Menu
 > レビュワー
 > なんのかんの さんの口コミ一覧
なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2336
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  世界の中心で、愛をさけぶ
これは流行に乗って原作読んでたんで、脚色とはこうやるものか、と随所で思った。エピソードをうまくあっちとこっちをつなげたり、生き生きさせている。人物の来歴に手を加えたり(アキが弔辞読む先生とか)、いろいろの加工の跡を見るのが楽しかった。原作のネタをあちこち動かして、シナリオライターが自分の世界にしていく。編曲の楽しみと言うより、コラージュ現代美術みたいな感じ。たぶん原作より締まった。そして反復される台風の空港、長回し。ヘンデルにヒントを得たと思われる音楽が流れている。
[DVD(邦画)] 6点(2014-03-12 10:13:59)
2.  稲村ジェーン
前半はかなりつらかった。後半はこちらで意識の緊張度を落としたので「ややつらい」ぐらいですんだ。どうもだらだらなのよね。引きつけるものが「大波」だけで、それだけで興味をつないでいくのは、サーファーでない身にはしんどい。出てくる子どもたちが面白くないし、そもそも人間に対する興味がない監督みたい。最後の演奏を8ミリで撮ってるとこなんかちょっといい。あるいは地下通路の端の階段に降る天気雨とか。風でおもむろに盛り上げた映画らしい部分の後が、SFXになっちゃうの。小銭を壷に入れて水が溢れるとこなんかも映画らしいんだけどなあ。そういう部分部分でいいところはあった。「愛しちゃったのよ」のクワタ風バージョンも聴けます。
[映画館(邦画)] 4点(2014-03-08 09:18:23)
3.  つぐみ
思い切ったナレーションの多用。言葉で分かる部分は言葉に任せちゃって、画は画でいこうって腹みたい。細かいエピソードの連続でいこうという腹でもある。映画としてのうねりは放棄しているようなので、それについて文句を言ってもしょうがない。「最後のひと夏」ってことが重要だと思うんだけど、イメージが過去に戻ったりするから「ひと夏」って切実さがあんまり出てこない。輪郭がぼやける。つぐみは外面は普通の子やってて、家の中では「後味悪いぞー」などと毒づく(あそこはいい)。そこが面白いんで、その違いはキッチリしたほうがいいのに、無頓着だったような気が。牧瀬嬢はかわいいすよ。
[映画館(邦画)] 5点(2014-03-07 09:47:55)
4.  悪魔の手毬唄(1977)
これが白石加代子の映画デビューだとずっと思い込んでたが、今確認したらこの前に「さそり」シリーズの一本で出てるのね。なんか「王女メディア」を連想させるような凄まじい役で、見てないけど彼女の狂気演技が想像できる。で本作だが、当時私は動いて演技をする彼女を見るのが初めてだったので、おそるおそる期待とともに観賞した記憶がある。雰囲気充満だけど、意外におとなしい印象。「白石加代子」を突出させず、崑さんの作り物の世界にピタリはめた、と感じた。日本的怨念をジワッと過剰に滲ませる人で、崑さんがもっぱら日本的な装置にバタ臭い女優(岸恵子とか草笛光子とか)を配置する趣味なのに、さらに逆の方向からアクセントを一つ加えてアンサンブルに厚みを出している。草笛光子はこのシリーズを通しての助演女優賞ものだと思っているのだが、おどろおどろしい日本的情念の世界に和服の草笛光子を配置すると、全体の「作り物」感が際立つ。そこにさらに背景であったおどろおどろしさいっぱいの白石加代子を置くと、調味料に砂糖と塩を混ぜて入れたようで、コクが出るんですな。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-03-01 09:20:08)
