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1.  エデンの東(1955)
ポケットに両手を突っ込んで猫背気味でどこか怯えたような上目遣い。うじうじした奴と見られる紙一重のところで、無邪気な笑顔が救っている。50年代の看板のような俳優になったが、同時代を演じたのは『理由なき反抗』だけで、本作も第一次世界大戦が背景になっている。どうしたって50年代の若者として見ちゃう。こういう「ビクビクしたように見える」スターはアメリカ映画史上後にも先にもあんまりいないんじゃないか。だいたい「強い男」の伝統の国で、精神的な弱さをアピールすることで女性の母性本能をくすぐり人気を得た新手の役者だった。彼が長生きし続けたらどんな役柄をアメリカ中年・老年像にもたらしたか興味が湧くが、その展望がない国だから早死にしたのか。第一次世界大戦からもう「デモクラシーを守る闘いだ」という理屈はあったんだな。
[地上波(吹替)] 8点(2014-03-15 10:04:01)
2.  ゴースト/ニューヨークの幻 《ネタバレ》 
自分の死を知るあたりは、このころでは『オールウェイズ』があったりして、新鮮味に欠ける予感が漂いだしたが、三番目の人物が悪人なのね。ウーピー・ゴールドバーグのインチキ霊媒師が出てきてから面白くなってきた。祖母や母は霊能力があったけどあたしはないんでインチキしてる、と自分で思い込んでいるという設定がうまい。ちょっと演技が大袈裟だったが。あと地下鉄の幽霊がおかしかった。縄張りがあるの。とにかく登場する主要な男性はみんな幽霊になっちゃう。このころアメリカ映画界は死人ばやりだった。あちらでも成仏してメデタシメデタシとなる。カールが悪人と分かる前に伏線を出しすぎちゃったか。
[映画館(字幕)] 7点(2014-03-10 09:03:47)
3.  48時間PART2/帰って来たふたり
冒頭の砂漠の風景の印象のせいか、西部劇時代のならず者の、馬をバイクに替えた感じがあります。エディ・マーフィーとニック・ノルティの嫌味の言い合いが一つの見どころで、それなりに楽しめる。嫌だ嫌だ言いながら巻き込まれるパターンで、“反発から和解”の型。チャイナタウンの銃撃戦で、並んでピストルを構えると、それが仲間になった証。「もう映画では酒場の喧嘩は見飽きた」と言っといてから喧嘩するってのもあった。エディが旧友に電話を掛けまくるところは原語で理解できればもっと笑えそう。敬虔なクリスチャンになってたのの反応なんか。
[映画館(字幕)] 6点(2014-03-05 09:43:58)
4.  ワイルド・レンジ 最後の銃撃
流れ者の男意気。DVDの時代になり、10分ごとにアクションの見せ場作らないと消されちゃうと心配して「小刻み活劇」が主流になってきているのに、最後の銃撃へとゆっくり高めていく息の長いテンポが嬉しい。雨が降れば道が川になってしまう町。板を順繰りに渡して歩くの。アネット・ベニングとの恋模様もある。指が入らない東部時代の記念のカップいうのは、ラストで家の象徴となる。じゅうたんの上の汚れを拾ってるコスナー。着替えてるベニングがドアを閉めるあたりもいい。ロバート・デュバルとのコンビ。あとマイケル・ガンボンなど周りの役者はおおむねいいのだが、肝心のコスナーが若干魅力に乏しい。あんまりすさんだ過去があるように見えない。
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-02 10:15:01)
5.  ドン・サバティーニ
たしかにどうってことないけど、怒って引退するっていうほどでもないんじゃない? 『スーパーマン』のとき引退しなかったんだから。良くも悪くもマーロン・ブランドの映画だ。M・Bがコメディをやる、『ゴッド・ファーザー』のパロディをやる、ってのが唯一の見どころ。けっきょくこの映画心から笑えないってのも、M・Bが出てるために、こちらがややビビッてしまってるところがあるわけで、とにかく偉大な役者ですわな。アップのシーンよりか、スケートをするロングのシーンで凄味を感じたけど、あのふてぶてしい男が滑っていく、ってのがおかしい。息子としたい男クラークをケントと呼び間違えるギャグ。途中ちらっと『42番街』。
