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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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101.  鳩の撃退法 《ネタバレ》 
物語の基本様式は、ジョン・ランディス監督の某傑作コメディやスタートレックパロディの快作『〇〇クエスト』に同じと考えます。一見困惑しますが難しく考える必要はなく、手品のタネは単純であります。本作には神様が存在したということ。筋書きは自由自在の無敵仕様。偶然や奇跡に使用制限はありません。問題は観客がこの禁じ手を受け入れられるかどうか。おそらく神様が用意した結末と観客が望む結末が食い違うと総スカンを食らうのでしょうが、一般的にバッドエンドよりハッピーエンドが好まれるはずなので、多くの観客が本作の結末を喜んて受け入れるのではないでしょうか。劇中描かれてはいませんが、きっと津田は印税で3000万円を手にしたことでしょう。それにしても鳩とは隠語だったのですね。新沼謙治さんが激怒するような話じゃなくて良かったです。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-03-26 07:52:47)
102.  劇場版 殺意の道程 《ネタバレ》 
ブラックコメディというよりは、バカリズム流サスペンスコメディ。唯一無二のジャンルです。シリアスな『架空OL日記』と思ってもらえればよく、バカリズムの笑いが好きな方なら間違いなく楽しめます。個人的にはバカリの脚本家としての才能に舌を巻くばかりです。ただ惜しむらくは、トリックの肝の部分が成立していないこと。いくら警察がボンクラでも、あれがあそこでああなっていたら不自然過ぎるでしょうよ。ただそれに気づかぬバカリズムのはずはなく、「そんなわけねーだろ」な雑な設定もバカリのオモシロの一環と思われます。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-03-25 19:55:53)
103.  都会(まち)のトム&ソーヤ 《ネタバレ》 
実況無しのゲーム配信。というより、実況は観客によるセルフサービスなのでしょう。お茶の間ファミリー鑑賞であればツッコミし放題で、私の場合家族そろって茶々を入れながら楽しみました。創也くんが図書館で友達を見捨てた件は大いに盛り上がったものです。とはいえ、ゲームであって冒険ではなく、おじさん世代としては物足りなさを感じたのも事実。現代劇で、かつ日本が舞台で、少年少女が主役の健全な冒険譚は難しいのですかね。ちなみに『エリアZ』なる都市型体験RPGは、多人数参加のリアル謎解きゲームかと思いきやさにあらず。プレイヤーは竜王パーティのみであり、その他大勢の参加者は全員エキストラ(ゲームキャラクター)でありました。キーアイテム『栓抜き』の渡し方があまりに雑で萎えましたが。タイトルはトム&ソーヤではなく、ホームズ&ワトソンが正しいのでは?ジュリアス・ワーナー役のしおりんは、別スタイルのお姫様バージョンも拝めますので玉ノフは必ずご覧ください。
[DVD(邦画)] 5点(2022-03-21 08:48:06)
104.  孤狼の血 《ネタバレ》 
本作の時代設定は昭和63年。北野武監督の『その男、狂暴につき』が公開されたのが平成元年。配給会社の違いこそあれ、題材と劇中の時代設定は同じ。私は東映任侠映画シリーズについて無知なので、同類と思しき『狂暴につき』を引き合いに感想を述べたいと思います。 注目は、刑事のキャラクター造形。そして『時代背景』であります。まず前者について。役所も北野も、ヤクザとズブズブの所謂『悪徳警官』でした。役所の方は『信念』に基づき確信犯的に違法捜査を行う男。一方、北野の方は身勝手に暴れまくっているだけのように見えます。ただしこれは北野監督の美学が多分に影響していると思われ、両者に大きな差異は無い気がします。共通しているのは結果至上主義者であり、自身を『必要悪』と認識している部分でしょうか。