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1.  シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 《ネタバレ》 
いやぁ、とにかく面白かった。 まず、旧劇から投げっぱなしだったサード(ニアサード)インパクト後に世界は人々はどうなったのかというのをしっかり描いているので良かった。絶望と思われた世界にも希望があって人々がどのように生活しているのかよく分かるし、目標というものがしっかり明確に提示されている。  シンジは最初廃人同然だったが、本作ては周りの人達がとにかく優しくて、すぐに立ち直る。そしてそこから何をするべきなのか悟ったかのように急成長して行く。父親と今一度向き合い対決する事で全てに終止符を打つのだ。それは実に分かりやすく熱い物語だった。 「Q」ではシンジ同様観客も置いてきぼりを食らってイマイチ訳がわからなかったのが、それの答え合わせをするかのように伏線を回収して行く様は実に心地良かった。  また、本作で良かった点としては考察に頼らなくてもゲンドウ自らが今まで何をして来てこれから何をしようとしているのか、さらにはシンジを避けていた理由などもシンジ達に分かりやすく噛み砕いて教えてくれるのだ。こんなサービス精神旺盛なゲンドウ観た事ねぇ!これはなんとも観客に優しいし、誰もが納得出来るようにちゃんと終わらせようとしてるんだなという明確な意思を庵野から感じられたので良かったと思う。  人間ドラマ部分がしっかり描かれていた為、それに伴ってアクションシーンも鳥肌の連続でヤバかった。 ヴンダーと敵戦艦との壮大なバトル。 降下しながら機関銃を量産機に向かって撃ちまくる新弐号機の格好良さ。 アスカがとにかく最後まで格好いい! マリも、ミサトも、レイも、シンジも、キャラクター皆魅力的。 そして、初号機がついに覚醒した暁にはカタルシスも最高潮に達していた。 庵野が遂に裏切らなかった。それだけでも拍手喝采もの。 これは新劇から入った人、テレビシリーズから観ている人、両方が満足出来る内容になっていると思う。 最後の精神世界のメタ的構造。 そして、キャラクター達が実写に還っていくラスト。もう本当に終わりなんだなと実感し、感動と共に喪失感も感じていた。  近くに座っていた女性が入り込み過ぎて所々で嗚咽を洩らしているのもあって、こっちも終始号泣しながら観ていた…。
[映画館(邦画)] 10点(2021-03-08 12:46:08)(笑:1票) (良:1票)
2.  サヨナラまでの30分
音楽×青春×SF  現代の物語なのになんでカセットテープに録音してるんだろーと思ったらその理由がとても素晴らしいものだった。  “音楽を手の平に乗せてる感じがいいから“ “なんか温かいから“  たしかに、カセットはおろかCDすら買わなくなり、最近はダウンロードでいいかと済ませている私だけど。CDを買って聴いていた時に比べて大事に聴いていない気がするし、味気なく、音楽って無機質な物って感じになってきてる。  そういう意味ではカセットテープっていいものだなぁと思わせてくれたし、カセットテープがとても重要なアイテムとして登場するこの物語にはとても引き込まれた。  カセットテープに上書きして録音すれば前のデータはどんどん消えて失われてしまう。 しかし、その時の記憶や思い出といったものは持ち主の心にいつまでも残り続ける。 そんな“記憶“がもたらした奇跡のような物語だった。  また、音楽の持つ力が人を変え、人を惹き付ける事の凄さを十二分に感じさせてくれた。  特に良かったのは、全編映像が綺麗。 登場人物の感情の揺れ動く様がとても丁寧に描写されていた。 北村匠海の2役とも言える演じ分けが神懸かっていた。新田真剣佑との掛け合いの楽しさ。2人の歌声がとても素晴らしくて、いつまでも心に残った事。
[映画館(邦画)] 10点(2020-02-15 15:06:54)
3.  転々