[映画館(字幕)] 6点(2014-02-28 10:00:27)(良:1票)
6.  グッドフェローズ 《ネタバレ》 
この監督、どうしようもない奴を描くのが好きで、そのどうしようもなさがクッキリ出てくる腕前は大したものだと思うんだけど、でもこんなにまでして「どうしようもなさ」を描きたがるその根本のエネルギーがどこから来るのかがわからん。こういう奴がいるんだということを言うために、2時間半の映画を作ってしまうその動力源が。仲間うちの感じなんかがすごくうまいの。「俺のどこがファニーなんだ?」と急に絡んでくるところなんか、こういう連中の空気が本当に良く出ている。カタギの人間の気持ちが不思議でたまらない。“マフィアになろうと考えない”人間がいるってのが理解できない。そういう狭い仲間内だけで閉じているいやらしさ。レイ・リオッタ、いいすね。こういう世界の中だけで成長した幼さみたいのがある。眼が現実を見てない。逮捕の日のシーン。怪しいヘリコプターが頭上をしつこくついてくる。まるで幻覚のような不気味さ。けっきょく真っ当な生活とまるで触れ合えずに保護監察下で毎日を潰していくラストの苦さ。つまらない男のつまらない人生を描く監督の手つきだけが、つまらなくない。
[映画館(字幕)] 7点(2014-02-26 09:42:26)(良:1票)
7.  ファインディング・ニモ 《ネタバレ》 
魚だと手足の擬人化がないだけ、アニメの特質とも言える。天然色の海底。ちょっと人形アニメの趣きにもなる。人間社会がすっかり対象化されるのがいい。敵役に徹する。みなに好かれようとしている鮫のエピソードもおかしい。『モンスターズ・インク』の流れか。救出と脱出の物語。短期記憶のドリーのキャラクターもいい。魚族たちが話を伝えていって、協力態勢になっていくの。歯医者のほうも水を汚したりの作戦。ダーラが登場すると『サイコ』のキンキンキンキンがはいり、波止場は『鳥』。あちらでは一般教養として子ども用映画にもヒッチコックが登場するのかと思ったが、分かる客だけ分かればいい、という自己満足なんだろうな。一網打尽後「みんなで下に向かって泳げ!」には、社会派的感動があった。タイトルロールの間をすり抜けたり、ビクビクしている小魚がチョウチンアンコウをパクリとか、休まない。ラ・メールが流れるのもまったく正しい。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-24 09:50:48)
8.  華氏911
この人のトーン何かみたいなんだが、と思って記憶を探ってたら内田裕也の『コミック雑誌なんかいらない!』が浮かんだ。表層を表層として生き生き掬っていく手つき。暴露ものとしては証明が弱いけど、つまり週刊誌的なイキのよさが身上なのね。今回はプロパガンダに徹したことで、限界もハッキリしたが、こっちの見る気分も定まって、これはこれで楽しめた。ブッシュへのからかいはどうにも底が浅かったが。寂れた町から兵隊を募っていくあとで、軍需企業のパーティの場につながていくなど、プロパガンダの面目躍如。でもまた締めを涙でやって弱くしちゃってる。
[DVD(字幕)] 6点(2014-02-23 12:15:12)
9.  オペラ座の怪人(1989) 《ネタバレ》 
ホラーと割り切ってる。エルム街のフレディ君。皮膚へのこだわり。常に新鮮な皮膚をほしがってる。でも皮むきや首がゴロンより、楽譜から血がワッと湧き出るようなのをもっとやってほしかった。なんと言いますか、コクがないんですね。ホラーにもなんとなくルールがあって、たとえばあのネズミ捕りの老人は殺しちゃいけない人だった気がする。あるいはスターのプリマ。後半急に殺されてスープにされると、なんか物語の流れとしてヘン。本当に邪魔ならもっと早くに殺しちゃってりゃいいと思う。殺しがテンテンとあるだけで、作品としての流れを作ってくれない。怪人がクリスティーヌと呼びながら売春婦を買うのも、違うんじゃないかと思った。この倒錯男にふさわしくない。ヒロインは純粋な音楽そのものなんだから、そんなこと考えてもいけないじゃないか。
