1. アーロと少年
《ネタバレ》 初っ端の農作業風景で作り手の豊かな想像力に魅了されました。ストーリーは行って帰ってくるだけで単純ですが、美しい背景と感情豊かなキャラクターたちに終始夢中になりました。「アーロと少年」というよりは「少年と犬」という感じで物語が進むにつれてより親しみを持つ事ができました。最後少年がアーロに超スピードで抱き着くのも可愛くてとても良かったです。 [映画館(吹替)] 10点(2016-03-28 02:04:20) |
2. キングダム・オブ・ヘブン/ディレクターズ・カット
《ネタバレ》 10年振りに観ましたが、やはり超絶面白いです。全編に謎の癒しの空気が漂っています。主人公が王の申し出を断る理由が少し弱い気がしますが、彼が王を継いでいたら戦争が起こらず、あの凄まじい攻城戦を観る事が出来ないのでこれで良いと思います。あの時は鍛冶屋だったけど今は違う、あと時は墓堀職人だったけど今は違う、現代日本では難しいでしょうが、こういうのは大好きです。皆さんがご指摘されない所では、スキンヘッドの副官は渋い表情だけの演技でおいしい役だと思います。できれば死ぬまでに映画館で観たいです。 [DVD(吹替)] 10点(2016-02-12 20:47:03) |
3. エベレスト 3D
《ネタバレ》 前半のベースキャンプの描写が若干退屈で登場人物が皆髭面で覚えづらいと思いますが、皆が楽しんでいたため後半との落差を予想させるには十分でした。下山時に猛烈なブリザードが来てから、後ろにいた人がスポッといなくなったり暑い暑い言いながら脱ぎだす等皆が亡くなっていく深刻な描写に涙が止まらず、家に帰ってからも映画の強い余韻が頭から離れませんでした。皆のため散々頑張った主人公が雪に埋もれて徐々に力を失っていき、他方で同じく雪に埋もれた金持ちのお客さんが力を取り戻しガバッと大復活する様は実話が元とは言えストーリー性というか因果のようなものを感じました。搬送ヘリから最初に皆で渡った橋が見えたのも帰りは一人でしたという象徴となって良かったです。難波康子さんは気絶後放置されて可哀想でした。ガチで作った凄い映画だと思います。登山とか怖くてもう無理ですが、これは映画館でだけの凄まじい体験だと思います。/2回目(TCX字幕)も超絶ヤバかったです。原因を登山の商業化とだけ言ってしまうのはあまりにも短絡的で、ルート作成の不慣れ、体力と酸素の予想以上の消耗、(作中は描かれなかったが)パーティ内での不倫関係の露呈で士気低下、(フィッシャーの)ガイドが仕事をしなかった為フィッシャー自身が各人の下山指示を出し負担が増大など、どの職場でも起こりうる事が積み重なったという事だと思います。存命中の人物なので悪く描かれていませんが、クラカワーは救助に行くことを拒否して後に実際に非難を浴びた一方でハロルドは助けに来てくれて亡くなった事が熱かったです。難波さんは男性2人によるガイド登山なので6大陸を制覇しようと認めないという見方もあります。このように様々な人物が集まった事で映画に関しての話題も尽きず、これは実話ならではの面白さだと思います。 [映画館(吹替)] 10点(2015-11-08 01:15:50)(良:1票) |
4. マッドマックス 怒りのデス・ロード
《ネタバレ》 荒野を改造車の群れが走るというワクワク感から楽しみにしていましたが、期待通りの面白さで大満足です。ストーリーは単純ですが、美術やキャラ設定、ギミックへの気合が半端なく最後までグイグイ引っ張られます。説明が少なく、「俺を見ろ!」や「What a day! What a lovely day!」等のインパクトがある台詞が多いのも素晴らしいです。マックスは助っ人なのであまり目立たないですが、スプレンディッドがピンチを免れた時のサムアップサインや、フュリオサに名前を言う時に目が泳いでいる様子など細かい演技が印象に残ります。タイトルはこの狂った世界で冷静でいられるマックスこそがマッドなのだ、という逆説的な意味があると思います。おばちゃん戦士たちが出て来た時は何だか宮崎駿っぽくて良かったです。フラジール(コートニー・イートン)が好みでした。吹き替え版は演出によりマックス(AKIRA)はより無法者に、フュリオサ(本田貴子)はより勇ましくなっていてまた違った味わいがありました。上映中にあと何回か観たいです。 [映画館(字幕)] 10点(2015-06-23 02:33:25)(良:1票) |
5. ヒューマン・トラフィック<TVM>(2005)
《ネタバレ》 大変な力作です。裸を見せないのが不自然でないのも巧いです。2007年頃、テレビ東京で前後編に分け深夜などに何度か放映しましたが、その度に観てファンになりました。社会派とエンターテインメントのバランスが絶妙で、5年振りに観てもやはり面白いです。 カルポヴィッチの「なぜ年増がいるんだ」という台詞がテレ東吹き替えだと「ババアじゃねえか」だったのが懐かしく、DVDに吹き替えも収録して欲しかったです。 [DVD(字幕)] 10点(2014-08-19 07:16:10) |
6. イースタン・プロミス
短い上映時間で、台詞もそんなに多い訳ではないのに、登場人物それぞれの描写が凄く上手い。社会派である事を感じさせない。ただ静かに静かに燃え続ける、男の中の男のための映画。 [DVD(吹替)] 10点(2014-08-13 08:20:12) |
7. ズートピア
《ネタバレ》 ジュディがモフモフでした。初めてズートピアを訪れるシーン、ニックの表情とキャラ、ニックと相棒がアイスアイスキャンディを作って売り捌いているシーンが特に好きです。事件を追っていく過程よりは日常の描写の方が面白かったです。繰り返し観たいですが免許センターのシーンが嫌だなあ。署長と受付のヤツはスマホアプリをやっているだけで使えなくてイライラしました。上戸彩のジュディが良かったです。ニックの声優は平田広明かと勝手に思っていたら森川智之でこちらもとても似合っていました。 [映画館(吹替)] 9点(2016-05-01 07:08:43)(良:1票) |
8. ヘイトフル・エイト
《ネタバレ》 長い間タランティーノは食わず嫌いでしたが、長時間の鑑賞にも拘らず舞台劇のようでとても楽しかったです。皆怪しくてオチも良かったです。保安官が若いせいもあり本当に保安官なのか信用できずモヤモヤ進行していき、彼が最後に頑張って解決するさまは男も上がってお見事でした。山小屋のセットも良かったです。劇場の座席ナンバーは当然【H-8】ですよね。 [映画館(字幕)] 9点(2016-03-17 00:49:50) |
9. ザ・ウォーク
《ネタバレ》 準備段階から何度も「やめようよ」「本当にやるのかよ」と思いましたし、往復はすると思いましたが何度も行ったり来たりしてしかも寝転ぶのはやりすぎだろというのはありましたが、感動ものですよ!というテンプレ臭もなく押しつけがましくなくスッと映画の世界に入り込むことができたのは監督のさすがの手腕だと思います。国際金融資本は自作自演でWTCビルを爆破しておきながら、このような映画を作るとは何事だと観る前はモヤモヤしていましたが、劇中政治思想を感じる事もなくとても楽しく観る事ができました。師匠の名前がオウマンコウスキなのも良かったです。 [映画館(字幕)] 9点(2016-01-28 10:59:51) |
10. アントマン
《ネタバレ》 40代男の再出発の話として普通に面白かったです。アリたちが従順でとても頼もしくて可愛かったです。第1作なので序盤の説明が長くてやや退屈でしたが、施設襲撃からグッと面白く感じました。訓練でホープに散々食らった「幸せ投げ」を先輩ヒーローに決めた時は爽快感がありました。 [映画館(字幕)] 9点(2015-09-28 01:20:38) |
11. セッション
《ネタバレ》 陰湿ないじめを受けながらもしごかれた経験は誰にでもあると思うので、そういった人間の性質を映画でうまく表現できた凄い作品だと思います。最後の演奏はずっと見たかったです。 [映画館(字幕)] 9点(2015-05-03 18:01:26) |
12. はじまりのうた
《ネタバレ》 同時期公開の「イミテーション・ゲーム」でキーラ・ナイトレイの演技が気になり、キーラ主演の本作も観ましたが、劇場で泣いたり笑ったり素敵な時間を過ごす事ができて大変素晴らしかったです。序盤の演奏で楽器が増えていくシーンでもう泣いたので掴みは十分でした。死にそうだったプロデューサーがグレタを見出した後、生き返ったように動きがキレッキレになっていくのが大好きです。プロデューサーとのキスシーンがあったようですがカットして大正解だと思います。最後の元彼の歌も完成度のあまりの高さにやられました。 [映画館(字幕)] 9点(2015-03-16 04:52:10) |
13. パシフィック・リム
《ネタバレ》 物語の進行と共に、菊池凜子が可愛く見えてくる映画です。怪獣とボコボコ殴り合うのがこんなに熱いなんて!!と、興奮して劇場に3回観に行きましたが、何度行ってもチェルノアルファとクリムゾンタイフーンがやっぱり弱くて涙が出ました。たまに日本語になるのは面白いからOKなのですが、最後ペントコストがハンセン息子を脱出させないのも謎です。吹き替えの「ろけっとぱーんち!!」が良かったです。中国でヒットしたので中国寄りの内容になるでしょうが、2018年予定の続編も楽しみです。 [映画館(吹替)] 9点(2014-08-17 07:58:29)(良:2票) |
14. ウルフ・オブ・ウォールストリート
《ネタバレ》 金融・資本主義のありさまを俯瞰視点で、3時間でざっと見るという、時間旅行のような映画です。ジョーダンに騙された人々は徹底して映らないので、私たち観る側も成功者の高揚感をより一層味わう事ができるのが上手いです。 [映画館(字幕)] 9点(2014-08-15 04:04:44)(良:1票) |
15. ダークナイト(2008)
《ネタバレ》 散々語り尽くされていますが、前作『ビギンズ』のヒロイン(ケイティ・ホームズ)が良かったです。ヒロインが可愛くないので、高スペックの男二人が取り合うという説得力がないですし、ジョーカーの「やあ可愛いお嬢さん」という台詞に毎回首をかしげて鑑賞する羽目になります。しかし、それでも次作『ダークナイトライジング』を観てから『ダークナイト』に戻ると、やはり本作は次元の違う面白さなのです。ノーランではなくてヒース・レジャーが素晴らしかったのだと、つくづく思います。 [DVD(吹替)] 9点(2014-08-14 23:23:50) |
16. キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
《ネタバレ》 誰も味方がいないため緊張感があり、流れるように展開していくアクションシーンが魅力的です。長官車両襲撃シーン、エレベーター内襲撃シーン、ハイウェイ襲撃シーンと何度観ても飽きないです。序盤ニック・フューリーが何か岸本加世子に似ていると思います。自分からくわえるバッキーの表情が何か可愛いです。主人公がグズグズ葛藤しないのが本当に男らしくて格好良いです。「盾を捨てろ」という翻訳が二か所ありますが、普通に「武器を捨てろ」で良かったと思います。この次の戦いはシビルウォーだし、キャプテンは苦しい戦いばかりですね。 [映画館(字幕)] 9点(2014-08-12 10:27:47) |
17. プリズナーズ
緊張感と重苦しさをもって最後まで展開し、エンディング後は震えて座席を立ち上がる事ができませんでした。「ミスト」や「アランウェイク」のようなアメリカの片田舎で起こるサスペンス、未解決事件、怪人や確信犯の存在、イルミナティのどれもが大好物な私にとってドストライクな映画でした。ポール・ダノやデヴィッド・ダストマルチャンも変態で良かったですが、ジェイク・ギレンホールが本当に格好良かったです。 [映画館(字幕)] 9点(2014-07-24 01:52:38) |
18. 10 クローバーフィールド・レーン
《ネタバレ》 ヒロインがタンクトップ美女なのでホラーとしての掴みはOKですし期待以上でした。ハワードに追っかけられて終わりだったら面白かったがラストはただのスリラーだったかという感想でしたが、最後の選択(ヒューストン)が前向きなもので非常に素晴らしかったです。 [映画館(字幕)] 8点(2016-07-03 00:41:53) |
19. グレート・ウォリアーズ/欲望の剣
《ネタバレ》 子供の頃に日曜洋画劇場で観て面白かった記憶がありますが、当時は「コナン・ザ・グレート」や「レッドソニア」が好きだったので純粋に冒険ものが好きだったのだと思います。大人になって観たら、お姫様の美しい裸体ばかりに夢中になりました。リアルな略奪シーンやペスト犬投げ込みというアイデアは現代の映画ではまず表現できないだろうからとても新鮮でしたし、これこそが中世であるような気がします。大好きな「ブラックブック」の監督&脚本コンビがその20年前に作った映画という事で、とても偉大な映画だと思います。 [DVD(吹替)] 8点(2016-02-24 00:08:37) |
20. クリード チャンプを継ぐ男
《ネタバレ》 「フルートベール駅で」が良かったので期待していましたが、丁寧な作風はそのままで更にボリュームアップしていました。若手監督と若手俳優がロッキーに新たな命を吹き込んだ事を目の当たりにできてとても良かったです。彼らに応えたスタローンも素敵です。同時期公開のベテラン監督が作った某SF超大作の新作よりも断然面白かったです。試合中にカメラがグリグリ迫り、また入場時の長回しで緊張感が伝わってくるところが特にお気に入りです。 [映画館(字幕)] 8点(2016-01-07 01:01:44) |