次に時代背景。今から約30年前は、『コンプライアンス』なる言葉がまだ流通していなかった時代。当時学生だった私は、社会の空気を的確に把握していませんが、今よりも『おおらか』だったのは間違いないと思われます。これはおそらく日本に限った話ではなく、社会が成熟してゆくに連れ『曖昧さ』が排除され、厳格なルール運用が求められていくのではないかと。情から理への移行とも言えます。それに抗うカウンターとして“型破りなヒーロー”例えば『ダーティ・ハリー』が人気を博した気がします。しかし時代は変わりました。『コンプライアンス』の前には、どんな言い訳も通用しません。『必要悪』といった概念などありません。『アンチヒーロー』が生きられるのは、それが許された時代(価値観)の中だけ。だから本作は『昭和』=『時代劇』の体裁にせざるを得なかったと考えます。ちなみに余談ですが、テレ朝の開局記念ドラマ『24JAPAN』が違和感アリアリなのは、獅堂現馬(ジャック・バウアー)が今の時代にそぐわぬ存在だからです。それも含めて私は面白と思いますけど。 最後に役者さんについて。人気俳優の皆さんが従来のイメージをかなぐり捨てて悪役に徹する様は見応えありで、多くの皆さんが俳優としての評価を上げたと思います。中でも松坂桃李さん。圧巻の役作りで、一皮どころか二皮も三皮も剥けたと思います。ずる剥けですな。完全に観方が変わりました。そんな中、一人大敗を喫したのが竹野内豊さん。明らかに場違いでしたが、高度な自己プロデュースで清廉なイメージを守ったとも言えます。何でも器用にこなせる事が役者の価値ではありませんし。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-20 22:31:47)(良:3票)
105.  ドクター・デスの遺産 BLACK FILE 《ネタバレ》 
二昔以上前の刑事ドラマ定番のキャラ設定を採用しているため、令和の感覚だとまるで刑事ものコントを観ているかのよう。もちろん実際コントではないので笑いはなく、テーマも「安楽死の是非」という極めてシリアスなもの。見始めた当初は、はてさてどんなスタンスで観たらよいかと思案しましたが、ドクターデスが信条を持たぬただの快楽殺人鬼だったので「地上波テレビの2時間刑事ドラマ」感覚で観て問題なく、結果事なきを得ました(?)。もしドクターデスが終末医療に対して確固たる信念を持った医者であったなら、どんなドラマになったかと興味が湧きますが、多分キャスティングは大幅に変更する必要があると思われます。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-03-20 17:58:27)
106.  孤狼の血 LEVEL2
過激なバイオレンスアクションの中にも多彩なキャラクターの魅力や、それぞれの理や正義がきちんと描かれていた前作は、時代劇的な楽しみ方もでき、総合的にみて娯楽作品に昇華していたと思います。しかし本作は刺激こそパワーアップしているものの、事象の裏に隠された人々の思いやドラマが伝わり難いつくり。これは役者の力量というより脚本の問題と考えます。申し訳ないですが、ただ辛いだけの激辛料理に思えました。苦くても辛くても構いませんが、旨味があってこその料理、失礼、映画だと思います。平均点は前作と遜色ないことからも一定レベルの満足度は担保しているのでしょうが、レビュワーの皆さんの感想は総じて短かめなことから、語りたい欲求を満たす映画ではなかった事が窺えます。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-17 19:23:25)
107.  女子高生暴力教室 牝蜂の復讐〈OV〉 《ネタバレ》 
