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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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1.  機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 《ネタバレ》 
1stとTVシリーズのZの一部を見ているので(それ以降は全く見ていない)ストーリーはよくわかるのだが、とにかく盛り上がらない。アムロのほうがシャアよりもオトナの思考ってのに違和感を持ちながらも、ララァがらみの遺恨をひきずる宿命の対決をそれなりの気持ちの準備を整えて待っていたのだが、なんだこりゃだ。とりあえずシャアとアムロよりも露出が多かったクェスの言動がうちの4歳児と変わらんというのが・・。「折檻してやって」って・・。なんだか私とうちの娘の会話のようにシャアも優しく返してるし・・。ニュータイプが何人もいるもんだからシャアとアムロが操るモビルスーツの俊敏性が際立たないのもイタイ。重要なキャラクターが死んでもその他大勢の無名の戦士と同じ扱いなのはこれが戦争なのだということを表現しているからなのかもしれないが、死ぬ直前まで特別扱いしといてそりゃないだろうと。地球を守るために無名の戦士たちが死んでゆく美しき姿も妙に軽い。その後の奇跡もなんだかバカバカしい。
[DVD(字幕)] 4点(2011-03-01 16:04:37)
2.  KIDS(2007)
玉木のやたらかっこつけな役柄が気になりながらも、わざとらしく小池に目を止めちゃうご都合主義が気になりながらも、栗山のそこに傷がありますと宣言しているようなマスクという浅はかなアイテムが気になりながらも、途中まではストーリーがどう展開してゆくのかという一点のみ、いや、あと非現実的な三人の美しい顔のコラボレートを眺めていることでなんとか持ちこたえていたのだが、徐々に三者の心の傷が浮かび上がってくると、その空々しい重さが絶えられなくなってゆく。仕舞いには空々しい感動を必至で与えようとする玉突き事故現場。それ以上にこの悲壮感や混乱の全く無い、それでいて怪我人たちが道々足をひきずり、あるいは這っているという不自然極まりない事故現場は酷すぎる。
[DVD(字幕)] 2点(2010-07-28 15:10:02)
3.  CASSHERN
私が子供の頃、アニメというのは子供のものだった。子供だけのものだった。それゆえにメッセージは明確で、バカバカしいほどに短絡的でもあった。『CASSHERN』のベースはそこにある。というか後の『GOEMON』もそうなので(レビュー済み)紀里谷和明監督のベースということになるんだけど、要するにこの人の創作物の原点はどんなに物語を複雑化しようがビジュアルを大人びたものにしようが子供向けアニメであることに変わりないのだ。大人に向けてこんなことをする作品もそうは無いので一見新鮮味はあるのだが、どうも確信犯ではなく監督本人はいたって本気で大人映画のつもりっぽいので受け止めるこちらは困ってしまうのだが。セリフ過多は映像で語ることを拒否しているのではなく、これも原点にアニメや漫画があるから自然とこうなったのだと思う。戦いながら、ときには空中で留まりながらお互いが語り合うなんてシーンはまさに漫画。ピッチャーが投げバッターが迎え撃つときバッターが○○破れたり!とか言ったりそれにピッチャーがなに!?とか反応したりとかいうのと同じ。コンマ1秒の世界が数十秒に引き伸ばされるアレ。『GOEMON』のレビューでも書いたが、映画を知らないというのは強みでもある。紀里谷作品のオリジナリティはその強みの証し。しかし見るほうも映画を期待してはいけない。
[DVD(邦画)] 4点(2010-04-08 16:00:01)
4.  CUTIE HONEY キューティーハニー
大量のおにぎりを食べながら下着姿で街中を走る天然系のちょっとイタイ女の子、ってキューティハニーちゃうやん。と、幼少に親しんだアニメ版とのギャップに一瞬意気消沈するも、ここまでキャラが違うとかえって庵野版オリジナルハニーとして割り切れてしまうので立ち直りも早かった。サトエリの徹底した肌の露出とそれをとらえる徹底したカメラアングルは流石なのだが見せすぎのせいかエロチックさは意外とない。全体的にコミカルに仕上げているのが好感が持てる。一番うけたのは及川ミッチーの登場シーン。と、けっこう面白い要素を多分に含んでいるんだけど、お決まりの感動的シーンが冗長。オマージュということなんだろうけど原作イメージを保とうとしている部分はかえって浮いていた。ハニーがあれだけオリジナリティを発揮してるんだからもっとはじけきっちゃってもよかったのではと感じた。ハニメーションに関してはその必然性がいまいちわからなかった。
[DVD(邦画)] 4点(2010-04-07 18:24:01)
5.  君を忘れない FLY BOYS,FLY!
