Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2258
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12345
投稿日付順12345
変更日付順12345
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  シュシュシュの娘 《ネタバレ》 
現代版脱力系忍者コメディを必殺仕事人風に~吹き矢を添えて~。小洒落たレストランのメニューみたいですが、コンセプトはこんな感じかと。ただし悪代官や殿様は現代では官公庁に該当するようで、悪事が生々しくていけません。風刺を超えて、体制批判・政治思想すら感じさせます。シュール&ナンセンスコメディの出来は悪くないので、もっと素直に楽しみたかったというのが本音です。雑味がエグいのです。プロパガンダにしても偏り過ぎでしょう。 復讐譚としては因果応報のバランスが悪いと感じました。ヤリチン男への制裁は兎も角も、当局への復讐は明らかにやり過ぎです。司法の裁きや社会的制裁が望めないから裏稼業の出番なわけで、このまま放っておいても彼らは失脚しました。それでもなお彼らを鞭打つ、いや吹き矢を突き刺すのであれば、今流行の(?)『倍返し』でしょう。復讐は等価報復が基本。超過報復が肯定されるのは、理不尽且つ甚大な被害の場合に限定されます。皆殺しって八つ墓村か。まあ実際のところ全員死んではいないでしょうが、脱力系コメディとリベンジものの相性がそもそも良くないのだと思います。 次にタイトルについて。忍者を表す擬音は『ニンニン』と相場が決まっています。ただこれだと著作権の問題が発生するかもしれませんし、不思議なことに伊東四郎氏の顔もチラつきます。となると次点としてサササやヒタヒタ等が忍者っぽい擬音候補として挙げられそうですが、本作ではシュシュシュが採用されていました。これは忍者というより吹き矢の擬音。そう、本作では忍者刀や手裏剣、クナイや撒菱等名だたる人気忍者武器を差し置いて「吹き矢」がフォーカスされていました。これまた通好みな選択。しかしよくよく考えてみれば、自作し易い、携帯し易い、金属探知機に引っ掛からない等、武器としての「吹き矢」の優秀さが際立ちます。殺傷力こそ毒次第でしょうが、自然界に猛毒は溢れていますし。本作を観たらきっとエア吹き矢芸の家元こと、コサキンの2人も泣いて喜ぶんじゃないでしょうか。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-07-28 19:24:09)
2.  シン・仮面ライダー 《ネタバレ》 
庵野監督がイニシャル『シン』で仮面ライダーを創ったら、まあこうなるわなという映画。基本的に納得しかありません。おそらく歴代シンシリーズの中でも圧倒的に間口は狭く肩幅ほど、ハードルは棒高跳びレベルと推測しますが、案外「こんなの楽しめるのは俺だけだろ」な層も相当数いるのでしょう。じゃなきゃこれだけ大掛かりなメディアミックス企画は成立しないですもんね。あるいは多くの大人が「儲かりまっせ」の口車に乗っかたのか。どうなんでしょう。 あれこれ考察を楽しむのが庵野映画の鑑賞流儀かもしれませんが、個人的には「仮面ライダーが死ぬ程カッコよくて」「浜辺美波さんが神がかり的に美しい映画」という理解で十分という気がします。特に浜辺美波さんファンは爆増したに違いありません。『最優秀キャメル革ロングコート女子』と『気絶担がれ女神オブ・ザ・イヤー』の2冠受賞の快挙は史上初なのでは。 (以下余談)ついに買ってしまいました変身ベルト。2号バージョンを。コミュ障で陰キャの本郷猛にはシンパシーを感じますが、惚れるのは一文字隼人の方。陽キャの仮面に隠された孤独や愁いに惹かれるのかなあ。一文字の笑顔はライダーキック以上の破壊力があったようです。
[映画館(邦画)] 8点(2023-03-19 11:58:25)(笑:1票) (良:1票)
3.  JKエレジー 《ネタバレ》 
