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エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 644
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ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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161.  決断の3時10分 《ネタバレ》 
まあいつもは映画の嗜好がオイラと異なってる元みかんさんのレビューですが、ここまで熱く語られると手に取らないわけには行きませんにゃあ(笑)。で、ここのレビューを読まなかったら存在すら知らずに一生を終えた (詳細はブログにて)
[DVD(字幕)] 8点(2005-06-19 03:21:26)(良:1票)
162.  マーズ・アタック! 《ネタバレ》 
わあぉう! しまったあアァァー! こんな素ッ晴らしい馬ァ鹿映画を今まで見ないでいただなんてーッ! …って、ティム・バートンは私的にハズレが多いんで、避けてたのは事実ですけどね。トム・ジョーンズが本人役でストーリーに割り込んできた時にはもう、あまりのくだらなさにひっくり返っちゃったっすよ。あれだけ超豪華キャストで固めておいて、有名芸能人役がトム・ジョーンズだけなんかい~っ! 日本で言えばアレよ、高倉健&宇津井健の主演映画で根津甚八や緒方拳や役所広司も出てる中、尾藤イサオがただひとり有名人役でスターしてるって感じっすよ。火星人もお茶目さんでしたが、終盤で彼らを撃退してるシーンの脱力感がまた心地いいんだわぁ…。ぽわ~ん。脱力感満点のシリィムーヴィーッ。●追記:アネット・ベニングが断酒会でスピーチしてるシーンに脱力。『2999年異性への旅』のあのシーンはコレが元ネタかあ。●追記2:あれから3回繰り返して見ました。ラスト、議事堂の廃墟に立ってのリッチーの演説「I was thinking, maybe instead of houses we could live in tepees. Because it's better in many ways.(ボク思うんだけど、先住民の家に住むのもいいんじゃないかな、いい点が多いから)」…つまり、この映画のテーマは「アメリカ先住民に対してやってきたコト」を強烈に意識したもので、アメリカ史を逆視点で再現してたワケっすね。マジョリティとマイノリティの逆転。B級バカ映画のフリしながら、実はH.G.ウェルズの志を継ぐ正統的な『宇宙戦争』テーマです。さてさて、ティムならぬトム・クルーズはここまで迫れるか…?●2007/8/18、『火星人メルカーノ』を観る。こっちの点は下げざるを得まい。バートン、アンタの映画はメルカーノ度が足りない。
[DVD(字幕)] 9点(2005-06-11 00:41:00)(笑:1票) (良:3票)
163.  恋はデジャ・ブ
すいません。ここでの評価が高いのはわかってたのに、ナメてました。主演ビル・マーレーつうのに騙されてたなあ…構想の壮大さが素晴らしい。既成のドラマツルギーが全て崩壊してしまう設定なので全く先が読めず(って言っても大きな流れはバレバレですがそこもGOOD)、身体が震えるほど楽しめました。●追記:あー確かにSF小説『リプレイ』の焼き直しって言えばそうかもしれない。けど、ほどほどにスケールの大きなアチラよりも、コッチの方が「1日」「田舎町」と限定した設定を200%活かしきっていて、より好感が持てました。
[DVD(字幕)] 10点(2005-06-10 00:24:00)
164.  或る夜の出来事
あのぉ…クラーク・ゲーブルの顔って、どう見たって下心ありげにしか見えないっすよね? ね? ね? コルベールも役が出来てるとは言い難いし(こないだ『赤ちゃん教育』観たばかりなので、どうしてもキャサリン・ヘプバーンと比べちゃいます…ゴメン)。あと、話が全然「One Night」じゃないぞ。というワケでありまして、オイラ的には歴史的名画って以上の価値が感じられないトコロが辛かった。ただシナリオは良かったし、撮影もあの当時にしてはロケが多くて破格の頑張り(ロードムービーだから安く上がるのは確かだけど)。そこそこ飽きずに観れました。でもやっぱり「この映画はその後の恋愛モノに吸収され切って、役割を終えてしまったんだなあ」という感触が拭えない。残念なような、これでいいような…。