三木聡監督の大ファンだが、これは初見時そんなにハマらなかった。 「亀は意外と速く泳ぐ」や「図鑑に載ってない虫」に比べるとギャグの濃さが物足りないし、派手さもないし、ちょっとハートウォーミングな感動作になっている点がイマイチだなぁと感じた為だ。 しかし、しばらくぶりに見返してみて、これこそ三木監督の最高傑作なのではないかと思えた。  その理由を挙げるなら、例えば「図鑑に載ってない虫」はそのあまりにコテコテのギャグ大盛りさ故、観終わった後ちょっと胃もたれしてしまうのに対し、本作は全編にギャグが散りばめられながらも、オダギリジョーと三浦友和のロードムービー的な面白さや、途中での疑似家族によるホンワカした雰囲気がなんとも心地良くて、しみじみと味わい深い作品だなぁと思えるようになった為だ。言うなればギャグとシリアスなドラマのバランスが絶妙なのだ。  そして、三木監督作品として待望のオダギリジョーが主演なのがやっぱり最高だし、途中三日月君が出てくるというのもファンには嬉しい。岩松了とふせえりもそこまで主張は強くないながらもしっかりと笑わせてくれるし、岸部一徳の使い方とか面白かったし、吉高由里子の変な歌も妙に頭に残ったし、三浦友和と小泉今日子の存在感も素晴らしいし、配役が完璧だったなと。  親に捨てられ孤独だったオダギリ扮する主人公が、疑似家族との束の間の団欒を楽しむシーンが好きだ。やがて確実に終わってしまうその関係を日曜日の午後の気分に例えながら、その瞬間を噛みしめるように楽しむ主人公の見せる切なさ。そんな時は後ろ向きに歩けばいい。そうすればきっと過去に戻れるかもしれないのだから。
[DVD(邦画)] 10点(2020-01-21 22:06:54)
4.  ウィーアーリトルゾンビーズ
君は「リトルゾンビーズ」を知っているか。両親を亡くした13歳の少年少女達によって結成された伝説のバンドだ。この映画は彼らのロールプレイングゲームのような冒険と成長の物語である。  この映画の魅力はとにかく格好いい映像とゲームみたいな演出、さらにキャッチーでポップでエモい(古い)癖になる音楽が魅力的である。勿論、少年少女の青春ドラマとしてもとても面白く、やたら濃い脇役達も大勢出てくるので全く飽きる事がない。こう書くと完璧な映画かと思われるだろうが勿論欠点もある。映像にこだわり過ぎたが故にご都合主義な展開やわざとやらせているらしい棒読み演技等が受け入れられない人にとっては多分かなり低評価になってしまう事だろう。  なので、どういう人にオススメなのかというと、サブカル系のごちゃごちゃした映画が好きな人。三木聡監督作品全般とか、「茶の味」とか「スコットピルグリム」とか「アンダーザシルバーレイク」とか。これらの映画が好きならまず間違いないかと思われる。  もし、昼下がりの中華料理屋で本編には全然関係ない酔っ払いが「タコの知能は3歳児並みー!」というフレーズの珍妙な歌をかなりのしつこさで凄いテンションで歌っているという常軌を逸した光景を面白がれる人が居たなら、一晩中この映画について語り明かしたいくらいである。「牛乳は愛」という曲もなかなか凄い。 そういったヘンテコな歌(勿論リトルゾンビーズ達の曲も)が全部好きになりすぎてもう3回観に行っちゃったくらい中毒性がぱない。  余談だが、この映画の公式サイトで、同監督の前作「そうして私たちはプールに金魚を、」が無料で公開されているのでそっちもオススメである。
[映画館(邦画)] 10点(2019-06-22 16:11:36)(良:1票)
5.  愛がなんだ
19.6.5 近くの映画館でロングラン上映となっていたが遂に明日で上映終了するというのでもう一度観に行った。監督のTwitterをフォローしていたら毎日のように色んな方の感想が飛び込んで来るのでそれでまた観たくなったというのもある。  【2回目を観ての感想】 彼氏でもない男(主人公のテルコが一方的に好意を寄せている)に呼び出され、熱があるというので料理を作ってあげ、掃除もしてあげるが真夜中に「もう帰って」と言われ部屋の外に放り出されるテルコ。電車も無いのでタクシーで親友の家に行く。親友の葉子に「酷い男だ。そんな都合良く使われてばかりいると関係性が決まってしまう。」と説教をされるのだが、この女もまた仲原という男を都合良く振り回しているのである。 このように、この映画に出てくるのは使われる側と使う側。二種類の人間しか居ないと言えるだろう。