[映画館(字幕)] 5点(2014-02-21 12:34:04)
10.  トータル・リコール(1990)
直訳すると「全面想起」だそうな。邦画とアメリカ映画とで題名の付け方の違いについて考えようかと思ったが、悲しいのでよす。それにこの映画、題名ほどいいわけではない。せっかくの面白い設定なのに、生かしきってないんじゃないの。火星にいったクエイド君のところにリコール社の男が出てきて、これは君の夢なんだよ、というあたりで、本題に入ってきたなと身を乗り出したが、あそこで打ち止め。あそこで薬を吐き出したことによって、クエイド君がリコール社の夢から抜け出せなくなったって、もう一つの可能性が出てきたわけでしょ。その不安を主人公は抱き続けるべきだったんじゃないの。まるで仕組まれているような諜報部員の活躍で、うまくいけばいくほど「怪しいぞ」と不安になっていく展開か、と思ってたらそういうのはナシなのね。そういう複雑な役柄は得意でない俳優なのだった。観客のほうで勝手にこれは全部夢かもしれないという余地は残されてはいたけど。星の植民地のガラスがあんなに弱いのは、そもそも全部夢だってことなのか。ミュータントメイクも再考の余地あり。酸素を独占している独裁者って発想はいい。空気の流入に独裁消滅の爽やかさが素直に重なる。テレビのニュースでトウキョウのサムライがどうのこうの言ってたのが気になったが。
[映画館(字幕)] 6点(2014-02-20 09:24:41)
11.  エクソシスト3(1990)
残虐な殺しがいっぱいあるんだけど、死体は一切見せない。教会の明かりが点滅するほうが怖い。病院の看護婦殺しのとこ。廊下の端にカメラを据えて、見回りの人がちょっと出入りして、部屋を覗いてみたりしてる雰囲気。出てきたのがシーツ男ってのが弱いけど、演出としては正しい。「妖しい静けさ」で全編を通している。冒頭のゆったりとした夜の町の移動からして、間違いない。黒人少年が塀際に立ってたり、赤い薔薇を手渡したり。時計を持ってる小人。あちらは善と悪をキッチリ分ける。殺人犯は純粋な悪の要素が入り込んだ、ってことになる。ラストの地下からモゾモゾでてくるのが、ちょっと困る。
[映画館(字幕)] 6点(2014-02-18 09:14:20)
12.  プランサー 《ネタバレ》 
トナカイと少女の心の交流もの。傷を負って倒れていたトナカイを、家に連れ帰ってクリスマスまで養生しようとするけなげ。主人公がそういう夢見がちの少女なのに対して、そういうのを「困ったものね」と見守っているような役割りの友人がいいの。決してこまっしゃくれているのではなく、包み込むように存在している。こういうので泣かされるのは「意地悪と思っていた人が親切になる」パターンで、アルバイトをすると「よくやってくれたから」と5ドルに10ドルを加えてくれる。あと「動物の恩返しもの」パターンにも泣かされるが、こういうので一番やられちゃうのが「主人公が失意でいると外で町の人たちがクリスマスソングを歌いだす」っての。とにかくみんなが集まって祝福しだすともうダメ。ウルウル。肉屋に売ると言っていたパパも、トナカイのプランサーを見せる。メデタシメデタシ。少女の夢は肯定されなければならず、現実に勝たねばならない。クリスマスには清らかな気持ちが勝たなくてはならない。
[映画館(字幕)] 7点(2014-02-17 09:40:32)
13.  モーターサイクル・ダイアリーズ
