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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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201.  ミス・ポター
誰もが知っているピーターラビット。その誕生秘話と作者ベアトリクス・ポターの半生を描いた伝記モノです。  映画である本作も、絵本のようにストーリーは軽めに流しますが時折挿入される湖水地方の風景など画の美しさが印象に残る。ずっと休暇を過ごし親しんできた湖水地方の美しい自然と、彼女の絵本の主人公がいつも動物であること、農場を買い村の自然の保全に動いていくこととは無関係ではないのでしょう。そんなことをさりげなく伝えてくれる作品です。  僕はレネー・ゼルウィガーという人はずっと苦手だったのですが、本作の彼女は良かったなあ・・・。特に本の出版が決まる。ノーマンとの結婚を決意する。などなど、そんな時に幸せをかみ締めるような笑顔がとても良かったです。最後の台詞の代わりに彼女の笑顔を挿入する。そんな演出も良かったと思います。そして作品のかなりの時間に流れ続ける静かな音楽も作品の雰囲気にとてもよく馴染んでいました。  伝記モノとしてはもう少し尺が長くなってもよかったので、ノーマンとの別れの後のミス・ポターのストーリーをもう少し見たかったという思いも残ります。しかしノーマンとの愛やミリーとの友情を巧く絡めながら、音楽や時折挿入されるアニメーションの使い方も効果的な、とても静かな佳作でした。
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-01 21:38:00)
202.  夜空に星のあるように
イギリスの名匠ケン・ローチの長編デビュー作です。苦労を抱えながらも生きていくイギリスの庶民の数々のドラマを描いてきたケン・ローチ。デビュー作から彼が映画の中で描く対象にはブレがないですね。  本作は男運に見放されたような、幼い息子を抱えた若い女性の日々を綴った作品です。そんな主人公の弱さを見せる部分もありますが、それだけではなく目の前にある現状を受け入れていく強さを感じました。そしてラストで未来や理想の生活を語る彼女の姿からはささやかな希望を感じさせてくれるし、それはケン・ローチの人間賛歌であり庶民への賛歌のように思えました。  音楽を担当したドノヴァンのメロディと、登場人物の心を代弁するかのような歌の歌詞が素晴らしかったです。
[DVD(字幕)] 7点(2012-09-28 21:46:12)
203.  127時間 《ネタバレ》 
序盤のマウンテンバイクで渓谷を駆け抜ける疾走感、渓谷の秘密の池に飛び込む解放感。そしてそこに挿入されるアップテンポの音楽には若さと躍動感が満ち溢れています。  しかし一転して主人公の男が腕を岩にはさまれ身動きが取れなくなって以降は当然ながら作品も身動きがとれなくなってしまう。そこで挿入されるのが回想や空想ですが、ちょっとこれが多すぎたでしょうか。  実話モノなので彼が恐らく127時間後に脱出するであろうことは分かるのですが、それでも少しずつ、しかし確実に減り続けていく水筒の水の残量、カメラのバッテリーの残量は、そのまま彼が命を維持するのに残された時間の目盛りであるかのような緊迫感がありました。
[DVD(字幕)] 6点(2012-09-02 13:48:29)
204.  かげろう(2003)
第2次大戦中、戦火からの逃避行の途中に出会った2人の子どもを抱えた母親と一人の青年のお話。何も起こらない淡々とした空気の映画は好きなのですが、本作の場合、登場人物に常に一定の距離感を持たせ、シチュエーションや音楽の使い方など、結構何かが起こりそうな雰囲気があるのですが何も起こらない。特に途中で2人の兵士が登場する時間帯はそんな雰囲気だけは十分ですが、結局ここも何も起こらないまま立ち去っていく。今ひとつ登場人物の心が感じにくい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-08-22 00:06:07)
205.  マリリンとアインシュタイン
