161. 僕らのミライへ逆回転
《ネタバレ》 リメイクを作成するまでに至る序盤の展開は結構無茶苦茶だし、 あのリメイク作品が1時間待ちの行列になるほど大評判になるのか? 「何だ!?このふざけたビデオは!」と苦情が全く無い?といったツッコミ所は結構あったりします。 でも“映画愛の映画”に弱い僕としてはこの映画、やっぱり好きですねえ…。 次々と作品名が登場する段階になると映画史に残る大作も出てきますが、 初めて製作するリメイクが「ゴーストバスターズ」。 2作目は「ラッシュアワー2」という気軽に見れて笑える映画から登場する流れもいいじゃないですか。 みんな、もっと気軽に映画見ようよ。映画館に行こうよ。そんな単純なメッセージが聞こえてきそうです。 映画のテンションはいつもの典型的ジャック・ブラック映画です。 時代の流れと共に街も変わっていき、愛した建物も取り壊される危機に直面する。 一時代を築いたVHSの時代が終わりを告げようとしている。 何かを守るために、誰かのために必死にがんばる。 少々ダサくもあるんですが、そんな男をコミカルに演じさせると他の誰にも無い、この人ならではの味があります。 そしてラストは感動させてもらえるとは思わなかった。 みんなで同じ映画を見る、その表情が実にいい。 気が付けば、周りには人が一杯。同じ空間で同じ映画を見て一緒に笑ったり感動したり。 映画館で映画を見ることの素晴らしさを感じずにいられない、映画愛にあふれたラストシーンでした。 [DVD(字幕)] 8点(2014-08-08 22:11:09) |
162. 大列車強盗団
実際に列車強盗を実行に移すまでが長く、 後になって考えてみると冒頭のカーチェイスは必要だったのかな?と思ってしまいますが、このカーチェイスがなかなかの迫力です。 主犯の男を演じたスタンリー・ベイカーが渋いですが、総じて地味な男たちが地味に淡々と計画を遂行していく。 追い詰めていく刑事も地味ですが、演じたジェームズ・ブースもまた渋くていい。 主犯の男の奥さんが登場しなかったらホントに華が無い作品ですが、これも実話モノらしくて良かったのかもしれません。 [DVD(字幕)] 6点(2014-08-05 23:06:39) |
163. 戦場のメリークリスマス
微妙な空気が作品を支配していますが美しく、哀しく、そして狂気じみている。 戦争とそれに翻弄される人間を描いた、 戦闘シーンは一切無く風変わりな作品ですがこれも戦争映画の1つのカタチでしょうか。 美しく哀しいと言えば、坂本龍一氏のテーマ曲。 (「ラストエンペラー」でも感じましたが演技は・・・。だけど。) 映画を構成する他のどの要素よりも音楽が印象に残る作品です。 ラストのたけし演じるハラの心の内を音楽にすればこんな感じになるのでしょうか・・・。 奇抜なキャストですが、その中でも最も心に残るのはやっぱりたけしであり、作品の細部は忘れてしまっても、 テーマ曲と共にたけしのラストの「メリークリスマス、ミスターローレンス!」の台詞と本作最後の表情が強烈に印象に残ります。 [DVD(邦画)] 6点(2014-06-05 23:35:40) |
164. コン・ティキ
《ネタバレ》 海洋アドベンチャーとしてはそれほど派手さは無く、 CGも効果的に使われているけど、最近のこの手の映画にしてはCGの挿入は控え目です。 しかし本作はそれが良かったのだと思います。 大昔の人々がたどったであろう道のりを、出来るだけ当時の仕様で1947年の彼らは挑んだ。 だからこそ、そんな彼らのフロンティアスピリットを再現する本作には、 ギラギラとした直射日光や、潮の匂いや男たちの汗の匂いがスクリーン越しに感じ取れるかのような描写がよく似合うと思います。 サメとの攻防戦を描いた緊張感。確実に筏の木が水を吸って重くなっていく不安感。 しかし、それでも南赤道海流に筏が乗ったことがわかった時の高揚感。 次第に仲間達を強く結びつけていく連帯感。 終盤の陸地に向けていくつもの大波を超えていく、彼らの最後の海との格闘は迫力満点です。 エンドロールで無謀とも思える挑戦を成し遂げた彼らのその後が紹介されています。 仲間達それぞれに、その後も冒険心にあふれた生涯を全うしていました。 同じ男として、彼らがとても羨ましく、眩しく映りました。 これは映画館で見たかったですね。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-05-21 22:36:23) |
165. カルテット!人生のオペラハウス