[DVD(字幕)] 3点(2005-06-06 09:58:26)
165.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 《ネタバレ》 
5人の仲間の色分けが明確で、なんか戦隊モノみたいですね(イエローは途中ですべっちゃって代替わりしますが)。歴史モノってよりは、ウッズ=レッド、デニーロ=ブラックの確執を描いた壮大な戦隊モノです。ちゃんと(カネ貰ってるけど)弱きを助けてヒーローしてるし。そしてドラマの時間線が、他の映画にはない独特なセンスで組み立てられていてちょっとビックリです。特に最初、BGMだけがジャンプした時は「え? 禁酒法時代に“イエスタデイ”なんてまだないよ?」ってドキリとさせるあたり、憎いぞコノヤロ。家を出たジェニファー・コネリーが群集の中に消えて行き、モブシーンになるかと思わせておいてまた戻ってきたりとか、大作ぶってる割に発想が若いです。新鮮です。レオーネの遺作だなんて信じられない。他にも演出が跳びすぎてる関係で、いろいろ意味不明な部分があったんだけど、今回じっくり鑑賞して細部がようやくわかった次第。なんせテレビ放映された頃にビデオに撮って、早送りで観たつもりになっていたので…いやあ浸れる映画だなあ。時間がたっぷりある時に、葉巻を片手に楽しむ余裕がないとダメそうですね。こういう、雄大なスケールのしっとりした戦隊ヒーローの引退後映画って、東映で作んないかなあ…作んないよなあ…レッド=役所広司、ブラック=岸部一徳あたりで…チョイ妄想気味…。  ●2007/9/29 追記:エンディングについて。いろいろ思い出しつつレビュー読んでみたけど、「全部が主人公の妄想」以外の解はないと断言する。ヌードルスが今やってきた事への悔やみと償いの想いが、あの都合のいい友情物語に昇華し、過去まで美化したのだ(まあ『マルホ』の男版だね)。この苦みは、味わうに値する。人生は、やった事への取り返しはつかないけれど、まだ夢を観れるじゃん?…ってね。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-06 05:53:17)
166.  ニッケルオデオン 《ネタバレ》 
のっけからネタバレで申し訳ない(ずっとずっとずーっと誰かが1番レビューしてくれるのを待ってたんだけどさー)。こないだ『イントレランス』で初めてグリフィス作品に触れたんですが、彼の語り口はどうしても鼻につく部分があって、のめり込めない事がわかりました。原因はおそらく、この映画をずっと先に、リアルタイムで見ていたから(っても日本公開は80年代に入ってからですが)。劇場に2回足を運んで、4回観ました。そこかしこで遊びまくりの画面が楽しい逸品。俳優的には、バート・レイノルズとライアン・オニールという当時のハリウッド2大プレイボーイにドタバタやらせたり、『ペーパームーン』で人気爆発直後のテイタム・オニールに魅力を殺した演技させてる(同じスタッフだから、これは確信犯)のも見どころか。 …さて、サイレントが復権するのは90年代。タランティーノやカウリスマキやベント・ハーメルなんかの異色監督が、この時代の技法を多用して再度市民権を得ます。でもそれまでは、古きよきニッケルオデオン時代の字幕やオーバーアクトや無茶なカット繋ぎは(仏ヌーベルバーグ時代を除いて)ファッション的に、スパイスとして使われただけ。サイレントはなぜそこまで冷遇されたのか…? オイラは映像作家グリフィスが音を欲し、サイレントスタイルを叩き潰したようにしか見えないんです。本作の最後で、『國民の創生』のプレミア上映の帰り道、「俺たちの時代は終わったんだ…」とシンミリ去っていく主人公たち。ボグダノヴィッチ流のペーソスの中に混じって、天才グリフィスへの「シラケ感」が漂って、観客までが映画の新しい時代の到来を全く喜べない心境になります。初期の映画の手作り感覚や一発屋的ショーマン感覚に満ち溢れた怪しげな香具師たちのドタバタは、字幕が復権した今の時代に見返すと、また一層味わいが増しますよ。70年代作品でありながら、極めて今風なテクニックを駆使した本作。内容的には70年代らしくヌルくてキレは悪いけど、今の時代に振り返れば、予見的で、示唆的で、刺激的です。サイレント万歳。