前作で死亡したミドリ(星美りか)に代わって、本作では餓狼(画廊ではないはず)のマキ(朝日奈あかり)が主人公を務めます。私はAVを観ないので(嘘ですが)彼女を存じ上げませんが、大変お綺麗な方でした。ただ星美さんには有った華のようなものは感じられず、主役の存在感はありません。演技的にも芳しいとは言えず、例えば「タイマン仁義」とやらの台詞の言い回し「〜です」の言い方ひとつにも致命的な演技力不足が伺い知れました。その点、同じセクシー女優出身でも亜紗美嬢の存在感たるや群を抜いており、いつものように周りとはレベチの異次元本気演技で作品の品質維持を一手に引き受けていました。やっぱり亜紗美嬢はモノが違いますな。コメディとしては1作目より本作の方が少しだけ出来が良い(胸くそ要素が少ない)ですが、エロやアクション目当てならもっと良質な作品が他にありますので、基本的には亜紗美さん目当ての方にのみオススメの作品となります。因みにタイトルに『牝蜂の復讐』とありますが、これは『女番長シリーズ 牝蜂の逆襲』(1971)をオマージュしたものと思われ、内容に則すなら『山猫団の復讐』の方が適切であったと考えます。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-03-13 12:45:23)
108.  女子高生暴力教室〈OV〉
シリーズコンセプトは『死霊の盆踊り』に同じ。とりあえずおっぱい出しときましょう。だから本作登場の成熟型JKの皆さんはノーブラがデフォルトです。往年の芸能人水泳大会以上にポロリ乱発祭りが堪能いただけます。ただし、その有難みや満足度も『死霊の盆踊り』レベルであることも申し添えます。 タイトルに『暴力』が付いていますが物語のベースは、バイオレンスでもなければアクションでもなく、明確にコメディだったと思います。さもなくば、いくら10年前の作品とはいえ、あんな北斗の拳みたいな無茶な設定がまかり通るとは思えません。そういう意味でコメディというジャンルはつくづく最強だなと思うわけです。このような作品の主演に所謂セクシー女優の皆さんが選ばれたのは当然の成り行きと言えましょう。それではまず1作目の感想から。といっても言及したいのはストーリーではなく女優さんであります。本作の主演は、星美りかさん。私はAVを観ないので(嘘ですが)彼女を存じ上げませんが、大変チャーミングな方でした。舌足らずな感じがまた良く、ヒロイン適正にプラスが付きます。一般映画やドラマ等の演技畑で活躍できる方だとお見受けしました。(以下続編の『牝蜂の復讐』につづく)
[インターネット(邦画)] 5点(2022-03-12 23:40:51)
109.  ザ・ファブル 殺さない殺し屋 《ネタバレ》 
前作も『まるでカリオストロの城のようだ』と思いましたが、本作のアクションは更にスケールアップしており、初期宮崎駿アニメと同様の爽快感を得ることが出来ました。リアリティという縛りが無くなると、こんなにも心地良いものなのですね。実写で、しかも邦画で、こんなにワクワクするアクションに出会えるなんて幸せなこと。かつて隆盛を誇ったワイヤーアクションや、現在主流のアメコミ系CGアクションとはまた違った味わい。現実と非現実の狭間をゆく正に寓話世界の活劇でした。これぞ“金がとれる”アクションです。ただ、これだけエンタメに特化した非現実系アクションがウリの作品ですから、物語のテイストもそれに併せてはどうでしょう。もちろん『殺し屋』が主人公なので、殺伐とした部分があっても、グロテスクな描写があっても問題ないと思いますが、胸糞はいけません。胸糞は苦みではなくアク。物語の旨味に繋がらないと思います。原作を蔑ろにしろとは言いませんが、大衆映画として胸糞要素をオブラートに包む“工夫”はあっても良い気がします。アクション大好きな私が8点を付けるのを躊躇う理由はこの点にあります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-02-24 20:28:04)(良:1票)
110.  JUNK HEAD 《ネタバレ》 
輪廻転生を描きながら、生きる意味を問う物語。と見せかけて、実は全然違うのかもしれません。監督の狙いは別にあるのかも。説明不足を自分勝手に脳内補完している可能性も否定できません。そういう意味では、映画の完成度は決して高くないと思います。無駄な描写が多いですし、ストーリーテーリングも上手くありません。必要以上にグロテスクですし、結末も尻切れトンボ。しかしながら、本作の訴えかける力はズバ抜けていました。画面の端々から謎の迫力が溢れていました。全ての芸術作品の使命は観客に何かを感じさせる事。その観点で本作は(私にとって)満点に違いなく、もう諸手を挙げて賞賛したいです。映画の出来の良し悪し等とは、また別次元の話。こういう映画こそ傑作と呼びたい。こんな気持ちになったのは、湯浅政明監督の『MIND GAME』、内田けんじ監督の『運命じゃない人』を観た時以来であります。
