会派色の濃さがうっとうしいと思ったんだけど、80年代ってこういうの多かったかも。後にあの特種メイクによって元の顔が全く判別できない異星人がルイス・ゴセット・Jrだと知って、尚且つ異星人の子供の役もまた黒人であることを知って、キャスティングからも社会派的メッセージを発信しているのかと(深読みか?)半ば呆れながらも感心してしまった。クライマックスの子供救出劇はそれなりに盛り上がって楽しい。荒涼とした大地を歩く小さな人間を大俯瞰でとらえた画は圧巻なんだけどアップになると途端にしょぼくなるのは予算のせいか。
[DVD(字幕)] 5点(2010-06-22 14:44:33)
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