[映画館(字幕)] 7点(2005-06-05 22:04:22)
167.  合衆国最後の日 《ネタバレ》 
全権を掌握していたはずの大統領。その彼が単に役所のトップでしかなかった事を悟った時の衝撃。官の論理を延々と述べ立てて、政府の方針を変える事を拒む長官たち。サイロを占拠し、全てを操るパワーを手に入れながら、それを行使できないテロリスト。まったく救いのない70年代の縮図ですなあ。大統領の死の間際、事の真相を明らかにするよう懇願するが、誰も返事をせずに臨終を看取るエンディングが秀逸でした。真実・国民の審判・正義。そんなモノが意味を持たなくなった現代政治の、言ってみれば愚痴映画です。けれど、ホンキの愚痴には観客を涙させる力がある。泣きましたね。テレビムービーという「視聴者を引っ張り続けるためにダレ場を許さない」特殊な造りが、本作ではプラスに働いていたと思います。●追記:アマゾンで調べたら、TVMじゃなかった…あのいかにもTVっぽい、ちゃっちいオープニングとエンディングは何なんだ…? あと、劇場用だとすると、ちょっとカメラアングル(バストショット)が平板でショボいぞ。加えてあの画面分割は『ハルク』の元ネタでもあるワケですな。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-04 23:37:21)
168.  バッファロー'66 《ネタバレ》 
おいっ、あれでオチたと思ってんのかよ監督! 2時間半かけた短編映画かよ! 想像上のオチと実際のオチが逆だろ! せめてタランティーノみたいに出所編・実家編・ボーリング編…と章立てするくらいの芸は仕込まんかい! 絶対100分以内に納める事ができると思う(し、その方が後味が良くなると思う)ので、評価は高くできませんナ。ただ、人物描写とカメラワークとカラーリングは評価します。主人公の人物像は十分練り込まれていて、イケてます。最初のトイレ探しのシーンで心中ひそかに「そこで立ちションしちゃえって!」と突っ込んでたのが、後半でキレイにフォローアップされたのが楽しいし、他人事のようにドライに立ち回るカメラも楽しい。トータルではまあ習作って感じですか。問題は、こんなのを定価(税抜き4700円)で買っちゃったオレの方にあるんだよなあ…自己嫌悪…今月はDVD買えません…。●追記:ちょっと落ち着いたので補足をば。キーカラーとして赤と青が対比されて使われるこの映画。主人公が改心して以後は、ラストは絶対クリスティーナ・リッチがバスルームで自殺してるカットで締めると確信してました(バスタブを染める赤い血…という趣向)。画面の前で身構えちゃって、拳を握り締めてましたよもー。だからあの終わり方、非常に締まりがないつうか、夢オチに匹敵するくらいの拍子抜けだったんすっ。
[DVD(字幕)] 1点(2005-06-03 23:44:30)(笑:1票)
169.  眼下の敵 《ネタバレ》 
ああこいつのレビューは大変かも…でもオイラ的には避けて通れないしなあ…。 いま名づけましたが「Uボート映画の原理」とでも言うべきモノがありますな。 1.潜水艦には頭脳派の名艦長が搭乗している。 2.いろいろあって駆逐艦に目をつけられる。 3.駆逐艦の艦長は猟犬なみにタフな野生派か頭脳派。 4.潜水艦1隻を沈めるために爆雷を出血大サービスするが、初手は爆発深度を予測されて失敗。 5.丁丁発止の駆け引きをするうちに潜水艦側が手詰まりになって、 6.耐圧深度ギリギリまで潜って難を逃れる一発勝負に出たり、 7.音をひそめて死んだフリしたりして、 8.一発必中の機会を待つ…。 この「駆逐艦」の部分を「軍事アナリスト」に変えたりすると、もうちょっと幅が広がりますね(苦笑)。さて、このうち8割くらいは、この映画で生まれた定石と言っていいんじゃないでしょうか。これは潜水艦映画が、他の多くの戦争映画とはジャンルのレベルから違うという事です。上記ルールを半分以上守ってる映画は、(沈むか、逃げ回って逃げ回って運がよければ一発逆転という展開しかない)潜水艦側に圧倒的に不利です。もう観客が、潜水艦の艦長に感情移入しないワケがない。