[インターネット(邦画)] 10点(2022-02-21 19:16:10)(良:1票)
111.  ルームロンダリング 《ネタバレ》 
資金洗浄=マネーロンダリングならぬ、事故物件洗浄=ルームロンダリング。殺人事件や自殺等が起きた賃貸物件の心理的瑕疵は、契約交渉時に告知義務があるも明確なルールはない。そこで一度誰かに貸して告知義務を果たすことで、2人目以降の賃借人に対する告知義務を消滅させるというもの。そこで主人公はルームロンダリング請負人として事故物件に住むワケです。ビジネスとして事故物件に住むという意味では、『事故物件 恐い間取り』と同じですが、本作はホラーではなくハートウォーミング・ファンタジーでした。主人公は「見える人」であり、その能力を使って成仏できない霊の呪縛を解いていくと同時に、彼女自身も成長していきます。エピソードは総じて大人しい印象で淡々と進行します。面白いとは言いませんが、悪くもありません。主人公が池田エライザさんである事は、エンドクレジットまで気づきませんでした。ぼんくらですみません。 (以下余談)心理的瑕疵の告知義務については2021年に国土交通省からガイドラインが示され「概ね3年程度」と取り決められたようです。もう今だとルームロンダリングビジネスは出来ないですね。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-02-11 12:27:49)
112.  一度も撃ってません 《ネタバレ》 
「ハードボイルド」というジャンルそのものをダシに使った大人向け激渋喜劇。ブラック&ビターな人生ドラマに心地よく酔いしれました。とくに印象的だったのは妻の言葉です。『私はきちんと生きてきた。これからもちゃんと生きていきたい。だから汚さないでよ!』これは痛い。痛過ぎます。ぐうの音も出ません。主人公は確かに一度も銃を撃っていないかもしれませんが、妻を後ろから撃ち続けていたも同然なワケで。この手の裏切りは、火遊びやギャンブルの比ではない重罪と言えましょう。何人も、自分の人生が自分だけのものだと思ったらイカンのであります。また玉淀の台詞にも痺れました。『ずっと騙し続けられればそれは詐欺とは言えない』確かにそうかも。しかしそうは問屋が卸さないのが人生であります。ゴール目前にして、市川はすっ転びました。もう昨日までの平凡で幸せな日常はありません。全く別ものの明日が始まる事でしょう。でも男は黙ってやせ我慢。それがハードボイルドの流儀ってもの。タバコをふかす市川がラストカット。かつて当たり前だった路上喫煙が許されぬ世の中になりました。ハードボイルド同様、時代に取り残された男の行く末や如何に。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-07 19:07:31)(良:1票)
113.  はらはらなのか。 《ネタバレ》 
以下私なりの解釈です。こんな見方もあるのか程度でお読みいただければ幸いです。  『ハラハラさせるなのか』と『はらなのか+はらなのか』。2つの意味を持つタイトルと捉えました。前者は思春期少女の危うい日常を指し、後者は主人公だけに見えるもう一人の『私』を指します。透明な私の正体は、劇中劇の設定に沿うなら『生まれてこられなかった子』であり、主人公は元々双子で生まれるはずだったのかもしれません。ベッドで膝を折り眠る2人は子宮内の再現。透明なのか最期の言葉は「せっかく生まれてきたんだからさ」でした。本作は、生まれてきた主人公と生まれてこられなかった姉妹、2人による自分探し=アイデンティティ確立までの道のりを描いた物語と解します。 自我同一性取得に必要な作業。それは親の人格を取り込み咀嚼し、自分オリジナルに作り変えること。