そんな極端な人物達による恋愛を巡る駆け引き、せめぎ合いがとにかくリアルに繰り広げられており、そこが凄く面白い所ではまってしまった。 初見時はテルコにばかり気をとられてしまったが、2回目は断然仲原だった。仲原がほんとに憎めないいいやつで、とにかく幸せになって欲しいと思った。  「ジョゼと虎と魚たち」を観てなかったら映画監督をやっていなかったと、今泉監督は言っていたが、この映画も「ジョゼ~」と同じく動物園が重要な場面で登場していて、この作品では象がモチーフとしてとても印象に残った。  最初はテルコがとても不憫に見えてならなかったが、あのラストシーンを観てこんな愛の形もあるんだなと思った。どんなに酷い目に会ってもご飯だけは美味しそうに食べる彼女の笑顔がとても素敵で目に焼き付いた。  とにかく自分にとって好きな映画だというのは間違いなく、これはもう10点をつけるしかねぇ。  【初見時の感想】 う~ん、煮えきらねぇ! と叫んでしまいたくなる映画だった。  とにかく、20代後半の恋愛って面倒くせぇ!それに尽きる内容。 人は人に執着する。しかし時にそれは単に好きだからとか愛してるだからとかではなくて、なんで執着しているのか判らなくなってしまうような、ある意味恋愛に対して考えすぎてしまったが故に巧く生きられない大人達を描いている。  その描写がとにかくリアルで、とくに主人公が「愛がなんだ」と切れ気味でやさぐれながら、同じような境遇の人間に説教する場面が凄く説得力に溢れていて感心した。 相手の事が好きという次元を超えて、もはや相手になりたいとかいう訳のわからない理論に至ってはちょっと分かるような気もしたりした。  かなりしんどい部分もあり、心が痛くなるような内容だったが、どの人物にも感情移入できるし、凄く集中して観ることができた。  はぁ、幸せになりたいっすねぇ…。 と思っている全ての人に刺さること間違いなし!
[映画館(邦画)] 10点(2019-04-23 00:17:06)(良:3票)
6.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 
「カメラを止めるな!」を観に行くのを止められない私を誰か止めてくれ!笑  既に4回観に行った(観過ぎ) これだけ観に行くくらいハマったら、もう10点でいいと思うので、10点に変更。 満員の劇場と、空いてる劇場、両方を体験したが、これは断然前者の方が楽しめたのは言うまでもない。 あの「シベリア超特急」ですら、劇場で観た事により、観客の反応込みで相当楽しめたのだから、デフォルトで作品の質自体も良い本作は、観客との一体感でさらに楽しさが増す事となり、とにかくそれはもう最高なのである。何を言いたいのかと言うと、本作は劇場参加型の映画であり、家庭のテレビで1人で観たりすると面白さは半減するであろうと言う事。なので未見の方は今すぐ観に行った方が良いだろう。  (ここからネタバレ有り) 何回も観てると、そろそろカメラの外の外の外が気になってきたなと思うようになってくる。 それはつまり劇中のワンカット部分を撮ったカメラマンは最後のメイキングスタッフロールで見せてくれるが、やはりそれを撮っていた者も見せて欲しいわけで…。そうなると、さらにそれを撮っていた者も見たい……いや、キリがないわ。
[映画館(邦画)] 10点(2018-08-07 11:38:37)(笑:1票)
7.  さよならの朝に約束の花をかざろう
誰も愛してはならない。愛すれば本当の独りになってしまう。  なんとも数奇な運命を背負った1人の少女の波瀾万丈かつ愛に満ち溢れた、大河ドラマのようなファンタジー巨編よ。  映画館で観て気に入ったので、Blu-ray(特装版)を購入。いやあやっぱり面白いわぁ。映像も凄い綺麗だし。  寿命がやたら長い種族が居て、外界とは離れた所で平和に暮らしていたのだが、突然人間に武力で攻められて崩壊するというファンタジー世界ではよくある定番の展開。 と、思いきやオープニングからヒロインが外の世界に放り出され、そこから始まる数奇な運命。  時の流れが違う彼女達ならではの視点で、人間と交わる事の葛藤や孤独といったものが良く描かれていたと思う。愛すれば愛するほどにやがて着実にやってくる孤独。そんな未来が見えているのに今を精一杯生きている。なんて切ない物語だろうと思った。