冒頭、映画の撮影現場。通気口の上に立つ白いドレスのセクシー女優。通気口から風が吹く度にスカートが舞い上がる。その度に見物する男達から歓声が上がる。しかし、当時のその女優の夫である体格のいい男だけは不機嫌そうにそれを眺める。そしてホテルに滞在する原子爆弾に関係がある著名な物理学者。さらに1人の政治家。  この冒頭は紛れもなく「七年目の浮気」の例のシーンであり、この女優はマリリン・モンロー。夫は勿論ヤンキースのスーパースター、ジョー・ディマジオ。(実際にディマジオはこのシーンの撮影現場を訪れ、このマリリンの姿に激怒したそうですね。)物理学者とは勿論アインシュタイン。そしてもう一人、マッカーシー上院議員。  しかしこの映画、この人物達を指しているんですけど、あくまでも全員が“らしき人物”なんですね。人物の設定には現実感がありそれぞれの当時の苦悩が描かれますが、深夜にホテルの一室で彼らが集うという設定はあり得ないだけに、やはり“らしき”で良かったのでしょう。このシュールさの中にあるリアルさに不思議な面白さがある作品です。  他の映画にも見られるようにやはり本作でも女優として、一人の女性として苦悩を抱えるマリリンの姿が辛かった。それだけに、アインシュタインと相対性理論を楽しそうに語り合うチャーミングなマリリン。この姿が本作で一番印象に残る彼女の姿なのでした。
[DVD(字幕)] 7点(2012-08-18 23:15:41)
206.  第三の男 《ネタバレ》 
考えてみればハリー・ライム=オーソン・ウェルズというキャスト自体ネタバレとも言えるし、かなり後半にならないと彼は登場しませんが、序盤から全く飽きのこない見応えを感じます。  まだ人々も街も戦争の傷が癒えず、東西に分かれた4ヶ国の分割占領下にある混乱期の歴史ある街ウィーン。この完璧なサスペンスの舞台設定を見事に活かしたドラマに流れる映画史に残る音楽、映画史に残る名シーンの数々。光と影を巧みに取り入れたモノクロ映像。 今も好んでモノクロを用いる監督さんがいますが、こういう映画を見るとそれが分かるような気がします。オーソン・ウェルズが暗闇の中姿を現し暗闇に消えるシーンが特に印象に残ります。  彼が自己主張するのは印象に残る台詞がちりばめられた観覧車のシーンのわずかな時間のみですが、旧友と再会し、笑みを浮かべながらも残忍さを醸し出す演技が実に見応えがあります。  さらに下水道の逃走の果ての、2人の友の心の声が聞こえてくるかのような決着のシーンにラストの並木道に至るまで1人の女と2人の男の人間模様を描く、まさに名シーンの宝庫のような作品。
[DVD(字幕)] 9点(2012-07-27 18:05:32)
207.  キリング・フィールド 《ネタバレ》 
本作のように史実を映画化した作品は、冒頭で描く対象の置かれている状況や背景が字幕で説明されたり、主人公の語りで主人公が置かれている今を語ることで描く対象の置かれている状況を伝えようとする事も多いですが、本作にはそういった説明がありません。よって勉強不足の僕にとっては難しい映画でもありました。  しかしそういう状況で本作を見た人の多くが鑑賞後、カンボジア内戦とは、クメール・ルージュとは何かを調べようとするでしょう。それだけでも意義の大きな映画だと思います。  映画としては前半はシャンバーグ、後半はプランと視点が切り替わりますが、やはり後半の迫力が圧倒的でした。演じるハイン・S・ニョール。名演技とかそういう言葉では表現できないほどの人間の強さを感じさせてくれるその姿はまさに圧巻でした。  最後はカンボジアを立ち去ったシャンバーグがプランと再会し許しを乞う。感動的な中にも考えさせられることが多い素晴らしいラストシーンだった。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-22 22:36:23)
208.  ナイロビの蜂
小さな個の力で強大な何かに立ち向かう人間の姿を描いた実に見応えのある映画でした。その、小さな個にとって本作の強大な何かはあまりにも大きすぎた。  先進国、それらの国々が中心にある国際社会、あるいはそれらに保護されている巨大企業。その全体像がはっきり見えないことも、持ちつ持たれつの関係でつながる強大な何かの得体の知れない大きさが逆に伝わってきます。  また、多用される不安定な手持ちカメラの映像は、そのまま小さな個である主人公夫妻、あるいはアフリカの置かれた不安定な状況を表しているかのようでした。  前半、目の前にいる親子を救おうと言う妻を制し、援助を求めているのは彼らだけではないという夫。しかし終盤、その夫は目の前にいる少年を救おうとする。しかし例外は認められないと制される。妻の遺志を受け継ぐかのような夫の姿が印象に残った。そんな勇気ある人間のドラマとしても、夫婦愛のドラマとしても見応えのある作品でした。 