キムタクが舞台となる航空基地にゼロ戦に乗って登場。途中アメリカ軍の攻撃を受けたらしく着陸姿勢に入ろうかというところでプスプスと。車輪が出てこない。ここでキムタクが一言。「やっべ」。のけぞったぞ。「やっべ」はないだろ。言葉遣いといい長髪といい、どこまでもキムタクなキムタクを使うならば、いっそのこと「まじっスか」とか「ちょーすげー」とか「てゆーかあ」とか言いながら、整備士は女にしてちょっとロマンスなんか入れたりして最後はグッドラック!と飛び立ってしまえ。いやほんと、それぐらいぶっ飛んでもらわないと違和感が違和感のまま残ってしまう。テレビの人気者で固めたキャストでないと戦争映画を見ないという一部の若者に向けた作品なのだろうか。だとしてもテレビのドラマと同じように消化されるような作りにする必要ってあるのかな。その作りの代表的な部分が「三角関係」なんだけど、どうせ出すんならもっとちゃんと描こうよ。「三角関係」を。中途半端なトレンディドラマだ。
[DVD(邦画)] 1点(2009-08-04 13:00:08)
6.  気球クラブ、その後
全ての登場人物たちにドラマがある。今回はそれぞれのドラマを封印することで1時間半でまとめてみた。しかしそれらを映さずともそれぞれの背景がその人物の言葉の端々に、しゃべり方に、態度に現れる。ちょっとしか映らない脇役でもしっかりと人物が描かれている。だから全く話が先に進まなくても退屈しないのだろうか。でも個人的にこのちゃらちゃらした集まりが気に入らない。これはあくまで私個人が実際にこのような行動的且つ大人のグループに当時のカノジョのつながりで近しくあったことが原因であって映画の出来とは全く関係なくて恐縮なのだが、なんかイヤなんだ。べつにそこでイヤなことがあったわけでもなく、むしろ特別に良くしてもらっていたわけだが、私はたぶん、ここに出てくるリーダーのような何かに向かって一直線な人が苦手なんだ。それなのにグループはその人に惹かれて集まってる。そこに一体感に馴染めない自分がいる。この作品でも気球に本気で魅せられているのはリーダー一人ってところでどうもリフレインしちゃってるんだろう。それだけ現実感に富んでいたってことなのかもしれない。あと、デジタル撮影のように思うんだけど、画が安っちい。低予算なんだろうけど、いかにも低予算って感じが出てるってのはどうなんだろう。
[DVD(字幕)] 5点(2009-06-17 16:50:34)
7.  樹の海
人は樹海に入ると一人芝居をせずにはいられない・・・。というのはもちろんいちいち相手の受け答えをこちらに聞かせるために反芻しながら携帯電話で一人芝居をする池内博之と動かない死体を相方にしてコントを始める萩原聖人のこと。説明セリフというよりもこのあまりの露骨さは舞台劇を樹海でやってもらったと思ったほうが良いかもしれない。と良心的にとらえたとしてもしつこさは残る。物語は「自殺はダメ」ってことになるんだけど、説教臭くない。さりげない。メッセージ性は当然弱いんだけどいい話だったなあという余韻は残る。樹海の画も怖さもなければ死の臭いも感じない。だからといって生の源とも思わない。自然の驚異が描かれるわけでもない。ただの森。美しい森。ここが青木ヶ原ですよってだけ。ここはもったいないような気もするがそこに意味をつけちゃうと説教臭くなるのかもしれない。でもやっぱりもったいない。過去の挿入は抜群に上手かった。4つのエピソードが現代と過去を行き来するのに全く戸惑うこともなく物語を堪能できます。