[映画館(邦画)] 10点(2018-05-15 22:17:37)
8.  文豪ストレイドッグス DEAD APPLE
実在の文豪がイケメン・美少女化して戦うバトルアクションアニメの完全新作劇場版。  前提としてテレビアニメ版を観ていないと訳分からないと思われるので、まずそちらを観てからの方が良い。  この作品の魅力は実在の文豪をモデルにした多彩なキャラクターが織りなすドラマと、"異能"と呼ばれる特殊能力を使ったバトルの面白さにある。  テレビ版のファンなら間違いなく楽しめる出来だ。 しかし、バトルものの劇場版の常として、より強大な敵が現れスケール感が増すのは良いのだが、どうしてもアクションアクションアクション!になってしまって、普段のまったりした展開やギャグパート等が少なめになってしまって、そこがちょっと不満ではある。でも、江戸川乱歩の無駄遣い過ぎる推理の使い方には笑ったし、敦と鏡花のコンビがいつにも増して息が合っていて良かった。 中原中也の主役級の活躍も熱くて燃えるし、太宰さんは相変わらずクールだし、福沢社長も格好良くて、でももっと出番がほしかったなぁ。  さらに、5月12日から「4DX版」が公開された為、せっかく我が街でも公開されたので観に行ってきた(先着特典のイラスト集が欲しかったというのもある)。 まず、前に観た2D版よりも大きいスクリーンで観られたので、それだけでも迫力が凄いし観る価値があった。 霧の場面が多いのでスモークが大活躍してましたね。ただ、水はほとんどないです。血が出る所くらい。 あと、背中トントンが結構効果的に使われていたのが良かったかな。 中原中也の冒頭のバイクシーンとクライマックスのバトルシーンが特に迫力あって良かった。
[映画館(邦画)] 10点(2018-05-07 20:43:45)
9.  回路
子供の頃映画館で見た。ちょうど「リング」を筆頭にJホラーブームの中公開された本作は、明らかに他とは違う異彩を放っていた。邦画特有のあからさまな怖がらせ方ではなくジワジワと追い詰められるような感覚。作り込まれた世界観は息苦しさを感じさせる。  今見直すとそんなに怖くはないが、インターネットが普及し始めた頃なので、ネットというある意味得体の知れないものと幽霊を組み合わせたというのが画期的だったし、逃げられない怖さがあった。ダイアルアップ接続の複雑さに投げ出してしまう加藤晴彦を見て、自分も分厚い説明書を見ながら必死で設定して、その通りやったのに繋がらないという、ある意味恐怖だったなぁと思い起こさせた。  初期の黒沢清作品で一番好き。子供の頃映画館で見た。ちょうど「リング」を筆頭にJホラーブームの中公開された本作は、明らかに他とは違う異彩を放っていた。邦画特有のあからさまな怖がらせ方ではなくジワジワと追い詰められるような感覚。作り込まれた世界観は息苦しさを感じさせる。  今見直すとそんなに怖くはないが、インターネットが普及し始めた頃なので、ネットというある意味得体の知れないものと幽霊を組み合わせたというのが画期的だったし、逃げられない怖さがあった。ダイアルアップ接続の複雑さに投げ出してしまう加藤晴彦を見て、自分も分厚い説明書を見ながら必死で設定して、その通りやったのに繋がらないという、ある意味恐怖だったなぁと思い起こさせた。  それにしても加藤晴彦演じる主人公は何故あんなにも必死にネットをやりたかったんだろうか? それは勿論…エッチなサイトを見るためですね!←
[映画館(邦画)] 10点(2018-03-12 05:21:33)
10.  勝手にふるえてろ