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-06-17 13:28:17)(良:1票)
209.  ウディ・アレンの夢と犯罪 《ネタバレ》 
まず、この作品は公開時劇場で鑑賞していまして、とっくにレビューしていたつもりでいました・・・。この度スカパーにてそれ以来の鑑賞となりました。  多作の人ウディ・アレンですが、数多くの自身の作品の中でも「重罪と軽罪」が余程お気に入りと思われる。同じくロンドンで撮った「マッチポイント」に続き、「重罪と軽罪」が思い出される作品です。  コメディが多かった近年のアレンの作品の中では、久々にコメディ色を排した”シリアスなアレンらしさ”が感じられる作品。  罪を犯す兄弟を演じる2人の実力派の演技も見応えがあるし、なかなか罪を実行させず、そこに至る2人の苦悩、自問自答ぶりがじっくり描かれ、次第に見る者に彼らが犯そうとしている罪の重さ感じさせていく。犯行自体はほんの一瞬で終わらせ、その後の兄弟の心理描写にもじっくりと時間を費やす。  時にはハートウォーミングに時にはファンタジックに楽しい映画を見せてくれるアレンと、笑いを排しシリアスな人間ドラマを見せてくれるアレン。久々に後者の顔を見せてくれたアレンの健在ぶりが嬉しい作品でした。  でも、シリアスな人間ドラマの中に俳優アレンがいい味を見せてくれる過去の作品比べると、アレン自身のご出演が無いのはやはり淋しさを感じますね。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-04 20:23:21)
210.  あるスキャンダルの覚え書き
もっと醜い愛憎劇になってもおかしくない話だし、サイコサスペンス的要素も含みますが、上品さのある作品にまとめあげた。  ジュディ・デンチの存在が本作を上品さの中に恐ろしさがある、見応えのあるサスペンスに作品を押し上げた。これは人間の表面と内面を見事に演じ分ける彼女の卓越した演技力があってこそ。  彼女の確かな演技力は、もう70代も後半になった今でも出演作が途切れず、彼女の演技力が常に頼りにされていることをみても明らかだと思うのです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-27 19:52:03)
211.  素晴らしき戦争 《ネタバレ》 
何とも豪華な顔触れが揃ったリチャード・アッテンボローの初監督作品。 この初監督作から、現在のところ最新作である「あの日の指輪を待つ君へ」に至るまで、アッテンボローの監督作は戦争をテーマにした作品が多いことに気付かされます。またアッテンボロー監督、本作に「コーラスライン」と、ミュージカルもお好きなのでしょう。  本作は大局的な戦争、戦場の個々の兵士たちにとっての戦争、戦時下を生きる市民にとっての戦争が、長く感じられる部分もありますが素晴らしきユーモアの精神で描かれています。  その一方で歌われる歌の歌詞、時折挿入される手紙の文面などからは時にやんわりと、時に辛辣に反戦のメッセージを投げかける。特に草原に無数に連なる十字架のラストシーンからは非常に重い無言のメッセージを感じずにいられませんでした。
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-26 22:32:08)
212.  フォー・ウェディング
ラブコメというジャンルは基本的に主役の男女が結ばれてハッピーエンドであってほしいし、その結末が冒頭からミエミエでも構いません。しかし本作も結末は冒頭の結婚式で予測はつくものの、終盤の展開からあのハッピーエンド?を見せられても共感できませんでした。それなりに笑える箇所はありましたが・・・。
[DVD(字幕)] 2点(2012-04-15 00:11:52)
213.  寒い国から帰ったスパイ
スパイものとしては追いつ追われつの逃走劇もカーチェイスもアクションも無い、演出や音楽も地味な作品ですが、東西冷戦下の最前線の緊張感が伝わってくる作品です。市民が安全に暮らし国の平和を守るという非常に重い任務に就きながらもその存在、命は非常に軽い。現実の世界の彼らも頻繁にドンパチがあるわけではなく、水面下で息を潜めるかのように任務を遂行しているのだろう。そんなスパイを演じる主演リチャード・バートンの目。目で全てを語るかのような演技が印象に残るスパイの世界を描いた悲しき人間ドラマ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-12 21:05:55)