[DVD(邦画)] 5点(2009-04-28 13:31:07)
8.  祇園の姉妹(1936) 《ネタバレ》 
姉妹モノの多くにあるように姉と妹は古風と革新に分けられ、溝口の多くの女性映画で描かれる封建的社会に生きる女の悲劇を妹の革新さでもって打破しようとする。溝口は女を描くのがうまいと言われるが、実は女を通して社会を描くのがうまいのだとどこかで書いたことがあるような気がするのだが、この映画は女を通して社会を露呈させたうえでそこからまた女をまざまざと見せつけるから凄い。女優・山田五十鈴の貢献度も大きいだろう。まるで漫才のように繰り出される京ことばでの返し言葉に合いの手が喜劇性を高め芸術と娯楽を同時に高度に達成させている。さらに体制に負けんとする強い女が間抜けな男たちにいとも簡単に負かされる悲劇性を強調させてもいる。圧巻は先に書いたようにここで女を見せつけるところ。悲劇が悲劇でなくなる。というより女が悲劇を突っぱねる。絶望というよりも悔しさに満ちた叫びを見せることで女の立場上の弱さと女の本来の強さを提示しているように思えた。映画はここで終わるがこの女の物語はここから始まるのだと思えてしょうがないのだ。そしてそう思わせるのは演出あってのこととは思うものの山田五十鈴という天才の貢献度は極めて大きいと思う。
[映画館(邦画)] 8点(2009-02-13 13:04:54)
9.  銀嶺の果て
黒澤明が脚本に参加しているからなのか娯楽性に富んだ観やすい作品に仕上がっている。一人が滑り落ちた際のすばやくハーケンを打ち付けるシーンやザイルを体に巻きつけるシーンの繊細な描写が山男の人となりや、山がいかに危険であるかといった一切合切を一瞬で見せきる。これが監督デビュー作というから驚き。三船敏郎も俳優デビュー作らしいが、三船の三船らしさというものをうまく引き出している。過酷であっただろう雪山でのロケも間違いなく作品を高みに押し上げているだろうが、いまひとつダイナミックさに欠けるような気がする。面白いんだけど決定的な画に欠けるというか・・。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-01-17 12:53:49)(良:1票)
10.  喜劇 とんかつ一代
日本独特の人情喜劇と川島が得意としたスラップスティックコメディが見事に合わさった作品。とはいうものの、いくつかの川島作品に見られる「とんでもなさ」が無いのでごくごくありふれた作品という印象。日本の風習を揶揄するように、わけが分からぬ複雑怪奇な親類のつながりを笑いへと転化し、でもそれもまたいいもんだとお祝い事で話を収束させるストーリーが心憎い。あ、とんでもないシーンが一つあった。仲良しになったフランス人(岡田真澄 !)が連れてきたお母さんの無表情。なんなんだ?あの意味の無い異様さは!