中二病的妄想爆発!痛すぎるこじらせ系女子が非日常とリアルの狭間で蠢く様を赤裸々に綴ったドラマでありながら、片時も目が離せない力強さに溢れた凄い映画だった。  また、孤独を愛する全ての人に送る決して他人事とは思えないような、怖さにも満ち溢れたホラー映画でもあった。でもユーモアに満ちたシーンも多くて、劇場内では何度も笑いが巻き起こっていました。なので安心して下さい(謎)  何が言いたいのかわからないレビューになってきているけど、とにかく言いたいのは、劇場内の空気感がもう皆真剣に見ているというか、視野見で横見たらサラリーマン風のおじさんまでこんなOLの妄想日記を固唾を呑んで見守っているとか、帰り際にパンフレット買ったら同じくパンフレットを買い求める人が複数人居たりとか(今までパンフレット自体誰かが買うのを見た事がないというのに)、ああ、もうその人達とこの映画について語り合いたい。けど、それは妄想の中の私でなきゃ無理な事であって、現実は微妙な距離感を保って居なければならなくて、それがこの世界で生きる術だから‥‥。  訳のわからないレビューを書いてしまって申し訳ない。まともなレビューの書けない私は絶滅すべきでしょうか?  唯一まともなレビューらしい事を書くとしたら、松岡茉優の演技が素晴らしくて感情移入できたし凄く引き込まれたという事。これは間違いない。  とくに好きなシーンは、ネタバレになるので詳しくは書かないけど、憎い相手から自分の好きなグッズを差し出されて、一瞬迷いが生じて心が揺らぎそうになるシーン。さり気ないけど、こういう微妙な演技も良かった。 あと、主人公の部屋を窓の外から捉えたショットで、松岡茉優が狂ったように反復横飛びに明け暮れているシーン。なんてシュールかつ怪しい奴なんだろうと、なんか面白すぎてふるえました。
[映画館(邦画)] 10点(2018-01-21 19:10:37)(良:2票)
11.  ダゲレオタイプの女
ダゲレオタイプ・・・妙に惹かれませんか?このタイトル。一体何なのか想像もつかないでしょ?ステレオタイプじゃないよ。 私もそんな風にして妙に気になるタイトルだったので、何気なくレンタルしてみたのだった。勿論大好きな黒沢清作品という事もあったが。なんでもダゲレオタイプは170年前の撮影法らしい。でも、映画を観終わって改めて思うに”ダゲレオタイプの女”というよりも、”ダゲレオタイプの男”もしくは”ダゲレオタイプ狂いの男”と言った方がこの映画を的確に表していると思った。でもそんなタイトルじゃあ誰も興味を惹かれないでしょうけどね。あはは。  最初は、普通にアート系の映画かと思いきや、そこはやはり清なので実は凄いサスペンスホラーで。詳しく書くとネタバレになっちゃうんで自粛しますが、簡単にあらすじを紹介すると、何故か今時、世界最古の撮影法であるダゲレオタイプにこだわる男が居て、妻を撮影していたが亡くなってしまった為、代わりに娘を撮影しているという。それはダゲレオタイプで撮影すると魂を生きたまま永遠に保存できると信じているかららしい。そんなダゲレオタイプ狂いの男と、それを手伝う内に彼の娘に恋をしていく事になる主人公を描いた物語。  このダゲレオタイプの機材だとか、撮影されたでっかい”シャシン”だとか、それらの道具が凄い印象に残った。それにしても、ダゲレオタイプで撮影するには露光時間の関係で20分から70分、多い時で120分くらいジーっとしていなきゃならない。そこでモデルを固定するための道具があって、固定して撮影するというのがなんだかシュールで可笑しいが、これは大変な作業だと思った。 面白かったのは最初はカメラとか芸術に全然興味の無かった主人公が、次第にダゲレオタイプの世界に魅入られて行く所。また、この主人公が段々と狂っていくところが怖くて、監督の前作「クリーピー」でしだいに狂っていった西島秀俊を思いおこさせた。 直接的なホラー描写はあまりないんだけど、黒沢映画特有のジワジワと攻めてくるような怖さがあり、勝手に閉まる扉や、明暗はっきり分かれた映像、ロケーションの美しさ、など見所は多い。「岸辺の旅」に通じるテーマ性もはらんでいて、後半の展開はとても切ない。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2017-09-18 19:45:13)
12.  散歩する侵略者 《ネタバレ》 