214.  マリリン 7日間の恋
関係者が書いた書物などで知る限りですが、「王子と踊子」の頃からのマリリンを思うと、彼女が安らぎのひと時も味わいますが、予期していた通り彼女の姿が辛い映画でした。  マリリンが抱える不幸な少女時代の記憶や、結果的には数年後に離婚することになるアーサー・ミラーとの彼女にとっての3度目の結婚生活、演技に関する不安など女優マリリンとしても、一人の女性ノーマ・ジーンとしても、ミシェル・ウィリアムズは容姿もさることながら、彼女の内面も好演していたと思います。  特にケネス・ブラナー演じるオリヴィエ卿(さすがにいい味わいのある演技でしたねえ)の「君はセクシーでいてくれればいい」に取り乱すマリリンの姿は、彼女がNYに渡り、本作にもリー・ストラスバーグの妻ポーラが登場しますが、アクターズスタジオで演技指導を受けるに至る彼女の思いが端的に表れていたと思います。  「王子と踊子」以降もいい映画がありますが、本作にも描かれている通りマリリンは不安定な状態で、いずれも撮影が遅れ製作費もかさんでいったという。彼女の周りには本作にも登場する人、しない人、様々な人々がいましたが、彼女にとっての本当の心の支えは何であり誰だったのでしょうか・・・。
[映画館(字幕)] 6点(2012-04-11 17:55:14)(良:2票)
215.  まぼろしの市街戦
ある村を爆破すべく爆弾を仕掛けた独軍とそれを探す英軍の情報戦?のはずが何だかおかしな方向へ。そしてその村にはまともな住人が1人もいない?一つ一つの展開も非常によく考えられた戦争コメディ・ファンタジーの傑作です。  両軍の兵士が至近距離から撃ち合ってあっという間に全滅してしまうくだりも有り得ないだろうけど、ここも大勢の人間の命を一瞬で奪っていく戦争の愚かさを見事なまでに表現していると思います。  明るく平和な仮想の世界に暮らす精神病院の患者たちと、人間同士が互いに殺し合う現実の世界の戦争と、一体どちらが狂っているというのか?異色作ながらも、ほのぼのとした笑いとおどけた音楽(ジョルジュ・ドルリューは本作でも素晴らしい仕事をしています)の中に込められたメッセージが痛烈にして分かりやすい。ジェヌビエーブ・ビジョルトの可愛らしさも作品の中で見事なアクセントになっていました。  「まぼろしの市街戦」とした邦題も素晴らしいと思います。
[DVD(字幕)] 9点(2012-04-03 22:47:05)
216.  フレンズ/ポールとミシェル
ローティーンの恋を、ヒットメーカーの素敵な歌にのせて描く1970年代初頭のイギリス映画。「小さな恋のメロディ」と同じく主題歌が心に残る作品です。  2人で家出した後の展開があそこまでになるとは思わなかったのですが・・・。生きていくこと、生きる糧を稼ぐこと、子育ては大変なことですが、その辺の描写はあっさり目で、ちょっとは喧嘩もしますが生活の事、子育ての事なんかで揉め事にならず、「フレンズ」のタイトル通り終始仲良しのままで助け合う微笑ましい2人の姿がいい。  そんな2人のひとときの暮らしは、美しい夕焼けや草原、水辺に暮らす馬や鳥たちといった2人の周りの世界に溶け込んで実に穏やかでゆったりとしている。そこに挿入されるエルトンの歌も効果的です。  しかしラストはこのまま2人で暮らしていくことができるはずもなく、2人のこれからには幾多の困難(続編)を感じさせますが、2人の姿がとても綺麗なラストでした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-25 15:11:11)
217.  マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙
近年のメリルを見ていると、「ジュリー&ジュリア」「恋するベーカリー」、そして本作の監督の作品でもある「マンマ・ミーア」など、コメディを中心に自身とほぼ同世代の女性を実に楽しげに演じている姿が印象に残ります。  そして本作、久々にメリルの目ヂカラの強さを見たというか、魂のこもった圧巻の演技を堪能させていただきました。もはや恒例となった感があるメリルのアカデミー賞ノミネート。本作で取れなければどうする!?という凄い存在感でした。それだけでも本当に見て良かったと思える作品でした。  一人の庶民の女の子が政治の世界を志す。そこでぶつかる家柄の壁。まだまだ男の世界である政治の世界。側近の男たちが指示を仰ぐべく彼女の顔を覗き込む。その複数の男たちの顔のアップ。弱々しくも変な圧迫感。対する彼女はいつも一人だったのが印象に残ります。  また、イギリス映画でよく取り上げられる炭鉱や工場の閉鎖や組合のストライキ。その際、時にサッチャーに対する皮肉めいた、あるいは辛辣な台詞が挿入される事も少なくありません。本作でもその対立関係が取り上げられています。国内社会や国際社会、あるいは家族との関係を、浅く広く的になっている感はありますが当時の映像も交え彼女のたたかいの軌跡をたどっていく。  そんな彼女の軌跡と平行して見せる、今のサッチャーの姿。認知症を患う彼女の前に頻繁に登場する今は亡き夫の姿からは、彼女の中での夫デニスの存在の大きさを感じました。  最後になりましたが本作のメリル・ストリープに最大限の賛辞を送りたいと思います。
[映画館(字幕)] 8点(2012-03-19 16:16:18)(良:1票)
218.  ミリオンズ
かわいらしさのある面白い映画だと思います。街や衣装に赤や黄色などの暖色系を配した色の使い方も、そんな作品の雰囲気によく馴染んでいました。これはキリスト教を信仰する人にとっては全く違った感想が出てくる作品なのかもしれません。ダニー・ボイル的映像センス、お金に振り回される大人や社会と純粋な少年との対比などは面白かったのですが、登場する多くの聖人などキリスト教の知識が無い僕にとっては、本作に込められた作者の思いや面白さがどこまで理解できていたのかなという思いが残る作品です。 
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-03-02 21:07:33)
219.  リトル・ダンサー
イギリス映画らしい労働者階級の家族と炭鉱町の人間ドラマ。しかし本作は女の子はバレエ、男の子はボクシングをやるのが当たり前の炭鉱町でバレエに目覚めた一人の少年が主人公。  家族、先生、親友、好きな女の子といった周囲にいるキャラクターもとても良かったです。(特に父!)  バレエの映画ですが、ロックを多用した音楽の使い方もいい。喜びや怒りなど、登場人物の高ぶる感情を、登場人物の動きとそれに乗せる音楽で表現する、音楽の使い方もとても効果的。  母親が亡くなり、生活には希望がなく崩壊状態にあった家族が、終盤には弟のバレエに希望を見出し再生していく過程、父と少年の関係、立派に成功した姿の見せ方なども王道で気持ちよく感動できる作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-26 20:39:18)(良:1票)
220.  マッチポイント
ニューヨークを離れ、ウディ・アレンがイギリスで撮った恋愛サスペンスの上質な一編。  ウディ・アレンと言えばNYの風景、軽快な音楽、アパートの一室、ホームパーティ、そんな中繰り広げられる様々なニューヨーカーの悲喜こもごも、というイメージですが、本作はやはりイギリスを意識してかガラリと作風が変わっています。  しかしお話の方は「ウディ・アレンの重罪と軽罪」でマーティン・ランドーが演じた男の話が思い出される。「重罪と軽罪」で語られる人生の重要な分岐点における選択。本作はそこに運という要素を加味したというところでしょうか。  NYのインテリ層の中年男女の人生の選択を描いた群像劇を、イギリスの上流階級の若い美男美女の恋愛サスペンスに置き換える。「重罪と軽罪」ほどの深みはないですが、その中にもチラリチラリとアレンらしさが顔を覗かせるのにニヤリとしてしまう。  ヨハンソンにとって、これがアレン映画デビュー作ですよね。まず彼女が最初に登場する卓球のシーンで見せる妖しさが凄い。アレンさん、本作を撮っていて、どうしても彼女と一緒に映画に出たくてたまらなくなったのでしょう。翌年には「タロットカード殺人事件」でしっかり共演されていましたから。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-02-25 10:06:49)(良:1票)
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