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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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141.  二つの世界の男 《ネタバレ》 
1953年の作品。まだ東西を隔てる壁が築かれる前のベルリン。 前半は兄を訪ねてロンドンからベルリンを訪ねてきた妹の兄妹に兄の妻、 この3人以外は得体の知れない人物が次々に登場する。 そして何か深い事情を抱えているかのような兄の妻。 中盤以降、少しずつ戦争と東西冷戦に人生を変えられてしまった登場人物が抱える事情が明らかになっていきます。 終盤のスリリングな脱出劇と、そこに挿入されるメロドラマ。 脱出劇のテンポは少し落ちるのですが、ジェームズ・メイソンのシブさとクレア・ブルームの可憐さ。 2人の魅力を十分に味わうことができます。  まだ街にはがれきの山が至る所に残り、 街にも、人々の心からもまだ戦争の傷跡が癒えないベルリン。 東側の街の至る所に掲げられているスターリンの肖像画・・・。 そこからは戦争と、戦後の冷戦下の東西陣営の様々な思惑が交錯し、 それに翻弄され続けた当時のベルリン市民の置かれた状況が垣間見えてきます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-03-30 22:55:39)
142.  美しき冒険旅行 《ネタバレ》 
文明社会に住む人間、しかもか弱い少女と幼い弟を突然未開の地へと放り出す。 妙に体にピタッとした白いブラウス&ミニスカで未開の地を冒険するジェニー・アガターが大健闘です。  果てしなく未開の風景が広がるオーストラリアの砂漠の厳しい自然。水も食料も無い。 そしてWALKABOUT(大人になるための儀式の旅)途中のアボリジニの青年との出会い。 ニコラス・ローグ自らが撮影を担当したオーストラリアの大地の映像は神々しく美しい。 しかし美しくも自然は厳しい。生存競争に敗れた動物には、やがて蝿や蛆が群がり骨だけの無残な姿になる。 本作を見るほとんどの者は文明社会の住人であり、この姉弟と同じ価値観、目線で本作を見るでしょう。 様々な動物や美しい鳥も登場します。アボリジニの青年の狩りのシーンは残酷でもあるのですが、 この土地で過酷な自然環境の中に住むアボリジニの青年にとっては、そんな動物も鳥も生きる糧。食糧。  しかし姉弟とアボリジニの青年が出会って以降は平和な時間が流れます。 しだいに弟はこの青年になついていく。青年は姉に恋をする。 言葉は通じなくとも文明社会の住人と未開の地の住人の意外にもほのぼのとした交流。 でも、最後には哀しい結末が・・・。  こういう映画によくみられる白人や文明社会への問題提起や批判を前面に押し出している訳でもありませんが、 終盤、突如人間が造ったアスファルトの道が現れる。道路に沿って立つ電柱と電線に不思議な違和感があります。  ラストで元の世界に戻った少女はすっかり大人になっていました。 恋人がビジネスと厳しい競争社会の現実を語っている。 彼女はそんな話はうわの空で、厳しい生存競争があったオーストラリアの日々を思い出している。  あの日々は彼女にとってもWALKABOUTということだったのでしょうか。
[DVD(字幕)] 8点(2015-03-06 17:32:19)
143.  ワン チャンス 《ネタバレ》 
僕はオペラのことは分らないので本作の主人公であるポール・ポッツのことも本作で初めて知りましたが、 ポールという人間と彼のこれまでの半生を適度にコメディタッチで実にテンポ良く分かりやすく描いています。 彼の周りにいる愛すべき人々の人物描写がいい。 子どもの頃からずっと彼のことを応援してきた母。 対立することもあったけど、実は息子思いの父。 終盤の息子のいじめっ子だった男を殴り飛ばすシーンと、 ラスト近くの「俺はいい親父じゃなかったが、親父としていかに成功したかは息子がどれだけ親父を越えたかで決まるんだ」という台詞が感動的。 この親父役のコルム・ミーニイが実にいい味を出しています。  前半の、後に結婚することになるジュルズとのラブストーリーと結婚後のドラマ。 作品の中で非常に重要な位置づけである彼女の存在抜きにはポールの人生も、 この映画も無かったかもしれない。そんな2人のドラマとしても良かった。 もう1人忘れてはならないのがマッケンジー・クルック演じる携帯ショップの店長。 ちょっと可笑しな好人物で、作品の空気を和ませる貴重なキャラクター。 彼がいなければこの2人、出会うことは無かったかもしれなかっただけに、 彼もまたポールの人生のドラマには欠かせない存在です。  オペラの吹替はポール本人が担当したそうですが、 あることがきっかけでジュルズを怒らせてしまったポール。彼女の仕事が終わるのを待ち、 彼女への思いの丈を歌に込めたシーンなど、彼の歌声を実に効果的に挿入しています。 幼少の頃からのトラウマ、自分への自信の無さ、病気や怪我を乗り越え、 彼を支える人々と共にワンチャンスをモノにした男の半生を爽やかに描いた王道サクセスストーリー。