5.  鍵泥棒のメソッド 《ネタバレ》 
この人の映画に登場するのは、どこか気が弱くてその結果優しい人が多く、その気の弱さのせいもあるのか、瞬発的に思い切った行動にでられるバネもある。気の弱さのせいで自殺を企んだものの、うまくいかず、それならもうすべてを放擲してもいいのに、風呂屋でそばの客が転べば半ば無意識に鍵泥棒になっている。そして根の優しさのせいで、手に入れた金で借金の精算をして回っている。お詫びのビデオを録画している。ここらへんに納得できるか出来ないかが分かれ目だろうが、私は納得できて楽しめた。「まったく違う人生」を人は俳優のように演じ替えられる、ってのが基本モチーフの映画だろう。だから後半やくざに凄むあたり、前半の気の弱さから飛躍しすぎかとも思えるのだが、「まったく違う人生」モチーフを思い出して、これもありか、と妥協できる。ドラマとしても、やくざを納得させきれない展開にして、配慮。過去の作品と比べて、後半の流れがギクシャクしたのは否めないが、新作を楽しみ待ちする監督ではあり続ける。香川の部屋の偽造身分証明カードの一つ一つを、じっくり手に取って眺めたかった。
[DVD(邦画)] 8点(2014-02-25 09:24:49)
6.  隠し剣 鬼の爪
「それはご命令でがんすか」というセリフが三度繰り返され、最後は封建思想を抜け出たときの冗談めいた言葉になっていて、そのうつろいが山田さんの思想の表明なんだろう。この監督はいつも終わりの着地の地点がダラダラし緩くなってしまうものだったが、今回はサッと引いていていい。高島礼子が訪れてくるところも、意外に凄味があって見直した。底に流れているのは砲術の時代の侍の気分。なんじゃあれは、と昔気質の人には言われている。
[DVD(邦画)] 7点(2014-02-16 09:39:18)
7.  スウィングガールズ
あれは本当にある方言なの? 「‥‥‥ず」。みんながそれを喋ってるのって、いいよな。おとぎの国のような雰囲気すらある。この監督は動きのギャグがいいのだが、今回ではストップ画像のイノシシが印象深い。あのおかしさはなんなのだろう、一番動きが激しそうなシーンを、わざわざああ処理したおかしさなのか。洒落っ気ね。「未熟時代の下手な演奏」ってのがこういうのでは難しく、わざとらしくなってしまうのが多かったけど(ドラマで音痴の下手ぶりがわざとらしくなってしまうのと同じで、だいたい音はプロにやらせることが多かったからだろう)、これは実にリアルに下手だった。ドキュメント的な成果。上野樹里は、コメディの勘所を分かっている。
[DVD(邦画)] 7点(2014-02-13 09:37:06)
8.  大誘拐 RAINBOW KIDS 《ネタバレ》 
これ原作読んだときは、頭の中では浪花千栄子が演じてしまっていて、それがピタリだったものでもう彼女以外考えられなくなっていた。原作者も彼女をイメージして書いたんだろうと勝手に確信したぐらい。原作が発表された時点でもう故人だったんだけど、あの人で見たかったなあ、とは切実に思った。これは喜八監督の腕よりも原作に負った映画。でも天本英世や中谷一郎もちゃんと出てます。テレビ中継の部分が一番今(1991年当時)を感じた。このころから一番臨場感を得られるのはブラウン管を通してになったんだな。誘拐するまではもっとあっさりしてていいだろう。車の中で刀自が次々と犯行の不備を指摘していくあたりからが本題。仲間の一人が素顔で村娘とあってしまうあたりのとぼけたおかしさ。でテレビ中継か。刀自が具体的な数字を挙げて演説するシーン。セリフ覚えるの大変でしたろう。あの映画作った時点での生存俳優となると北林谷栄以外考えられなかったな。本作のいいのは、嫌な奴が出てこないところ。家族たちも俗っぽくなりそうなとこで抑えられている。
[映画館(邦画)] 8点(2014-02-07 09:34:15)
9.  茶の味