1952年、ほとんど半世紀前という時代の空気は感じられなかったが、演出のせいなのか、そういう風土なのか。旅行者・ゆきずりの「見る人」だったものから、次第に「関わっていく人」に変わっていくのがポイントだろう。それもすぐに「怒り」にはならず、社会の不平等への戸惑いが順々に蓄積して高まっていくところを描いているわけだ。銅山のあたりから、船の後ろに繋がれた舟。そして閉ざされたハンセン病の島へ泳いで渡れることを身を持って証明する「行動する人」になっていく。偉大な革命家の誕生物語という型にはまった伝記ではなく、「見る青年」が「行動する青年」に変貌していく記録として描かれている。繰り返されるダンス。南米万歳と唱えた彼が、なぜキューバへ向かうのかは、それはまた別の話と言うことで。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-15 09:45:25)
14.  バッド・インフルエンス/悪影響
ジェームズ・スペイダー君が、セーター着て普通のサラリーマンを好演。ちょっと小心なとこが、やっぱり彼なの。ちょっと屈辱的な場面で・世間に対してチクショーと思っている場面でロブ・ロウが登場するってのが、分身の登場のようでもあってなかなか意味深。主人公は「世間に対してたかをくくること」を教育されていく。感化されていく。「世間なんてこんなものよ」と結局スーパー強盗にまでなり、同僚を殴り(と思い込む)、で怖くなってくるのは、ロブ・ロウがいなくなってから。財布を取りかえして戻ってきた部屋でのビデオによる殺人の記録シーン。時間のずれが重なる。血のあととか。ここらへんうまいですな。世間が敵になる。兄がロブ・ロウの指紋をとろうとする怪しいバーのシーン。蛍光灯振り回して女が踊ってて。世間から集団で逃げてるような人々。主人公の分身であるというより、『エクソシスト』みたいな純粋な悪の抽出、ってことになるのか。
[映画館(字幕)] 7点(2014-02-11 09:52:42)
15.  ビッグ・フィッシュ
アメリカ民話に多いほら話の伝統。魔女の眼に映ったという己れの死に方が如何なるものだったかという興味で引っ張っていく。僕の死に方は違う、ってのが生きる支えになるの。次第に話と現実が混ざっていくのは、それ自体が三代目に向けた話になっていくから。フェリーニ臭がある。葬式のときに初めて皆が集まってきたほうが、効果あったのでは。伝承を印象づけたかったのか。これで「幻滅の物語」になっていったら寺山修司だな。夢の町の町長(?)の笑顔が良かった。
[DVD(字幕)] 7点(2014-02-03 09:23:26)
16.  ロイドの要心無用
若いころリバイバルが盛んで、キートンに狂喜し、以後の公開予定のリストの新聞広告を切り抜いて眺めてはニコニコしていたものだが、全部は上映されなかった。客足がそれほど伸びなかったらしい。途中で立ち消えた。ロイドはもっと悲惨で、たしかこの一本だけだったんじゃないか。たしかにロードショー料金でリバイバルされるのは、映画好きにとってもかなり悩める状況で、評価の定まった古い名作より同時代の新作を見るべきじゃないか、と迷わされたものだ。そんなこんなで大型スクリーンで観た唯一のロイド作品(ビデオ・DVDで気軽に見られる時代が来るとは想像も出来なかった)。しかしこれに関しては、見てよかったと思っている。あの「とりあえず一階分だけのぼろう」という姿勢、その後の人生でしばしば思い返したなあ。ちょっと始めればなんかやれるもんなんだ、ということ。ほとんど座右の銘として心に残っちゃった。それも大スクリーンで観賞できたからかもしれない。コメディとしても、各階ごとに趣向があって、最後の風力計まで引き込まれること必定(ここで場内に拍手が湧き起こった喜びも映画館ならではの味)。都市が上を目指しだしたデパートメントストアの時代を告げているし、また広告の時代の到来でもあった。人集めが金になる時代になったのだ。スラプスティックとしても一級の作品だが、それらもろもろの時代の記録としても見事な傑作だったと言えるだろう。
[映画館(字幕)] 9点(2014-02-02 09:13:26)(良:2票)
17.  ビフォア・サンセット