母親を知らない主人公は、どうしても母親に会う必要がありました。それが母の立った舞台に拘った理由。公演初日、父親が観覧に来ていないだけで過呼吸になるほど取り乱したのも、自我獲得に父親の立ち合いが必須だったから。ついに出会えた母親(マリカ)が、かつての子役(リナ)に変わる点も興味深いです。自我を求め旅する子もやがて親となり我が子を導く。私たちはみな共に助けあい、己が存在理由を確認しあいながら自己を確立してゆくのだと思います。 物語は夢中夢や劇中劇の体裁を有しており、空想と現実の区別が判然としません。透明なのかは勿論のこと、常時ピエロ風メイクの俳優、演出家とリナの年の差恋愛など、不可思議な事象だらけです。中でも気になるのは、母親の舞台記録映像のリナが少女ではなく大人であること。これは主人公が13年後のリナに出会った後、彼女の中で記憶の書き換えが行われた可能性を匂わせます。つまり本作の出来事は、一般的な時系列に沿った客観カメラ(神様視点)ではなく、全て主人公の内部記憶の編集映像だったのではないかと。自我同一性を描く作品ならば、このようなアプローチも納得です。 キャスティングについて。主人公なのかを演じたのは女優・原菜乃華さん。女優名のよみがな=役名のパターン。物語序盤の彼女は幼く拙い印象で、生徒会長役の吉田凜音さんの方が輝いて見えました。しかし物語が進むにつれ、なのかの表情がぐっと良くなり魅力が増したように思います。一本の映画の中で女優が成長する様を見られて得した気分です。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-01-29 16:53:49)
114.  真・鮫島事件
劇中の時代設定がコロナ禍の映画を初めて見ました。2年もマスク生活が続けばこれがニューノーマル。登場人物がマスクをしていない新作映画の方に違和感を覚えるようになるのでしょうか。いやな世の中ですな。マスク着用が当たり前になると俳優さんも大変です。例えば本作のヒロイン武田玲奈さんのように大きな瞳で鼻筋の通った女優さんならマスク着用でも画面に映えますが、そうでないと厳しそう。微妙な感情の起伏をマスク越しに伝えるのも大変でしょうし。全体的にオーバーアクトが流行するのかもしれませんね。 タイトルに『真』が付くのは、『真・ゲッターロボ』か『シン・ゴジラ』にあやかっての事でしょうか。どちらにしても無印の『鮫島事件』映画が無いとおかしいワケで、このあたりの事情はかっぱ堰さんが補足していただいています(いつも丁寧な背景考察ありがとうございます)。物語について言及したい点は特にありません。所詮は与太話。コロナ禍でさぞ撮影大変でしたでしょうねと思うくらいです。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-01-24 18:48:40)(良:2票)
115.  哀愁しんでれら 《ネタバレ》 
ネタバレしています。ご注意ください。  「母親になることと母親であることは違う」子育て失敗を自認する義母らしい、子連れ再婚の難しさと覚悟を再婚新妻に問い質す厳しい言葉です。始めは嫁いびりの一環かと思いましたが、どうやら本気で心配していたよう。それほど母親、とくに「良い母親」になるのは難しいこと。「無理なら逃げてもいいのよ」の意味だった気がします。しかし主人公にその選択肢はありませんでした。母親に捨てられた彼女は自分自身に呪いをかけていたから。「親は子どもを守らなければならない」。この強迫観念は彼女を狂わし「証拠隠滅」という究極の手段で子を守ることを選びました。証拠が消えれば事実も消える。既に筆箱や弁当事件で学習済みの解決法です。勿論そんな都合の良い魔法あるはずないのに。しかし、両親にとってあの結末はハッピーエンドに違いありません。 さて、娘は殺人を犯していたのでしょうか。全体印象や状況証拠はクロ。映画の方程式上は、最後に提供される情報が優位のためシロと判断しても良さそうですが、真相は藪の中です。おそらく父の方は盲目的にシロ、主人公は経験則からクロと認識していたのではないかと思われます。