なんであなたは三角定規なの、のほうが、山よ山よ山は生きている、よりよかった。普通に喋ってる感じと普通でないとことの同居。人工的な画面と夕焼けの自然な場面との同居、でもある。CGを溶け込ませるでなく・際立たせるでなく、同居させている。そういう変な感じ。変なことやってるでしょ、という「どうだ」の姿勢がくどくなりそうなところを救う三浦友和・手塚理美の存在が大きい。栃木県茂木町だそうだ。囲碁囲碁と叫びながら、やがて囲碁マンになって正義の妄想にひたる。うんこを載せられたやくざの幽霊が、掃除をしてるときもボーッと立ってる。さか上がりが出来て仏頂面の少女は最後に笑う。もうちょっとで「どうだ」という態度への反発が起こるギリギリのところで、なんかうまくかわされてしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2014-02-01 09:21:39)
10.  男はつらいよ 寅次郎恋歌
酔っ払いを連れてきた寅が、さくらに唄を歌わせる。あの後の自責の念が募るあたり、いいなあ。唄のうまい身内を自慢したい軽い気持ちで呼び込んだことから、自分が妹に対して迷惑ものであると悟り、「俺はこの店の空気と違うんだ」と身に沁みてしまう。内と外の切り替えがうまく出来ない人なんだな、基本的に彼は。そういうモチーフはシリーズを通してしばしば現われるが、このエピソードなんかはとりわけ哀切。あとヒロシの母親の死が重いモチーフとして本作の中心にあるが、寅が焼香に現われる場や、さくらが義父宅に電話すると寅が出るあたりで笑いに代えている。池内淳子が経済的にきつい目にあっても、仁侠映画のように殴り込みにいけない寅であった。このシリーズは東映の仁侠映画のパロディとして始まったものだったが、社会悪に対する怒りを行動にすることの無力をしみじみ知らされた70年代の雰囲気を記録してもいた。
[映画館(邦画)] 8点(2014-01-24 09:39:26)(良:1票)
11.  
退屈している逗留客のいる温泉宿の風景、っていかにも井伏鱒二が設定しそうな場であり、また清水宏が膨らましたくなりそうな設定。いちおう怠惰な妾暮らしから勤労に目覚めていく、という時局にも合った話の体裁にもなっているけど(新婚さんなら何日逗留できる、というような決まりが当時あったことが分かる)、おもに斎藤達雄と日守新一の漫才を見て楽しんでいた思いがする。最初、横移動で主要な部屋の位置関係を知らせる動きは、戦後の『小原庄助さん』に近い。けっきょく時局とは関係なく、清水宏の世界が穏やかに流れていっただけなのだ。
[DVD(邦画)] 7点(2014-01-17 12:52:20)
12.  男はつらいよ 柴又慕情
渥美・おいちゃん(ここでは松村達雄になってしまったが)・おばちゃんの演技と、倍賞・前田の演技の質の違いをうまく使ってるんだなあ。こういう異質な要素が混在するって、コメディを作るときは難しいと思うんだが、それをうまく使っている。寅がヒロシをからかうと「ひどいこと言うなあ、にいさんは」なんてあたり。ヒロシのマジメくささを微笑ましく見せるような笑いの場に変えて、二つの世界のズレを生かしている。たぶん前田吟は「若者たち」の山本圭に連なるキャラクターで、60年代だったらそのままで堂々と主役を張れたはずだ、マジメさだけを売り物に。ところが69年に断層が出来、プログラムピクチャーの本通りが東映の仁侠映画から寅さんシリーズに移ったように、マジメがマジメだけじゃ使えなくなってしまった。マジメの前田吟を、異質な要素としてときにからかい・ときに逆にとらやの人たちを対象化する存在として、とらやに呼び込んだよう。寅の恋の物語としては、ベースの形を味わえる。「また来るって、また来るって」とか「ヨシッ」とかウキウキするかと思うと、二人っきりになるとオロオロしてしまい、さくらが帰ってくるとホッとしてすがるあたり。ほんと子ども。だから大人の相談に入れてもらえない。本シリーズでは『七人の侍』の面々が、“男らしさを無理に貫く寂しい人”として登場するが(あと志村喬や三船敏郎)、今回の宮口精二も良かった。監督の『七人の侍』へのオマージュであり、また批評でもあるんだろう。
