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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

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21.  ザ・プラマー/恐怖の訪問者
何とも言えぬ味わいの(笑。ホントに何と言っていいやら)、不条理サスペンス。ある日、配管工と称する男がやってきて、「管理人に頼まれたから」と浴室の工事を始めるが、これが何とも怪しい男。で、普通の映画なら、この男、何やら裏で悪だくみを働いていて、やがて思わぬ真相が明らかに~~ってな展開が期待されるところですが、本作、そんな小細工なし。この配管工、ただただ、迷惑なだけの困った人。悪人ですらない。工事は一向に進まず、浴室は荒れ放題。勝手な事ばかりする配管工、しまいにゃギター片手に歌い出す始末。彼の奇行に悩まされるこの部屋の奥さんが本作の主人公で、その戸惑いや不安感が、なかなかに上手いのです。何を考えているか分からない、けれどもこういうヤな奴っているよな、という感じの配管工の男、彼との間にはまるでコミュニケーションが成立していないんだけれど、「どうやら自分以外の人間は彼とコミュニケーションが取れているらしい」という不気味さ。誰に相談しても、それこそ旦那に相談しても、まるで埒が明かず、孤立感はいよいよ募っていく。と言う訳で、この作品、テレビ作品らしく安っぽい部分もあるし、ここでコマーシャルですよ的な暗転が入ったりもするのですが、社会生活の根幹とも言うべき「他者とのコミュニケーション」というものが本来的に持っている不確実さ、不安定さを、不条理世界の中でサスペンスとして描いてみせた、なかなかにユニークな作品であります。 オチも実に辛辣。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-02 22:48:48)
22.  ブレイブ ワン 《ネタバレ》 
主人公の女性と、刑事との間に、恋愛を匂わせちゃったのが、この作品のよくわからんところ―――これを作品の多層性と言えば聞こえはいいけど、路線として本当にこれでよかったのかしらん? あまりに殺伐とした作品となってしまわないように(ダーティ・ハリー4にキャラハン刑事が登場しなかったら?)、こうやって潤いを持たせたのだろうか。孤独な主人公に対し、最後の最後に至って差し伸べられた、支えの手。もちろん解決と言うには程遠いのだけど・・・。と言う訳で、この映画は、平穏な生活を破壊された主人公の、孤独の映画。何度も現れる主人公の“歩く姿”が、孤独を浮き彫りにする。そしてまたこれは、過去の平穏な生活だけではなく、現在の自分自身をも見失っていく映画。悪人退治。それはまさに、殺るか殺られるか。とりあえず主人公は、丸腰の相手に不意打ちを食らわせてまで悪人を殺す訳ではなく、一応は、撃たれそうになったりナイフを突き付けられたりハネられそうになったりした上での殺害であり、時には相手に大怪我を負わされたりもする(ただし、次第に自分から危険を呼び込み、殺すべくして殺す方向へと向って行っているのだけど)。狂気と正常のはざま。そしてついに見つけた憎き敵。クライマックスにおける“復讐”は、それまでの悪人退治とは趣きを異にする。不意打ちの、一方的な殺害。逆襲も受けるが、すぐに刑事が駆け付け、あっさりと有利な立場に舞い戻る、そしてやっぱり、無防備な相手を殺害する。復讐の完遂、すなわち不安定で自分を見失いうつある状態の終着であり、また、無防備な相手を殺害するという、これはもはや狂気の世界でもある。そして何より、正常の側に自分を繋ぎとめていた筈の刑事、彼までもが復讐へ加担する。もはや彼女には何も残っていない、ただ静かに消え去るしかない。という何とも寂しいラストでございました。ところで刑事はこの後、あんな無茶苦茶な説明(で、周りを納得させられたのだろうか。どうでもいいんだけどね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-24 23:34:47)
