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エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 644
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ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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81.  逆境ナイン
映画の街と言われた蒲田に住んでいるにもかかわらず、映画を観るにはシネコンのある川崎まで出向かなきゃなんない。この理不尽にも黙って従いつつ電車に乗った。梅屋敷駅から京急川崎駅横のDICEまで、各停で四駅。その間、心が揺らがなかったと言えば嘘になる。4年間待たされ続けた宇宙戦争もあれば、物事の当然の帰結である某巨大シリーズ最終話だってある。それを差し置いてなぜ今、逆境ナイン…? いや、先生は知らない人じゃないしというかデビュー前から札幌某所の集会で彼のバカ話を聞いてたし、某連載で落ち込んでた時にはちょっとだけ愚痴の聞き役になった時もあった。これはこれで、俺にとっては長い歴史の通過点なのだ。…てな事を思いつつシネコンに入ると、案の定ロビーにはトム・クルーズとダコタ・ファニングの辛気臭い顔がデーンと飾ってある。中に入ればスターウォーズのグッズ販売コーナーがドドーンとロビーを占領している。世の中コレしかないかのような大騒ぎだ。…しかし、だ。宇宙戦争のモノであろう重厚で悲壮なBGMと、エピソード3の壮大で耳慣れたBGMの混じり合う喧騒の中で「これが逆境だぁ~!」と叫んでいるスピーカーがあった。その時、不覚にも「宇宙人からの侵略を受けて逃げ惑う人々の中で両手を握り締めて吼える玉山鉄二」を思い浮かべてしまい、ついでに「黒ヘルメット姿で『それはそれ、これはこれ』とのたまう田中直樹」まで想像し、悩むまでもなく、最初から勝負がついていた事を悟ったのだ。俺が住んでる世界はずっと前からあの、青春フェロモンを無駄に撒き散らす熱血バカヤロウどもが溢れた、島本ワールドだったんだ。チケットカウンターに向かうと、迷わず「逆境ナイン一枚」と口にして、カウンターのお姉ェさんが不敵にニヤッと笑うのを見届けた。それでいい。ちょっとハリウッドあたりで寄り道が長かったようだが、オレもようやく本道に戻る事ができたようだ。逆境はいい。バカは多いが、とても心地良い。
[映画館(字幕)] 9点(2005-07-11 01:23:21)(笑:2票)
82.  カムイの剣
えーっ、評価低い…忍者アニメのバックに宇崎竜童の音楽を入れたのは、当時は画期的だったんですよ~! でもま、『AKIRA』のサウンドには勝てませんが。忍法“横一列斜め十五度走り”も、当時けっこうマネしたなあ。
[映画館(吹替)] 9点(2005-05-28 03:59:52)
83.  つげ義春ワールド ゲンセンカン主人
石井輝男信者なんで点数甘いです。でもこんなもんです。つげ+石井って、実は非常に食い合わせ悪いと思うんだけどなあ…。
[ビデオ(字幕)] 4点(2005-04-30 13:55:19)
84.  いかレスラー
