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【製作国 : オーストリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  ありあまるごちそう 《ネタバレ》 
食のグローバル化の矛盾点を突いている。農業を大規模灌漑、遺伝組み換え技術等で工業化すれば、低コストで大量の農産物が収穫できる。多少味が落ちようと、多少健康不安を感じようと、安くて見栄えのよいものに飛びつくのが消費者心理だ。地元での消費量を越えた余剰農産物は、遠くに運ばれて、さらに輸出される。運ばれた先の土地では、安い農産物が大量に入ってくるので、農民は作っても売れず、生活が立ち行かなくな。そこでEUでは農家に補助金を出す。農家の収入の三分の二が補助金だ。こうして余剰農産物が大量生産される。余剰農産物は、昔は捨てられていたが、批判を受けて、今では大幅に値下げして、発展途上国等に輸出される。輸入した発展途上国の農業は荒廃の一歩をたどる。対等な国家間では自由に関税がかけれるが、発展途上国は先進国から資金や技術援助を受けているので、関税はかけれず、EUの言いなりだ。生活できなくなった農民は、働き口をEUに求めて、低賃金労働者となる。これがEUの“歪んだ”食のグローバル化が、飢餓と貧困を輸出する仕組みだ。珈琲などの輸出向農産物の価格は、ネスレなどのメジャーが価格を決めてしまうので、生産者の利益は低く抑えられてしまう。従って、末端の労働者は、いつまでも貧しいままだ。本作品では、その一端を見せているに過ぎない。食の輸出入は適度に抑えて、地産地消するのが望ましい。生産競争、輸出競争しだすと、結局、資本のある会社が一人勝ちするのだ。「安い肉を食べれるようになる」ことは一見喜ばしいことだが、その背景には様々な矛盾や問題が存在する。農作物を強引に輸出される国、農作物を強引に低価格で輸出しなければならない国の実状が描けていればもっとよかった。
[DVD(字幕)] 7点(2014-11-29 14:35:43)
2.  アイガー北壁 《ネタバレ》 
ドイツの山岳猟兵で登山家のトニー・クルツとアンディ・ヒンターシュトイサーの二人が主人公。山岳猟兵とは山岳部の国土防衛隊。アイガー北壁は未登頂で、ナチスは国家の威信を誇示するため、登頂者にはオリンピックの金メダルの授与を約束、登頂争いはいやが上にも盛り上がる。アンディは楽観的で挑む気満々だが、トニーは悲観的で登頂は不可能と断定する。そこへルイーゼが登場して、二人を説得する。彼女はベルリンの新聞記者で、二人の幼馴染。トニーとの間に淡い恋があったようだ。トニーは最初は否定するが、最終的に挑戦を決断、「自分のために登る」と言い切る。ここにこの二人と、ライバルである二人のオーストリア人との登頂レースが開始される。登山の描写、殊にロック・クライミングの描写は圧倒的な迫力で、この映画の魅力はここに尽きる。過去の山岳映画を寄せ付けない、最高峰だ。現地ロケと大冷蔵庫を使用したスタジオ撮影の融合は観る者を惹き込む、実に見事な仕上がり。まるで自分が主人公になったかのような寒気を覚えた。自然の美しさと、人間に牙を剥いたときの残忍さとが対比。精も根も尽き果てて、宙吊りになって息絶えていく姿は悲劇の影そのもの。荘厳な気持ちにさせられた。映像力の勝利だ。 映画は登頂レースの他に、ルイーザとトニーの恋、ルイーザと上司の関係、命より話題を優先するマスコミ、登山レースを見学する観光客等を挿入し、登頂レースの意味を浮彫にし、文明批判めいた奥深さを出そうとしているが、成功していない。トニーとルイーザの過去の描写がほとんどなく、どんな関係だったか、想像するしかない。だから最後にルイーザが上司から冷たい言葉を言われて会社を去る決意をしても心に響かないし、彼女が一人で救出に向かうなどの無理な演出もマイナス要因だ。 もう一つ。登頂の最中に、ライバルであったオーストリア人との友情が芽生えるのだが、この演出もいただけない。オーストリア人は最初から雑魚扱いなのだ。彼等に対するリスペクトがあれば、名作の類になっていただろう。
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-24 17:32:07)
3.  恋人までの距離(ディスタンス) 《ネタバレ》 