[DVD(字幕)] 8点(2015-02-07 19:52:46)(良:3票)
144.  スティル・クレイジー 《ネタバレ》 
ロック映画なのでもうちょっと弾けても良かったと思いますが、 ロック映画の中にもイギリス映画らしい良さと雰囲気を持った作品です。 一度は成功をおさめたバンドが解散する。華やかな世界とその後の人生。その光と影。 ユーモアと哀愁、シリアスさのバランスも良く、昔の仲間が再会しバンドを再結成、その奮闘を描く。 スト・フルのメンバーを演じるベテラン俳優がみんないいんですよ。 今ではすっかりおっさんになってしまったけど、昔はカッコ良かったんだぜ。 ユーモアや哀愁と同時にそんな雰囲気を全員が見事に醸し出している。 そしてブライアンという最後のカードの使い方もお見事でした。
[DVD(字幕)] 7点(2015-01-31 21:59:07)
145.  シュガーマン 奇跡に愛された男
作中に何度かボブ・ディランの名前が出てきます。 ボブ・ディランは成功をおさめスーパースターとなった。 一方でロドリゲスは2枚のレコードを出したが全く売れず、労働者に戻っていった。 しかし僕は作品に流れるロドリゲスの歌う声、ストレートな歌詞に魅了されました。 ボブ・ディランは成功し、ロドリゲスは成功しなかったのか? このドキュメンタリーを見ると、そうではないのかもと思えた。 本作はレコードが売れず労働者に戻っても、 数十年の時を経て突然南アでライブ会場を埋め尽くす熱狂的なファンに迎えられても、 ロドリゲスがその時々の自分が置かれている状況を淡々と受け入れてきた姿をとらえていく。 ロドリゲスの関係者や家族へのインタビューが主体となっており、 本人の言葉をもっと聞きたかったという思いもありますが、 人生、気持ちの持ち方しだい変われるものなのかもしれない。 色々と考えさせられることが多いロドリゲスの生きざまでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-23 23:27:13)
146.  キンキーブーツ 《ネタバレ》 
いかにもイギリス映画らしいハートウォーミングなコメディです。 崖っぷちに追い込まれた靴工場の後継ぎの息子と、 いつクビをきられてもおかしくない工場労働者と、 社会から偏見の目で見られながらも力強く生きるドラッグクイーンが工場再建に一致団結する。  先代の代から工場で働いてきたおじさんやおばさんのベテラン職人たち。 工場が息子の代に変わり関係がうまく行かない序盤から、 次第に互いに信頼関係を築いていく過程も無理なくテンポ良く乗り切っています。  靴の街ノーサンプトンの町工場。何気なく腰掛けて作業しているように見えるおじさんもおばさんも、 実はみんな長年働いてきた、その分野では凄腕の持ち主。そんな労働者達の表情がいきいきと描かれています。 イギリス映画らしく、地元の産業を支えてきた名も無き人々を描くその視線があたたかい。  そんな中に挿入される、後継ぎ息子の周りにいる2人の女との関係も巧く描かれています。 実話モノだけにベタなストーリーですが、こんなベタで元気がもらえるような実話があったことが嬉しくなる作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2015-01-10 20:10:26)
147.  恐竜100万年
恐竜と人間が同じ時代に生きていた!という科学の常識を完全に無視した驚愕の設定ですが、 かたいことを言わなければ、こういうのも映画だからこその良さだと思います。 特撮王ハリーハウゼン。人形を1コマずつ丹念に撮影したという恐竜の動きは時代を考えると、その動きも素晴らしいです。 まだ人間が言語を持つ以前という設定なので、 叫んだりする以外に台詞は一切無しということもあり、 ストーリー的には退屈する時間が多いのも事実です。 特におっさんが仲間とはぐれて放浪したり、おっさん同士の抗争の時間帯は結構どうでもよかったりします。 しかし、その穴を埋めて十分すぎるほどの存在がラクエル・ウェルチ!! 本作の彼女のお姿はポスターになって「ショーシャンクの空に」にも登場しました。 恐竜と、コスチュームも素敵なラクエルが登場する時間帯はとっても楽しい映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-12-29 00:38:29)