23.  ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー 《ネタバレ》 
うわ~。あちゃ~。不用意なコト書くと他の映画のネタバレにもなっちゃうので書きにくいのですが・・・すでにこんな作品が作られていたとなると、例の、名前がMで始まる監督の、タイトルに数字がつくお馴染みの映画、あの映画の立場って一体・・・。これ以上詳しくは書けませんが(これで充分だってか)、いやなかなか秀逸な映画ではないでしょうか(冷汗)。冒頭、いきなりのジャンボ墜落シーン、これがなかなか気合いが入ったダイナミックなものなのですが、「墜落した」というより「離陸前に事故った」ようにしか見えないのがやや難点か。その後、物語は、オカルトテイストを交えたアヤシゲな展開へ。ここはあまり意味を求めず、アヤシゲな雰囲気を楽しみましょう。ラストには驚きの連続があなたを待っています(大げさに言えば、ですが)。 ところで、この作品のDVDの字幕、なんか変なんですが(文章も変だし、表示のタイミングもイマイチ)、中でも意味不明なのが、飛行機から回収した機器を調査するシーンでの、「高速増殖炉は?」ってな字幕。どうやら、×FBR(fast breeder reactor:高速増殖炉)⇒○FDR(flight data recorder:フライトデータレコーダー)だと思われます。私はヒアリング能力がゼロなので、翻訳を誤ったのか、それとも元々セリフ自体が誤っていたのか、不明です。すみません。
[DVD(字幕)] 7点(2011-11-05 16:29:17)
24.  ゴーストライダー
ニコラス・ケイジの似合わないカツラ顔(地毛だったらゴメン)に始まり、世にも情けない妖怪対決が次々に展開される、抱腹絶倒のアメコミヒーロー映画。大体、「落ちてる火を拾って投げつける」なんている攻撃方法、ありますか。この映画、意識的に笑いを狙ってますね。そこがズルイとも言えるし、痛快とも言えますな。“ゴーストライダー”の攻撃は、よくわからないモノが多いですが、とりあえず敵が焦った顔になったときは、攻撃が効いているらしい。
[地上波(吹替)] 7点(2010-08-13 18:13:02)(笑:2票)
25.  ピアノ・レッスン 《ネタバレ》 
映画始まって早々、映像のひとつひとつが、入念に作り上げられ、まるで絵画のよう。う~む、このペースでこんな凝った映像が脈絡なく続いていったら、さすがに疲れるだろうな~、と映画のバランスに対する不安がチラとよぎったのですが・・・そんな心配は無用でした。冒頭からのハイテンションな「映像美」に対して、映画の進行とともに、ストーリーも映像も過激なものへ展開、ガンガンにテンションを高めていく! 例によって間男されるサム・ニール、妻の浮気相手がレッドフォードならおそらく大目に見るのだろうが(←『モンタナ~』)、さすがにハーヴェイ・カイテルではとても看過できない。そうだ、怒って当然、たまには怒れよ!・・・いやイカン、それはやりすぎだっての。というわけでですね、意外にも意外と盛り上がる映画でした(笑)。さて、タイトルはThe Pianoなんですけども、その割に肝心のピアノの存在感がイマイチ(例えば『殺意の夏』での自動ピアノの方が余程印象的だった気が)、むしろきっぱり割り切ったような下世話な邦題が、何となく懐かしいほろ苦さのようなものも感じさせ、なかなかナイスであります(褒めてる訳でも貶してる訳でもなく、だた意味も無く感心しているのです)。存在感の薄いまま、ついにピアノは海に落とされ、ええい、腹イセにホリー・ハンターまで道連れだ!と思いきや、難なく逃げられ、ひとり海底に沈むピアノ哀れ。ドロドロ恋愛ものとは確かに一線を画す映画ではありますが、もしピアノが映画の強固な求心力たり得ていれば、一線どころか二線も三線も画していたのではないでしょうか。救いはナイマンの音楽、これは印象的、というよりは、自分で弾いてみたくなるんだな。ピアノの心得などまるっきり無い私ですら、何とか弾いてみようと無駄な努力したもんね(当然無理だった)。ナイマンの音楽はやっぱり一般映画よりはグリーナウェイ作品に向いてそうな気もしますが、本作の音楽を元にしたピアノ協奏曲なんか実は結構好きだったりします(ああ、何となく恥ずかしい)。いや~。それにしても覗かれやすい家であることよ。