会話の表情とか、距離感の描写に全力を傾けている映画。公園の散歩→船→車→家と、次第に近寄っていく。そして会話が最後には歌に至る。恋ですなあ。実際の9年の歳月が挟まれているわけ。フィルムが記録のためにあることをここまで徹底して極めようとした姿勢に、とにかく圧倒されます。でも前作ほど見てておろおろしないですんだのは、ちょっとこっちも醒めて見ていたよう、あるいは「記録」ってことが、ビデオで簡単に行なわれる時代になってしまったからなのか。向こうのせいなのか、こちらのせいなのか、よく分からないのが本当のところ。こういうことやり続けてる監督がいるのが嬉しいのは間違いない。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-31 09:26:59)
18.  ミリオンダラー・ベイビー
スポーツとは相手の尊厳を奪いそれを自分のものとする戦いだ。この競技は屋内で行なわれる。本作では、親密な場は室内の人工の光で描かれ、そうでない場は屋外の陽光のもとで展開する。競技者にとって屋内の世界が「本気」、外の世界が「とりあえず」ってことなのか。まあ、映画ってものが人工の光の極致なんだけども。モーガン・フリーマンがダントツでよく、若造のデンジャー君もいい。どうしてこの監督の映画は、こういつも陰鬱に進むんだろう。ディズニーランドの場など、ちと過剰な展開の気がした。
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-30 09:31:31)
19.  宇宙戦争(2005)
戦場を経験したことのなかった国が、9・11の同時多発テロを受けて、それなりのアンサーをした作品なのではないか。武力で抵抗することの限度を越えた敵に、どう対処すればいいのか、という問題。本来テロってのは、武力が不均衡のとき劣る側が抵抗する最後の手段だが、それをされる側から目に見える形にすれば、こういう宇宙人の姿になってもおかしくない。とにかく今持ってる武器が無力になってしまう敵なのだ。群衆が同一方向を見上げるシーンって、この監督の映画でしばしば見てきたような気がするが、そういった無力感と通じあっているようでもある。火星人の登場シーンが素晴らしい。穴の底での鳴動、走るひび、それが垂直に建物にも上がっていく。陥没してから吹き上げられる車。奥と手前とのつながり。車での脱出。高架からの列車の転覆、そのスピード感。こういうのやらせると、ノリにノッてしまう。一方、森の中で服が落ちてくるのなんかもいい。小屋での探索が次の見どころ。にゅーっと動き回る「目」の不気味さ。見られることの恐怖。アメリカはボストンからやり直そう、という決意のラストでもあろう(これの映画化はいつもその同時代になってしまうが、原作・19世紀末の英国を生かしても面白いと思う。第一次世界大戦もまだ経験していない時代で、自転車で逃げ惑う人々が馬車に踏み潰されたりする。怖いもの見たさの群衆ってのが小説に現われた最初のころではないか)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-29 09:39:31)(良:1票)
20.  フォーガットン 《ネタバレ》 
ミステリーかと思ってたら、政府の陰謀ものかと訂正することになり、それが宇宙人か地獄の使者に訂正され、さらに超絶者ものに移行しかけ、まあぎりぎり「はっきりさせない」というところで手を打って踏みとどまって、なんかとりあえず完成した作品らしく繕えた。「彼ら」の実験、中途半端なんだよな。ヒロインのとこだけビデオや写真を14ヶ月も残したりしてて。実験の対象が子どもと思わせといて、実は母本人だってあたりがミソ。愛が勝つ話になっちゃう。ポーンと昇天していくところを見ると、やはり「宗教もの」と見るのが本筋? 神のためしなんでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2014-01-28 09:28:48)
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