これ、戦争というよりスポ根ドラマの枠組みなんですよね。本作以外にも『深く静かに潜行せよ』『レッドオクトーバーを追え』『U-571』…例の日韓2作は見てませんが…。 ところがこの原理に従わない潜水艦映画がふたつありまして、『Uボート』と『クリムゾン・タイド』ですな。潜水艦を舞台に「戦争」を描こうという勘違いをしたせいで(って言っても『Uボート』は潜水艦ファンへのメッセージでもあり確信犯でしょうけど)「別にミサイル基地の中でも塹壕の中でも撮れるやん」って感じの映画になっちゃってます。その他の例外はSF映画。『海底2万リーグ』『渚にて』『ミクロの決死圏』『復活の日』『アビス』…まあここでの潜水艦は戦闘目的ではなく冒険装置・人類生存装置みたいな役割ですから。敵はタコさんだしね。 というワケで「潜水艦映画」の規範を作り、ストーリーを戦争の本質から上手に切り離し、潜水艦という卑怯な弱者をヒーローに仕立て上げちゃった本作の功績は限りなく大きいのです。ただ本作には原作がありまして、原作ではもっと濃い駆け引き(『U-571』で使われる死んだフリ作戦もある)が展開されてます。ご参考までに。
[地上波(吹替)] 10点(2005-06-01 04:36:14)(良:3票)
170.  ストリート・オブ・ファイヤー
この世の天国ハリウッドには「甘やかしちゃイケナイ監督」ってのがいる。カーペンターとかサム・ライミとかあーゆー輩だ。チョイと当たってカネを手にした途端、大手の言うがままに「オシャレな画面造りを目指さなきゃ」「有名俳優を使いこなせてこそ名監督」「ラブストーリーは必須でしょ」「お客は笑いを求めてるんだよ、笑いを!」…どんどん才能を枯らしていくという(涙)。カーペンターもライミも、ポパイ刑事のごとくリハビリを重ねて一回り大きくなり、大手を見下して自らの立ち位置へ戻る事ができた。しかし、ついに戻って来なかったのが彼らの先輩、ウォルター・ヒルだった。それまでの彼は、アドレナリン過剰気味の初期作品『ザ・ドライバー』『ウォリアーズ』、そして彼の独特な映画観をキッチリ守って製作した『エイリアン』と、ヒットメーカー(またはお騒がせ映画人)として独自の立ち位置を確保していたのだ。そんな彼が始めて大手にすりより、観客におもねって作った本作。それまでのパワーがヌルいギャグに、無理なラブストーリーにと分散されて、本来のバイオレンスに集約できないもどかしさ。もちろん映画はヒットしたが、実は話は逆なんじゃないのか。本作がヒットしたのが原因で、彼の目が狂っていったとしか思えないです。この後、ヒルは『クロスロード』で従来路線(しかも音楽によるバイオレンス!)に戻ろうとするが、完成度の高さとは裏腹にヒットしなかった。多くの観客にとっては、もはや大手に飼われたヒットメーカーである彼に、かつての狂犬のような危ない魅力は求められなかったのだろう。以後の彼は従来のハリウッド的な「ほどほどバイオレンス」路線に従った、ヌルい映画しか監督または製作していない。野球のユニフォームにバットを持ったギャング団も出てこなければ、場違いなピックアップトラックでカーチェイスする弾けっぷりもなくなった。ヒルとライミの違い、ハリウッドを呑むか呑まれるかの違いはそこにあるだろう。オイラは、これが素晴らしい映画だってのをわかっていても、それでもこの映画を評価する事はできないですな。これはお金という魔物に負けて自らを葬った、一人のハリウッド人の華麗な墓石です。
[映画館(字幕)] 2点(2005-05-29 17:33:41)
171.  スパイダーマン2
実はコレ全然見る予定はなかったんだ。原作からいってこのシリーズがドロドロの愛憎劇に落ちていくのは目に見えていた。そんなの見る気起こらないっすよ…ところがところが、キャスティング見て予定を変更しました。去年『知らなすぎた男』のスパイな肉屋ボリス、『アイデンティティ』の精神科医と見てきて、性格俳優アルフレッド・モリーナの強烈な魅力に気づいてしまったオイラ。思い返せば『マーヴェリック』のメキシカンな悪党、『スピーシーズ』の微妙にモテない科学者、「ワルくてマヌケだけどマンガっぽくて憎めない」という彼ならではの存在感があった事に納得した次第。その、セサミストリートのバートの実写版みたいな彼がオクトパスをやってるとゆーではないの! こりゃオクトパス目当てで見てみるのも悪くないか…と手に取ったワケであります。