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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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21.  ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式
ハウエルズ家の主人のお葬式の半日を舞台にしたコメディ。単館で地味な扱いながら久々のフランク・オズ監督の新作で楽しみにしていたのですが、期待通り笑わせてもらいました。コレは面白かったです。葬儀に集まってくる親戚や知人はひと癖ありそうな人ばかり。狭い家の中は参列者であふれかえり、参列者の様々な事情に故人の生前の複雑な事情までもが交錯する、狭い屋敷の中で繰り広げられる群像劇ですが、そこはさすがにコメディ職人フランク・オズ監督。登場人物に無駄が無く、全員が見事に笑いに貢献している。しかも誰一人ふざけている人間はなく、全員がそれぞれの事情に対し至って真剣にてんぱっている様子がとにかく可笑しい。書斎に物置にトイレに屋根の上まで狭い屋敷を使い切り、テンポの良さも見事です。そんなハウエルズ家のお葬式はかなりまずいことになりつつもドタバタしつつも一応は丸く納まったようで一安心。そしてそれぞれが微妙な関係にあった家族が互いを思いやる気持ちを取り戻したラストはあたたかい。主役は”精神安定剤”?
[映画館(字幕)] 9点(2009-10-07 19:31:28)(良:1票)
22.  ストレイト・ストーリー 《ネタバレ》 
高速交通網が発達し、西部劇の時代と比較するとあの広いアメリカも随分狭くなってしまった。 しかし、久々にアメリカの広さを感じると共に、ここまでスピード感の無い映画も久々だと感じた。(あの坂道以外) それも現代人が忙しすぎるだけで、本来の時の流れを感じたような気もします。 ほとんど何も起こりませんが、時速8キロの旅で出会う人達とアルヴィン老人との絡みの1つ1つが実にいい。 家出娘に家族とは何かを語る。口数の多い映画ではないですが、 木の枝の束ひとつで翌朝、家出娘は家に帰っていったことを見る者に伝えてくれる。 自転車で旅する若者の一行には、老いるとはどういうことなのかを語る。 鹿を跳ね飛ばした事故と、その後の鹿に囲まれる、ちょっとした笑いドコロがいい。 本作で唯一スピード感を感じた坂道とトラクターの故障と、彼を助けた中年男との交流や、 ビールでも飲みに行こうと誘ってくれた近所との老人との交流もいい。 喧嘩ばかりしている双子の修理工に兄弟とは何かを語るあの表情がたまらなくいい。 兄ライルと寒いミネソタの農場で育ったと語る焚火を囲む地元の神父との語らい。 雄弁な映画ではないですが、兄との生い立ち、若い頃の戦争体験と除隊後の酒に溺れた日々。 やがて結婚し子沢山に恵まれたが子育てに苦労した日々。年を取るとはどういうことなのかを語る今。 アメリカで生まれ、年老いていく名も無き男の一生を人々との交流を通し浮かび上がらせていく素朴な語り口が素晴らしい。 主演リチャード・ファーンズワースは本作のすぐ後にこの世を去ったそうですが、 最後にこんな素晴らしい演技を見せてくれたことに心からありがとうと言いたい。 そして出番は多くなかったけど、シシー・スペイセクは素晴らしい女優さんだと改めて感じさせてくれた作品でもありました。
[DVD(字幕)] 9点(2008-11-20 01:29:08)(良:2票)
23.  天才作家の妻 40年目の真実 《ネタバレ》 
ノーベル文学賞受賞作家の夫婦。 ベッドの上で受賞の第一報を聞き、喜びを共にする冒頭から作品がスタートする。 この受賞を機に、墓場まで持っていくはずだった夫婦の秘密を、 2人が若かりし頃はまだまだこういう創作活動の世界でも女性が不当な評価を受けていたことにも言及しながら、 ミステリ・サスペンスタッチで半世紀前からの夫婦の歴史を振り返りながら表面化させていく。 この夫婦を演じるグレン・クローズとジョナサン・プライス2人が味わいのある演技を見せる。 特に終盤、動と静の緩急をつけながらのノーベル賞の授賞式と晩餐会から続く、 40年間の愛憎入り混じるホテルに戻ってからの2人の最後の時間が見応え十分でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-12 13:15:43)
24.  アンモナイトの目覚め