7点(2004-04-24 00:30:45)(良:1票)
26.  戦場のメリークリスマス
全体的に妙な雰囲気。収容所という限られた舞台、という事を差し引いても、「戦争らしさ」がまるで感じられない、何か異次元世界の話のようです。日本人がわざと「外国人風のヘンな日本人観」で作ったような映画、という事もその一因でしょう。さらには坂本龍一教授扮するホスト系大尉「ヨノイ」。一体何者? ここに教授入魂の味わいのある音楽が加わり、えも言われぬ不思議な世界が展開されますが、人間臭いハラ軍曹の存在が、映画と我々の接点をうまく保ってくれます。特に、演じているのが、まだ「世界のキタノ」ではなくて、「タケちゃんマン」でしたからね、意外性もあれば必然性もある起用で、印象的でした。ところでトム・コンティ、もっと日本語練習しろよ、聞き取りにくいぞ。
7点(2004-02-07 01:22:48)
27.  カウラ大脱走<TVM>
戦時中、オーストラリアのカウラ収容所で捕虜の日本兵が集団脱走し、大勢の死傷者を出したという実際の事件を元にしています。内容が日本人寄りすぎる、とかいう批判もあったとかいう話を聞きましたが。トレンディ俳優になる前の石田純一(私は欽ちゃん司会の「TVプレイバック」でしか見たことがなかった)が熱演しております。日本兵の一人ですが職業は英語教師だったとかで、オーストラリア人と心を通わせあい、なごやかなムード、しかし結局仲間の打ち出した脱走計画に乗ってしまう(この辺の心理描写がすげー甘い。例によって例のごとく妙にタカ派の捕虜仲間がいて、こいつがやたら扇動したあげく、うやむやのうちに石田純一も影響されてしまう)。いよいよ脱走事件が発生、テレビ映画にしてはなかなかダイナミックに描いており、しかも私は事件について全く知らずこのテレビ映画で初めて知ったので、衝撃的でした。石田純一はこの頃の事を思い出して、そろそろ立ち直って欲しいなあ、と思うのです。
7点(2003-11-30 01:14:17)(良:1票)
28.  ソードフィッシュ
公開時には、ミスディレクションだよ、とか宣伝してて、でも映画会社の宣伝は当てにならない誇大なものが多いからどうせ大したことあるまい、とか思いつつ、でもやっぱりマルチカムの爆破シーンとバス釣下げシーンをどうしても見たくて、劇場に足を運んだのでした。いやあ、確かに面白かったよ。ミスディレクションを売りにする程のもんじゃないけど、なかなか気合いの入った脚本です。しかしこのラストはマズイ!これはマズイ!せっかく面白かったのに最後にガックリ、ちょっと引いてしまいました。え?一番印象に残ったシーンですか?やっぱりハル・ベリーのゴルフ打ちっぱなしですかねえ。何でだろ。
7点(2003-10-26 14:52:08)
29.  プリデスティネーション
時間旅行ネタの合わせ技一本。よくもまあ、こういうこと考えるねえ、と感心しつつも・・・。 一人の人物が、物語の進行に伴い男性に見えたり女性に見えたりする、まるでだまし絵のような面白さがあるのですが、それだったらいっそ、時系列が入り乱れる中で、各場面そのものが物語の進行によって様々な意味を孕むような、映画自体がだまし絵の構成になってたら、さぞかし面白くなってただろうに、などと思ってしまいます。だけどなかなかそうはいかない。物語を複雑にしてしまった分、構成までも複雑にするわけにいかず、なるべくわかりやすく物語を提示しようとしてしまう制約。だもんで、段取りよく背景が解き明かされてゆき、多分そうなるだろう、ああやっぱりそうなるね、といった感じの繰り返し。意外な物語であるハズなのに、意外なほど、意外性が無いのです。 一本の映画に仕上げるにあたって、物語を「膨らませた」というより「引き延ばした」印象を受けてしまう、というのも、いただけません。冒頭、バーで二人が会話を交わす場面なども、物語の単なる助走部分に過ぎないような空疎な感じがしてしまって。 劇中何度も、タバコとその煙が登場するのが、危ういバランスの上に成立しているこの物語の不安を象徴しているようでもありますが・・・。
[DVD(字幕)] 6点(2017-11-26 08:49:44)
30.  英国王のスピーチ
吃音症の王様がスピーチの練習をする、というだけのオハナシで、これといった大きな事件もないのに、親しみやすい娯楽作品に仕上げている点はまず、さすがだとは思います。背景の美術にもこだわりを見せながら、会話のシーンではあえて表情のアップを多用し、最後に画面を引いて背景を見せつけるあたりも、自信の表れなんでしょうかね。そしてもうひとつ、表情のアップを映画の主軸に置く理由としては、観る者を登場人物へ感情移入させようという計算も働いていそうです。だもんで、観終わって、ああよかったね、ってことにはなるのだけれど、しかし何か物足りない。ここには、「表情」や「人のよさ」はあるけれど、肝心の「行為」「行動」ってのがあまり描かれてなくって。役者の表情ってのは、一見、説得力があるように見えるけれど、映画に本当に説得力を持たせ、印象深いものとするのは、そこに盛り込まれるエピソードの方にこそあるんだと思うのです。本作はその点、少々弱い作品、という気がいたします。だいたい、最後のスピーチの場面で感動するとしたら、スピーチする姿に感動しているのやら、ベートーヴェンに感動しているのやら、知れたもんじゃないですし。あと、そうそう、どうしてこうも、ウィーン拠点の作曲家の曲ばかり挿入するんですかね、何とかイギリス音楽から見つくろえないもんですかね。こういうところがイギリス人の度量の広さと言えなくもないですけれども。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-21 23:41:32)
31.  シャーロック・ホームズ(2009) 《ネタバレ》 
確か、モーリス・ルブランの小説にシャーロック・ホームズとかいうとてもマヌケな探偵が出てきていたが、その映画化なのか?と言いたくなるくらい、マヌケなホームズです。大体、容姿もコナン・ドイルの小説でイメージしてたのと何だかかけ離れていて(ワトソン役のジュード・ロウの方がまだしもナンボか近いんじゃないの?などと思って観てると、ちょっと混乱してしまいます)、でも、容姿だけじゃなく中身も全然違うから、ま、いいか~。って、じゃあ何でわざわざシャーロック・ホームズなんていう実在の人物(註、ファンにとっては実在の人物なのです、ハイ。だからワタシはファンではありません、笑)の名前を映画で使うんだよ~。・・・とか言うのはどうでもよくて、一種のパロディ作品と思えばいいんでしょうけど・・・とりあえず残念ながらこの映画、イマイチ面白くない。そもそも映像が、一生懸命にCGで背景を描き足すことにのみ神経を注ぎ、もひとつ面白くない。何かとカッコつける割には大味な印象を受けます。物語も何だか要領を得ず、トリックの解明はすべて「そういう薬品があるんです」と言い切ってしまうだけ、というのが、これまた厚かましいではないですか。ま、これはこれでいいんですかね、演繹的推理の怪物あるいはマシーンとしての名探偵、ではない、ポンコツ・ホームズを撮りたいらしいので。これはアクション映画ですね。頭脳ではなく肉体で戦うホームズ。特に、大男と戦うシーンというのは、いつ見ても楽しい、いわば定番ですね。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2010-10-31 00:04:35)