買ってきました。これから、見ます。覚悟は決めてます。点数は期待度。  ……実況鑑賞16分目。つかみはオッケー! 演技の大根なんて気にならないこの独特のノリが決め手ッ。 ……実況鑑賞33分目。初泣き。 ……実況鑑賞46分目。熱いぜ ……実況鑑賞52分目。これネタ? ……実況鑑賞70分目。再び熱くなってきたぜ! ……実況鑑賞80分目。燃え燃えだーッ! ……実況鑑賞85分目。はァ? ……実況中継87分目。おいおい『終』って何よ? ……結論。クライマックスやり逃げバカ映画でした(ある意味貴重かも)。点数は維持しときます。 ●追記:心に残る名台詞のサイズ制限に引っかかったんで、こっちにルー大柴の長台詞を引用しときます。「なあいかレスラー君。キミほど現在日本が抱えている混沌とした状況を体現しているレスラーは他にいない。隣国からの核の驚異、テロの驚異。増え続ける悪質犯罪。未知のウィルス。高齢化社会の不安、経済の不安、政治の不安。この時代の雰囲気にピッタリなんだよキミは。10本足のイカの怪物が、キミが日本人レスラーに倒される事でみんな元気になる。得体の知れない怪物が倒される事で、不安は希望に変わる。間違ってもキミは勝ってはならない。キミが日本人レスラーを苦しめ、でも最後は逆転されて負けるところを客は見たいんだ。しかし、影の主役はキミなんだ。イカになってくれてウチとしては返って好都合だ、キミが岩田貫一だとしたらね…イカがかな?」。これ、かなり怪獣特撮の本質を突いてます(いやまあルー大柴の演技には貫禄がないけど)。
[DVD(字幕)] 6点(2005-03-24 01:20:22)
85.  カブキマン
カブキは日本の古典的“大衆”芸能であるからして、当然ながらスーパーヒーロー物の要素を本質的に含んでいる。この舞台様式の裏に隠されたヒロイズムをアメコミヒーロー文化の文脈で解釈し直したのが…ごめんなさい嘘です叩かないで~。いわゆる「ガイジンの想像する勘違いジャパン」ってイメージを狙った企画だったんでしょうが、トロマに製作を任せた事(きっと安かったんだろうな)と、後の江戸木純氏が関わった事で、予想を遥かに上回るバカ映画となりました。当初予定が勘違い度50%だったとすれば、出来上がりは確信犯度98%くらいの高純度です。カブキマン、登場時に見栄切った後でオペラ歌ってますし。刺身じゃなくて生魚丸かじりしてますし。いや本当、捨てる金のあるバブル時代でないと完成しなかったでしょうねえ。ちなみに江戸木氏、序盤で凶弾に倒れる(ってよりミ○○を食ってるシーンの方がインパクト有)老歌舞伎役者サトウ爺をやってます。ほんとバカ映画に体張る人だなー。こんな映画を作るほどにはなれなくても、観て笑い転げるくらいの心の余裕が欲しい今日この頃。敬意を込めて6点献上。●追記:登録の際に imdb を漁っていて気付いたんですが、オーストラリアでは154分のディレクターズ・カット版つうのが公開されてるようです。すげえよ…どうやったらそんなに話が伸びるんだろう…?
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-01-04 19:38:29)
86.  APPLESEED アップルシード
見ている間中、悩んでいました。10点でけなしまくっておくか、1点でほめておくか。今はけなしておく事にします(2006/1/25、キャンペーン終了)。最初にいい点。戦闘シーン「だけ」は素晴らしかった。イラク戦争の先行きが見えない、2004年春という時点でその数十年先に登場するはずの戦闘を肌で感じられるように描いたのは、どんな凡百のニュース映像よりも価値があります。ここで描かれる市街戦は今の市街戦の3倍速い。戦士が自動車並みのスピードで移動して来るし、それを想定して大量の弾幕を張る(あんまり当たってませんが)。この怖さをリアルに実感できるのはいい事です。「被害者○人」なんて数のゲームにうつつ抜かしてる場合じゃない、次の大戦では戦士に体当たりされたら人はペシャンコです。3Dアニメにアレルギーがなければ是非そこを感じて頂きたい。 …あれ、けなすスペースがなくなったけど…とりあえず最悪だと思った劇伴について(集中攻撃になるが、同じような強い不満が製作・脚本・演出にも等しくあると思っていただきたい)。画面で描かれている場面でのキャラクターの感情を補助するタイプの演出は、子供向けアニメの技法だ。アップルシードは子供向けアニメか? あほか。