が、モリーナは性格俳優とは言え前作のゴブリン→ウィレム・デフォーに比べると自分を殺すのが巧い職人俳優(いやデフォーと比べれば大半の俳優は生彩なくしますが…)。イマイチ「変身前」「変身後」の差が地味すぎたように思えます。画面を見る限り、サム・ライミ監督はオクトパスのCGなんかには気合をいれてるのに、人物像の方は手を抜いちゃってるよ…もっと敵の存在感を強くしてくれよ~…まあ、コミックではいつも沈着冷静なドクターっすから、原作重視を公言してるライミ的にはOKなのかも知れません。結局、映画版のオクタヴィアス博士の設定自体に無理があったと思えてなりませんな。「ちょっといい駒を無駄死にさせたチェス2手目」という感じです。映画3点、ドクターに同情票2点(死角が存在しないという、オクトパスらしい戦闘は楽しめたっす)。
[DVD(吹替)] 5点(2005-05-26 06:30:43)
172.  赤ちゃん教育
禁断のDVDボックス第4弾。苦渋の思いでやっと見終わる(って後半はスムーズに見れましたが)。レビュワーの健康上、オススメはできかねます。主人公に感情移入してしまうタイプの人には、非常に胃の痛くなる映画です。なんかスクリューボール・コメディというには濃い目のネタが多すぎて、こういう名称を謹呈したい→「ドツボ映画」。ああっ、そこでついて行くなよ! いいかげん諦めて家に帰れよ…と何度思ったか数知れず。最後も、きっとアレをやるだろうと思ってたらちゃんとやってくれてました。その後のエンドクレジットのアッサリ感が非常に気持ちいいっすね。●追記:6/6、『或る夜の出来事』を観て考えを改める。この映画、まだ現代でも未消化の要素が残ってて、そこが何というか魅力であるなあ(実際、あれから何度も見返しましたわ)。
[DVD(字幕)] 6点(2005-05-15 18:49:02)
173.  ザ・ドライバー
あれ? 大事なポイントに誰も言及してないですね…この映画、「主役のオニールとアジャーニが一瞬たりとも笑わない」っていうのでも有名になったんですよ(いや今ならカウリスマキとかがフツーにやってますが)。ウォルター・ヒルの作劇能力は本作(と『ウォリアーズ』)で頂点に達したと思ってます。映画を見始めた頃からしばらく、血気盛んな自分的には10点満点を維持してきたんですが、『イシュタール』に出会ってからオイラの興味がバカ映画に向いてしまったので、今はちょっと点が低め。あ、でも両方ともアジャーニがヒロインだぞ。なんだそういう事だったのか(笑)。
[地上波(吹替)] 8点(2005-05-15 01:25:02)
174.  魔の家
これは歴史上、極めて珍しい希少品映画だ。以下うんちく。この世にミステリーとSFが生まれる前の事。この世の大衆小説ジャンルはロマンス(恋愛物ではない。『宝島』『岩窟王』なんか)と、ゴシックロマンスに分かれていた。要するに冒険小説か怪奇小説か、である。ロマンスは19世紀末に歴史・戦記・冒険などへと専門ジャンル化していく。他方、ゴシックロマンスが生み出したのはミステリ・SF・ファンタジー・ホラーなど。本作はこの進化する前の原始ゴシックロマンス映画と言ってよく、明確なジャンル意識がない(ホエールの前作『フランケンシュタイン』もそう)。したがって、時々怖いんだか可笑しいんだかよくわからないシーンが出て来て、現代の観客を戸惑わせる。また、表面上語られるよりも明らかに深いドラマが、この家の過去にあったはずなのだが、観客へはいろいろな手がかりを提示するだけで種明かしは行われない。そしてこういう不条理な状況下で自分自身を見つめ直すという、教養小説的な展開まで見せるのである。かくしてホエールは19世紀中期のイギリス小説の風味を映像に移植するのに成功したが、以後このスタイルを真似する映画は出なかったように思う(一部を切り取ってパクったというのはあるが)。知る限り唯一の、正統派ゴシック・ロマンス映画。見るほどに理解が深くなる、スルメ的逸品。
[DVD(字幕)] 7点(2005-05-14 17:22:40)(良:1票)
175.  イントレランス