3/8 特典映像付のblu-rayを購入し、既に3回くらい鑑賞。キャストが対談で好きなシーンは何か聞かれて、長澤まさみが光石研が豹変するシーンと答えていたのが良かった。私もあのシーン好きなので。 劇場を含めこれだけ繰り返し見てしまうほどハマッたという事でもう10点でいいよ。 人によっては退屈な映画かもしれないが、普遍的な物語に宇宙人という非日常なモノを掛け合わせる事でこんなにも面白くなるのかと思ったし、単なる侵略モノに終わらず、夫婦の愛がテーマになっていたり(クライマックスでの長澤まさみと松田龍平のやり取りのシーンは素晴らしい。凄い演技。)、黒沢清の徹底した画作りだったり、とにかく隙の無い映画だった。   9/25 2度目の鑑賞。(他に観たい作品あるのに何故かまた観てしまった。アホだ・・・) 初見時点数4→翌日6→今8  これは2回目から面白くなるタイプの映画だったか。 いや、初見時期待感を上げ過ぎるとこうなる事がある。よくある。  とにかくこうなtって来るともう松田龍平が宇宙人にしか見えないよね。 あんなにマッタリした感じで本当に侵略する気あるのか?と疑問に感じるのは変わらずだが、少女に寄生した宇宙人は気性が荒い事から、彼らにも色んなタイプがいるんだなという事で納得する事にした。  ジワジワと異変が起きていることが分かる展開はゾクゾクするし、かといってシリアスすぎず、全体的にコメディタッチなのが絶妙!突然画面が暗くなって不安を煽ったり、病院での長回しによるパニック描写などは黒沢清らしくて好き。 光石研の「キーーン」は何回観ても笑える。ここだけで10点やりたいぐらい。
[映画館(邦画)] 10点(2017-09-12 23:25:18)
13.  ディストラクション・ベイビーズ 《ネタバレ》 
ただ殴り合うだけの映画(極端に言うと)なのに何故ここまで惹きつけられるのか。  柳楽優弥の存在感が凄いからだ。誰かれ構わず喧嘩を吹っ掛けるスタイルで、決して喧嘩が目茶苦茶強いわけじゃないんだけど、殴られても殴られてもニヤニヤしながら追いかけてくるその不気味さはただならぬものがある。たぶん殺さなれない限り諦めないのではないか。こいつはモンスターや、喧嘩モンスターや。また、カメラは観客を常に傍観者の視点に置き、引きの構図で延々と喧嘩してるシーンを見せるものだから観客も野次馬の群衆の一人になり、ただ茫然と見つめることになる。主人公なのに決して柳楽の1人称視点にはならない所が巧いと思った。 またこの喧嘩モンスターは何故、菅田将暉に手は出さないのか?これはBlu-ray特典のインタビューで、あまりに雑魚だから相手にしないのではないかと言っていた。そんな菅田が彼を見事手なずけて急に調子に乗り出す小者っぷりもクズすぎて最高だ。 小松菜奈はファンとして、そのあまりの扱いに衝撃&涙目になったが、最後キレて菅田将暉をフルボッコにするシーンは最高にスカッとするシーンだった(笑)
[ブルーレイ(邦画)] 10点(2016-12-08 01:01:27)
14.  この世界の片隅に(2016)
映画館で観て以来5回以上は観ていると思うが、なかなか納得のいくレビューが書けず削除してしまっていた。  結局この映画の何が良いのかと言うと、最初はほのぼのした戦時下の日常が描かれ、大変な時でも常にマイペースなすずさんに癒され、のんのちょっと間の抜けた優しい台詞にもホッとさせられ、戦時中とはいえほんとに普通の日常が描かれるので楽しいなぁと思っている所に突然降りかかかる戦争の火の粉。まさに不意打ち。しかし、戦時下を描いているのだから当然の展開。この映画はそういう展開にならないんじゃないかと何処かで安心していた心をこれでもかと打ち砕く。 だからこそ、最後の悔し涙を流すすずさんを見ていると胸が張り裂けそうになる。 このシーンはほんと何回観ても心が揺さぶられる…。
[映画館(邦画)] 10点(2016-11-17 02:44:53)
15.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