イギリス映画らしい、1800年代を舞台にした文芸映画。 抑揚も台詞も少なく、音楽も最小限にしか使われていません。 その分、波の音や風の音や生活音のみならず、 2人の息遣いまで伝わってくるかのような繊細な空気感がある。 目ヂカラの強さ、意思の強さを感じさせるケイト・ウィンスレットと、 全く対照的な存在感を見せるシアーシャ・ローナン。 2人が心の機微を表現する静かな作品の世界観の中にあって 時に互いを求めあい感情を露わにする情熱的なシーンが効いている。 最後まで多くを語らない、大英博物館で2人が見つめ合うラスト。2人の表情も印象的です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-12-20 12:23:26)
25.  どん底作家の人生に幸あれ! 《ネタバレ》 
前作では、スターリンの死後の権力闘争を、 なかなかぶっ飛んだコメディにしてしまったイアヌッチ監督。 そして本作では文豪ディケンズの自伝的小説を基にしたコメディとなっています。 ディケンズの原作を読んだことはありませんが、 原作にはない空気がかなり盛り込まれているんじゃないかと思います。 特に、バラエティに富んだ様々な人種の登場人物。 19世紀の文学の世界観を、社会が多様化する21世紀の現代に持ってきてもこんなに面白い。 イアヌッチの、文豪ディケンズへのリスペクトのカタチでもあったのでしょうか。 主人公の人生も、多くの魅力いっぱいの登場人物の人生も、まさに波乱万丈。 しかし悲観的ではない。誰もめげない、陽気な人生賛歌。 主人公を演じた、本作の世界観を象徴するかのようなデヴ・パテルがあまりにも素晴らしかった。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-09-11 16:25:27)
26.  シンプル・プラン
雪深い森の中でたまたま見つけた墜落した飛行機。その中には440万ドルが残されていた・・・。 安月給だが真面目に働き、妻と、妻のお腹の中にはもうすぐ産まれくる子どももいる主人公の男。 冒頭はこの夫婦が一番まともに思える。あとは一緒にカネを見つけてしまった失業中の兄と、兄の友人。 ヤバいカネかもしれないが黙ってれば、うまくやりさえすれば目の前のカネは自分たちのもの。 あぶく銭を前に、普段は見えない人間の持つもう1つの顔を表面化させ、 あぶく銭を前に人間が豹変していく様を地味に、ひたすら地味に見せていく。 見る者に、ここに自分がいたらどうするだろう・・・?と考えさせる、登場人物を絞り地味ながらも設定が見事。 登場人物の冒頭の印象とは裏腹に、このシンプルプランに次第に精神的に耐えられなくなって壊れていく兄が印象的。 演じるビリー・ボブ・ソーントンがこの役に素晴らしくはまっています。 サム・ライミにはこういうスケールの映画ももっと撮ってもらいたいなと思いますね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2022-02-22 18:11:42)
27.  ヴィクトリア女王 最期の秘密
死後100年以上が経過した、2010年に詳細が明らかになったというヴィクトリア女王の最後の秘密の映画化。 ”Your Majesty”としての威厳や気品だけでなく、 その孤独をも時にユーモアを感じさせる演技交えながら見事に両立させてみせる。 何といってもヴィクトリア女王を演じるジュディ・デンチの圧倒的存在感が凄かった。 「終わりよければすべてよし」という言葉がありますが、 本作でも描かれている通り、側近の連中にとっては面白くなかったのでしょうが、 女王陛下の人生の最晩年に彼のような若者が傍にいたことが素直に良かったと思える作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-12-26 17:12:25)
28.  家族を想うとき
反骨の巨匠、ケン・ローチの最新作。 もう80歳をゆうに超えている。映画監督からの引退を宣言したこともあった。 60年代からの長いキャリアの中で一貫して描き続けてきた労働者階級の人々の暮らしとそこのある社会の歪みや理不尽。 雇い主からは都合のいい時だけ「個人事業主」を持ち出され、働くほどに搾取されていくイギリスの宅配ドライバーの厳しい現実。 引退などしていられない。黙っていられるか!本作もそんなケン・ローチの衰えることの無い反骨心が垣間見える作品です。 中盤に一度は崩壊しかけた家族ですが、反抗期の息子が本気で父を心配し、仕事に行かせまいとする。 現実の厳しさの一方で、それでも再び絆を取り戻そうとする家族の姿に庶民の強さを感じさせる。 ケン・ローチらしさが感じられるラストでした。
[DVD(字幕)] 8点(2021-06-16 21:01:47)
29.  フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて
実際にあった庶民の人生や生活の中にあるちょっといい話を映画化。 イギリス映画の得意とするところですが、 本作にもそんなイギリス映画の良さが詰まっています。いい映画でした。 港で漁師たちが昔から歌い継がれている海や漁の歌を町の人に披露している。 それを聞く、ロンドンから小さな漁師町に休暇で訪れていた音楽業界に身を置く主人公の男。 その歌にすっかり魅了されてしまう。彼らの素晴らしい歌を多くの人に聞いてもらいたい。 無骨な漁師のおっさん10人からなるコーラスグループや漁師町の人々と、 彼らのデビューに向けて奔走する主人公の男の交流を描く人情喜劇の佳作です。 1700年代からの先祖代々の言い伝えを守り、言い伝えを歌い続け、誇りをもって仕事に励んできた彼ら。 「海の労働歌は1750年のロックだ!」 いかにして人々の心に響く歌を世に送り出すかと奔走する主人公の男と、 いかにしてカネになる音楽を世に送り出すかにしか興味が無いようなロンドンの業界人の対比。 そこに込められた皮肉も効いています。 主人公の男は漁師たちに対し、「もし売れれば、もう朝早くから魚を獲ってしんどい仕事をすることなんてないぞ」 なんてことは決して言わない。そこにはイギリス映画らしい労働者階級の人々へのリスペクトが感じられます。  そして本作はもう1つのことに言及しています。それはイギリスの庶民の生活に根付く伝統的なパブ文化。 港町、そして彼らが訪れたロンドンのパブにいる皆で合唱するシーンが実にいい。 人々が愛してやまないパブも、コロナ禍でイギリスでは今もロックダウンが続く中、苦境にあることだろう。 2019年の作品なのでコロナが世界を覆う直前の作品になると思いますが、 パブに集う人々のいきいきとした表情を見ていると、少しでも早いコロナの終息を願わずにいられませんでした。
[DVD(字幕)] 8点(2021-02-25 18:16:06)(良:1票)
30.  スターリンの葬送狂騒曲
スターリンの死後巻き起こったフルシチョフとベリヤの権力抗争とソビエトの権力中枢の混乱を茶化して見せるブラックコメディ。 スターリンの死の直前。コンサートとその録音を巡る冒頭からよく出来ています。 その恐怖政治がいかに市民生活の隅々にまで踏み込んでいたかがよく分かります。 当然、その話自体にコメディ的要素は無いのですが、当時の権力中枢にいた人物を演じる主要キャストの演技が素晴らしく、 全編を通して浮足立ったような軽さと、こういう政治ドラマに必須の重みや凄味を全員が見事に両立させてみせる。 終盤、ベリヤが失脚し処刑されるくだりでは、それまでの軽い空気は一変していきますが、 失脚から処刑までを一気に見せる、非常に嫌な空気が漂うその時間帯もまた見応えがある。 本作はロシアでは上映禁止になったという。 製作サイドの意図がどこにあったのかは分かりませんが、それも織り込み済みだったのでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-03 20:12:44)
31.  ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
バンドが演奏している映像を見るのが大好きな僕にとっては、いい時間だった。 好きな音楽のジャンルは圧倒的にロックなんですが、 映像の中にいるミュージシャンがカッコよくて、音楽が素晴らしければ、ジャンルなんて関係無い。 本作にはキューバの新進気鋭の若手ミュージシャンなんて1人も登場しない。 キューバの老ミュージシャンが演奏し、音楽を語り、人生を語り、キューバを語る。 それがまた、彼らが奏でる音楽同様、何とも言えない味わい、深みを感じさせる。 ヴェンダースとライ・クーダーと言われて真っ先に思い出すのは「パリ、テキサス」ですが、 この2人のいち音楽ファンとしての、キューバ音楽の歴史を繋いできた老ミュージシャンへのリスペクトと、 キューバ音楽への熱き思いが溢れ出ているような作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-15 20:17:21)
32.  ゲティ家の身代金
見応えのあるサスペンスドラマでしたが、本作はキャスティングも素晴らしかった。 当初はクリストファー・プラマーではなくケビン・スペイシー、 ミシェル・ウィリアムズではなくナタリー・ポートマンという構想で動き出したそうですが、 名優プラマーの存在が作品に重厚感をもたらせたし、 鑑賞後にゲティ氏の写真を見たが、驚くほど本人によく似ていました。 また、息子を誘拐された母の苦悩、母の強さを演じたミシェルもまた素晴らしかった。 世界一の大富豪の家族の内紛のドラマとしても、 誘拐事件の攻防をめぐるサスペンスとしても見応えのある作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-04-23 16:46:01)
33.  人生はシネマティック!
「人生の1時間半を捧げたくなるような価値のある映画を作りたいんだ。」とは本作に登場する脚本家の台詞。 戦時下のイギリスで、国民の戦意高揚のための映画製作に関わる人々を描いた人間ドラマ。 彼らの映画人としての誇り、イギリス人としての誇りをかけて 制約だらけの映画製作に挑んだ人々の人間模様をコメディタッチで描いた佳作。 BBC製作ということも関係しているのか、イギリスらしいユーモアを挟みながらも真面目に作られた作品です。 しかし暗い世相を感じさせる作品の世界観の中、このささやかに挿入されるユーモアの匙加減が素晴らしい。 主演はジェマ・アータートン。当時の女性の雰囲気をとてもうまく表現する好演でした。 そして脇を固めるビル・ナイ。出番はそれほど多くないですが、流石の存在感です。 作品を見る者に勇気を与えたり生きる喜びを見出したり。それは最後の映画館の観客の反応が物語っています。 原作、監督、音楽、脚本など、女性が中心の映画らしい雰囲気をたたえながらも映画の持つチカラを感じさせてくれる良作でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-20 15:16:01)
34.  モナリザ
息の長い活躍を続けるニール・ジョーダンの初期の作品ですが、この人の中ではかなり好きな作品です。 ムショ帰りのヤクザの下っ端の冴えない男。人生がうまくいっていない、そんな男のかなわぬ恋の物語。 この人の作品を空模様に例えるなら、晴天よりも曇天。しかし、作品を重くさせない優しさがある。 恋の物語の結末の後味は決していいものではありませんでしたが、 親友と愛する娘と3人並んで歩く後ろ姿。そこに流れる名曲“モナ・リザ”が重なるラストシーンが見事。 本作もニール・ジョーダンらしい空気が流れる作品ですが、 ムショ帰りのヤクザの男。だけど、憎めない。ボブ・ホスキンスの名演があってこその作品でもあると思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-04-08 21:39:17)
35.  バンク・ジョブ
王室や政府高官のスキャンダルにロンドン警視庁の組織ぐるみの汚職に、その裏に暗躍していた犯罪組織。 ある銀行強盗がイギリスに激震をもたらせた実話をもとにしたクライムサスペンス。 トンネルを掘って貸金庫強奪までの前半は急造の強奪チームの様子がユーモアも交えわりと緩く描かれる。 トンネル堀り完了までで約1時間。しかし後半の1時間は一転して様々な組織の思惑が交錯するスリリングな展開に。 同じく実話モノである映画史に残る名作「大脱走」を思い出すような構成です。 2時間があっという間のスピーディな展開の中に強奪チーム、MI5、警察、犯罪組織、様々な思惑が交錯するわりには 非常に分かりやすく話がまとめられており、構成が非常によく練られている作品です。 本作のジェイソン・ステイサム、シブくてカッコいいです。何で向こうの人はハゲていてもこうもカッコいいものか。 アクションはほとんどありませんが、ラストにはさすがに強いところをちょっとだけ見せてくれます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-01-16 17:16:52)(良:1票)
36.  スリー・ビルボード 《ネタバレ》 
人間関係が濃密で誰もがどこかでつながっている。 アメリカの小さな田舎町に事件が起こる。今までにいくつか、こういう映画を見た。 そして本作。何度も見返したい映画ではないですがこれは秀作だと思うし、 2人がアカデミー賞を受賞したのも納得の作品でした。 序盤から作品の中に様々な絶望や怒りが渦巻いている。それが次第にエスカレートしていく。 そんな中に効いてくるのが、末期癌に侵され絶望の末に自ら命を絶った署長が2人に残したメッセージ。 そして様々な怒りが渦巻いていた作品も少しずつ落ち着きを見せ始めます。 怒りだけでなく、色んな赦しもありました。この一連の流れがしっかりとしているいい脚本の映画を見たと思います。 最後も極端な行動に出ようとしている2人の姿でラストを迎えますが、最後に車中の2人がようやく穏やかな表情を見せる。 アイダホまで行くのか、途中で引き返すのかは分かりませんが、 どうするのかは「道々考えればいい。」2人の穏やかな表情に少し救われた気がしました。
[DVD(字幕)] 8点(2018-12-23 20:35:18)
37.  ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