148.  シャンプー台のむこうに 《ネタバレ》 
不治の病に冒された主人公と、その夫と息子、そして一緒に駆け落ちしたもう1人の“家族”。 彼らの家族の再生と新たな家族のカタチをもう1度築きあげていくまでをコメディタッチで描くドラマ。 不治の病もの。僕の苦手なジャンルではあるのですが、ナターシャ・リチャードソン演じるシェリーの明るさがいい。 (今に本作を見ると、実際にナターシャは若くしてこの世を去っているので何とも言えない思いにもなります。) また、地元で開催された美容コンテストを機に家族がもう1度結束するという形になっているので、 盛り上がる華やかなイベントを背景に作品も明るさや、いい意味での軽さを保ち続ける。 シェリーの病状にはあえて突っ込まず、家族が並んで歩きだすラストはささやかな希望を感じさせてくれます。 「フル・モンティ」なんかもそうですが、サイモン・ボーフォイの脚本のこういうコメディ、いいですね。 本作もまた、イギリス映画らしい良さのあるハートフル・コメディでした。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-25 22:09:42)
149.  ラッキー・ブレイク 《ネタバレ》 
この監督さん、こういうパターンがお好きなんですね。 「フル・モンティ」では、不況のあおりを受けて工場が閉鎖、 失業者集団が状況を変えようと一致団結してストリップに挑戦。 本作では、塀の中の憎めない連中が一致団結してミュージカルに挑戦です。 ただし、人生に対する前向きパワーにあふれた「フル・モンティ」に対し、 こちらはミュージカルのウラにあるのが脱獄ではあるのですが・・・。 悲しい出来事もありましたが、基本的にゆる~い人情喜劇風にまとめたのがいい。 だからこそ、一旦塀の外に出られてもその後も逃げ切るのは難しいはずですが、 作戦大成功!で終わってしまうのも単純だけど、こういう映画はこれでいいんじゃないでしょうか。 ただ、いざ脱獄!の終盤にはもう少しハラハラドキドキがあっても良かったとは思いますけどね。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-23 14:25:08)
150.  アバウト・タイム 愛おしい時間について
イギリスのラブコメ職人、リチャード・カーティスがユーモアと感動にあふれた素晴らしい人生賛歌を撮り上げました。 主人公の青年は祖父、そして父から過去にだけタイムスリップできるという特殊な能力を受け継ぐ。 この能力を背景に、一目惚れした運命の女性に対し「あっ!だせえな俺。やっちゃったなあ…。」と思ったら、 そのちょっと前に戻って今のとこ、もう1度やり直し!という展開が続く前半はちょっとドタバタのラブコメといったところ。 笑いドコロも十分です。しかし彼がその女性と結婚するあたりから、少ししんみりとしますが、 登場人物ぞれぞれの色んな家族愛と人生賛歌のドラマへと、実に自然に作品の空気を入れ替えていく。 主人公の男にこの特殊能力を決して無駄遣いさせないのがいい。 愛する女性のため、愛する家族のため、彼は過去と現在を行き来します。 後半から終盤は、こういう家族のドラマには滅法弱い僕ですが、本作に関しては涙は出てこなかった。 それは本作の持つ独特の清々しさや、終盤のしんみりとした空気の中にも、本作の根底にあるユーモアの精神が常にあったからだと思う。 何気ない日常の中にあるささやかな幸せというものを感じさせてくれる、作品の中の空気のブレンド具合も見事な作品でした。
[映画館(字幕)] 9点(2014-12-17 18:16:26)(良:2票)
151.  それでも夜は明ける
自由黒人として北部の街でバイオリンで生計を立て、家庭にも仕事にも恵まれた生活を営んでいたソロモン。 しかしある日突然、奴隷として南部に売られてくる所から作品は始まる。 奴隷制度に苦しめられる黒人。鞭打ちや首つりのシーンなど、とても見ていられない描写の連続。 この作品はソロモンという教養もあり、自由黒人という立場で生きてきた男の視点で描かれていますが、 奴隷制度下の白人達も印象に残る。ポール・ダノやマイケル・ファスベンダーが演じる、悪役の白人達。 その一方で最初の主人であるフォードや、ブラピ演じるバスといった、奴隷と人間的に接しようとする白人達もいる。 しかし白人である彼らですら、表立ってソロモンを助けてやることが出来ない時代背景が垣間見え、 改めて黒人にとって過酷な時代であったことを思い知らされます。 現代アメリカに目を向けると、先日から白人警官と黒人の少年に関するデモがニュースになっている。 少し前には、この事件と非常によく似た実話に基づく「フルートベール駅で」という映画を見た。 依然として根深く存在する人種差別。 奴隷制度の時代を描きながらも、今のアメリカへの問題提起でもあるように思えました。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-03 22:15:09)
152.  ダーク・ブラッド 《ネタバレ》 
リバー・フェニックスが撮影中に急逝してしまったため、お蔵入りとなっていた作品。 大病を患った監督が、何とか生きているうちにリバーの最後の姿を世に送り出したかったのだと監督自身が冒頭で語っています。 例えるなら、2本脚の椅子だと。 そこにもう1本脚を付け足して3本脚にして何とか立てる状態にしたと。 しかし4本目の脚は永遠に欠けたままだと監督が語る作品です。 とある俳優夫婦が週末ドライブ中、砂漠の真ん中で車が故障してしまい、 何も無い核実験跡地の荒野の一軒家に住むリバー演じる青年、ボーイに助け出されるところから話が動き出します。 美しくもどこか影があるところを感じさせる本作のリバー。やはり存在感があります。 ボーイと夫、ボーイと妻、それぞれの関係を描いたサイコサスペンス。 ボーイの妻は癌で早死にしたというから、恐らく被ばくが関係していると思われます。 また、先住民族の血をひくという設定ですが、これらの設定はあまりうまく機能していません。 これは仕方が無いのですが結構肝心と思われる所がナレーションになっており、 やはり4本目の脚が必要な部分があったのかもしれません。 「スタンド・バイ・ミー」や「マイ・プライベート・アイダホ」のラストのリバーの姿。 今にこれらの作品のリバーの姿を見直すと、何とも言えない感傷的な思いが湧いてきます。 そして本作の最後のリバーの姿についても、それらと同じ思いが湧いてくるのです。
[DVD(字幕)] 6点(2014-11-17 23:18:22)
153.  あなたを抱きしめる日まで 《ネタバレ》 
実話をベースにしたこういう映画を見る度に、宗教とは何だろうと思ってしまう。 苦しむ人の心に安らぎを与えるものでありながら、逆にそれで苦しむ人もいる。 信じる神が違っても、神を信じない人にとっても、親が子を思う気持ちや、子が親を思う気持ちは不変。 今はもうこの世にはいない息子の思いがしっかり伝わるように描かれていたのが嬉しかった。 ジュディ・デンチの静かな、素晴らしい演技が感動的です。
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-15 14:18:28)(良:1票)
154.  シンプルメン 《ネタバレ》 
ハル・ハートリー。僕にとってこれまで馴染みがなかった監督ですが、こういう作風、好きです。 作品に漂う空気に初期のヴェンダースや、あるいはカウリスマキの作品を思い出しました。 全編に響く乾いたギターの音色。作品にはほとんど笑顔が無い。 父親探しの旅に出た兄弟とその旅で出会う人々との、 ギターの音色のように、最初はちょっと乾いた感じもするのだけど、ちょっと可笑しな人間模様。 その父親は元メジャーリーグのスター選手にして国防省爆破事件の犯人であるという全くもって謎の人物像。 犯罪者の兄とちゃんとした学生の弟。そして彼らが出会う、いかにもひと癖ありそうな人々。そんな可笑しな設定がたまらない。 兄弟と彼らが出会う女とのロマンス。 孤独だった兄が最後に感じた確かな心の触れ合い。 そのラストシーンがとても印象に残ります。
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-13 22:09:34)
155.  サザン・コンフォート/ブラボー小隊 恐怖の脱出
未公開に終わっているウォルター・ヒル監督作。キャストも地味で派手さは無く、作品としても全体的に地味。 久々にピーター・コヨーテを見たなあ・・・。と思っていたらあっという間に殺されてしまいました。 戦争コメディのような軽いノリから作品はスタートしますが、それははじめだけ。 画面を通して伝わってくるかのような、どこまでも続く湿地帯、欝蒼とした森のジメジメ感。兵士たちの焦燥感。 姿の見えない敵から命を狙われ次々と命を落としていく小隊の恐怖を、 派手さは無いですが余計なものを削ぎ落としたような迫力ある演出で見せる。 ジョン・ブアマンの「脱出」を彷彿とさせる作品です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-11-05 21:36:34)
156.  ブラジルから来た少年
オリヴィエとペック、2人の名優が顔を揃えながらも未公開に終わっている作品です。 やはり製作当時、その内容が問題視されたのでしょうか。 敢えて地味な作風となっていますが、 その分ナチ・ハンターと元ナチスの狂気の科学者を演じるオリヴィエとペック、 名優2人の存在感が引き立っており見応えのある作品となっています。 中でも見どころは大熱演を見せる、悪役が似合わないペックの怪演でしょう。 一方オリヴィエは「マラソンマン」では本作とは逆の元ナチスの博士という役で実に不気味な雰囲気を醸し出していました。 オリヴィエとペック、このキャストが入れ替わっていたらどんな作品になっていたでしょうか? それも見てみたかった気がします。
[DVD(字幕)] 7点(2014-10-18 15:36:33)
157.  ナック
ポップでシュールで不思議な空気が漂う、所々でルイ・マルの「地下鉄のザジ」を思い出す作品です。 随所に挿入されるギャグや笑いドコロ。 時にはパントマイムのように時にはドタバタのスラップスティックですが「地下鉄のザジ」ほど弾けてはいません。 ジョン・バリーの音楽にも落ち着いた雰囲気があり、このあたりはイギリス風といったところでしょうか。 60年代当時のロンドンの若者事情をぼやくように見つめる大人(お年寄り)目線の挿入が面白く、 大きな目が特徴的なヒロインの可愛らしさも印象に残る作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-09-13 20:32:10)
158.  アンノウン(2011) 《ネタバレ》 
冒頭から序盤は何かの陰謀に巻き込まれたかのようなドクターであるリーアム・ニーソンがミスキャストに思えました。 ドクターにしては結構強そうで…。しかし、このドクターの真の姿が垣間見えるにしたがって、やはりニーソンが演じて正解だと思えました。 まあ、彼がドクターではないことや、職業の大体の方向性は結構早い段階で分かっちゃうんですけどね。 それでも水面下で進行する陰謀劇は最後までなかなか読めずラストのホテルでは、 必要な人は生き残り、そうでない人は残念ながら。よく全てを丸く収めてくれました。この結末にも納得です。 作品のテンポも良くミステリ・サスペンスとしてもエンターテイメントとしても最後まで十分楽しめます。 出番は多くなかったですが、脇を固めるベテラン勢が渋い。威圧感のあるフランク・ランジェラに、 久々に見たドイツの名優、ブルーノ・ガンツの健在ぶりが見られたことも嬉しい作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-19 21:18:09)
159.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 
リメイクを作成するまでに至る序盤の展開は結構無茶苦茶だし、 あのリメイク作品が1時間待ちの行列になるほど大評判になるのか? 「何だ!?このふざけたビデオは!」と苦情が全く無い?といったツッコミ所は結構あったりします。 でも“映画愛の映画”に弱い僕としてはこの映画、やっぱり好きですねえ…。 次々と作品名が登場する段階になると映画史に残る大作も出てきますが、 初めて製作するリメイクが「ゴーストバスターズ」。 2作目は「ラッシュアワー2」という気軽に見れて笑える映画から登場する流れもいいじゃないですか。 みんな、もっと気軽に映画見ようよ。映画館に行こうよ。そんな単純なメッセージが聞こえてきそうです。 映画のテンションはいつもの典型的ジャック・ブラック映画です。 時代の流れと共に街も変わっていき、愛した建物も取り壊される危機に直面する。 一時代を築いたVHSの時代が終わりを告げようとしている。 何かを守るために、誰かのために必死にがんばる。 少々ダサくもあるんですが、そんな男をコミカルに演じさせると他の誰にも無い、この人ならではの味があります。 そしてラストは感動させてもらえるとは思わなかった。 みんなで同じ映画を見る、その表情が実にいい。 気が付けば、周りには人が一杯。同じ空間で同じ映画を見て一緒に笑ったり感動したり。 映画館で映画を見ることの素晴らしさを感じずにいられない、映画愛にあふれたラストシーンでした。
[DVD(字幕)] 8点(2014-08-08 22:11:09)
160.  大列車強盗団
実際に列車強盗を実行に移すまでが長く、 後になって考えてみると冒頭のカーチェイスは必要だったのかな?と思ってしまいますが、このカーチェイスがなかなかの迫力です。 主犯の男を演じたスタンリー・ベイカーが渋いですが、総じて地味な男たちが地味に淡々と計画を遂行していく。 追い詰めていく刑事も地味ですが、演じたジェームズ・ブースもまた渋くていい。 主犯の男の奥さんが登場しなかったらホントに華が無い作品ですが、これも実話モノらしくて良かったのかもしれません。
[DVD(字幕)] 6点(2014-08-05 23:06:39)
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