映画館で見そびれてしまい、DVD化されるのをひたすら待っておりました。 観終えて一言。ああ、なんでこれを映画館で観なかったんだ…。 とにかく、そのアニメーションのクォリティーが半端ないよ。 筆絵のようなタッチで描かれた繊細な画。日本独特の色使いの美しさ。そこに『となりの山田くん』を思わせるわざと空白だらけの背景が非常に合う。観る者の想像力を掻き立てるのに成功していると思う。 8年もモチベーションを保ってこんな傑作を作り上げた高畑監督は凄いとしか言いようがない。豊富な資金のある大手だからこそ出来た業だと言えるが、ほぼ回収不能な莫大な制作費を惜しみなく注ぎ込むその姿勢こそ素晴らしいと思う。 物語そのものは誰もが知る竹取物語だし、そこまで新しい解釈を盛り込んでもいない。正直、なんで今更これを映画化したんだろうとも思えた。しかし、見終わってからもいつまでもこの映画の事が頭から離れない。そして、翌日もう一度観た。やっぱり傑作。 ここのレビューを見てもわかるように、人それぞれ色んな解釈ができる作品ではないだろうか。 最後の別れを死と捉えるか、旅立ちと捉えるか…。 とにかく、一人の女性の成長物語として、彼女の一挙手一投足に目が離せなかった。その感情のあまりの真っ直ぐさにひたすら胸を打たれた。人生は辛いことばかりで、思うようにならない事ばかりだ。しかし、それでも希望はあるという事をこの映画は訴えたかったんじゃないだろうか?思い通りにならないからこそ楽しかった思い出がいつまでも光り輝く。最後、月に浮かぶ幼い少女の笑顔を見ながらそんな事を考えた。
[ブルーレイ(邦画)] 10点(2014-12-18 22:47:01)(良:1票)
16.  図鑑に載ってない虫
意外に低評価なのに驚き!自分は人と笑いの感性がちょっとずれているのかもしれん。 だってこの映画、最初から最後まで笑いっぱなしよ?(笑) 三木作品は一応全部見たけど、現時点ではやっぱりこれがベストですねぇ。 前作の「亀は意外と速く泳ぐ」を見てビビッときた人には絶対おすすめしたい作品。 なんせ「亀は~」はちょっとおしゃれな映像に、上野樹里ののほほんとした演技も相まって終始ゆったりとした、なごやかぁ~になる感じの作品だったが、本作は初っ端から松尾スズキを巻き込んで展開する最高にクレイジーなハイテンションムービーだからだ。 以下に、その凄さをあげてみたい。 まず、なんといっても松尾スズキの存在感が凄い。次々に繰り出される小ネタの数々に圧倒される。 そして、伊勢谷友介が格好良い。しかし、意外に演技は下手である。この映画におけるつっこみ的立ち位置を考えると、もう少しリアクションをなんとかしてほしい。 それから、ファンにはたまらない岩松了とふせえりのコンビも健在である。 他にも、村松利史や片桐はいりなど超個性的な曲者揃いのキャストがすばらしい。 ストーリーは完全予測不能!意外な展開の連続が見るものを襲います。  ・・・他にも見所をあげればきりがないが、とにかく面白いとしかいいよういがない。まあ、基本はくだらない映画なので、その手の映画が好きな人にしかお勧めできませんが。 
[映画館(邦画)] 10点(2009-07-31 19:50:22)(良:1票)
17.  うつせみ 《ネタバレ》 
かなり変な映画、でも予想外すぎて面白い。 青年は空き巣に入っては何か盗るわけでもなく、料理を作ったり、洗濯をしたり、植物の世話をしたりと普通に生活する。時に体重計を狂わせたり、おもちゃの銃を改造したりとちょっとしたいたずらも行いますが。とにかくこのこのアイディアが素晴らしい。この設定だけで如何ようにもストーリーを展開させるのは容易だろう。しかし、青年と人妻の生活は序盤であっさりと終焉を迎える事となる。だが、この映画の凄い所はここから予想だにしない異様な展開を見せる点にある。そう、ここからが本番なのである。  牢屋に入れられた青年は両手を広げ手首をクイクイッと動かす妙な動きを会得する。驚くことにこの動きを使うことにより、遂にその存在そのものを消し去る事に成功したのだ。まるで幽霊のような存在となって愛する者の元へと帰ってくる。これぞ究極のNTR(寝取られ)ラブストーリー!
[映画館(字幕)] 10点(2006-06-18 21:04:43)
18.  リンダ リンダ リンダ
高校生というにはだいぶサバを読んだ年齢なのに、ここまでなりきれるペ・ドゥナの演技力は最高です。とにかく表情豊かだし、コミカルにいきいきと演じていてとても良かった。ブルーハーツ×文化祭という設定もGood! 文化祭という一大イベントに皆で必死に取り組んで、それが最高潮に達したときの感動。やがてそれが終わり一気に収束していくあの切なさ。それをフィルムは見事に描き出している。これぞ青春の醍醐味だ!