[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-11-27 13:33:21)
11.  菊次郎の夏
連れてゆくという目的を果たした後の後半部分が「いい!」という人と「ダメ!」という人が見事に割れてますねー。私は「いい!」という人。子供を元気づけるためのギャグのひとつひとつは正直面白くないんですが、面白くなくたっていいわけです、この場合。すべってようが面白くしようと必死になってる姿がいいんです。むしろすべってるほうが良かったりして。その笑わせ方も『監督・ばんざい!』でも書いたのですが、徹底して言語不要、画面だけで笑わせる。北野映画が海外で受けるのはけして日本的なものを外国向けに見せているからではなく、言葉が解からなくとも理解できるというまさに「映画」であるからなのだ。北野武の究極の癒しムービー。なんて言うと監督はいやがるだろうけど。
[DVD(邦画)] 7点(2007-11-07 15:22:21)(良:2票)
12.  巨人と玩具
傑作かもしれない。このノリはちょっと凄い。公開当時に見たらひっくりかえったかもしれない。元気で明るい下品さを爆発させた野添ひとみも凄いが、やらせた増村監督はもっと凄い。こんなスピーディな映画は今でもそうはない。でもラスト付近で川口浩が高松英郎に啖呵をきるときの説明ったらしい長いセリフという増村ならではのくどさがやっぱりダメ。そこにいくまではぎりぎりセーフだったけど、あそこまでされるとダメ。あの部分さえもうちょっとトーンダウンしてくれたら増村監督の最高傑作と推してもいいくらいパワフルで魅力的な映画なのだが。もちろん私的な好みの問題なんでしょうが。
[DVD(邦画)] 6点(2007-10-23 12:30:29)
13.  鬼畜大宴会 《ネタバレ》 
この作品のウリは中盤以降のリンチシーンの容赦の無い強烈な描写にあると思うのだが、そこにいくまでの展開の見せ方が素晴らしい。思想で繋がったグループというのは建て前で、あくまで一人のカリスマ性に惹かれた者たちが、そのカリスマを失ったときに見せる醜悪な実態が延々と映される。疑心暗鬼を前面に出したサスペンスでも面白いだろうけど、そんなものは無視してひたすら幼稚な人間の本性を見せる。とくに女リーダーは、女というよりメス。ものすごく生々しく、ものすごく激しく、そして端的に最悪の事態に向かって突き進む。訪れる最悪の事態はホントに最悪だ。あそこをちょん切るシーンはこちらがもんどりうってもがいてしまう。これらのスプラッター描写も実に生々しく且つしつこい。もともとスプラッターは苦手なのだが、他のシーンはまだ耐えれる。でもおちん○んだけは~~!かなりもんどりうったのでしょう。翌日は筋肉痛でしたから。評価はしつつもやっぱり私も二度と観たくない映画。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-09-06 14:02:26)
14.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
松子という女の一生を全て映画にすることは当然無理なのだが、この作品は合間合間にミュージカル仕立てのダイジェストを挟むことでそれをやってのけた。ずるいけど巧い。でも評価できるのはそこまで。原作も面白いとは思わなかったが、原作では主役は松子と笙なのだが、どうして明日香という、原作でも物語上ではあまり絡んでこないこの女の子が登場する必要があったのかがキーポイントで、要するに自己を持たずにただ人に左右されるだけの松子の一生(父親に愛されたいがゆえの行動がまずスタート)と自己を模索し見つけることのできた明日香の未来(松子は見つけることが出来たのだが遅すぎた)を対比し、自分で未来を切り開くこと、そしてその勇気を謳いあげているわけだ。映画はこのテーマを別に変えたっていい。しかし変えてはいなかった。小説ですら言葉として直接には伝えていないそのテーマをこの映画はなんと言葉で説明する。ダメでしょ!ぜんぜんダメでしょ! ここ、一番肝心なところ。こうなってくると冒頭で評価した「ずるいけど巧い」が「巧いけどずるい」となってくる。
[DVD(邦画)] 1点(2007-07-04 14:05:25)(良:1票)
15.  ギプス
エロチックというよりも、女のいい匂いが充満した映画という感じ。実際、さほどエロチックなシーンはない。その代わり、極端に妖しげな佐伯日菜子も、ものすごく普通っぽい尾野真千子も、どちらも同じくらいに女の匂いをプンプンさせていて、もうそれだけでこの作品は評価されても良いくらいの雰囲気を持っている。『月光の囁き』にも似た二人の関係をサスペンスで推し進めるというだけのストーリーが、この充満する女の匂いによってエロスにもホラーにも、はたまたラブストーリーにも不条理劇にもなり得る可能性を秘めながら進んでゆく。『月光の囁き』ほどのインパクトは無いものの、「女を撮る」ことに対する塩田監督の可能性を見た気がした。