初めてオリンポスを画面に登場させる時、(戦闘シーンの覚めやらない状態の)観客は、まだこの都市を受け入れる準備はできていない。RPGタイプで観客と一体化したキャラであるデュナンも、観客と同じだと思っていい。あそこで醸し出すべき音は「不安・疑念」であるはず。ちなみにこの「人を疑う」という概念にあたるテーマは本作のBGMでは見当たらなかった(原作『アップルシード』で重要なのはここだと信じる。常に疑いを持って思考し続けるという姿勢だ)。バーでヒトミとデュナンが言葉を交わすシーンはどうか。現実のバーで、隣の席の人間とあんな会話を交わす事があるか。バイオロイドの異常性・不条理を浮き出しにする音楽か、作品を通して登場する『バイオロイドのテーマ』でなければならなかったのではないか(一度見た限りではそんなものはなかったと思うが)。総じて「幼稚だ」という印象が残った。これは文字通り「子供向け作品の論法で作られている」という事だ。ドラマの劇伴は「こんなイメージ」で済むもんじゃないのだ。ここは素直に「客を侮辱しないで頂きたい」と言っておく。ファンとしては本当は目をつむりたい想いだ。
[DVD(字幕)] 1点(2005-01-03 01:07:37)(良:2票)
87.  ある殺し屋
仕事人の原点ですねー。おっそろしく地味で渋い。燻し銀どころか百年物の海泡石パイプの輝きだ…ってよくわかんねー例えですが。でも1点だけ気になる点があるので、現在の平均よりひとつ下げます。市川雷蔵、声が細すぎないか…? もっと落ち着いた男の低い声であるべきなんじゃ…? そこを藤田まこと流にアレンジした結果が必殺シリーズであるのか、オイラが先に中村主水を刷り込まれているが故の違和感なのか、判然とはしませんが。私的には市川雷蔵の殺し屋像は、完成形になっていないような気がする。続編『ある殺し屋の鍵』ではもっとエンタメして違和感がグッと減ってますが、それがいいのか悪いのかも判断できないな…。作品としての完成度は、小粒ながら素晴らしいと思います。
[ビデオ(字幕)] 6点(2004-12-25 02:07:15)
88.  CUTIE HONEY キューティーハニー
「もしかしてフルネームはクエンティン・タランティーノ・ハニーですか?」ってくらいギャグがスッポ抜けてるなあ。眉にシワを寄せて笑うのが好きなオイラは、カラオケのシーンなんかがジャストミートでした(「おいそこ、完璧ハニーじゃねえだろ」とか脳裏で呟きながらね)。スキャット入りまくりのBGMもグー。が、外してる玉はとことん外してる。全体的にはどう味わえばいいのか不明すぎで、まるでマンゴーとイカ墨とキーマカレーが乗ったピザ(しかもトマト抜き (^_^;)を食べた気分。脱力系ギャグに徹するかキッチュなアクションに徹するか、何か芯が欲しかったよー。あと、演技がクサいのはいいが、演技の手を抜いてるのは許せん。各人の力量でヤケクソに頑張る時、バカ映画でしか味わえない特別な感動が生まれるんよ、早見青児君。個人的にはここまでの作品が作れる時代になったんなら、あさりよしとおの毒々マンガ『マジカル☆キャンサー』をやってほすぃ…無理すかねぇ…。点は、『RED SHADOW 赤影』の配点を参考に減点。●追記:やべ、見たそもそもの目的を書き忘れてた。ハニメーション…10年前からチェコでヤン翁が撮ってるよ。本作の「実写アニメ」としての手のかけ方はまだ甘いと言わざるを得ない。本気でやれば人間の写真を「喋らせる」事も可能なのは『ファウスト』で証明済みなのダ。
6点(2004-12-11 00:43:20)(笑:1票) (良:1票)
89.  東京原発 《ネタバレ》 