[映画館(邦画)] 10点(2006-02-23 23:01:33)(良:1票)
19.  ひらいて 《ネタバレ》 
好きな人に近付く為には手段を選ばない。目的遂行の為には何をしても許されると思っている超自己中心的肉食系女子。 それがこの物語の主人公、木村愛だ。  好きな男の子に付き合っている彼女が居ればフツーあきらめません? しかし、愛ちゃんは全く引き下がらないばかりか、好きな男の子の机やロッカーを漁る為には夜の学校に忍び込む事も厭わない、正に行動力の化身。  かくして愛ちゃんは好きな人(たとえ君)のロッカーからある手紙を見つけてそれを持って帰ってしまう。それは実はたとえ君に宛てた美雪という人物からの恋文であった。  いてもたっても居られなくなった愛は美雪に接近し、友達が欲しいという彼女の願いを叶えるために友達になり、さらにはもっと深い関係になって行くのだった。 それはたとえ君に振られた事の腹いせともいえる行為であったが、美雪の方も何故か愛を好きになり、そこから複雑極まりない学校生活を送っていく事となる。 最初はあくまでたとえ君の恋人を寝取るという行為であり、内心は同性に嫌悪感を抱いていたはずだが、次第にその気持ちにも変化が生じて行く。小説ではその辺の心境の微妙な移り変わりが繊細に描かれていてとても引き込まれたが、果たして映像ではちゃんと表現出来ているのか?と思っていた所、これが素晴らしい演技によって上手く表現されていたので素晴らしかった。  基本的には主人公の愛は最低の奴である。地道に陰で愛を育む2人の純情な関係に入り込む余地など無いのに無理矢理割って入り、厚顔無恥かつ卑劣な手段で二人の気持ちを掻き乱して行く。現実で側に居たら絶対に嫌な奴だが、フィクションだし他人事として見る分には実に面白いのだから困ったもんである。  そんなとんでもない主人公を演じた山田杏奈の演技力が凄かった! 好きな男子を見るときの獲物を狙うような鋭い目力が素晴らしい。 また、結構大胆な濡れ場もあるのだが、邦画にしては逃げずに描いていたので良かったかな。そこを省略してしまうと全く原作の本質が無くなってしまっていただけに、ちゃんと分かっているなと感じられとても良かった。この作品を映画化する為に監督になったというのは本当なんだな。 原作には無いシーンで良かったのはカラオケの場面。2人の立場の違いがより明確になっていたしあいみょんの「ふたりの世界」がとても印象に残る。  もう一つ特に好きなシーンは最後に愛がフラフラと美雪と一緒にたとえ君の家に行くシーン。 もはや完全に拒絶され、悪者となっている状態なのにもう惰性で向かっている感じがなんか憐れだし、そこでたとえ君の父親を殴るという大仕事をやってのけるのが最高だ。 しかもその後、ちょっとやってやった感を出して2人に説教してるのも笑えるし、あれだけの最低な奴を許してしまえる2人もまた優し過ぎて泣いた。 最後に、結末が原作の途中で終わっていて(殆ど最後に近いけど)、最初はそこで切っちゃうと意味変わってこない?って思ったけど、色々想像出来るしあれで良かったのかなと思い始めて来た。また何より監督のフィルモグラフィーに秘密があったのを発見。最後の台詞と同じタイトルの映画があるじゃん!
[映画館(邦画)] 9点(2021-11-07 14:19:22)(良:1票)
20.  サマーフィルムにのって
映画作りに青春をかける物語という時点で映画ファンとしては面白くない訳が無いし、とにかく撮りたい映画を撮るために全力で突き進む感じは「映像研には手を出すな」を思わせるし、とにかく熱い内容だったし、思い切り青春だった。 とにかくこういう青春映画が観たかったという私の要望に合致していた。 キャラクターも皆個性的だし、変なあだ名が付いているのに説明が無いのも気になるし(パンフを読んで判明したが)、とにかくどのキャラクターも愛おしくて好き。 中でもやはり主人公のハダシのド直球で突っ走る感じが最高だ。 自分の撮りたかった映画の主役にぴったりな人物と映画館で運命的に出会いそのまま追いかけるくだりが最高だった。 走って走って川に飛び込んでまで追いかける。絶対に逃さないと決めたからだ。 「私の映画に出て!」 「あなたじゃないと撮らない」 なんて全力かつ真っ直ぐな台詞だろうか。 時代劇って斬る事が愛情表現だったんだなぁ。 好きだからあなたを斬る! 嗚呼これこそ正に青春映画だよなぁ。  とにかくこの映画が好きだ。 もう好きってしか言えない。
[映画館(邦画)] 9点(2021-09-17 22:21:55)(良:1票)
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