《ネタバレ》 同じ年に製作の、本作と同じくイギリス映画「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」と同じく、(両作品ともにマギー・スミスが出ています)イギリスのベテラン俳優のアンサンブルが楽しめる作品です。 ただ本作の場合、トム・コートネイとマギー・スミスが演じる、かつては夫婦であった2人がストーリーの軸になっているのですが、作品の中では非常に地味な役どころになってしまっています。 対して、カルテット(四重奏)のあとの2人の方が登場人物のキャラとしては魅力的で、実際にストーリーの軸になる2人よりもかなりキャラが立ってしまっています。年をとるということを時にコミカルに、時にシリアスに見せてくれるのもこの2人です。 また、こうした音楽モノのラストはやはり、主役がステージに顔を揃えてのパフォーマンスの様子を見せてくれて、観客の拍手の中感動のフィナーレを迎えるというのが定番だと思うのですが、本作にはそれが無いのも残念なところです。 [DVD(字幕)] 5点(2014-04-16 20:17:10) |
166. ウォルト・ディズニーの約束
《ネタバレ》 「メリー・ポピンズ」を初めて見たのは子供の頃。以降、何度か見ている僕の好きな映画の1つです。その制作秘話である本作、すごく楽しみにしていたのですがようやく見ることができました。 映画は何度か見ているのですが、原作に触れたことは無く裏話的なことも何も知らない上での鑑賞でした。原作者のP.L.トラヴァースさんとお父さんとの少し悲しい思い出を含んだお話でしたが、それを抜きに「メリー・ポピンズ」は語れない作品だったのですね。 その一方で、シャーマン兄弟の作曲シーンの楽しさ!脚本家やウォルト氏の秘書も絡んでの「メリー・ポピンズ」で歌われる歌が誕生していくシーンの数々は楽しさと共に感動的でもありました。 彼らとトラヴァースさんとの時にシリアスでもありますが、コミカルな絡みも楽しかった。トラヴァースさんが「歌に造語なんて入れてはいけません!」と一喝。すると究極の造語の歌である“スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス“の楽譜を慌てて隠すシャーマン兄弟。なんてシーンもたまらなく楽しかったです。また、運転手役を演じたジアマッティもいい味を出していました。 そして本作、エンドロールが始まっても席を立たないでください。当時、実際に録音されていた打ち合わせでのトラヴァースさんの肉声を聞かせてくれます。当時の写真もふんだんに挿入されていて、何とも素敵なエンドロールとなっています。 「メリー・ポピンズ」が好きな方、ぜひご覧になってください。 [映画館(字幕)] 8点(2014-04-10 22:48:02) |
167. ワン・デイ 23年のラブストーリー
《ネタバレ》 アン・ハサウェイとジム・スタージェス。お似合いだったし、20代から40代までを自然に演じた2人のいい演技を見させてもらいました。 2人が演じるエマとデクスター、この2人の23年間のある1日を時系列に沿って切り取って描かれていく。人生、そんなに大事件が頻発するものでもない。でも、なんてことの無い日々を過ごしているようでも、1年、2年…と経過していけば日々の生活も、周りの人間関係も、少しずつ変化していく。そんな人生というものが巧く描かれていたと思います。 サクサクと進む作風だけに、エマがどうしてあそこまで遊び人デクスターを思い続けるのか、そのあたりが伝わらないのが難点。終盤の大事件に関してもこういう展開はあまり好みではありません。でも、それまでのなんてことの無い日々の中にも、やはり2人の間には色々なことがあった訳で、生きてきた年月の重みを感じました。 ラブコメには持っていかずに上品にまとめられた作品ですが、本作にはそれが良かったと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2014-04-01 22:25:31)(良:1票) |
168. モネ・ゲーム
絵の真贋を巡る騒動など、もう少し絵を使ったエピソードの挿入があっても良かったと思いますが、コリン・ファースとキャメロンの共演が十分楽しめます。 ズボン無しのマヌケなシチュエーションでも、彼独特のマジメな可笑しさというか、堅い演技で笑わせてくれるコリンと、キャメロンのいつもの陽気なアメリカン・コメディのノリがいい感じで融合。本作のキャメロン、かなりお年を感じてしまいましたけど、彼女が登場するだけでパッと場が明るくなるようなコメディエンヌとしての存在感は衰え無しです。 中盤以降登場する日本人の一団。洋画に登場するこういう日本人を見るといつも思うのですが、欧米人の目には我々日本人はどんな風に映っているんだろう?やっぱり、こんな風に映っているからこんな風に描かれてしまうのかな・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2014-03-21 19:52:32) |
169. カルラの歌
《ネタバレ》 まずは前半のグラスゴー。ニカラグア人女性カルラと、心優しきバス運転手ジョージが出会う。2人のラブストーリーを軸にしながらも、ケン・ローチらしく移民や貧困といった問題を絡めた話なのかなと思いながらの鑑賞でしたが、後半、舞台がニカラグアに移って以降は本当に厳しい映画でした。 ケン・ローチは近年もイラク戦争とアメリカの問題を告発する映画を撮っていますが、本作でもCIAの影がちらつくニカラグアで何が起こっているのかを映画という形で告発する。 様々な形で介入しては、都合が悪くなると逃げ出す。アフリカやアジアなど、色んな映画でこんなアメリカを中心とした強国の姿を見てきました。本作のジョージも結局はニカラグアを去って行きましたが、彼に関してはこれ以上自分には彼女を守ることができない。あまりにも世界が近いすぎる彼女の祖国の現状を目の当たりにして身を引かざるを得なかったということでしょうか。 ラストの“カルラの歌”がとても美しかった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-03-05 21:37:30) |
170. 暴走特急 シベリアン・エクスプレス
《ネタバレ》 邦題に偽りありというか、どこかで見たような感じのB級臭漂うタイトルが付けられていますが、なかなか迫力があり、見応えのあるサスペンスでした。 シベリア特急に乗りこんだ善良なアメリカ人夫婦。楽しい旅行になるはずが…。乗りこんでいきなり車掌にロシア語でキレまくられるところから、異国にポツンと紛れ込んでしまったようなアウェー感があり、どこまでも続く雪景色と少し暗めで寒々しさを感じる映像も得体の知れない不安感を掻き立てます。 このような夫婦が旅先で事件や陰謀に巻き込まれるというサスペンスの場合、夫婦が善良であるほどいいと思う。本作のご主人の全く危機感の無い能天気なキャラはそういう面では良かったと思います。残念だったのは、奥さんに大きな罪を犯させてしまったこと。その為に、最後は一応丸く納まっても釈然としないものが残ってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-02-01 01:13:00) |
171. エントラップメント
不二子ちゃんの年齢はそのままに、ルパンにだけ年をとらせたという感じでしょうか。 キャサリン・ゼタ・ジョーンズのお美しさは言うまでもないですが、70歳近い年齢にしてショーン・コネリーのこのシブさ。親と子ほどの年の差がありますが、そんなに違和感がありません。騙し騙されの展開の中に、程よくロマンスの要素も挿入されていて、これはこれで良かったのではないでしょうか。 最後のどんでん返しは、見る者に「くっそ~!最後はそう来やがったか!」と思わせる程ではなかったですが、その後の駅のホームのラストシーンはロマンスとして見れば素敵なラストだったと思います。 最後になりましたが、体クネクネ、艶めかしい赤外線の舞いを見せてくれたキャサリン、ありがとう。 [DVD(字幕)] 5点(2014-01-22 19:43:07) |
172. ハイ・フィデリティ
ジョン・キューザック、ジャック・ブラックの持ち味がとてもうまく引き出された音楽愛にあふれるラブコメ。 見る者に語りかけるようにカメラに向かって少々理屈っぽく恋愛を語るキューザック。終始結構あつく語り続けるのでちょっとくどくも感じますが、その様は若くて勢いのあるウディ・アレンといったところです。ジャック・ブラックも濃いキャラクター全開で笑わせてくれます。(で、最後は見事に聴かせてくれますよ!) あの中古レコード屋の雰囲気がたまらなくいい。僕の場合レコードはせいぜい高校の頃まででしたが、自分の世代(今の40代)がまだCDではなく、レコードを聞いていた最後の世代だと思う。特に中古レコード屋はお宝の山みたいな感覚でしたね。次は何が出てくるか、1枚1枚棚に収められたレコードを指でめくっていく作業が妙にワクワクして楽しかった。そんな懐かしい感覚も思い出させてくれる作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-10 21:36:25) |