3737さん、2番投稿失礼します苦笑。 『貧乏は諸悪の根源』との名言がありますが、主人公にとって諸悪の根源は貧乏ではなく家族でありました。事態は想像以上に深刻で、高校卒業と同時に家を出るなどと悠長なことを言っている場合ではありませんでした。直ちに、今すぐに、避難すべき案件。火事と一緒のレベル。兄の引き合わせで、クラッシュビデオという名のAVに出演したのがそもそもケチの付けはじめ。パンツひとつ見せていないと主人公は開き直りますが、それが詭弁であることは彼女自身が一番よく分かっていること。とはいえ、普通にバイトしても保護費と相殺されるだけですし、母が残した進学資金が残っているはずもなく。彼女にしてみれば、クラッシュビデオだけが希望に繋がる生命線だったのでしょうが、実は絶望に繋がっていたという。それでも、八方塞がりという訳ではありません。進学が難しいなら就職だって立派な選択です。しかるに彼女は自ら未来を閉ざす選択をしてしまいました。ヤクザと関わり合いになるなど百害あって一利なし。彼女は「もう振り回されたくないから」と言いましたが、逆に自ら振り回されに行っています。まともな就職すら危うい状況に追い込まれたことを彼女はまだ自覚していません。振り下ろしたツルハシでの一撃にカタルシスを得られない時点で、この物語は破綻していると考えます。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-09-15 18:59:27)
4.  死の実況中継 劇場版 《ネタバレ》 
※かっぱ堰さん、お先に投稿失礼します。かっぱさんの考察の深さやリサーチ力にはいつも感心させられます。読んでいて不快にならないのも素晴らしいです。レビュー心待ちにしております。  邦画ホラーは基本地雷だらけです。5点なら当たりの部類。それでもごく稀にホームランがあったりするのが困りもの。『口裂け女2』とか『人狼ゲーム』シリーズとか。予習なく当たりを引き当てた時の得も言われぬ快感たるやもう。こうしてB級ホラーに魅せられた者たちは、人生の貴重な時間を無駄に費やしていくのです。あな恐ろしや。 実は本作を中ほどまで見進めた時点では、これは大当たりを引いたのでは?と色めき立ちました。劇中劇に妄想系?意外とテクニカルなホラーの様相だったのです。それに赤い服の女もいい感じ。変にカクカク動いたりせず、見事なフォームで小気味よく走ってくるあたり逆に不気味。得物にナイフや包丁ではなく裁ち鋏を選ぶセンスもナイス。これはきちんと考察せねばと身構えたのですが、終盤失速しました。結局はただ「呪いのURL」をクリックした者を襲うだけのガサツな女でした。イデオロギーの無さにガッカリ。もっとも都市伝説の殺人鬼にイデオロギーを求める方がどうかしているのですが。明らかに不自然な登場の仕方であった親友も妄想ではなく実在していたみたいです。赤い服の女が何処ぞのyoutuberみたいに自撮りしながら音声実況を付けてくれたら(これが真正の迷惑系youtuberや!)アッパレを差し上げたところなんですけども、惜しいなあ。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-09-09 00:28:38)
5.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
観たい人はほぼ観終えたであろうタイミングでやっと劇場鑑賞。それも私自身久々の映画館来訪で、ノーラン監督の『テネット』以来のご無沙汰ぶり。今回出張で地元を抜け出したついでに念願を叶えました(生活圏内には新作が公開される映画館はありません)。空白の約2年間の間に料金も値上がりしたようで、ちょっとした浦島太郎気分です。コロナ恨めしや。早く気軽に劇場鑑賞やライブに行ける世の中になって欲しいものです。すみません、舞い上がって前置きが長くなりました。感想に入ります。 率直に言うと想像以上に「面白くなかった」です。少なくとも『シン・ゴジラ』のようなエンタメ性は感じられず、ひたすらマニアックなオタク志向のエピソードが続きました。間口は狭く、敷居は高く。物語に起伏が無いので、ともすれば退屈してしまうかもしれません。しかし面白くないから駄目だとは思いません。少なくとも本作にはウルトラマン愛が詰まっていました。本気でウルトラマンを空想科学で検証し、現代にアップデートさせた努力に拍手を送りたいです。メフィラス星人やゼットンの新解釈とその帰結。ゾフィーではなくゾーフィの呼称。その拘りはリスペクトに値します。ただし、長澤まさみさんのケツ叩き癖など、おじさん丸出しのギャグは如何なものでしょう。センスは欠片も無く、シラケる御仁も多いに違いありません。それが分からぬ監督ではないでしょうに。あるいは監督は腹を括ったのでしょうか。おじさんの、おじさんによる、おじさんのためのウルトラマン宣言。その判断が賢明とは思いませんが、かつてウルトラマンに心を奪われたおじさんである私が、本作を否定できるはずもありません。「そんなに人間が好きになったのかウルトラマン」その台詞を聞けただけでもう何も言いますまい。見事な「大人だまし」映画でありました。