禁断のDVDボックス第3弾。いや10分以上集中して見れたことなかったんすよねコレ。で鑑賞してみて結局のところ、苦痛以外の何者でもなかったっす。わかりやすく、素直に一本の筋で語りゃいいものを…敬意を込めてこう呼ばせてもらうよ。「タランティーノの父G.W.グリフィス」と。ちなみに本作が発表された年は、フランスの西部戦線が泥沼の様相を呈し始めていた。これが世界大戦となる事を皆がおぼろげながら理解し始めた年。地獄の釜の蓋は既に開いていたが、アメリカはまだ参戦していない。つまり本作はアメリカ孤立主義最後の年の映画だ。想像を絶する巨大セット、そこで虫けらのように動き回り、虐殺されるエキストラ。グリフィスは20年早まったのかもしれない。「不寛容」は第2次大戦のテーマで、この時代のテーマは「シビリアン・コントロールの確立」だったからだ。『イントレランス』が絵としてのファシズムを予見していたと言えば、そう見えなくもない。そういう意味では恐るべき駄作だ。●追記:映画の基礎教養としては必須だなあ、とも思いました。『トロイ』なんて総パクリしてるのがわかったし。でもまあ、装甲車みたいなバビロンの秘密兵器には苦笑しかできなかったなあ(ペーターゼンも真似すりゃ面白かったのに)。●追記2:4つの物語を混ぜ合わせるという手法について。演劇論は大昔勉強しただけなんだけど、この時代にはまだ異化効果は考え出されていなかったはず。グリフィスは編集の力で同等の事をやり遂げ、演劇を越えていたわけなんだね。問題は工夫なく4作を混ぜ合わせた結果、むちゃくちゃ上映時間が長くなり、内容的にも同じ事の繰り返しとなってしまった点。この映画を評価する方には、一度、同じ手法で作られた『コンプリート・サンダーバード』を評価して頂きたいナと思います。
[DVD(字幕)] 3点(2005-05-12 00:55:20)
176.  ハード・キャンディ(1999)
禁断のDVDボックス第2弾。買った当初、15分くらいで見るのをやめてお蔵入りしちゃってました。いやだって、誰一人(本当に全ての役者が、誰一人)高校生に見えないんだから。アレですよ。AVビデオでセーラー服着てるのに近いノリですよ。でも刑事役でパム・グリアが出てるのは知ってたんで、ガマンして見てみる事にしたんですが…心の中で叫びましたね! 「うわっ! まっくろ!」って。いいのかハリウッド、高校生向けにこんなん作って! でもこのドス黒さ、日本人的には割と気持ちいい…映像的には『ワイルド・シングス』をちょっとプロム映画風におしゃれーにしてみました、って感じですが、シナリオは『十階のモスキート』並みにどよ~んとした閉塞感が漂いまくり。もっとドロドロした演出で日本映画にしたらウケそうな感じですなあ。お目当てのパム・グリアは撮影日程が短かったのか、キャラは強烈に立ちまくりながらも本筋にはあまり関わらず、って感じです。そもそも別撮りが多すぎるし…まあ客寄せパンダ的扱いですね。でもパンダにつられて見て良かったと思いました。最後になりますが、オイラもあのアメ玉のデカさにはまいりました。あんなん食えねえよ。
[DVD(字幕)] 7点(2005-05-08 21:17:35)
177.  オズの魔法使
西の魔女が溶けて行くシーン、子供心に「あーっ! ホントになくなっちゃった~っ!」と驚いたのを、今でもしっかり憶えています(特撮ってワケではないけど、あのシーンはまさにイリュージョンでした)。とはいえ、ガキの頃から原作派だったオイラとしては承服しかねる部分が多いんですよね。西の魔女は中盤の盛り上げ役でしかなくって、自分的には彼女を倒してからのクエストが好きなんですよ(特に行く手を邪魔して襲ってくるろくろっ首ミサイル、あれが好きだったのダ)。あとかかし・きこり・ライオンの前半生も語らなすぎで…代わりに序盤の余計な(この映画的には必要だろうけど)エピソードが長くて退屈だった。全作通してのオズ・シリーズの魅力は「あまり理屈付けする事なく奇想がポンポン飛び出してくる」所にあると思うんで、個人的にはこの映画、ベツモノと思いたいにゃあ…まあ原作者ボーム自身も、サイレント初期の頃にくっだらない『オズの魔法使』を撮ってるみたいなんで、完全版は難しいのかもしれませんが。自分的には2点。歴史的な評価を加味して、この点数で。
[地上波(吹替)] 4点(2005-05-08 02:19:55)
178.  アウトブレイク 《ネタバレ》 