[映画館(邦画)] 8点(2014-01-13 09:40:14)(良:1票)
13.  どっちもどっち
松田聖子は喜劇やれる人じゃないんだ。とりわけはしゃぐシーンは、バラエティ番組のおふざけコントになってしまい無惨。沢口靖子は、お嬢さんでかまわない役どころだけど、やり直しが利くと思っていた若さで不意に死んじゃって、その恨みを多食で晴らすというやりがいのある設定なのに、惜しい。なら代わりに誰が出来るか、となると、ま難しいんですけど(当時の日記には、もう少し若ければ石田えりあたりでどうか、と記している)。各種スポーツ中継をめぐる趣向。飛んでるときの東京の夜景が美しい。沢口靖子がさんまの部屋で、でぶでぶと言うとこがおかしい。隣室の夫婦はただ目撃するだけじゃなくて、もっと積極的に関わってきてもよかったんじゃないか。
[映画館(邦画)] 5点(2014-01-08 08:48:04)
14.  運命の逆転
ちょっと前に実際にあった事件もの。当事者がまだ生きてるうちの映画化ってのは、それで盛り上がってたアメリカ人には面白かったでしょう。こういうナマの面白さは映画にとって大事だと思ってるんだが、それを知らなかった異国のものにとっては、疎外感はあります。真実がどんどん分裂していく面白さ、といった「形而上学的」興味を無理に味わうしかない。形而下の楽しみも味わいたかった。金持ちには金持ちなりの不幸があるんだなあ、とは思った。「上流社会の奇人」って独特の世界を造れちゃうからいい。ルートヴィヒのように道楽で城を建てられる。日本にも金持ちがニ笑亭って珍妙な家を作っちゃった話があった。この映画では回想シーンの庭園に虎の子が出てくる。
[映画館(字幕)] 6点(2014-01-06 09:27:02)
15.  東京流れ者
小津映画の同窓会メンバーの常連、北龍二がやくざの親分だ。ただし気が弱い。そういえばあっちでも若い細君を気にしすぎてたりして、そんなキャラクターだった。異様に清潔なセット。原色で。この監督の、というか美術の木村威夫の好みを表わすのに、「ステージ性」って言葉はどうか。活劇のステージとしての簡潔な清潔さ。日本の家屋でも格子などが強調されていて、演歌の舞台背景のようになっている。佐世保のドンチャン騒ぎでも、どこかステージ性が意識されている。この人のセットの特徴として「ステージっぽさ」という言葉を当てはめてみた。本来記録するものだったフィルムに、舞台の不自然さを強引に持ち込んでみた、ということか。
[DVD(邦画)] 7点(2014-01-05 09:52:49)
16.  遺産相続 《ネタバレ》 
『お葬式』に『マルサの女』的な情報を盛り込んで“二倍楽しめます”を狙ったようなのだが…。旦那が死ぬまでぐずぐずしていて、人情と合わない法律の冷たさを妾の側から描くのかと思っているとそうでもなく、政治家を絡めると社会性を出せたって気分になるのも困ったものである。三階ぶちぬきのセットが面白かったが、うまく使いこなせていなかった。佐久間良子が風間杜夫の弁護士に土下座するとこで職員がみな見下ろしたり見上げたりしている俯瞰のカットがあって、あの次に横からの三階ぶちぬきのカットが入ると思ったのだが。小川真由美が出てくると締まる。野々村真が出てくると緩む。最後は五分五分で人情で手打ち。どうして冒険をしてくれないのだ、邦画は。
[映画館(邦画)] 5点(2014-01-03 09:43:22)
17.  歌麿をめぐる五人の女(1946)