173. スライディング・ドア
《ネタバレ》 地下鉄にぎりぎり間に合って乗れた場合と乗れなかった場合。この2つのその後のストーリーを同時進行で見せる。それぞれの話自体にはそんなに特筆すべきことは無いものの、その見せ方が巧みな作品です。 乗れた場合に出会う男。乗れていなかったら、その男とバーで隣り合わせても、どこかですれ違っても赤の他人。2つのストーリーを微妙にシンクロさせる見せ方も面白かった。 こうした構成の作品は鑑賞に集中力が必要なケースも多いですが、本作はとても分かりやすく見せています。その1つはグウィネスの衣装や髪形などの変化。1つの作品で様々なグウィネスを見ることが出来るというお楽しみにもなっています。本作のグウィネスは今まで見た彼女の映画の中で一番魅力的に映りました。 また、ラストシーンが良かった。人生、うまくいかない一時期って必ずあるものですが、彼女の人生の好転を予感させてくれるラストシーンでした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-25 16:48:46)(良:1票) |
174. ワンダー・ボーイズ
もう10年以上前の映画なんですが、マイケル・ダグラスの枯れ具合に驚いた。本作より後の彼の方がもっと若々しく感じる作品もあります。マイケル・ダグラスと言えばやはり自信家でカッコ良くて、という役が似合うと思う。でも、本作で演じる男は高い社会的地位にあるけど、自身無さげに見える。プライドとコンプレックスが同居するような複雑な人物像を味わいのある演技でみせる。そしてトビー・マグワイア。どこか視点が定まっていないような、フワフワしたような演技は彼ならではの存在感があります。ストーリーは何かスッキリしないのですが、他にもダウニーjrなど、それぞれに存在感を示した主要キャストの演技の巧さは十分に味わえる作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-12-16 22:36:00) |
175. ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月
レネーの体を張った役作りには拍手!なんですが、ラブコメでヒロインのキャラに魅力が感じられないのは辛い。誠実男のコリンと軽薄男のヒュー。この両極端の男を演じる2人は前作と変わらず持ち味が出ていて良かったのですが。微妙に迫力の無い2人の取っ組み合いも笑ってしまいました。さて先日、原作の第3弾が発表されたというニュースを目にしましたが、何と、マーク・ダーシーが亡くなってしまっている設定とのことで・・・。ヒューさん演じる男が復活するのか、新たな男が登場するのか、どんなお話になっているのでしょうか・・・? [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-12-08 00:06:11) |
176. マリーゴールド・ホテルで会いましょう
《ネタバレ》 イギリスのベテラン俳優が顔を揃えた、人生の終盤をどう生きるかを描いた人間ドラマ。それぞれに過去をひきずり、現状に問題を抱える7人の男女。そんな彼らが豪華なホテルでのセカンドライフを求めてインドにやってきた姿を描く群像劇。 中盤まではこの7人の個々の行動をとらえる時間が長く、7人のドラマとしては物足りなさも感じたのですが、終盤に向けて彼らが懸命にこれからの人生の幸せを求めて歩き出していく姿に勇気をもらったような気がしました。 本作は彼らのドラマの中にもう1人、ホテルのオーナーの若者が入っているのがいい。パンフレットの豪華なホテルとはあまりにもかけ離れたオンボロホテルに7人から抗議の声が上がっても「それはこのホテルの将来の姿なんです」と全く悪びれる様子も無いが、憎めない、屈託のない明るさがある若者。インドにみなぎる熱いパワーを彼が体現しているようで、作品に活力をもたらせています。 この若者と7人。これからの人生をどう生きるかを考えるのに年齢など関係無い。ラストシーン、この若者はフィアンセを後ろに乗せバイクで街を行く。それとすれ違うビル・ナイ。彼もまた恐らくはフィアンセを後ろに乗せバイクで街を行く。何と希望に満ちたラストシーンだろう。また、ジュディ・デンチが書き綴るインド滞在記。ここには沢山の人生の素敵な金言が含まれていました。 [DVD(字幕)] 8点(2013-12-06 00:01:14) |