いったい誰が想像したろうか? NHK教育と西部警察の強引な結婚! でも仲人は踊る大捜査線だったようだ(だから原子力安全委員の超ブラックな演技が活かせないんだよー!)。だもんで、見応えはあったが2回見る気になれないというまさに『良質TVムービー』な感触。ただ、都知事の意見は昔からオイラの持論(元は広瀬隆だけどさ)でもあるので、けっこう爽快感はあった。あと、西部警察パートは予想外に音楽が厚くてイケてる。逆にNHK教育パートのBGMは余計かな。あー本当に都心部に原発建ててほしいわァ…。最後の最後、本気でチェレンコフ光を出したオチャメに追加1点。あそこでやらんだろふつー。●追記:なんだかんだ言いつつ、ちゃっかりDVDが2巡目に入っちゃったよ。負けたか…●2回目感想:榎本教授のカバンのフタの裏側! 割り箸が挟んである芸の細かさがツボに入って大爆笑でした。あと、ハイジャッカーを少年にしたのはある種の「逃げ」だという思いが強くなった。あの人物設定じゃ、あんな演技が限界だろう。せめて20歳を越えてた方が、いろいろ引っ張る余地が出てきたと思う。最後の爆弾処理班のじゃんけんは蛇足。というか笑いのとり方が醜悪。そもそもあそこで笑いを取る必要があるのか? ここで、決定的に画竜点睛を欠いてしまったようです。
7点(2004-11-06 04:57:20)(良:1票)
90.  大魔神 《ネタバレ》 
なにわ君さんのレビューに釣られて見てしまいましたよ。結果は「うーん! 弁士が欲しい!」。時代劇というより伝奇物語の造りなんですよね。だからノリノリのナレがないのが寂しい。まあここまで絵ができてると、自然にナレが聞こえてきますがね…なぜか国枝史郎風の… 「嗚呼、いかに極悪非道の謀反人と云へど、あまりと云へばあまりの仕打ち! 地面に伏したる小笹は死中に居るのも忘れ、よよと泣き崩れたのであった」 「かくなる上は滝より落ちてこの身果てんと絶壁に駆け寄る小笹に、お姉やめてよと竹坊が追いすがる。ところが正にこの時だ。一陣の陰風がもつれ合う二人を諌めるように吹き抜けると…見よ! ガラガラと崩れ落ちた岩戸の奥に、魔神の像がすっくと立って二人を見下ろして居るではなゐか!」 「霊光一閃里へ降りた魔神の像には、花房忠文が十年親しんで来た穏やかな面持ちは微塵もない。その形相、もはや身も竦むような鬼神の顔だ! 般若の面だ! これぞ誰知らぬ者のない封じ込めの魔神、阿羅羯磨の現し身であった」 「これは殺生な、手前も城へ入れて下されい…と往生際も悪く御成門を叩く侍供を尻目に、ようよう追いついた魔神が門も人もまとめて叩き潰す。その上へ屋根の瓦をぶちまけた大魔神、正々堂々御成門からの入城と相成った」 …う。ちょっとノリ過ぎました(とか言いながら手を入れてたり)。
7点(2004-10-23 03:04:58)(笑:1票)
91.  網走番外地(1965)
ごめん。点低いす。やっぱしオイラの愛する石井輝男はコレじゃないんだよなあ…この映画なんかカット割りが練られすぎちゃってもう(苦笑)。予算や期間がなくて幼稚園児の粘土工作みたいに不細工な作品の方が、彼の作家性が出てしまうのは悲しい事かもしれないが。やはり『スーパージャイアンツ』で展開する石井節の洗礼を受けている以上、普通な名作を撮る彼は受け入れられん。でも、最後の最後、丹波の台詞ではドッと涙が溢れました。脱獄物なのに、本当の意味での悪い奴がいないんだよなあ、この映画(それがテーマみたいだし)。
4点(2004-10-17 21:24:15)
92.  「超」怖い話A~闇の鴉
低予算でもいいんです! 怖くなくてもいいんです! ヒロイン目当てで借りたから、佐藤寛子がピュア~で可愛ければそれでいいんです! 実はこれを借りるためにネットレンタルに入会までしたんです! ま、話は怖いというよりドッキリ系なんだけどね。あと彼女のGカップを堪能できるシーンが少ないのはどうかと思う(お約束の全力疾走シーンも無理やり挿入した感じだし)。オイラには珍しく、ヒロインの可愛らしさだけで煩悩採点(苦笑)。
6点(2004-10-09 15:46:26)
93.  キル・ビル Vol.1(日本版)