道具としての女、その女が男を刺すこと。なんか大枠だけ捉えると、溝口っぽさが感じられなくはない。田中絹代のアップの凄味が変に印象に残っている。あんまりアップで捉えたことなかったんじゃないか。時代が変わって、何かやってみたってことなのか。時代と言えば手ぐさりをめぐるエピソードなんか「戦後」を思った。自由に描ける時代になったんだ、って気分が底にあったのでは。自発的なテーマと言うより、そういうことをテーマとする時代になったんだ、という手探りのような。ま原作ものなので、あまり物語から監督の狙いを探っても意味はない。溝口と言うとまず明治で、江戸時代だとそれまでは侍階級だった(『元禄忠臣蔵』とか)。やがて西鶴や近松に惹かれていく彼が、江戸時代の町人階級を扱ったのはこれあたりかららしい。
[DVD(邦画)] 6点(2014-01-02 08:51:57)
18.  男はつらいよ 寅次郎夢枕 《ネタバレ》 
長期にわたったシリーズもののベストを判断するのは難しいが、それぞれの作品を観たときのトキメキの記憶で比べてみると、私は本作で一番ときめいた。寅の恋路がうまくいくってのの最初で、恋路でもないんだよな、ラッキョは緊張しないでいられる女性だったわけ、そして他人(米倉斉加年)の恋を優位に立ってクスクス笑いながら見ていた寅が、突然当事者になってしまいガクガクッとなってしまう。この転換に唸りましたな。パターンの引っくり返しでありながら、ただそれだけでなく、すごくキャラクターとして納得がいく。寅の悲劇の核がここにある。寅という人物がしっかり確立された一編であり、また八千草薫でなければならないマドンナだった。彼女のほうもすんなり納得できる。ラストのとらやで「あたしが振られたのよ」とか言って、まわりが冗談だと笑っていると「なんでおかしいの」と言うその語り口が(あくまで社交の範囲内の会話でありながら、本当にどうして理解されないのか、と思っているのが半分、理解されないことに対する苛立ちが半分)絶品だった。八千草さんてテレビの「岸辺のアルバム」では、スルッと不倫に走ってしまう貞淑な人妻をリアリティみっちりで・しかも不潔感皆無で奇跡のように演じたし、だいたい「ちょっと普通でない人」をやらせると凄いんです。
[映画館(邦画)] 9点(2013-12-31 09:31:52)(良:1票)
19.  名刀美女丸
敵討ちものの体裁を取っているのは戦争も押し詰まった年に映画を撮るための方便だったのか、実質は刀鍛冶の職人道の世界ね。得意の芸道ものにも繋がりそうだから(川口松太郎・脚本)こういうものなら何とかなると思ったのかもしれない。敵討ちのための刀を作る話になっている。いちおうチャンバラもあって、幕末の尊王と重ねて、時代の気分にも配慮。そういった「うまくいくかもしれない」要素を何とか掻き集めて撮ってみたが、結果ヘンテコな映画になっただけだった。まあお金や時間や機材の足りなさもありましょう、そういう中で何とかこういう映画を撮っていたのか、と知ることが一番の収穫。チャンバラの気合いの「はいらなさ」が半端でない。
[DVD(邦画)] 5点(2013-12-29 09:42:16)
20.  続・座頭市物語
緊迫の場では音楽を鳴らさない、という当たり前のことが邦画では嬉しい。漠然とした印象で言ってしまうが、邦画ではすぐに音楽がうるさく鳴っていた気がする。仁侠映画の健さんは黙って仕事をしていたが、いくつかのアクション映画ではやたら金管楽器が吹き鳴らされて迷惑した。音楽を伴わないと迫力が出ないアクションは、アクションの敗北であろう。アクションは本来身体で聞かせる音楽として映画のカナメだったはずだ。この続編のシリーズ二作目までが白黒で、湖畔の場など美しい。もうしばらくモノクロでいけたんじゃないか。城健三朗時代の若山富三郎。
[DVD(邦画)] 6点(2013-12-27 10:18:49)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS