1. DOA/デッド・オア・アライブ(2006)
《ネタバレ》 期間限定10点(8/17、DVD発売で十分認知されたようなので9点に)。ハッキリ言って頭悪いです。全部がバカです。最高です。 のっけから、巨大な王宮をデデーンと映し出しながら「北海道・石狩山脈」というテロップでカマしてくれまして、てコトは、なになにウチの近所? …なんて思うわけねーだろバーカ(岩内方面にああいう岩壁あるけど)。王女が国を棄てると抜け忍の身分ですかバーカ。 アングルも確信犯。女の子のお尻をカメラがナメて、股間にチラリと対峙する敵の姿が映る。壁登りの要領で竹を駆け上がるところを俯瞰するカメラが、乱れたキモノの裾からのぞくパンチラを捉える。予告で登場の格闘ブラ付けシーンでは、巧妙な乳首の隠し具合に惚れ惚れ。とにかくバカ。オイラもバカだが。 で、まさか本気でやると思わなかったDOAビーチバレー! …とカットバックしながら進行するトム・ヤム・クンするケイン・コスギの体を張った大バカ加減で二重に脱帽ですた。 あとDOA主催者のうち2人、死にフラグが立ってるんですがね、最後は主人公側についてるのがナイスです。日本刀持って大立ち回りする時に裁き方が中国の剣法になっちゃうのもスカッとしました。「ここはこうあってほし~いッ!」と願う観客の心を汲み取った、痒いところに手が届く心地よいバカさ加減が最高。 …でもね、格ゲーのお約束「ヒゲの老師」を一瞬しか出さなかったり、『ウォリアーズ』まがいのケバいストリートファイターも出なかったり…『チャーリズ・エンジェル』路線を狙った弱気さが少し残念でした。『モータル・コンバット』よりも商品性が強いが故の、バカなんですな。 この路線をシッカリと突き詰めれば、21世紀のグレート・レース物(レースじゃなくて格闘ですが)をやれるんじゃないかなぁ…DOAのファン層は揺れる胸だけ見れりゃいいかもしれないんだけどね。もっと可能性があると思うんですよこのジャンル。 [映画館(字幕)] 9点(2007-02-24 22:59:39)(良:1票) |
2. デッドマン(1995)
《ネタバレ》 1月5日。 深夜の札幌で部屋の窓を開け放ち、酷寒の中を震えながら観た。 「そうやって観るのが正しい」と自分の映画アンテナが教えてくれたからだ。 …。 なんつー過激さ。《詩》で殺す男、ウィリアム・ブレイク。 「『草の葉』(米国文学の象徴)を持ってねーか」 「うるせーオレはホイットマンじゃねえ! オレの詩はッ!」ダキューン。 「サインを頂けませんか」 「コレが俺のサインだッ!」グサッ。 etc、etc…。 そもそも序盤のあたりで、やたら目立つボストン・バッグを抱えてる姿が既にカフカの『アメリカ』の第一章を意識させる絵だし(なので「いつカバンを盗られるんじゃあ!」と焦れまくってた)、たどり着いた《機械》町ではいきなり(エミリー・?)ディキンソンから「この西部にゃあ神秘主義者の仕事なんてねーよ! 俺たちゃゲンブツ扱ってんのよ」とお払い箱(だが意外にブレイクの似顔絵は巧く書く)。いろいろあった挙句に《誰でもない古代詩人》ヴェルギリウスに救われて、異界へ、地獄へ、天界へと『神曲』マニアックな放浪を開始。 こりゃ西部劇版の『薔薇の名前』ですな。多分ジャームッシュの脳内では、各キャラにそれぞれ対応する芸術家が割り当たっているんじゃないかな。 …するとね、気になってくるんですよ。途中で出会う、死んだ子鹿。『バンビ』(=ディズニー)なのかねーやっぱり…そこんとこ読み解いてみたいような、読み解いても所詮はしゃーないような…。 自分的にはやっぱり、ジャームッシュは面白いけどそれ以上のモノじゃないなあ。イメージが広がらなさすぎで。ヤン・シュワンクマイエル作品みたいに、無辺の記号空間に放り込まれるような、脳がマッシロにリセットされる感覚がなく、常に何かの記号がついて回る。それは別に悪い事じゃないけど、オイラが求めているモノでもないのれす。 これは映画そのものの問題じゃなくて、やっぱ相性ってコトなんでしょうね。 [DVD(字幕)] 6点(2007-01-05 02:54:38) |
3. ティコ・ムーン
ずっと以前からマイフェイバリットな映画です。レビューする気は全然ないんだけど、ちょっと気の迷いです(笑)。 SF映画である以上に、完成した映像とその意味のギャップが面白い。見事なくらいおフランスですな。 …たとえば。 重力が衰える時というのは、人間の信頼関係が薄れる時を指すワケね。 ボブ・ディランの "Center Of Gravity" の歌詞が元ネタ。 卵を使ったやっすい特撮で、世界の心的背景を詩的に表現してしまうとは…なんて素敵。 [DVD(邦画)] 8点(2006-07-29 06:32:52) |
4. 10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス
さてコッチの方は… 「結婚は10分で決める」5点:今回はコレを基準作にしました。 「ライフライン」10点:まさか10分の映画でボロ泣きするハメになるとは~! いつも通りの作風ですが、100分相当の作品として通用します(でも「あと10年は撮らないよ」なんて言わないで下さいね)。 「失われた一万年」4点:あいも変わらず密林ですか…しかも、まんまドキュメンタリーだから、彼独特の狂える迫力が出てない。10分で自分の世界を表現できないからって、投げちゃいけやせんぜ監督。 「女優のブレイクタイム」4点:ジャームッシュに浸るような心の余裕は、オイラにはない。 「トローナからの12マイル」8点:うぉー濃密~。これも、一作分の長編映画に展開できる作品ですなぁ。 「ゴアVSブッシュ」3点:この映画で初めて知りましたが、ゴア君はブッシュたんに向かって一度は敗北宣言したんじゃん。まあアメリカン人でないからどーでもいいですが…。 「夢幻百花」9点:イッセー尾形さん家の引越し(笑)。コレがラストを締めるとは意外でした(ヴェンダース作品の方がよかないか?)が、見応えありました。 そして結果はこのように…。 [DVD(字幕)] 7点(2006-06-03 22:00:51)(良:2票) |
5. 10ミニッツ・オールダー イデアの森
平均点方式で行きますか。願いましては…。 「水の寓話」3点:おいおいまた東洋趣味すか。 「時代×4」9点:4倍濃厚で最高。マイフェイバリットな引き込まれる映像。 「老優の一瞬」5点:本作を基準点としました。お手本的逸品。10分で終わる『ニューシネマ・パラダイス』ですな。 「10分後」8点:やるなサボー! あんたが長回しで来るとは思わなかったよ。 「~との対話」7点:正直よくわかんなかったんだけど、一番印象に残る。 「啓示されし者」4点:展開は面白いが、ナレーションは不要では? 「星に魅せられて」7点:正直面白くないんだけど、そのストレートっぷりでサービス点。 「時間の闇の中で」2点:こらこらこらこらこら! …しめて、この点になりました。 [DVD(字幕)] 6点(2006-06-03 18:15:49) |