[映画館(邦画)] 9点(2022-07-08 20:59:46)(良:3票)
6.  女子高生に殺されたい 《ネタバレ》 
殺したい(わからんけどわかる)死にたい(まあわかる)自分で死ぬのは怖いから殺されたい(なんとなくわかる)。殺されることに悦びを感じる(きゅうにまったくわからない)。 殺される快楽?相当ハイブローな性癖ですが、オートアサシノフィリアなる呼び名があるそうで。勿論普通はイメージするだけでしょうが、本作の主人公はリアルに女子高生に殺されようと計画しました。しかもJKなら誰でも良かった訳ではなく、お目当ての少女が育つのをじっと待ち、JKになった彼女に近づく為に教員免許まで取得し、希望ポストの前任教師を失脚させ、その娘の担任に納まるという大掛かりな下準備を成し遂げます。足掛け9年の壮大な企み。その熱量と実行力たるや変態を通り越して感動さえ覚えるロマンシング・サガでありました。設定こそアブノーマルかつトリッキーなれど、サスペンス趣向は本格的で、ケイ田中の計画の全体像や背景が判明していくにつれ、戦慄しました。伏線やミスリードも上々でミステリーとしても見応えがありました。最後こそグダグダでしたが、そこに至る過程の用意周到ぶりは見事なもので、先生はリアルに優秀な人なのだと思います。あるいは、性癖の為になら頑張れる人だったのかな。『哀愁しんでれら』といい本作といい、もはやサイコパス役の第一人者と言っていい田中圭さん。ただのイケメン俳優ではなく、良いポジションを得たものです。圭さん以外の役者さんでは、生徒役の若手女優の皆さんが充実。見事に美女揃い。中でも柔道少女の茅島みずきさんの存在感が抜群でした。やっぱり長身美女はいいですな。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-08 00:55:54)
7.  女子高生暴力教室 牝蜂の復讐〈OV〉 《ネタバレ》 
前作で死亡したミドリ(星美りか)に代わって、本作では餓狼(画廊ではないはず)のマキ(朝日奈あかり)が主人公を務めます。私はAVを観ないので(嘘ですが)彼女を存じ上げませんが、大変お綺麗な方でした。ただ星美さんには有った華のようなものは感じられず、主役の存在感はありません。演技的にも芳しいとは言えず、例えば「タイマン仁義」とやらの台詞の言い回し「〜です」の言い方ひとつにも致命的な演技力不足が伺い知れました。その点、同じセクシー女優出身でも亜紗美嬢の存在感たるや群を抜いており、いつものように周りとはレベチの異次元本気演技で作品の品質維持を一手に引き受けていました。やっぱり亜紗美嬢はモノが違いますな。コメディとしては1作目より本作の方が少しだけ出来が良い(胸くそ要素が少ない)ですが、エロやアクション目当てならもっと良質な作品が他にありますので、基本的には亜紗美さん目当ての方にのみオススメの作品となります。因みにタイトルに『牝蜂の復讐』とありますが、これは『女番長シリーズ 牝蜂の逆襲』(1971)をオマージュしたものと思われ、内容に則すなら『山猫団の復讐』の方が適切であったと考えます。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-03-12 23:41:36)
8.  女子高生暴力教室〈OV〉
シリーズコンセプトは『死霊の盆踊り』に同じ。とりあえずおっぱい出しときましょう。だから本作登場の成熟型JKの皆さんはノーブラがデフォルトです。往年の芸能人水泳大会以上にポロリ乱発祭りが堪能いただけます。ただし、その有難みや満足度も『死霊の盆踊り』レベルであることも申し添えます。 タイトルに『暴力』が付いていますが物語のベースは、バイオレンスでもなければアクションでもなく、明確にコメディだったと思います。さもなくば、いくら10年前の作品とはいえ、あんな北斗の拳みたいな無茶な設定がまかり通るとは思えません。そういう意味でコメディというジャンルはつくづく最強だなと思うわけです。このような作品の主演に所謂セクシー女優の皆さんが選ばれたのは当然の成り行きと言えましょう。それではまず1作目の感想から。といっても言及したいのはストーリーではなく女優さんであります。本作の主演は、星美りかさん。私はAVを観ないので(嘘ですが)彼女を存じ上げませんが、大変チャーミングな方でした。舌足らずな感じがまた良く、ヒロイン適正にプラスが付きます。一般映画やドラマ等の演技畑で活躍できる方だとお見受けしました。(以下続編の『牝蜂の復讐』につづく)