変った観点からいうと、夫婦喧嘩も役に立つことがあるということ。一種のバタフライ・エフェクト。運命が動き出した瞬間が夫婦喧嘩とは面白い。これは内容にも関係します。二人の人生には苦しみや悩みがあり、その中で最大のものが愛情が続かないということ。ジェシーは恋人と別れたばかりで、親は離婚している。セリーヌも恋人と別れて殺意を抱くほど憎み、祖母は夫でない人をずっと愛していたという秘密があった。それが恋に対する恐れとなり、お互い惹かれながらも恋心に制限をかけていた。だが話をしてみると会話が弾む、弾む。恋の初期段階の男女のマシンガン・トークショー。共に知的で情より理性にまさるタイプ。内容は哲学的なものが多い。ここで重要なのは別れるまで14時間しかないということ。恋愛のタイムリミットもの。心に制限していても、夕暮れの観覧車の中でついキスを。女性のほうから誘いますね。「私とキスしたい?」男は断れませんよ。いい雰囲気になったところで電話ごっこ。女性の方から告白。つられて男も告白。お互い目を見ながらは、照れ屋の日本人には無理。セックスも女性から言い出す。恋愛がスムーズに運ぶには女性がさりげなくリードするのが一番。ここまでくればソウル・メイトと気づきます。行きずりの恋なんて論外。それでも理性にまさる二人は、もう会わないつもりで別れようとします。が、ここで「もう一度会いたい」と男が言い。「そう言って欲しかったの」と女がキラーワード。情が理性の壁を突き破った瞬間です。爽快でした。やっと気づいたんですね。二人は間違いなく再会しますよ。ところで「運命の出会い」のための演出過多なのが気になります。占い師が女の未来を語り、「人はみな星くずから生まれた」と言う。女と同い年だった13歳の少女の墓。ミルクセーキのような甘い詩をプレゼントする詩人。「ここに来て」という歌詞のレコード。結婚式をイメージさせる教会。赤ん坊をイメージする誕生の踊り。環境が人間より強いと感じさせる絵。虹の中で死んだ祖父を見た。別れた恋人を殺したい欲望。無心論者とホームレスの挿話。ちょっとやりすぎでは?と思いましたよ。それとも恋愛にはこれくらいのしつこさが必要でしょうか。とにかく、これほど知的な恋愛映画は他に知りません。限りある時間は貴重、人生でも恋愛でも、ということも学びました。ところで牛の芝居を観たかったのは私だけ?
[DVD(吹替)] 7点(2009-09-20 09:05:23)(良:1票)
4.  ヒトラーの贋札 《ネタバレ》 
ナチスのユダヤ人収容所における紙幣贋造の実話を元にした物語。ベルンハルト作戦として知られています。主人公サリーは金貸しのユダヤ人で贋札造りの名人、刑務所にいたが、ベルンハルト作戦の現場担当者として収容所へ贋札造りが成功すればドイツ軍の勝利に貢献することになってしまう。だが成功しなければ銃殺刑。どうするか?普通に考えれば可能な限りのサボタージュ。それもままならぬうちに、サリーの技量により、ポンド紙幣の贋札造りは成功。終戦までに1億3200万ポンド(当時の全流通量の約10%)も印刷することに。ヘリツォーク少佐にお褒めの言葉をいただくとみんな笑顔に。命をつないだわけです。収容所で特別待遇を得てますから、生きることに一層執着します。次にドル札造りを命じられますが、その製作途中ににトラブルが発生。家族が収容所で亡くなったのを知った男が自殺未遂。肺病患者発生。肺病と知れると殺されるので隠す。妻の死を知ったブルガーはやけになりサボタージュと妨害、反乱まで企てる。何ヶ月経ってもドル札ができないのでナチスはいろいろと圧力をかけてきます。厚遇を受けていたサリーの立場も微妙に。遂に何人かが射殺されることになったとき、サリーがドル札を完成させます。が、本格稼動の前に終戦。ヘリツォーク少佐が最も興味深い人物でした。彼は優秀なビジネスマンタイプ。元は共産主義者でしたが、警察で手柄をあげ、時流に乗ってナチスに入党。常に紳士的な態度で暴力をきらい、人の扱いも心得たもの。物事を深く考えず、「必要とされる場で任務を果たす」ことが信条。サリーたちにもそれを求めます。戦争という非常時では、自分もこのような生き方をするかもしれないと考えさせられました。サリーは制約が多い中で仲間をかばい、何とか助けようとします。意見対立するブルガーも最後まで守ります。しかし肺病患者は銃殺され、自殺未遂者は自殺。それらのことで無力さを感じたのと、家族も殺されていることから、自由になった戦後も虚脱状態に陥ります。どのような生き方をしても報われない、それが命を奪い合う戦争というものの恐ろしさでしょう。戦争という巨人な悪の前では、主義主張や正義なども意味を失います。サリーたちがもしアーリア人だったら喜んで贋札を造ったでしょう。冒頭シーンで、主人公が生き残ることが分かってしまいますので、必要ないと思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-08 15:01:21)(良:1票)
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