177. アバウト・ア・ボーイ
《ネタバレ》 ヒューが演じる男は相変わらずダメなんだけど、憎めないんだよなあ・・・。見る者にそう思わせる、これぞ彼の持ち味なんでしょうね。本作はちょっとシリアスな内容も含んでいますが、そんな中にクスッと笑わせてくれる彼の存在が活きています。彼が演じるウィルとマーカス少年の関係が微妙なんだけど、それが絶妙にいい。終盤のコンサート。ウィルがギターを弾きながらマーカスを助けにステージへ出てくる。普通ならそこで拍手喝采、大団円となるところですが、そうならないところがまたヒューらしくていい。最後はちょっぴり暴走してブーイングを浴びてしまう始末。やっぱダメだなあ・・・。と思いつつもこのシーンに感動してしまいました。一緒にステージに立ってくれたその気持ちはしっかりマーカスに伝わっていたんだから。 [DVD(字幕)] 7点(2013-12-03 20:59:44)(良:2票) |
178. ミッドナイト・エクスプレス(1978)
《ネタバレ》 主人公の男は陰謀に巻き込まれた訳ではなく、自らの意思でいけないモノを隠し持ち、それを国外に持ち出そうとして逮捕され、懲役4年の判決を受ける。裁きを受け罪を償うのは当然であり、まあ、妥当な判決か。ここまでは割と冷ややかに主人公の男を見ていました。しかし、残りの刑期が2か月を切る頃になって突然、お国の事情により4年の刑期が何と、30年に延長されてしまったことでそういう状況は一変します。絶望感、閉塞感、不安感…以降の刑務所の描写は凄まじいの一言。ただしかなり脚色もあるようですが、ここは脚本家オリバー・ストーン、剛腕ぶりを遺憾なく発揮といったところでしょうか…。描き方は賛否分かれるところだとは思いますが、刑務所モノとしての完成度は高い作品だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-11-17 00:39:44) |
179. ダイアナ
《ネタバレ》 世界中から愛されたプリンセス、ダイアナの最後の2年間をパキスタン人の医師、ハーン氏との恋をメインに描いた作品です。 公の場での世界でもっとも有名な女性であるプリンセス・ダイアナとプライベートの場での1人の人間であるダイアナ。チャールズとの結婚生活が破綻し、常にパパラッチに付け狙われ、子どもたちとも自由に会えない。そんな苦悩の日々に出会った1人の医師に惹かれていく・・・。 しかし彼女の母親としての思いや、地雷撲滅の活動なども触れられていますが、作品としてはあまりにも彼女の恋愛が中心になりすぎてしまっていたのは残念でした。見た目に関しては、誰が演じても違和感があったと思うし、誰しも受けるべきか迷うオファーだと思う。しかし、特に公の場でのダイアナには時折ハッとするほど似ていると思う瞬間もあったし、ナオミ・ワッツは大健闘だったと思います。 予告編を見ていなかったので思い描いていた作品のイメージとはかなり違う作品でした。彼女の抱えていたプレッシャーや苦悩を想像することはできますが、それはあまりにも大きすぎて僕には本当に分かることは出来ません。でも、最後の2年間、彼女が何に立ち向かい、そこにどんな苦悩があったのか、その一端は感じられたような気がします。 [映画館(字幕)] 6点(2013-10-25 22:05:50)(良:1票) |
180. アーネスト式プロポーズ
《ネタバレ》 コリン・ファースとルパート・エベレットと言われて思い出すのは「アナザー・カントリー」。それから18年の時を経ての久々の共演。ちょっとお間抜けな英国紳士をコミカルに演じる。いい意味でこんな役がすっかり似合うようになりました。 19世紀のイギリス上流階級を舞台にしたドタバタ・ラブコメ。軽いんですが作品に漂うイギリス映画らしい上品さがいい。そんな軽さの中に、英国の上流階級然としたジュディ・デンチの存在感も光る。 2人のアーネストと名乗る男、2人のアーネストという名前を愛した女、特にこの4人が一堂に会するくだり以降は笑いドコロも十分、2人の男の意外な関係が分かり、2組のカップルに、もう1組のカップルも幸せに。最後は強引に、しかしうまく陽気なハッピーエンドでまとめてくれました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-09-09 21:26:23) |