いずれにしても子はサイコパスの可能性大なので、主人公の立場であれば逃げるのが正解でしたが判断を誤りました。真実から目を背け、見たいものだけを観る。黒目のない肖像画は、あの家族の有様そのものを表しています。 多分「誰かを幸せにする」「誰かに幸せにしてもらいない」という考えが傲慢なのだと思います。ちっぽけな私たちにできるのは、自分が幸せになるために全力を尽くす事のみ。たとえ親子でもその法則は変わりません。人生は甘くない。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-01-17 20:28:46)(良:1票)
116.  魔女見習いをさがして 《ネタバレ》 
『おジャ魔女どれみ』は一般教養(?)としてタイトルは知っていた程度。そんな50目前のおっさんが何故本作を観たかといえば、声優を努めた百田夏菜子さん目当て以外の何者でもありません。ももクロファンとして夏菜子さんのスイートボイスが拝聴できればそれで満足でしたが、何というか、思いの外、心の芯にヒットしてしまい、弱りました。 聞けば本作は『おジャ魔女どれみ』20周年記念作品とのこと。子どものころTVアニメ『おジャ魔女どれみ』に心奪われた若者たちが主人公のお話。彼女らは『聖地巡礼』から『ファンの絆』をきっかけに人生を切り開いていきます。この展開は、オタク全開の私にとって胸アツでした。そう、オタクが興味の対象に費やしてきた時間やお金、心の熱量は膨大なもの。然るに、そのほとんどはただの自己満足に過ぎません。生産性などありゃしない。でもそんな無駄な時間こそが、現在の自分を形づくってきた、かけがえの無いピースに違いないのです。本作のエピソードは、過去の自分を肯定してもらえたようで嬉しくて。私が今まで(そして今なお)のめり込んできた趣味たち(囲碁、深夜ラジオ、プロレス、映画鑑賞、ももクロちゃん)。何ひとつ人に誇れるような勲章や技能を身に付けたワケではないけれど、その時折に、自分の心を豊かにしてくれたのは間違いありません。それに本作の主人公たちのように、普通なら関わるはずのない方たちとの交流もありました。回り道や寄り道、道草の中にこそ『人生の宝』があるのでは。本作は『おジャ魔女』ファンだけでなく、全てのオタクに向けられた応援歌であります。
[地上波(邦画)] 8点(2022-01-02 00:56:23)
117.  すばらしき世界 《ネタバレ》 
ネタバレあります。未見の方はご注意ください。  自然災害、不慮の事故など、本人に責任が及ばぬ原因で終わる人生もあれば、己が生き様の帰結として迎える必然の最期もあります。後者を選択できた者は、その結果が好ましかどうかに関わらず「幸運」に違いありません。三上の最期は唐突かつ遣り切れぬものでしたが、明らかに後者と考えます。それに見方を変えれば、これほど幸せな結末もありません。生活苦もなく、辛い闘病生活も経験せず、悲しんでくれる人がいる、泣いてくれる人がいる。これ以上何を望みましょう。彼は周りの人々に恵まれました。もしかしたら人生の前半で使わなかった運を、ここで一気に使ったのかと思うほど。もちろん、身寄りのない三上が短期間で濃密な人間関係を築けたのは、彼の人間性に魅力があったからに外なりません。広い空の下で死ねたこと。彼が迎えた人生の結末は、最善でなくとも、最良のものだった気がします。 生い立ち、セーフティネット、犯罪者の社会復帰。シリアスな周辺要素を孕みながらも、物語は一人の男の日常生活を淡々と描くスタイルです。どこで終わっても成立したでしょう。それこそ後味よく希望を抱かせるエンディングを用意することも容易でした。しかし西川監督は「けじめ」に拘った気がします。それが「人生」を描く責任。西川監督の過去作を見てもわかるように、その真摯な姿勢は一貫しています。良いところも悪いところも、好都合も不都合も、全て描く。でもその視線には人間に対する絶対的な肯定感が見てとれます。それを「愛」と呼ぶのかもしれません。だから私たちは西川監督に魅了されるのだと思います。タイトル『すばらしき世界』は幾ばくかの苦みを含みつつも、皮肉ではありません。
[DVD(邦画)] 9点(2022-01-01 07:30:26)(良:1票)