32.  ゴーストシップ 《ネタバレ》 
「ゴースト/血のシャワー」かと思ったら実は「シャイニング」で、と思ったら実は、ゴーストシップの正体は海に浮かぶ超豪華ゴキブリホイホイだった、という、トホホなお話。海面を思わせるようなチラチラとした反射光を全編に入れることで、廃船の雰囲気が出るに違いない、という安っぽい演出(しかもチラチラさせ過ぎ)が、ちょっと泣かせますね。ジョエル・シルバーとロバート・ゼメキス、もうちょっとお金を出してあげなさい。それともこのままロジャー・コーマン路線を突き進むのだろうか? あと、早くもすでに余生を送っているようなガブリエル・バーンには、誰か喝を入れてやってくださいな。
[DVD(字幕)] 6点(2008-04-20 16:58:04)
33.  オーシャンズ12 《ネタバレ》 
こんな大勢集まっておきながら、「結局、何にもしとらんやんけ」という、実に人を喰った映画。“キャサリン・ゼタ=ジョーンズよりもレーザーを避けるの上手いんだぜ”、というだけのえいがでしたね、とほほ。
[DVD(字幕)] 6点(2007-07-07 12:47:26)
34.  スーパーマン リターンズ 《ネタバレ》 
冒頭に鳴り響くアノ懐かしいテーマ曲! もうこれだけで少しウルウルしちゃう。ところが映画の内容はといいますと、ドロドロの男女関係、だったりするからもう大変。ようするにこういうことらしい → 5年前、スーパーマンはロイスをハラませた挙句、これはヤバイと逃走(透視能力で受胎はお見通しなのだ)。それでも男か! そろそろホトボリもさめたかと帰って来たスーパーマンの前に立ちふさがるはレックス・ルーサー、ジーン・ハックマン時代に比べると俄然、貫禄が無くなったが、やる時はやる男。とはいっても、やってることは第1作と大差ないけどねえ。それはともかく、中身が無いのは昔のシリーズも同じ、とにかくスペクタクってるシーンを見せてくれりゃあ満足できるんですが・・・どうもCGが裏目に出てますかねえ。ペラッペラで質感が感じられないシーンがあり、イマイチ面白くない。ミニチュア模型撮影の方がナンボ楽しいか。とか何とか文句いいつつ、それでも、おそらく今回のスーパーマンの帰還を一番喜んでいるのはきっと、あの世にいるクリストファー・リーブじゃないかなあ、そうであって欲しいなあ、なんてセンチなことも思っちゃうのでした。
[DVD(字幕)] 6点(2007-01-30 23:02:34)
35.  エイリアン:コヴェナント 《ネタバレ》 
これはもしかしてアレですかね、“エイリアン VS ブレードランナー”の前日譚ですかね。そんな映画がいつかできるとして。アンドロイドは電気ウナギの夢を見るか? 見ないでしょ。 未知の惑星を防護マスクも何も無しで闊歩して、そんないい加減なことでいいのか、と思ってたら案の定、謎の花粉が飛んできて大変な花粉症に悩まされることに。まあ、一作目とは趣向を変えよう、ってのは大いに結構なんですけれども、あの「宇宙服のマスク越しに襲われる」っていう衝撃に比べると、ヌルいというか何というか。一作目って、奇妙な事象の連続で我々をグイグイ引っ張って、謎の連続で前半をアッという間に見せる(後半はパニックでアッという間に見せる)、実にスリリングな作品でしたが、タイトルのうしろに「コヴェナント」をつけただけで、こうもモッサリするものかと。 一作目とは路線を変えよう、趣向を変えよう、ってのは勿論結構ですが、終盤に「実はエイリアンが一匹、船内に」という、とってつけたような原点回帰。しかし一作目の神秘性を削ぎ落された本作では、ずいぶん見劣りがしてしまいます。 という訳で、「エイリアンもよく見ると赤ちゃんの頃はカワイイねえ」という、まあ、そんな作品でした。 本作はニーベルンクの指輪における序夜、らしいので、いつか「神々の黄昏」が描かれるのでしょうか?