うちには開けてはならない「禁断のDVDボックス」がある。超駄作とか二度と見たくない作品とかが入ってるんだけど、仕事の空きができてしまった&ゴールデンウィークで外出する気がないので、今日の夕方、パンドラ宜しくついつい開けてしまった。「『アウトブレイク』? 確かエボラ熱の話だったのが、後半いきなり空中戦になるトンデモ駄作だったよなあ…」そんな認識でプレーヤーに突っ込んで見る。40分後、まざまざと蘇る記憶に「ああっ! そういやこれイキヂゴク映画なんだった~ッ!」と大後悔中の自分がいたのでした。ショック映像を極限まで抑えてあるから、なおさら怖い。無骨なペーターゼンが監督したのは、今までは大失敗と思っていたんだけど案外正しい選択だったのかもしれない。以前は「冴えない演技だなー」と軽く見ていたダスティン・ホフマンも、意図的な役作りでああなったのを理解した。伝染病による人の死を星の数ほど見てきて、感覚的に突き抜けてしまった現場肌の頑固な医師。麻痺した感性を補うために、彼は生命倫理と使命感だけで駆動し続けている。プライベートなんて壊れてしまって久しく、愛する家族はペットの犬だけ。最大の武器は自分の死への恐怖をなくしている事だ。そんな人物像を主人公に配し、様々な彩りを持ったキャラクターが巻き込まれ、彼の生き方と対比されて行く…。いいじゃないですか。すっごく! 後半、ヘリで街を出てから、いきなりアドリブ出まくりのシチュエーション・コメディになっちゃうのを除けばね…いやー本当に、キューバ・グッディング・ジュニアとダスティン・ホフマンのかけあい、漫才としては面白いんだよなあ。というワケで、トータルでは何をやりたいのか方向不明な本作ですが、名優たちの演技の深みと素晴らしさ、それが産むドラマを堪能する事はできました。今は「駄作」ではなく「怪作」と呼ぶのが正しいと思えます。●大統領補佐官が閣僚に爆撃の決断を迫るシーンの演説、怒涛の迫力で記憶に残ってたんですが、悪役専門のJ・T・ウォルシュだったとは…なんだこういうキャラでも名演できるんじゃん!
[DVD(字幕)] 8点(2005-05-04 20:15:16)(笑:1票)
179.  キャットウーマン
修正。点数下げます。何度か見返してみて、「ああ恋人役がアントニオ・バンデラスだったら、先輩刑事でカート・ラッセルがいたら、ボスがサミュエル・ジャクソンだったら、敵のボディガードがマイケル・キートンだったら…」と考えた瞬間、あらゆる欠点が見通せてしまった。男キャラが少なすぎるんだよね。キャットウーマンに惹かれたりイライラしたり、そういういろんな男性側の反応を楽しめないのが辛い。ネタが活きてこない。ターゲットを20~30代の女性に絞りきってしまった上に、物語の屋台骨に古いウーマンリブ思想を持ってきてるんで、男優のバリエーションすら減らしてしまったようだ。その基本設定と相反する《化粧品業界》というマズい舞台装置。修正前に書いた文章をちょっと訂正して言うなら、このストーリーは『キャットウーマン』じゃなく『キャットピープル(1942)』のリメイクとして企画するべきだったでしょう。あの設定なら、テーマとして女性と権力、自由と支配の関係にしっかり食い込めますからね。そうするとまあハル・ベリーにはお声がかからず、キャメロン・ディアスあたり(ただし『マルコヴィッチの穴』でのメイクと演技で)に話が行っちゃっただろうけど…。結局、監督の頑張りとは裏腹に、プロデューサー側に作品への愛情を感じられない不憫な凡作。●追記:5/28、さらに点数下げ。ラジー賞を取った主因が理解できました。この話、ロジャー・コーマン監督『蜂女』(The Wasp Woman,1959)のリメイクなんだぁ! 舞台と人物配置が同じすぎ…正しい邦題、『蜂女対猫女』?
[DVD(字幕)] 4点(2005-05-01 16:25:35)
180.  キャプテン・スーパーマーケット
監督、とりあえずハリーハウゼンの墓に行って謝ってきなさい…と書いてから知ったんだが、ハリーハウゼンってまだ生きてるんだ…なんかよくわからんレビューですんません。1作目からの、アッシュの成長ぶりが涙を誘います(嘘)。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-04-28 23:07:08)(笑:1票)
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