118.  えんとつ町のプペル 《ネタバレ》 
賛否両論とは聞いていましたが、観て納得しました。 スタジオ4℃制作ですからアニメーションは一級品。映像面で文句を言う人はいないでしょう。問題は中身の方です。主人公は孤独な少年。彼を取り巻く環境は、決して好ましいものではありません。そこで提示されたのは「希望」という名の体制批判でした。異端を認めぬ社会が悪い。これは「世間」や「常識」と同義であり、多数派を架空の敵に見立てて戦いを挑みます。そもそも日本人は判官びいき。少数派=弱者の味方をしたくなるのが人情ですが、これは宗教勧誘映画の典型例でもあります。このような作品ですから、アンチには格好の餌食となるでしょうし、新派にしてみれば叩かれれば叩かれるほど、より結束を強める効果を生むはずです。商売は人々の耳目を集めてナンボ。映像面の「賛」は確定ですから、むしろ内容は「否」が多いくらいの方が話題となりオイシイのかもしれません。 物語の基本構造は『スモールフット』(2018)と酷似するもので、着想自体は珍しくありませんが、ブレイクスルーしたその先を示した『スモールフット』に対して、批判のみで帰結している本作は一段劣ると感じます。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-12-30 00:07:35)(良:2票)
119.  地獄の警備員 《ネタバレ》 
いわゆる『不条理ホラー』。とはいえ、殺人鬼の思考など普通は理解できなくて当たり前。そういう意味では不条理である事が道理であるとも言えます。富士丸の狂気は不条理そのものでしたが、彼の最期は道理に適っており、不条理行動に一貫性がありません。逆に言えばそれがむしろ不条理とも言えなくもなく。何を言っているか分かりますか?自分でも何が何だか分からなくなりました。そう、この難解ぶりこそ、まさに黒澤清映画の証。ただし、私が愛する黒澤ホラーの奥行は本作からは感じ取れず、凡作との評価になります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-12-20 23:10:51)
120.  仮面病棟 《ネタバレ》 
(ネタバレしています。未見の方はご注意願います)  コンビニ強盗犯による病院立てこもり事件発生。病院は5階建て、病床数は(たしか)64。夜勤スタッフは院長、当番勤務医、看護師長、看護師の4名のみ。満床ですが、療養型ゆえ満足に動ける患者は少ないそう。一方、犯人は拳銃所持の単独犯で、負傷した女性人質を連れていました。さて問題。この状況で立てこもりは成立するでしょうか。勿論否です。広大な建物と大人数の人質を、たった一人で制御下に置くなど不可能です。しかもスタッフを誰一人拘束しないというユルユルぶり。この時点で、ははーんこの事件には何か裏があるなと誰でも勘づくでしょう。こんな先入観を持たれた段階でミステリーとしてはアウトです。さらに事件の真相。いわゆる『復讐』が動機でしたが、いくらなんでもそんな目に遭いますか?という話。病院の裏稼業(仮面病棟なる所以)が、あまりにお粗末過ぎて呆れました。物言わぬ人々を獲物にするからこそ成立するビジネスではないのですか。様々な設定上、ストーリー上の欠点を要約するなら『リアリティが無い』に尽きると言えましょう。もう少し上手に嘘を付いて欲しいと思いました。ただ、役者の皆さんはお上手だったと思います。高島弟さんの「悪い医者」ぶりはすっかり板に付いていますし(そもそも医者役多いですよね)、最近では連ドラ主役を張る江口のりこさんもこの手の脇悪役で本領を発揮するタイプ。そして何より永野芽郁さん。彼女は可愛いルックス以上に幼いイメージがありましたが、本作の難しい役柄をちゃんと自分のものにしていたと思います。当初違和感ありありだった茶髪や赤い口紅も、真相を知れば府に落ちます。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-12-10 18:57:33)
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