高得点。理由は GODZILLA のレビューと同じなのでそちらを参照の事。だが何より悔しいのは、とうとうタランティーノに10点をつけざるを得なくなった事だ(2004/12/3 やっぱ9点に変更。所詮タラじゃん (^^;)(2007/12/31 さらに7点に下げ (^^;;)。唯一の不満は血糊が薄すぎて噴水になっちまってる点かな。あとバッタもん映画にお約束の、ヤバいくらいの赤さもなかった。 以下は役者について(みんないい仕事してました)。 ●千葉真一:トムを蹴ってユマに付きましたか。ありがたやありがたや。アクション映画の守護神ですな。 ●栗山千明:鉄球ぶら下げたポスター見た時はどーなる事かと心配したが…常人には想像不可能なゴーゴー夕張役を吸収できとる点で、すごい。 ●大場健二:味ありすぎ。 ●ダリル・ハンナ:あーたまでタラの口車に乗せられますたか。 ●ルーシー・リュー:死にっぷりが無様な以外はイケてる。 ●佐藤佐吉:『ラーメンバカ一代』もバカ映画だったけどこっちも十分バカ映画。共にいい味でした。 
[DVD(邦画)] 7点(2004-09-03 03:36:54)(良:1票)
94.  ルパン三世(1978)
「仰ぎ見れば傑作、振り返れば凡作」という典型になるだろう。この映画は「ルパン唯一の頂点」となる予定だったので、頂上作品となるべく「最強の敵」が用意されている。話の上でも、それまでのルパンワールドが破綻しかけて、ギリギリSFの領域にまで来ている。それまでのルパンの展開からすればこれで良かったのだ。問題はTVも映画も続いてしまったために、この作品が「ルパン唯一の頂点」ではなくなった事。このルパンの感触は、現代で最初の『ゴジラ』を見る時に感じる哀愁に非常に似ている。ルパンはこの作品が最終回だと思って、今に至ります。
9点(2004-08-29 19:06:44)(良:1票)
95.  用心棒 《ネタバレ》 
どうしてもハメットの掃除屋ハードボイルド『血の収穫』を思い浮かべてしまう本作…って、いまぐぐってみたらまんま『血の収穫』の翻案なんだそうですなー。これでこの映画、ようやく俯瞰できたような気がした。あっちの勢力図は4極(ギャング2組織、労組実行部隊、警察)+探偵でわかりにくいが、こっちは2極(ギャングのみ)+用心棒なんで明快。そして、読者にも手の内を明かさないコンチネンタル・オプと違って喋る喋る(おかげで失敗もするが)。明快至上主義の黒澤ならではの大胆さ。アイデアの元は当時の世界が入り口に立ったばかりの「冷戦」だろう。が、キューバ危機の前なんだよね。なんだか後の世界の15年を縛っちゃったような造りだよなあ。ハメットは第一次大戦後に、あの世界多極化の騒乱を炭鉱町に封じ込める『血の収穫』を書いた。あれは一種の「戦後反省文」なわけだ。だからよけい、黒澤の物語構築力・時代を予見する力には目を見張るしかない。…と、ここまで誉めておきながら満点じゃないのは、好きな監督じゃないから(苦笑)。 ●追記:余談ながら、「三十郎」の名は口からでまかせだろう。読者(観客)に名を明かさないのが、オリジナル主人公コンチネンタル・オプのセールスポイントでもあったわけだから。 ●お願い、もうちょっと比較を続けさせて(笑)…原作ではマシンガンでギャングのアジトを包囲して、小屋が崩壊するまで撃ちまくった残酷シーン、本作では焼き討ち場面になるワケっすね。ちょっと地味すぎ~。ま、当時の技術とか予算とかを考えると贅沢な方なのはわかるけどね。『血の収穫』ではオプの策略に気付いた奴が「もうやめてくれ」と頼みに来るシーンがあって、これがゾクリと来たんだけど、『用心棒』では特にそういうシーンはない。ちょっと惜しい。代わりに卯之助という素晴らしいオリジナルキャラクターを放り込んで盛り上げてくれた。やっぱ漢の物語に宿敵は必要だよね。●さらに危なげな想像。『用心棒』=冷戦モデルに立つと、現実世界の桑畑三十郎は…もしかして…もしかして…フ○インなのか? ひええ~!