[DVD(字幕)] 5点(2019-09-08 17:17:51)
36.  キングコング: 髑髏島の巨神
サミュエル・L・ジャクソンが闘う気満々な点といい、おそらくは「大人の事情」によりムダに東洋人がキャスティングされている点といい、おお、これはまさに『極底探険船ポーラーボーラ』ではないか・・・いや勿論あのヘナチョコ映画が本作に1オングストロームたりとも影響しているとは思わないけど(単位として正しいのかもワカランけど)、それにしても、ヘナチョコとは言えあのヒロイズム、そのカケラくらいは本作に注入してやりたい気がしないでもない。 馬鹿正直にモンスター映画として作品をひたすら肥大化させてしまったピーター・ジャクソン、アレに比べると、確かに本作は賢く立ち回っている気はします。全編がクライマックスとばかり、始終ガチャガチャやっているけれど、要するにこれって、クライマックスが無いのと同じ。ピーター・ジャクソンはジュラシックパークシリーズを叩きのめすべく、馬鹿正直に3頭も肉食恐竜を登場させてキング・コングと戦わせてみせたけど、本作なんて、何も欲張らない、何も気負わない、ただ、巨大コングをお披露目すればそれでよし。物語も、本作を通じて結局、何も起こらなかったに等しい。そう、次に繋ぐための、あくまで序章なんです。ってな感じ。 ヒロインに対するコングの態度も煮え切らない。けど、こういうシーンも一応、入れときましょう、ってか。 ってなワケで、どうしても感じてしまう出し惜しみ感。カッチョいいシーン、迫力あるシーン、それなりに楽しめるんですけどね。ただそれが、ほどほどのところでとどめられ、表面的にただ並べられた感じ。エピソードが有機的に絡みあっていた『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』の、いかに素晴らしかったことか(そりゃチープだけどさ)。 たぶん、これはたぶんだけど、本当はもっといろいろと怪獣映画としてのアイデアがあるにも関わらず、シリーズを念頭に、ちゃっかり温存してるんじゃないのかね。 もしそうなら、商売っ気があり過ぎ。もしそうじゃないのなら、次が本当に心配。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2018-08-15 11:19:38)(良:2票)
37.  カリフォルニア・ダウン
これは、父と娘の関係がうまく描けなかった作品の一例でしょう。というか、このいかにも中途半端な人間関係は、作品を盛り上げるのに大した貢献をしておらず、およそ余計なだけ。 離婚して他の男性と新しい生活に入ろうとしている元妻、そして娘。なーんだかお互いに気を使って、ぬるーい関係。それとは別に何やら暗い過去があるらしいのだけど、それにしてもヌル過ぎて、作品を通じヨリを戻していく過程ってのが、およそ無いに等しい。まあ、この主人公の筋肉男ロック様に、影のある役は似合わないから、この程度の踏み込みでよいのかも知れませんが。 しかしその新しい夫というヒトが、娘から嫌われるためだけに登場するのもよいとしても、あからさまに「アイツは私を見捨てて逃げた!」ってのも、どうなんでしょ。要するに、この娘は「父たるもの、私を助けて当然」だと、ここで宣言してしまう。あるいは、父のおかげでレスキューについて妙に詳しいらしく、ここにもヘンな父親礼賛の姿勢のレールが引かれてしまってる。この設定だって、もうちょっと「イザという時」に出し惜しみするなりしていれば、もう少し盛り上がったのでは、という気も・・・。 で、主人公はムキムキにも関わらず、基本的には肉体よりも乗り物を駆使して、家族の救出に向かう。中盤、他人のピストルを奪う場面もあったのに、それを後で使う訳でもなく、比較的すべてが順調。この大災害にどれだけ多くの人々が巻き込まれたか、という「人数のスペクタル感」を削ぎ落してまでも(これ自体、寂しいものはあるけど)、主人公の個人的な枠内に作品を限定して、そこに熱いなり冷たいなり狭いなり、あるいは怖いなり、個人に関わる描写をこれといって盛り込めなかったのは、これはさすがに、イタイでしょう。CGは確かに見事ですが、ちと虚しい。
[ブルーレイ(吹替)] 5点(2016-04-10 10:35:56)
38.  キラー・エリート(2011)
冒頭の派手なアクションから、これは節操なく暴れまわるドンパチ映画なんだろう、と思っていると、物語のテーマ自体は結構、地味だったりするのです。何しろ、主人公が依頼されるのは「事故に見せかけた暗殺」、ですから、派手にやりようが無い……ハズなんですけどねえ。だから、その暗殺の過程を地味でも着実に見せていけば、面白い映画になる……ハズなんですけどねえ。どうしてもこの作品、派手な方向に向かおうとして、結局は大味な作品になっちゃう。まず主人公の人物像、いったいどう描きたいのか、あるいは何も描きたくないのか。思わせぶりに寡黙で、冒頭のエピソードも意味ありげで、影のあるキャラなのかと思いきや、普通に彼女がいて、デ・ニーロとの友情にも恵まれていて、何の不足もないやんか。何のドラマも内包しない、たいして面白みのない人物像のくせに、顔だけは何やら思わせぶりにムツカシイ顔している。物語の方も、中身より外観の派手さの方に向かい、暗殺劇は抗争劇へと様相を変えるも、これまた、敵の組織がとても精鋭とは思えぬトロ臭い感じ、ワクワク感には程遠いのです。しっかりしてくれぃ。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-04-06 23:07:47)(良:3票)
39.  マトリックス レボリューションズ
シリーズが進行するよりも賞味期限の方が進みが早い、この『マトリックス』シリーズ。1、2作はある種そのバカバカしさを楽しませてもらった面があるのだけど、この3作目に至っては、もうアキマヘン。大体このシリーズ、割と陳腐なSF設定を、少しだけ難しそうに描いて見せ、「一応ボクチャンにも理解できちゃった」みたいな虚栄心を抱かせることで我々におもねっている面がありますよね。そうなるとこちらとしては極力ストーリーとか設定とかは無視して映像を楽しもう、ということになるのだけど。で、そうなると、1作目からすでに変な映画であって、「こりゃ映画じゃなくてコンピュータゲームの映像だよなあ」ということになっちゃうのだけど。でもこれが。「格闘ゲームのギクシャクした動きを、生身の人間が演じる」というおバカぶりが、1作目あたりの、何とも知れぬオモシロさだったわけです(「カンフーがへたくそ」という批判が多いのは、確かによくわかるけど、でも、ギクシャクやってるのは明らかに故意であって、私がオモロイと思ったのもその点、なんですけどね)。2作目のカーチェイスもそう。スローモーションの多用で、スピード感が損なわれる、という問題はあるものの、「ゲーム映像を人間がわざわざ演じてみせる」という点を、楽しんだものです。でもこの3作目は、もう、楽しくない。小賢しい物語、設定を無視して観ててはもう成り立たない。と言って、無視しなければ、もっと楽しくない。映像ももはや目新しいものは無く(勿論、ミフネとかいうオヤジの暑苦しい顔のアップを観たい訳もなく)、もはや「ただのゲーム」以上の何物でもない(、他人がやってるコンピュータゲームを横で見させられている感じ。もつべき感想は「早く終わらないかな」。と言って、この終わり方で納得いくわけもなし。まさに、我々が納得しようがしまいが、(竹本健治が「ウロボロスの偽書」で書いたように)作者が終わりと言えばそれが終わり、なんだよなあ。
[DVD(字幕)] 4点(2009-08-09 16:47:41)
40.  スピード・レーサー
マッハGoGoGoを、愛すればこその作品なのか、それとも憎んでいるからこうなっちゃったのか。まー実にやりたい放題やってますね。しっかし、児童番組みたいなレベルのCGと映像、これだけでも困っちゃうのですが、問題の本質はそこにあるんじゃなくって、ドラマをひたすらセリフで埋めてしまうこのつまらなさ。映像上は色々とヘンなことやってみせるけど、作品のベースの部分があまりにも弱いので、どうにもなりません。まるで、すでに作ってしまった失敗料理に、後から一生懸命調味料を振りかけているかのような。チンパンジー君の名演技だけが救い。
[CS・衛星(吹替)] 2点(2015-03-13 09:12:18)(笑:1票)
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