[ビデオ(邦画)] 6点(2007-04-11 12:15:17)
16.  岸和田少年愚連隊
井筒監督が学生時代に初めて撮ったフィルムの一部を以前深夜のバラエティ番組で観たことがあるのですが、映されたのはやっぱり学生の喧嘩。関西を舞台に中高生が暴れまくる、これが彼のルーツであり彼の本領なのです。『ガキ帝国』では後半のハードボイルドタッチが臭かったのですが、この作品は「喜劇」という基本線からけして逸れないので最初から最後まで実に楽しく鑑賞できる。なぜか必ず見ていた「野生の王国」、551の豚まん、息子の彼女に当たり前のように料理させる家族、会話のテンポ、お好み焼き屋、、細部が実に生々しく懐かしい。井筒監督が知り尽くしたいわば「庭」で素人俳優たちが輝きまくってる。
[DVD(邦画)] 7点(2007-02-28 12:00:21)(良:1票)
17.  魚影の群れ
相米監督のワンシーンワンカットの長回しが映画にもたらすもの、それは物語の中の一コマにみなぎる生々しさであり緊張であり美しさである。足跡の無い砂浜に足跡を残してゆく長回しの美しさ。佐藤浩市が緒形拳に会いに行き殴られる長回しのそれぞれの思いが交錯する生々しさ。マグロを釣る長回しの緊張と恐怖。宿の二階から外の女を追い走り出る引いた位置からの長回しの、ドラマティックを拒否するような冷めた目線の奇妙さ。それでも物語の分岐点で雨を降らせる相米印。他の相米作品と作風は違えど、どこもかしこも相米慎二の映画でした。
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-02-16 17:26:58)
18.  儀式
主人公がひたすら観客に対して朗読をしているような映画。そんなどこか文学的な表現は映画の表現方法の一つとしてアリだとは思うが、正直重すぎて疲れる。ただその重さゆえか、はたまた武満徹の音楽効果もあってか最後までひきつけておく力だけは持続する。実際、音楽が内に内にと沈み込んでゆくような暗さを持った主人公の心情にピタリとはまる。戦後日本の縮図としての桜田家の終焉に大島流体制批判の極めを見た。
[ビデオ(邦画)] 5点(2006-09-07 15:21:55)
19.  CURE キュア
人を殺すなんて考えられないようなごく普通の人が人を殺す。そんな人が次々と現れる。しかしそれをコントロールしていたのはたった一人の悪い奴だった、、、ということなら怖くはない。一人の青年が人殺しを誘導していたわけではない(と私は思ってる)。そして人を殺した者たちも潜在的にターゲットを殺したがっていたわけでもない(と私は思ってる)。ちょっといなくなってくれたら、、ぐらいの気持ちを持った対象に×印をつけるという誘導に対し、ためらうことなく人を殺してしまう、その人間の深層ににある残虐性こそが怖いのだ。そしてそのことを表現した映像が怖いのである。「人を殺してはいけない」ということは種族繁栄という本能的なものとして組み込まれていると思っていますが、この作品ではどうやら違うらしい。しかしそんなことはどうでもよく、悪意が画面にへばりついたような描き方こそがこの作品の素晴らしさなんだと思う。このとんでもない悪意を日常に同居させたのが青山真治の『Helpless/ヘルプレス』ならば、この『CURE/キュア』は悪意を日常に同化させた作品。よってこの作品で描かれる日常は非日常とイコールである。それはまさに「映画」じゃないですか!
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-13 16:07:40)(良:2票)
20.  Kids Return キッズ・リターン
シンジとマサルのメインストーリーにサイドストーリーを絡ませながらそれぞれのエンディングへと向かってゆくわけですが、作為的すぎるというか、展開に強引さを感じてしまいました。それでもいいなぁと思えるのは、この作品が成功の物語ではなく失敗の物語であるのに暗くないというところ。主人公の二人は大人の世界に踏み込んで、結局挫折して元の位置にリターンしてくるんですが、すごく冷めた視点で描いていてもけして否定的に捉えていない。まるで、1回くらい挫折したほうがいいんだよ!という冷たくも暖かい監督の声が聞こえてきそうなエンディングでした(勝手な思い込みですが..)。なにせ1回死にかけて蘇って作った作品ですしね。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-04-14 18:22:31)(良:1票)
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