6点(2004-08-18 04:49:11)
96.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 《ネタバレ》 
押井を語るならこの作品が適当かな(天卵という手もあるが…あれは容易に点数つけれんしなー)。自分の中では、常に0点と3点の間を揺れ動く監督。地べたに這ってピョンピョン飛び跳ねながら天界を目指すのだが、跳躍力が足りず落ちてきちゃうって感じ。だが職人アニメーターとしては最低でも7点以上だ。おそらく常人の域を超える集中力を武器にした完成度至上主義(あくまで想像)も、職人アニメーターとして誇るべきもの。それが後の『アヴァロン』の驚異的なポストプロダクション(死ぬほど面倒くさい作業だっただろう)をやり遂げさせるわけだが…この人、才能の使い方を絶対間違えてると思う。世界がカメの背に乗ってるだなんていう明快な図式をやるなら、あそこまで書き込む必要ないじゃん。書き込みすぎたから、カメ自体が作り物っぽくなっちゃったよ。素人目で見たって、あの構図が活きるのはもっとラフで、パワーのあるマンガっぽいタッチでこそだと思うよ。「全世界を明快なカリカチュアに放り込む」事ができる、欧州の歴代アニメーターに匹敵する才能(この部分では絶対手塚治虫を超えてる)に恵まれたのに、大友克洋・士郎正宗と同じ路線にしがみついてる妄執の人にしか見えない。惜しい。惜しすぎる。ちなみに当時から『うる星』ファンじゃなかったので、点のオマケはないす。あしからず。
2点(2004-08-15 16:26:16)(笑:1票)
97.  オテサーネク 妄想の子供
ヤン作品中で、もったいなくて見てなかった最後の作品(これでしばらく初見のドキドキニヤニヤとはお別れか…)。とにかく、管理人の婆さん強えェ! 顔だけでその強さがわかるよ。DVD収録の撮影風景を見る限り、爺さんまだまだ元気そうだから何本かイケるね。●後日談:オティークは別の某映画ではデイヴィッドと名付けられていたのに気がついて、猛烈に鬱になった。怖えェ、話からテーマからかぶりすぎてるよ…。
9点(2004-08-14 18:41:31)
98.  地獄甲子園
つけちゃるよ8点(笑)。投げやりの帝王・石井輝男節全壊ッ! これ以上何を望む? もちろん原作は好きだが、それ以前にオイラは(スーパージャイアンツの)石井信者なのだ。外道への逆襲以降が弱いのは否定できないから2点引くけどね。
8点(2004-08-13 17:29:30)
99.  スチームボーイ STEAM BOY
一度は誉めたが全部撤回。よく考えたらコレと全く同じ手口(架空歴史+空想科学を突破口にした20世紀の戯画化)は『王立宇宙軍』で既に完成してる。しかも終わり方まで同じだぁ。王立作ったスタッフは平均年齢22歳。いまの大友監督みたいな立場の人間が、テーマ的にも内容的にも100%同じ事やっちゃイカンのじゃないすか? ええ心を鬼にして言いますよ。やるなら『ファイヤーボール』くらい壊れて下さい…もとい壊して下さい。
6点(2004-08-02 14:29:38)
100.  さびしんぼう 《ネタバレ》 
いろいろ書いたけど、消しました。やっぱこの映画の分析なんて無理だ。一日たっても涙が止まらん。公開時もそうだった。見終った後からボディブローのように効いてきた。一週間くらいはポスター見るだけで涙腺全開になった記憶がある。あの真っ黒い涙を流すさびしんぼうに、俺絶体レビューなんか書けんわ。
10点(2004-07-28 23:58:57)(良:3票)
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