[インターネット(邦画)] 5点(2022-03-12 23:40:51)
9.  JUNK HEAD 《ネタバレ》 
輪廻転生を描きながら、生きる意味を問う物語。と見せかけて、実は全然違うのかもしれません。監督の狙いは別にあるのかも。説明不足を自分勝手に脳内補完している可能性も否定できません。そういう意味では、映画の完成度は決して高くないと思います。無駄な描写が多いですし、ストーリーテーリングも上手くありません。必要以上にグロテスクですし、結末も尻切れトンボ。しかしながら、本作の訴えかける力はズバ抜けていました。画面の端々から謎の迫力が溢れていました。全ての芸術作品の使命は観客に何かを感じさせる事。その観点で本作は(私にとって)満点に違いなく、もう諸手を挙げて賞賛したいです。映画の出来の良し悪し等とは、また別次元の話。こういう映画こそ傑作と呼びたい。こんな気持ちになったのは、湯浅政明監督の『MIND GAME』、内田けんじ監督の『運命じゃない人』を観た時以来であります。
[インターネット(邦画)] 10点(2022-02-21 19:16:10)(良:1票)
10.  真・鮫島事件
劇中の時代設定がコロナ禍の映画を初めて見ました。2年もマスク生活が続けばこれがニューノーマル。登場人物がマスクをしていない新作映画の方に違和感を覚えるようになるのでしょうか。いやな世の中ですな。マスク着用が当たり前になると俳優さんも大変です。例えば本作のヒロイン武田玲奈さんのように大きな瞳で鼻筋の通った女優さんならマスク着用でも画面に映えますが、そうでないと厳しそう。微妙な感情の起伏をマスク越しに伝えるのも大変でしょうし。全体的にオーバーアクトが流行するのかもしれませんね。 タイトルに『真』が付くのは、『真・ゲッターロボ』か『シン・ゴジラ』にあやかっての事でしょうか。どちらにしても無印の『鮫島事件』映画が無いとおかしいワケで、このあたりの事情はかっぱ堰さんが補足していただいています(いつも丁寧な背景考察ありがとうございます)。物語について言及したい点は特にありません。所詮は与太話。コロナ禍でさぞ撮影大変でしたでしょうねと思うくらいです。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-01-24 18:48:40)(良:2票)
11.  地獄の警備員 《ネタバレ》 
いわゆる『不条理ホラー』。とはいえ、殺人鬼の思考など普通は理解できなくて当たり前。そういう意味では不条理である事が道理であるとも言えます。富士丸の狂気は不条理そのものでしたが、彼の最期は道理に適っており、不条理行動に一貫性がありません。逆に言えばそれがむしろ不条理とも言えなくもなく。何を言っているか分かりますか?自分でも何が何だか分からなくなりました。そう、この難解ぶりこそ、まさに黒澤清映画の証。ただし、私が愛する黒澤ホラーの奥行は本作からは感じ取れず、凡作との評価になります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-12-20 23:10:51)
12.  地獄の花園 《ネタバレ》 
学園ヤンキー漫画の世界をOL社会の派閥争いに置き換えたナンセンスコメディ。いや、元ネタだってナンセンスである事に変わりはなく、突き詰めれば本職の皆さんの縄張り争いだって右に同じ(だから『アウトレイジ』はコメディと見紛う)。現代社会(法治国家)において暴力を是とする価値観は、すべからく滑稽なのだと思います。とはいえ、そんな真面目ぶった考察は本作には不要であり、「大島の雑な口紅」とか「強面ベテラン男優の卑怯なキャスティング」に注文通りバカ笑いしながら、マトリックス風(意外と見せ方が上手い)バトルアクションを素直に楽しむのが正しい鑑賞姿勢と思われます。個人的には、コーンロウ菜々緒嬢の異次元フォルムに心を奪われ(何かに似てる。そうだ。狩猟犬ボルゾイだ!)、永野芽郁様の「全員まとめて殺してやる!」に魂を射抜かれました。誰が何と言おうと傑作認定いたします。ちなみに「全員まとめて殺してやる!」はあまりに好き過ぎて、着信音に設定しました。
[DVD(邦画)] 9点(2021-12-14 18:19:37)
13.  新解釈・三國志 《ネタバレ》 
NHK人形劇から始まり、横山光輝の漫画全60冊を誕生日プレゼントでねだり、吉川英治の小説も読みふけり、スーパーファミコン版光栄の『Ⅱ』は50回以上中国全土を統一した『三国志』大好きな私。さらに福田雄一コメディも大好物で『新解釈』なるアプローチも面白そう。期待値はかなり高かったのですが、見事に空振りました。何がまずかったかと考えたのですが、純粋に『物語』が面白くなかったのだと思います。『三国志』の高い認知度に胡坐をかいた粗い脚本が諸悪の根源と考えます。メインとなる物語で魅せてこそ、福田コメディの生命線、アドリブや悪ふざけが活きる訳で。もっとも本作については、悪ふざけもセンスを欠くものが多く、特に渡辺直美の容姿体形を揶揄するネタは、東京五輪開会式案『オリンピッグ』より数倍タチが悪いものでした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2021-10-22 23:17:27)(良:3票)
14.  樹海村 《ネタバレ》 
『犬鳴村』に続く恐怖の村シリーズ第2弾。今回は青木ヶ原樹海(富士の樹海)の奥にある自殺志願者が作った架空の村がタイトルだそう。自殺しようと樹海に入ってはみたものの、死に切れない、でも帰れない。だからここで暮らそうと村が出来たとか。まあ、流石に無理筋です。生きたいと願う気力が無い者がサバイバルなんて出来ませんから。結局のところ、樹海の樹木と同化した“半人半木”みたいな謎の集合体がわらわら出てきますが、正直何のことやらよく分かりません。あの中にシャキーンのジュモクさんが混じっていても気づかない自信があります。さらに『コトリバコ』なるネット由来の与太話を物語の核に据え、ひたすら気持ち悪い展開が延々と続くと。最終的に“ちょっと切ない系”に落とし込むあたりはシリーズ共通項でありますが、あくまで“気持ち悪い”がメインであって“怖い”の芯を全く食わないため、フラストレーションが溜まりました。これはホラーなのかな?個人的には、まだ『犬鳴村』の方がホラーとしての体裁を保っていた気がします。 それにしても、ただでさえ自殺名所のイメージが根付いてしまった富士の樹海が、こんな形でさらなるネガティブキャンペーンをされるなんて本当に迷惑な話だと思います。青木ヶ原樹海って世界文化遺産であり国立公園でしょ。みんな楽しく素晴らしい自然景観を満喫しましょうよ。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2021-10-16 01:05:26)(良:1票)
15.  人狼ゲーム デスゲームの運営人 《ネタバレ》 
本作は、桜庭みなみ、土屋太鳳ら新進気鋭の若手俳優の熱演と、巧みな脚本で人気の劇場作品『人狼ゲーム』シリーズ最新作。今回は初めて男性が主役であり、プレイヤーではなく運営側にスポットを当てた異色作です。偶然プレイヤーの中にかつての教え子を見つけた主人公が、彼女を助けようと奔走するお話。当初は運営なんだから難なく助けられるのでは?と考えましたが、そう単純でもないようで。ゲームはWEB配信されており衆人環視。仮にそんなのお構いなしに救出しても、口封じされては意味が無いと。なるほど。逆に言えば、ゲームを規定通りクリアさえすれば、約束どおり報酬が支払われ開放されるということ。正直眉唾ですが、少なくとも運営末端レベルの認識はそうなのでしょう。で、彼女を生き残らせるための作戦が、本ゲームの裏で極秘に進行します。他のプレイヤーからしてみれば『とんでもない話』ですが、何となく流せてしまうのは、この程度の『出来レース』や『依怙贔屓』は現実社会で日常茶飯事だからです。残念ながら。また、主人公が見返りなく破滅のリスクを背負った点も、彼を許せる要因となっています。2人は血縁でもなければ、恋人友人でもありません。一時の家庭教師と生徒など、他人と変わりません。赤の他人の為に彼は命を懸けました。だから嘘臭いとか偽善だとは思いません。中村倫也主演の『人数の町』、昨今のコロナ感染予防に対する姿勢、あるいは某メンタリストの発言にしてもそうですが、人は顔が見えないとただの数字に変わります。いくらでも鈍感になれるもの。でも本当は一人ひとりに人生があり、決して軽んじられものではないはずです。顔見知り程度だとしても、主人公の中で眠らせていた『想像力』と『倫理観』を呼び起こすのに十分な刺激だったのだと思います。 さて、物語は意外な結末を迎えますが、ヒント・伏線の類はきちんと提示されており、注意深く観察していれば主人公より早く『真相』に辿り着く事も可能だったと思われます。サスペンスとして上質な証。ただし、冷静になればなるほど、プレイヤーの人選や事前準備等に疑問が湧くのも事実。そんな設定上の粗を有耶無耶にしてしまうのが『早仕舞い』でした。真相を明かしてから終幕まであっという間。整合性をとるだけでなく、観客を煙に巻くのもテクニックのうち。今回も脚本は良い仕事をしていたと思います。 深夜ラジオのネタコーナーなど、レギュレーションを守らないぶっ飛んだネタのウケは良いですが、同時にコーナー終焉が近いことも意味します。今回の変則仕立ては、その事を強く意識させるものでした。
[DVD(邦画)] 7点(2021-08-31 19:35:11)(良:1票)
16.  志乃ちゃんは自分の名前が言えない 《ネタバレ》 
タイトルは主人公、吃音症の女子高生・志乃を指すもの。彼女と“音楽好きなのに音痴”なクラスメイト加代との友情を描く物語です。2人ともコミュニケーション能力に難あり。各々が自認する短所が足枷となって、他者との関わりを拒んでいる状態です。傷つくのが怖い。そんな2人が惹かれ合ったのは必然であったと考えます。面白いことを書いてみろと振られ『お〇〇〇〇』と書く勇気。そしてそれを正解とする度量。『踏み出す勇気』と『相手を理解する心』が2人を結び付けました。加代は志乃にメモ帳を与え、志乃は加代に歌声を贈ります。2人は互いに補い合う関係であり、双方にメリットがある“ウインウイン”の間柄でした。 ところが『空気読めない君』が割って入ってきた事で、その関係に変化が訪れます。これは当然の化学反応。『与える』=『受け取る』で均衡が取れていた2人の『心のエネルギー』が第三者によって分散されるのですから。それでいて見返りが無い(感じられない)。志乃にしてみれば、損しかありません。これを防ぐのが『排他的友人関係』です。私たちが集団生活をする上で、最初に獲得する対人関係術と言えましょう。このスキルを未習得であったが故に、2人は入園児と同じ『みんな仲良く』精神を発揮してしまったと考えます。もちろん孤独の辛さを誰よりも知っている2人だからこそ、彼に情けを掛けたワケですが、人助けをするだけの余力も技術も2人は持ち合わせていませんでした。これまで対人関係スキルを磨いて来なかったツケが露わになった結果とも言えます。 一度壊れた友人関係を再構築するのは非常に困難です。それでも加代は志乃と親友でありたいと願いました。いや音楽ユニットを組む『仲間』でしょうか。彼女が文化祭で披露したオリジナル曲は、いわば志乃へ宛てたラブレター。想いの丈をメロディに載せます。初ステージで披露するのに、どれほどの勇気が必要だったでしょう。自身の短所をさらけ出す覚悟に胸が震えました。果たして彼女の捨て身の告白は、志乃にも届いた様子。彼女もまた自身の胸の内を吐露したことで、大きな一歩を踏み出せたようです。 しかし、エンディングに2人が寄り添う姿は描かれません。友人関係が再構築された様子はなく、以前と同じ孤独な戦いを強いられている事が示唆されます。しかし絶望する必要はありません。彼女らはもう知っているから。他者と関わらない安らぎより、遥かに勝る幸せがあることを。閉じた世界に甘んじるより、開かれた世界で沢山の喜びを探そう。恥をかき、傷ついたことで、彼女らは大きな武器を手にしたはずです。自己肯定感さえあれば、人生は、戦える。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-08-25 18:53:42)(良:2票)
17.  シライサン 《ネタバレ》 
ネタバレしています。未見の方はご注意ください。  シライサン呪殺システムについて整理してみましょう。”シライサン“の名前を覚えている者の元へ、眼が異様に大きな女が現れてその者の命を奪う。頻度は3日に一度。襲う相手は呪殺候補名簿搭載者からランダムに選んでいるようで、該当者が多ければ多いほど、殺される心配は少なくなります。主人公の試算によれば、1万人対象者がいれば一生のうち一度女がやって来るかどうかの低確率だそう。確かに計算上はそうでしょうが、意識的に覚える気のない与太話など、右から左に抜けるでしょう。本作のような『広報映画』を一本作った程度ではとてもとても。つまり危機管理的には、名簿搭載者を増やす継続的な努力が欠かせない訳です。要するに、ネットを利用した生け贄確保が必須だと。これは、昨今社会問題となっているSNSを通じた誹謗中傷と何ら変わらない気がします。生け贄を探す者は、自身もまた生け贄となる宿命から逃れる術はありません。あな恐ろしや。観客はこの映画を観てシライサンに呪われたのではなく、映画を観る前から既にシライサンの呪いは社会に蔓延していたことに気付き慄く仕立てです。シライサンは、まさにSNS時代の貞子でありました。なお劇中では、女から眼を逸らさない事が死から逃れる有効な方法と紹介されていますが、SNSで誹謗中傷を受けた場合はむしろ逆という気がします。眼を瞑るが正解。SNSなど辞めてしまいましょう。自身が認知しない悪口など、無いのと同じですから。とかく馬鹿にされがちな情報弱者ですが、不要な情報を遮断することもまた情報過多社会を生き抜く上で必要なスキルと考えます(エゴサーチ厳禁です!)。最後にシライサン本体について。特異なビジュアルといい、登場方法や佇まいといい、なかなかイカしてます。ホラー映画界にミスコンテストがあれば優勝じゃないかと思うほど。ホラークイーンとしてのポテンシャルはあの『口裂け女』に負けず劣らず素晴らしいと思いました。(以下余談)名前を忘れることがシライサンに殺されなくて済む最強の防御法ですが、彼女に名簿抹消通知でも行くのでしょうか。あるいは現れた時「どちら様?」感を出されたら、すごすごと帰るのでしょうか。その姿を想像すると、ちょっと不憫な気もします。
[DVD(邦画)] 5点(2020-12-10 19:26:16)
18.  屍人荘の殺人 《ネタバレ》 
『吹雪の山小屋』や『絶海の孤島』といったミステリー常套の『日常遮断』状況を、『ゾンビ』を用いて成立させたアイデアは『いちご大福』なみに斬新で、さらに『ゾンビ』の特性を密室殺人のトリックのタネ仕込んだり、徹底してグロテスク描写を排除したりと、ミステリーとしてもゾンビ映画としても、意欲作であるのは間違いないでしょう。まず注目したいのが『ゾンビ』の定義。一般的には以下の条件を満たすものが『ゾンビ』と考えられます。①死人であること②人を食らうこと③知能減退と感情喪失④ゾンビに噛まれるとゾンビに変わること⑤頭が急所であること⑥もう人間には戻れないこと。細かな条件はもっとあるでしょうが、大まかこんな感じ。さて本作の感染者たちは『ゾンビ』と言えるでしょうか。答えは『わからない』。③④の条件は満たしていますが、②⑤は微妙(食らうというより噛んでいるだけ。ゾンビじゃなくても頭を破壊されれば死ぬでしょう)、①⑥は未検証です。にも関わらず館に立て籠った人たちは早々に『襲ってくる顔色の悪い人』を『ゾンビ』と認定しました。これをもって『短絡的』とか『あり得ない』と非難する気はありません。トイレに落ちてた『かりんとう』は、もう『アレ』にしか見えないのと同じ。それより、イチホラー映画の架空の設定が、常識化している事実に感動します。ホント『ゾンビ』は偉大な発明です。さて、次の焦点は『ゾンビ対処法』。人々が取った作戦は専守防衛でした。これは当然の選択です。救助が来るのは時間の問題ですから。彼らは『正当防衛』でしかゾンビを殺していません。ただし『殺人(殺ゾンビ)』の倫理ハードルは常識より遥かに低く設定されています。これは『武器』を手にした効果と考えます。映画『トレマーズ』のガンマニア夫婦同様、『武器』があるなら使いたいのが人情というもの。死が隣り合わせにあり、武器を手にし、倫理ハードルが異様に低い状況で『復讐』は決行されました。もちろん犯人には『覚悟』がありましたが、土壇場で踏み留まる可能性も十分にあったでしょう。また犯人は『ゾンビにすれば2度殺せる』と憎しみの感情を吐露していますが、『一度ゾンビにしてから殺せば心が痛まない』理由もありそうです。いずれにしても『環境』が『復讐』を後押ししたのは確か。『場の空気』とはかくも恐ろしいものです。そういう意味で、比瑠子ちゃんが明智ゾンビを殺した件も『場の空気』に違いませんが、彼女の場合は積極的に利用したのです。そもそも比瑠子ちゃんが明智と葉村くんを合宿に誘ったのは、ワトソンを明智から奪い取りたかったから。優秀な人間は千載一遇の好機を逃しません。迷探偵から名探偵へ『ワトソン君の移譲』が本作の裏テーマでありました。本作は、いわば新探偵コンビ結成エピソード。そうだとしても、明智恭介という愛すべき超優良キャラクターを葬った罪は重大であります。責任を取って比瑠子ちゃん&葉村君コンビが活躍する続編をつくって頂きたいと思います。できればコメディ強めで。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-25 08:26:33)(良:1票)
19.  シグナル100 《ネタバレ》 
荒唐無稽な洗脳技術については、実はそんなに気になりません。例えば神様や宇宙人の手にかかれば魔法の動画をつくるなど造作もないでしょう(完全にトンデモSFコースですけど)。ゲームルールには従うのみ。問題は攻略法です。あまりに『無理ゲー』過ぎました。ヒントもなく「100の自殺誘発行動に気を付けろ」と言われて、どうしろと。でもゲームに参加した(させられた)以上、文句を言っても仕方ありません。お客様相談窓口は無いのですから。こんな状況でもゲーム攻略のカギ『100のシグナル』を素早く解読した者がいました。彼だけ特別に便宜を図られていたワケではなく、スタート地点は皆同じ。彼は自らの才覚で『情報』を獲得したのです(ただし過程に説得力がないのは困りもの)。このゲームの本質は究極の先手必勝。文句しか言わない人、のんびり屋など即死ですよ(私のことです)。『情報』は『武器』に同じ。悪人として描かれている彼ですが、情報を独占した事を責めるのはお門違いというものでしょう。戦争で敵に武器を分け与える人などいません。それより平和ボケが抜けない主人公たちが愚かだと知るべきです。さてこの構図、「資本家」と「労働者」の関係に見えなくもありません。「持てる者」の圧倒医的なアドバンテージの前に、その他大勢の「持たざる者」が抗うのは困難を極めます。資本主義の問題点を揶揄した社会派の作品だったら恐れ入りますが、多分そんなワケありません。 前述のとおり『無理ゲー』ですから、ゲームとしての面白さは皆無です。しかし『死に方コレクション』として楽しむ手はあります。でも『ファイナル・ディスティネーション』や『ソウ』シリーズのような凝ったギミックや理念も無ければ、ゴア描写も程々。殺しのエンターテイメントとしても、満足いくレベルに達していないと感じます。結論。好事家か橋本環奈マニアでなければスルー推奨です。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2020-10-15 18:55:13)
20.  白ゆき姫殺人事件 《ネタバレ》 
夕子の言葉『みんな自分に都合の良いように言う』は、なにも赤星の取材対象者に限った話ではありません。彼女自身は元より、物語上『謎解き』に該当する城野の回顧文にさえ当てはまります。嘘偽りだけでなく、自身すら気づかない改編もあるでしょう。事実を認定することは出来ても、それが真実とは限りません(だから「真実はいつもひとつ!」と能天気に断言する探偵さんにモヤるんですけど)。斯くもあやふやな『真実』が流通しているのが実態です。こうなると『信じたいものを信じる』のもアリな気がしますが、おめおめ騙されるのも癪な話。少しでも真実を見極めたいのが人情です。この際大切なのは自分の頭で判断すること。権威、宗教、思想等の『ものさし』を機械的に利用するのは要注意です。これらもまた『自分に都合の良いように言う』の例外ではありません。城野父のように『世論』という『ものさし』に踊らされぬために。疑問を持つこと、反省すること、広い世界を知こと。意識して自らに負荷をかけ、健全な心身を保つことが、後悔しない明日に繋がると考えます。人間、楽に慣れるとロクなことがありませんから。おっと、今日も日課のウォーキングに出かけなければ。 SNSと対比されるのが、アンとダイアナによる灯交信でした。情報量、スピード、伝搬力、どれをとっても蝋燭の火と比べるべくもありません。ただ、唯一勝る点があるとすれば、それは「相手を思いやる心」なのでしょう。ここに居る。あなたを気にかけている。それだけのメッセージで救われる命もあります。「昔は良かった」とは思いませんし、進んだ文明の針を戻すことも出来ません。SNSに限らず、包丁だろうが、原子力だろうが、あらゆるテクノロジーの基本は同じ『諸刃の剣』です。私たちに出来るのは『正しい目的』で使用すること。危険性を知ること。トラブルの対処法を身に付けておく事も肝要であります。主人公に降りかかった災難は、今や交通事故と同じ。いつ誰が被害者だけでなく加害者になっても可笑しくありません。ラスト赤星が城野に轢かれかけたのはそういう意味。SNSに規制をかけることも必要ですが、それ以上に使用法の教育が重要なのは言うまでもありません。本事件を『他山の石』としない手はありません。 ネットの声やマスコミにより『世論』が形作られていく過程は、私たちが経験している日常と相違なく、十分なリアリティと恐怖をもって物語に望めました。そんな観客の思いを受け止める当事者・城野美姫を演じたのが井上真央さん。証言者ごとに『城野美姫』は姿を変え、実体を掴ませません。この演じ分けはお見事でしたし、美人女優が平凡・地味女を演じる違和感がまるで無かった事にも驚きました。演技派女優の実力を思い知りました。『八日目の蝉』を越えて、本作を井上真央さんの代表作としても良い気がします。
[インターネット(邦画)] 8点(2020-10-10 17:23:40)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS