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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2257
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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561.  お姉チャンバラ THE MOVIE
邦画C級アクションにありがちな“おちゃらけ”が無かったのは意外でした。冗談抜きでシリアス路線。この製作姿勢は支持したいのですが、悲しいかな出来の良し悪しとは別の話。90分足らずの尺ながら体感は2時間超。退屈しました。内容的には10分で終わる物語ですから。エフェクト盛り沢山の殺陣は見ごたえがありましたが、誤魔化している感は否めません。良くも?悪くもゲーム原作らしい映画だったと思います。
[DVD(邦画)] 3点(2013-01-19 01:08:16)
562.  幻の湖 《ネタバレ》 
長尺&奇天烈な場面転換にクラッシックを噛ませることで、得も言われぬカルト臭を放っている作品。しかし決して難解ではありません。それもそのはず。重要な事は全て台詞で説明してくれています。シーンキャプションも必要以上。解らないのは、監督のセンスということ。まるで奇書『ドグラマグラ』のチャカポコチャカポコの如く、延々と続くマラソンマッチに息も絶え絶えになっている観客に突きつけられるのは、大気圏から飛び出し琵琶湖の上に笛を置く驚愕のラスト。何のこっちゃ。そりゃア然として当然です。抽象的なタイトルで芸術作品を装うのではなく、ストーレートに『メンヘラトルコ嬢の仇討マラソン~ヤッパ付きやねん~』で明確にブラックコメディであることを宣言した方が得策であったと思います。BGMはザ・プロディジーのテクノ(Breatheなんかこの映画のためにあるような楽曲!でも残念、こちらが後発でした)でお願いしたいところ。それにしても南條玲子は素晴らしかったです。演技力はさておいても、それを補うお顔が100点満点。正面からのアップで際立つ、大きさの違う左右の瞳。アシンメトリーが放つ居心地の悪さが、彼女の狂気を雄弁に物語っていたと思います。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-16 18:27:14)(良:1票)
563.  極道めし 《ネタバレ》 
とある刑務所のとある雑居房で繰り広げられる『美味いめし話選手権』。今まで食べた中で一番美味かった料理の話を競い合うというもの。相手に生唾を飲み込ませる事が出来れば得点。優勝者は、正月の特製弁当の中から好きなオカズを1品ずつ頂戴できるご褒美。何と言っても、披露される料理のチョイスが絶妙でした。卵かけごはんは、焼きトウモロコシとバター入り。カレーがけオムライスに中にはびっくりカルボナーラ。すき焼きのタレは特製ミソベース。インスタントラーメンも一工夫。観客に既知の味覚を頭で再現させるのではなく、どんな味なのか想像させるところがニクイです。料理の背景にあるドラマ込みですから、感慨もひとしお。中でも新入りチンピラのエピソードが物語後半の核となっています。まるで『幸せの黄色いハンカチ』をなぞるような展開に、期待と不安が入り混じります。めしは人生と共にあるもの。ときに心を和ませ、ときに心をえぐり、全てが血肉にかわっていく。あの再会ラーメンの描写は反則でしょう。泣けました。チンピラくん、いい男になれよ。エンディングもこれしかない『上を向いて歩こう』。(でもここはカバーじゃなくて坂本九のオリジナルで締めて欲しかったです。)めし話の再現ドラマのチープさといい、刑務所の日常の描き方といい、監督の意思と意図がよく伝わってくる演出は素晴らしいと感じました。MVPは麿赤兒で文句なし。木村文乃にはお年玉をあげましょう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-10 18:57:57)(良:1票)
564.  アフロ田中 《ネタバレ》 
社長「これはこれは、無断欠勤中の田中くん。今日はどうしたんですか」田中「はい。私、今日はずっとダラダラとしておりました。あ違います。正確にはヘラブナ釣りを少々」社長「で、わざわざ私を探しに来たということは、私に何か言う事があるんだろ」田中「いえ、私の方からは何も言える事はありません。あるのはただ、無断欠勤をしたという事実だけです」社長「だからこそね、何か言う事があるんじゃないのかってこと」田中「いえ、私からは何も。あるのはただ、無断欠勤をしたという事実だけです」社長「そこを押すよな、さっきからな。ま、でも一応反省はしているんだよな」田中「それはもちろんです。社長」社長「ん、それならまあ今後マズい事やんないようにな」田中「ありがとうございます。失礼します」社長「もやもやするなあ」以上完全再現させていただきました。この件に大爆笑。腹を抱えました。完全無欠の謝罪技術、社会人なら是非身に付けたいものです。さて、本作の長所はキャラクター造形の素晴らしさに尽きると感じます。超絶美人だけれど、今まで魅力的とは一度も思った事がない佐々木希を、これだけ愛おしく撮れるのは凄いと思いますし(『ハメ●り?!』なんて台詞を吐かせたのは金メダル級の大仕事)、悪友たちもみな、肩の力が抜けていてイイ感じ。そして主演の松田翔太。菩薩もびっくりアルカイクスマイルから、悩み慄く眉間の皺まで、表情豊かで観ていて楽しかったです。童貞倫理審議会が認定する優良童貞ボーイでありました。そんな田中にシンパシーを感じてしまう自分が情けないやら愛おしいやら。披露宴会場ロビーにて、肩を寄せ合いタバコをふかす野郎どもが美しく見えました。失恋上等。情けなくてバンザイ。死ぬ間際、きっとあいつら5人は思いだし笑いで死ねる。そんな人生の一コマを集めるために、人は生きていくのだと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2013-01-01 00:00:00)(良:3票)
565.  ライアーゲーム-再生- 《ネタバレ》 
テーマ、オチ共に劇場版『ファイナルステージ』と同じです。ですから感想もやはり同じで、「1億円はそんなに軽々しく扱える金額じゃねえぞ」と思ってしまいました。馬鹿正直の神崎直が言うならまだしも、本作のヒロイン篠宮優は至って普通の人。訴えかける力も弱い。敗者の居ないハッピーエンドの結末が、空虚な絵空事に思えてしまいます。また、前作に比べてキャラクター造形が弱い点も気になりました。衣装は派手なのに、人格が際立ちません。秋山のライバル格・桐生、教祖様張本。準主役級はもっとクレバーに、そしてアクを強く。要潤、小池栄子、野波麻帆らいい味を出せる役者達には見せ場を与えて欲しい。そしてレギュラー福永。トラブルファクターを上手く活かしてこそ脚本家の腕の見せ所かと。キャスティングは素晴らしく豪華なので、この使い方では不満が残ります。椅子取りゲームと見せかけての国盗りゲームというアイデアは秀逸で、戦略も見応えがありました。ゲームから脱落した者たちが鍵を握るという仕組みはイイですね。それだけに、この出来では勿体ないと感じます。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-31 23:59:01)
566.  恐怖新聞(2011) 《ネタバレ》 
恐怖新聞は呪殺プログラム?新聞配達人が鬼形と因縁浅からぬ同級生であった事から、まるで同級生が主人公を呪い殺そうとしている印象を受けます。「許さない」なんて恨み節まで吐いていますし。しかし呪いの主は同級生ではありません。そもそも10年程前の恨みを、今になって晴らす必然性がありません。新聞を送りつけている呪術主は、ラストカットで明かされます。主人公のバイト先、喫茶店すずらんのマスター。恐怖新聞の入った棚に、呪いの人形をしまう姿が示されています。何故、マスターは鬼形を呪う必要があったのでしょう。いや、何故恐怖新聞を送りつけたのでしょう。何十年も続いている喫茶店。そのマスターは年齢不詳。霊気探知機もマスターに反応していました。棚の数だけ恐怖新聞を送っているとしたら…奪った寿命でマスターは不死を手に入れていると推測されます。恐怖新聞は呪殺が目的ではなく、永遠の命を実現するためのシステムだった?!ちなみに、喫茶店名“すずらん”は毒草です。花言葉は幸福とのこと。なるほど。おそらく日刊は撒き餌。本命は号外で寿命を一挙に獲得すること。今回は上々の成果と言えるでしょう。童顔俳優の宮川一朗太をキャスティングしたのも道理というワケ。この設定は面白いと思いました。ただ、お楽しみの謎解きは淡泊過ぎて拍子抜け。主人公の“50年”の扱いもあまりに軽いと感じました。彼が命をなげうったのは“贖罪”のため?それとも愛する彼女を救うため?彼の葛藤はテーマの根本を成すもの。ドラマ処理が不十分でした。やはり映画で70分は短尺。もっともっと恐怖新聞の世界を楽しみたいと思いました。
[DVD(邦画)] 5点(2012-12-16 21:58:52)
567.  口裂け女 リターンズ 《ネタバレ》 
劇場版『口裂け女』シリーズ最新作。今回の“口裂け女”は、三叉村で祀られる生き神だそうです。興味深いのは、生まれながらの口裂け女もいれば、後天的に口裂け女になる者もいる点。前者は完全に怪物仕様で人肉を食らいますし、後者はアクシデント等で口裂け状態になる模様。いずれにしても村では、常に口裂け女が存在する理屈です。口裂け女は、差別と畏怖で村人を纏める存在とのこと。三叉という土地が口裂け女を生む。もはや都市伝説とは関係なくなっていますが、これはこれで悪くない設定だと思いました。口裂けの生き神としての権威は絶対的で、逆らう村人は皆無。皆大人しく殺されます。つまり、口裂けに対抗できるのは部外者のみ。如何にしてビジターである主人公が口裂けの呪縛を断ち切るのか、また何ゆえ三叉の地が口裂けを生むのか等、掘り下げれば面白くなりそうなポイントは多々あったのですが、まるっとスルー。折角の設定を活かせていない残念な脚本でありました。ナチュラルボーン口裂け女の造形もセンスを感じません。あの口は、一歩間違えばギャグでしょう。『口裂け女ビギニング』に負けず劣らぬトホホぶりありました。今回もトホホラー。以下余談。劇場版『口裂け女』シリーズのタイトルについて。『2』の次に『ビギニング』そして今回『リターンズ』ときました。続編があるなら『またまた口裂け女』『もっとも口裂け女』『まだまだ口裂け女』『口裂け女フォーエバー』なんて如何でしょう。舘ひろし繋がりで『口裂けてない!』もアリかな。失礼。舘ひろし関係なかったですね。
[DVD(邦画)] 3点(2012-12-13 22:25:06)
568.  SPACE BATTLESHIP ヤマト
自分はヤマト直撃世代です。「地球滅亡まであと○日」の煽り文句に燃えたクチ。劇場版のフィルム文庫(懐かしい)も所持していました。でも本作を鑑賞するに当たって、不思議なほど“思い入れ”はありませんでした。一応、大人になったのかな。アニメ『宇宙戦艦ヤマト』とは別物。そう割り切って鑑賞できたと思います。そんな自分の率直な感想は、“いつもの木村拓哉主演映画”。貶しているワケではありません。どの映画でもキムタクはキムタク。良しにつけ悪しきにつけ、彼色に染めてしまいます。俳優としての幅は望めないかもしれませんが、彼の場合はこれでいい気がします。イメージに合ったキャラを演じ続ければいいのです。最終的には目指すのは田村正和。スターはみんなで守り育てないと。本サイトの作品ジャンルに「キムタクもの」を入れても良いとさえ思います。失礼。無駄話が過ぎました。それではキムタク以外の事柄について感想を述べたいと思うのですが…特にありません。でもそれも仕方が無い。だってそれが「キムタクもの」の宿命なのだから。
[DVD(邦画)] 5点(2012-12-07 20:58:51)(笑:2票) (良:2票)
569.  先生を流産させる会 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。ご注意を!) 実話ではなく、実話にインスパイアされた創作物語。生徒を男子から女子に替えたこと、そして結末部分は実際の事件とは異なるようです。此処に監督の思い(意図)が込められていると考えます。お腹の子を殺された母親が、教師として加害者を守る衝撃の結末が意味するのは何なのでしょう。“それが人として正しい姿。罪を憎んで人を憎まず。”という純粋な解釈でよいのでしょうか。あるいは、ミヅキの言葉にあるように、母は子の存在を“無かったこと”にしたのでしょうか。幼子が目の前で殺されて、殺した人間を擁護できる母親がいるかと考えた場合、確かにミヅキの言葉は真実味を増します。エピローグは死んだお腹の子を利用して、生徒に更生を促したようなもの。教育者としては正しい。でも、あまりに残酷な光景です。果たして、この映画が伝えたかった事は何だったのでしょう。恥ずかしながら、自分には分りませんでした。このテーマを扱うのであれば、監督の意思を真っ直ぐに突きつけて欲しいいと思います。例えば『告白』のように。
[DVD(邦画)] 6点(2012-11-28 17:57:36)
570.  デッドボール
SHSHI TYPOONレーベル作品全般に言える事ですが、本作も正気の沙汰とは思えぬ脚本でした。分別ある大人の鑑賞に堪えうる映画とは思えません。でも観終えて何となくアリだなと思わせるのは、役者の技量に依るところ大かと。主演はお馴染みの坂口拓。当代きっての馬鹿映画役者です。自慢のアクションは控えめでしたが、あの雰囲気は彼でなくては醸し出せないもの。タバコの吸い方もカッコイイです。そしてもう一人。準主役の星野真里嬢です。ビン底メガネの少年コスのハマりっぷりと言ったら絶品(制作時もう30歳ですよ!)。清楚なイメージのある彼女がこんなバカ映画で鼻血を飛ばし、爆発ちりちりカツラを被ってくれるなんて、もう個人的に10点進呈しても惜しくありません(単純に私が無類の星野真里ファンだというだけなのですが)。なんとか理性を働かせ、常識的な採点としておきますが、星野真里フリークにとっては、ある意味『さよならみどりちゃん』以上のお宝映画かと。やっぱり、星野真里いいですわ~。
[DVD(邦画)] 6点(2012-11-21 20:27:02)
571.  DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る
前作より遥かに見応えがありました。ただ、皆様のように熱く語る言葉を持ち合わせません。ですから一言だけ。河西智美さん、元気そうで何よりです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-11-18 20:28:54)
572.  ラビット・ホラー 3D 《ネタバレ》 
(いきなりネタバレの記述があります。未見の方はご注意ください)  主人公(キリコ)は、継母とお腹の子を殺めてしまった衝撃で、自らの声を失いました。人魚姫が声と引き換えに足を手に入れたように、彼女は自身の声を差し出し架空の弟を生み出す事で、心の平静を手に入れていたと言えます。それ程までに凄まじい罪の意識です。元の姿に戻るため、人魚姫に魔女が出した条件とは、愛する王子を刺し殺すこと。主人公も同じです。実在しない弟大悟に刃を突き刺し、彼女は現実を受け入れました。自らの重過ぎる罪を“再認識”した彼女に残された道はひとつ。あの結末は必然でした。罪悪感から逃げ続けてきたキリコの10年。人魚姫と同じように泡となって消え去りたいと彼女は願ったのでしょう。血の海で、彼女はやっと安らぎを手に入れる…。妄想(大悟)が父に憑りつき~とキリコは述べています、オカルト方面に解釈しなくてもいい気がしました。心を病んでいたのは彼女だけではないのですから。童話『人魚姫』をモチーフに描かれるサッドストーリー。ただし『人魚姫』との対比があからさまで、やや品を欠く印象を受けました。父制作の絵本のタイトルは、エンドロールで明かされる程度のさり気無さで十分だったと思います。丁寧なアナウンスも結構ですが、“観客の気づき”を利用する方が、より深く観る者の心に刺さるのではないでしょうか。また、個人的には主人公に“死”以外の救いの道を提示して欲しかったとも思います。劇中上映されている『戦慄迷宮』の前日談とも位置づけられる、言わば『戦慄迷宮』の姉妹映画。ホラーとは無縁のカワイイ小動物ウサギが鍵となっていますが(そういえば田畑智子主演の『哀憑歌』なんて映画もありましたね)、『戦慄』作成時から本作の構想はあったのでしょうか。ちょっと気になるところです。監督はあの美しい螺旋階段をよほど気に入ったと見えるので、もしかしてシリーズ化もあるかな?最後に、無策にJポップを使用したエンディングに異議を唱えておきます。雰囲気を壊すほど酷い音楽とは思いませんが、適切なBGMであればもっと余韻を味わえた気がします。勿体ないです。商業的な兼ね合いもあるのでしょうが、この部分で損をしている邦画は多いのでは。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-11-15 18:28:58)
573.  ライフ・イズ・デッド 《ネタバレ》 
スーパーの店内でごみを持ったまま立ち話をしてしまった消子が、店長から呼び出されて注意を受けるシーンがあります。この場面は何の為にあるのでしょう。後に消子に解雇を言い渡す店長の性格を表現しておく伏線?あるいはゴミをUDVに感染している兄に見立てたメタファー?いいえ違います。単なる日常の一コマです。それが素晴らしい。料理で例えるならパセリ。料理を引き立てる名脇役。このシーンも同じです。例えばドラマの中に知人や地元の風景が出てきたらテンションが上がるでしょう。普段目にする(見た気がする)光景は、観客を作品世界に引き込む力を持っていると考えます。画面の中の世界と、自分の世界が繋がる感覚。荒唐無稽な設定でありながら、現実の社会問題を扱っている作品にとって、リアリティは生命線です。あっても無くても構わないような、些細な1シーンがそんな役目を担っているのは凄い事じゃないでしょうか。終始緩めのコメディの空気を纏いながら進む物語に、起伏はありません。淡々と、粛々と、予想通りの結末へ向かいます。正直、娯楽作品としての面白さはありません。でも悪くないのです。本気の家族愛が其処にはありました。いい映画だったと思います。キャストも好評価。吉高由里子と見紛うルックスの消子役・ヒガリノはこれから要注目。化ける可能性大です。お母さん役の円城寺あやも良かったです。しほの涼もハマり役。病的なまでの極細ボディが役に立ちました。そしてお父さん役の小林すすむ。大ヒット作『踊る大捜査線』にも出演していますが、正直印象に残っていません。自分世代にとってはヒップアップの“目立たない人”。でも本作は違いました。上手いとは言いませんが、渾身の演技だったと思います。氏の代表作だと胸を張れる映画かと。最高のパセリ俳優に敬意を表し、謹んで+1点献上いたします。
[DVD(邦画)] 8点(2012-11-06 20:26:06)
574.  指輪をはめたい 《ネタバレ》 
一言でいうなら、『ドリーマー片山くんの修羅場天国』。もうね、片山くんが羨ましくて。「何のために絆創膏持ってんの?思いっきり転ぶためでしょ!」って、なんて素敵な言葉なんでしょ。何も無いより、辛くても、苦しくても、思い出はあった方がいいと思ってしまいました。美人で性格も素晴らしい、個性豊かな3人の乙女たち。寿司とカレーとラーメンなら、そりゃローテーションで食べられたら最高でしょう。浮気の魅力というか、“魔力”の一端を垣間見た気がします。もっともこれはファンタジー。本当の修羅場はこんなもので済むはずもなく、失恋で狂っていたとはいえ、何の落ち度もない3人の女性を傷つけた事実は消せません。(寝ている彼女の指に指輪をはめてみるって、そりゃ気づかれたらダメでしょうよ…)片山くんが再起不能にならなかったのは監督(女性でしたか!)の武士の情けといったところでしょうか。自身の心にケジメをつけた彼は、ゼロからスタート出来ますもの。妄想シーンは『嫌われ松子の一生』の方法論と同じ。痛い物語には幻想的なデコレーションが相応しい。いろいろと勉強になる映画でしたが、一番感銘を受けたのは別れの台詞でした。「あなたといてもツマラナイ」抽象的なのに的確かつ圧倒的な人格否定。コレを言われたら、ちょっと立ち直れないです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-30 18:28:41)
575.  電人ザボーガー 《ネタバレ》 
笑いの構成としては、一部が前フリで二部がオチ。ところが一部が、単独で十分に面白いのです。すでに笑いとして完成しています。こうなると二部の立つ瀬がありません。単に悪ふざけ。『ごっつええ感じ』のコントを観ているような気分でした。それでも終盤の盛り上がりはなかなかのもの。観終えてみればトータルバランスは取れていたように思います。不思議な魅力を持った映画でありました。それでは、まず一部の感想からまいりましょう。何と言っても、石川遼似の青年大門・古原靖人が素晴らしい。まさしく熱演。生真面目な演技だからこそギャグが際立ちます。元グラビアアイドル山崎真実は、ミスボーグの悲哀を見事に体現していました。二人の“全力演技”が茶番に魂を吹き込んでいます。人間とサイボーグがまぐわうシーンなど、もはや正気の沙汰とは思えませんが、ジャンルを超越した“訴えかける何か”があったのは間違いありません。二部の方は前述のとおり、コントと何ら変わりませんが、ザボーガーの戦闘シーンは『アイアンマン』と見紛うほどに素晴らしいものでした。冗談抜きで、ザボーガー格好良かったです。それにしても佐津川愛美は役を選びませんね。若手女優NO1のオールラウンダーかと。正直諸手を挙げて褒めてよいものかどうか戸惑うのですが、これが『片腕マシンガール』の井口監督の味。クセになりそうな自分が怖いです。一部が8点、二部が6点、間を取って7点の採点です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-27 19:53:54)(良:2票)
576.  シャッフル(2011) 《ネタバレ》 
(以下は私的な勝手解釈です。また重大なネタバレを含みますので、未見の方はご注意ください)見終えて最初に抱いた感想は「どんでん返しの為のどんでん返しはツマラナイ」でした(↓なたねさんと同じです)。そう思えるのは、あまりに脚本が雑だから。彼女は何故死んだふりをしたのか。エドモンドの告白ビデオって辻褄合ってます?正確な時間に絶命させる毒とは。理想の町ミツルギ町の違和感(吸殻一つ落ちてないと言う者がいる一方、駅前はゴミだらけ。どうして住人はカウボーイスタイル?直下型の大地震が起きた割には被害が軽過ぎないか等々)。ラスト宙に舞った紙幣は万札でした。まだアジアドルに換金していなかったの?単に稚拙で片付けるには矛盾や齟齬が多すぎました。やっとそこで気づきます。再三繰り返される「誰も信じてはいけない」という台詞の本当の意味を。物語を額面通りに受け取ってはいけないのだと思います。読み解くヒントはスモーク(煙)。銀行、駅前、そして舞台となる旧ワイン工場。至る所に煙がありました。某有名難解映画監督作品と同じ意味で、この記号が用いられているとしたらどうか。ミツルギ町は、この世の町ではない?!数々の矛盾に説明がつき、主要登場人物が短時間に次々と命を落とす展開も理に適います。“シャッフル”というタイトルが意味するところも。洋邦を問わず、この構造を有するサスペンスには時々お目にかかりますが、その多くは謎解きの爽快感が作品の魅力となっていました。その点で、本作は物足りないです。物語の裏に隠された真実へ観客を導けなければ、単に“不出来などんでん返しだけ”の映画になってしまいます。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-21 17:26:57)
577.  ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵
アニメを実写化するならまだしも、二次媒体間同士の変換で監督の色を出すのは大変難しいこと。まさか本作のキャラクターデザインを蛭子能収に任せるワケにもいかないですし。ある筈の無いカメラレンズを汚す血飛沫や、凝ったカットやアングル等、監督の作家性を感じさせる部分は確かに存在しましたが、やはり基本線は原作イメージの最大公約数的な再現。そういうアプローチであったと感じます。ホームラン狙いではなく、確実に塁に出る事を目的としたバッティング。これは、これで勿論正しい。正しいですが、ちょっとツマラナイとも思いました。監督の考える原作の魅力とは何だったのか。それを伝えて欲しいのです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-15 19:25:24)(良:1票)
578.  カイジ2 人生奪回ゲーム 《ネタバレ》 
“地下チンチロ勝負”とは、『賭博破戒録』編前半の天王山。爽快感ではクライマックスの沼攻略を上回るかもしれません。その重要エピソードを削ったのは英断でした。そして大正解。各エピソードを中途半端な内容で再現し、大いに落胆した1作目の反省点が活かされたといったところでしょうか。そう、求められるのは原作エピソードの取捨選択。そういう意味では、原作の世界観に合わないオリジナルゲーム『姫と奴隷』や、地下労働とセットで意味を成す居酒屋での祝勝会等も必要なかったと思います。“沼攻略”については、原作の流れをほぼ再現出来ていました。ただし、カタルシスはありません。イカサマシステムへの対抗策が次々と披露されただけの印象。カイジらがどんな思いで、どんな代償を払って、乾坤一擲の勝負に挑んだのか。その過程は逆に省略してはいけないところです。言い方は良くありませんが、“上澄みを掬った”感は拭えません。本作も『カイジ』の映画化としては物足りないと言わざるを得ません。もっとも、そんな事は前作で学習済みです。失望感に対する免疫が本作の評価を“相対的に”押し上げている一因だと自分は捉えています。ただし、ご指摘の方もおられるように、人食いモンスター台“沼”の再現度や役者の熱演など、制作費に見合う長所があったことも付記しておかなくてはならないでしょう。さて、これで『カイジ』の映画化は一段落。次に福本漫画を映画化するとすれば、『無頼伝 涯』の人間学園あたりが面白そうですが、個人的には『最強伝説 黒沢』を強く推したい。主演は高橋克実で。
[DVD(邦画)] 5点(2012-10-06 19:57:39)
579.  踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!
主要レギュラーだけでも、青島、すみれ、真下、雪乃、スリーアミーゴに室井、そして和久さん。野球チームが作れます。サブレギュラーも含めたらサッカーの試合が出来る。それが『踊る大捜査線』。映画やTVスペシャルで、これだけ多くのスピンオフを生み出したドラマシリーズは類を見ないでしょう。際立つキャラクターが『踊る』の大きな魅力のひとつ。そして彼ら一人ひとりが掛け替えの無い存在でした。大切な2人が抜けた劇場版第3作。代わりに多くの新キャラを投入し、それでは足りずと過去の犯人たちまで呼び寄せます。その判断は妥当だったのかもしれませんが、本作には秀逸なキャラクターを活かす脚本が欠けていたと思います。青島は向こう見ずな所はありますが、馬鹿ではありません。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-03 19:41:22)
580.  踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 《ネタバレ》 
劇場を後にし、まず口をついたのが「バスは無いな…」。一緒に劇場鑑賞した妻と一致した感想でした。青島のカンのみに頼った犯人追跡や、香取+バナナの悪ふざけ(スポンサーの意向があったであろう事は想像に難くありませんが、観客にとっては関係ない話です)、予告篇のためのみに撮られた青島の転倒シーン等、後半は難点満載でしたが、あのバス突入がトドメを刺しました。値千金ならぬ値罰金。なんとか踏みとどまっていたシリアス調の物語が一撃でひっくり返りました。確かにフォークリフトじゃなくて、バスの方がインパクトはあります。でも最低限のリアリティを担保しなかったら、コメディになってしまいます。コメディテイストは『踊る』の大きな魅力の一つ。でも完全コメディになったら『踊る』ではありません。超えてはならない一線を越えてしまいました。また久瀬(香取)が本気で真下の子供を殺そうとしていた事にもドン引きしました。単なるキチ○○ですやん。そしてそのテロが警察の組織改革の発端となるという、結果的にテロリストの思惑通りの結末。青島は和久さんに言われたはず。正しいことをしたかったら上に行けと。偉くなって、組織を中から変えろと。青島や室井が矛盾だらけの組織の中でも信念を失わず、正義を心に秘めて戦ってこられたのは、この思いがあったから。テロが引き金となって世界が変わるなんて希望、自分は見たくなかったです。前半の出来が素晴らしかったのとお疲れ様の意味も込めて6点を進呈しますが、後半の展開はいただけません。いくら室井がサル顔だからって「バナナだ」なんて台詞を言わせたらいかんですよ。
[映画館(邦画)] 6点(2012-09-27 19:57:52)(笑:1票)
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