チャーチルの名前は知っていても、実際にどういう人物であったかはほとんど知らない状態で鑑賞。 賛否ある人物だったのかと思いますが、その両方を見事に演じたオールドマンの身も心もチャーチルになりきったかのような熱演を堪能しました。 もう、オールドマンには見えず、チャーチルにしか見えなかった。 2時間を超える上映時間の中で空や太陽が見えることはほとんど無かったように思います。 原題の通り作品の大半の時間は薄暗い執務室や議場で展開されます。当時の行き詰った戦局や、時代の閉塞感を感じずにいられません。 薄暗い執務室や議場にいるのはオールドマン=チャーチルを筆頭に、ロナルド・ピックアップをはじめとするイギリスのベテラン俳優達。 そんな作品の世界観にあってタイピスト役の女優さんの透明感のある存在がいいアクセントになっていました。 これも薄暗い地下鉄の車内でチャーチルが国民と語り合う。フィクションのような感じもしますが、ここも本作の印象的なシーンの1つでした。
[DVD(字幕)] 8点(2018-11-03 21:38:37)
38.  トレイン・ミッション
コレット=セラとリーアム・ニーソンのコンビもすっかり板についてきました。 大勢の乗客がいる中で事件に巻き込まれ、正体不明の敵から絶えずメッセージが届き、誰も頼れない状況で事件を解決しなければならない。 飛行機から列車に舞台は変わりましたが、このコンビの「フライト・ゲーム」と基本的な設定は似た作品。 どちらも最後まで見る者に的を絞らせない、よく出来た作品ですが展開のノンストップ感など、本作の方がより面白かったです。 年齢を重ねるごとに渋みを増すニーソンですが元警官、元CIAエージェントといった過去を持つ男の役が多くなってきました。 本作では、元警官で、今はリストラにあった保険会社の営業マンという男を演じていますが 相変わらずメチャクチャ強いので、こういった過去を持つ男という設定も当然になってくるのかもしれません。 それにしても、あの面構えとドスのきいた声で威圧され、保険の必要性を説かれたら思わず契約してしまいそうで怖いです。
[DVD(字幕)] 8点(2018-10-14 14:10:01)
39.  わたしを離さないで
SF的要素のある世界観。こういう映画の場合、近未来が舞台になっていたりするとあくまでもSFの世界という目で見るのですが、 本作の場合は見ている自分が生きてきた時代を舞台としており、少し変わった感覚で見ていました。 歴史と威厳を感じさせる、イギリスの寄宿学校の校舎の佇まいと、そこでの生活。緑豊かなイギリスの田園風景。 本作のSF的基本設定を除けば、実にイギリス映画らしい雰囲気をたたえた作品です。 ある生まれながらの宿命を背負い、1人の少年と2人の少女がともに成長していく。抗えない宿命と生、友情と恋のはざまで揺れ動き、 些細な何かがきっかけで壊れてしまいそうな、繊細な心の機微を描いた青春映画としても良かった。 キャリー・マリガンは独特の魅力と個性を持っている人だと思います。 ハッとするような美貌という訳ではないけれど、その表情で演じる彼女の魅力は本作のような静かな映画にピタリとはまりますね。
[DVD(字幕)] 8点(2018-09-30 16:08:03)
40.  泥棒貴族 《ネタバレ》 
騙し騙され騙したつもりが・・・。二転三転するするストーリー。 シャーリー・マクレーンとマイケル・ケインという名優のW主演、 そして監督に脚本、撮影などにもビッグネームが揃いながら、何でだろう?知名度が低い作品です。 冒頭から30分程度か。あれよあれよという間に完全犯罪が成功! え?もう終わり?と思いきや、「・・・・・という計画だ。」 まずは計画と、計画通りことが進んだ完璧なケースを先に見せるというのが面白いし、これが最後の最後まで効いています。 当然計画通りにいかない。悪戦苦闘もしますが、そんな理想と現実のギャップも可笑しく、 シャーリー演じる女の予想と全く違うキャラも面白い。意外に大胆でふてぶてしさと可愛らしさを見事に両立させてみせる。 予想に反してなかなかガードが固い大富豪を演じるハーバート・ロムの存在がまたいい。 そして冒頭の計画映像通りいけば成功だと見る者を思いこませておいて実は!というオチも素晴らしい、 なかなか小粋な犯罪サスペンスコメディ。そしてロマンス。
[DVD(字幕)] 8点(2018-09-15 12:06:54)(良:2票)
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